深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Du point de vue de l'étranger~京都慕情'12~

kyoto_01.jpg
kyoto_02.jpg
Kyoto_03.jpg
Kyoto_04.jpg
Kyoto_05.jpg
Kyoto_06.jpg
Kyoto_07.jpg
【撮影データ】カメラ:R-D1s 絞り優先AE ISO200 、レンズ:1~4枚目;Bausch&Lomb Baltar25mmf2.5、5~7枚目;Unidentified Russian Cinelens 35mmf2.8 全コマ開放
さて、今宵のご紹介は、予告とちょいとばかし変わって、何故か佐原祭りの翌週末に日帰りで出かけた京都、祇園界隈のスナップをご紹介します。

この日は江戸を出る時、重めの曇り、名古屋を出た辺りから降り出し、京都に降り立った時には、かなりの雨量だったのが、古門前通りの用務先で雑談なんかしていたらいつしか上がって、陽は傾き出しましたが、元々、暗めの環境には滅法強いR-D1sのこと、勝って知ったる他人の家の如き、祇園界隈でのスナップを敢行した次第です。

今回は、先斗町みたいな表通りなのか、裏通りなのか、はたまた路地裏なのか区別が付かないような環境での接近戦が想定されたため、28mm未満のクラスでは定評有るBaltar25mmf2.5のパンケーキと、まだ未発表のロシア製レトロフォキュタイプシネ35mmf2.8での短期決戦とした次第です。

では早速実写結果見ていきましょう。

まず一枚目。

古門前通りから鴨川方面に出たら、細い川沿い木陰の散歩道のようなものを見つけました。

実はもう15回やそこらぢゃきかないくらい、この近辺を散策したり、スナップしたりしていたのにこの高瀬川沿いの小径は初めての散策です。そりゃそーだよなぁ・・・だいたい時間に余裕が無い場合が多く、先斗町の路地?と祇園の花見小路をちゃちゃっと一通り撮って、もう地下鉄に乗って京都駅から「ぷらっとこだま」で江戸表へ戻るというパターンだったのですから。

しかし、今回は急な出張だったので時間をお金で買うが如き「ぷらっとこだま」が手配出来ず、普通の新幹線自由席のディスカウントチケットで安いのを見つけたので、それで往復することとしたので、時間的にも体力的にも余裕有り、結構冒険してみようぢゃまいか!?という気になったのです。

くだんの高瀬川の浅いが早い、いかにも清冽で涼しげなせせらぎの畔に由緒有りげな石碑と黒塀っぽい作りの飲食店がイイ雰囲気を醸し出していたので、一枚戴いたのがこのカット。

イメージサークルはAPS-Cでも光量的には殆ど満足行くレヴェルではありますが、ただ、中央のみシャープで周囲が流れてしまうというこのレンズの持つ宜しくないクセが表れてしまっています。

そして二枚目。

せせらぎ沿いの木陰の道を少し散策して、行き止まりになって大通り出てしまったので、再び、鴨川の土手に戻ります。

土手から河原を見下ろしてみると、無辜の市民各位が思い思いの楽しみ方で自然と接しているのが判り「運河と人情の町・深川」からやって来た旅人としては、否が応でも興味をそそられます。

そこで、いたいけな小々姐2人組が橋の様子をスケッチしていたので、後ろからそっと近づき、「スケッチ中お邪魔してすんません、橋を撮るとき、後姿入れちゃっても宜しいですかな?」とお伺いを立て、二名とも、固い笑顔ながら、首を縦に振ってくれたので、エイヤっとシャター切ったのがこのカット。

画面の中央付近に真っ黒けなTシャツと光沢有る化繊の白ブラウスという、R-D1sでなくとも非常に判断しかねる被写体にも関わらず、かなりイイ線の露出を導き出してくれたと思います。

ただ、ここでは先の「高瀬川」の石碑に比して、少し離れたところから「No Life」の文字にピンを合わせていますから、距離が離れた分、入射光が平行に近づき、そのため、見掛け上のイメージサークルが縮まり、周囲の光量が落ちたのかも知れません。

周辺は落ちるわ、ハイライトである白いブラウスと背景の空は殆ど飛んでしまったに等しいわ、ですが、それでも、中央のいたいけな小々姐達のシャープな描写と周囲の河原の石畳模様のグラデーションがなかなかイイ雰囲気を出しています。

それから三枚目。

未来の京美人?の小々姐お二方に心より御礼を述べ、その場を後にした工房主は先斗町散策と決め込むことにしました。

いつもは一本南の四条通側からアクセスするのですが、今回は三条通りから入ってみました。

ここは、まさに昼の顔と夜の顔が全く異なる日本最古クラスの歓楽街で、それでもやはり時代とともに構成するお店の方も変わってきて、「一見さんお断りどす」という類いのお店もだいぶ減ってきたと聞きます。

そんな由緒有る夜の街を真昼間散策して写真を撮るのに、どうすっぺかなぁ・・・と考えあぐねていたら、丁度良いエキストラさんが現れてくれたので、事情を話したら、後ろからついて来て写真撮って貰っても構わないですよ、とカップルの男性の方が嬉しい申し出してくれたので、かなりゆっくり目に歩いて貰い、何カットか撮ったうちのベストショットです。

まさにこういうシーンでこそ、25mmの玉、しかも周辺光量落ち傾向の有るレンズでの真価が発揮されたのではないかと思います。

こういう素敵なシーンに恵まれるとレンズも頑張っちゃうのか、周辺の流れは全く気にならないレベルに落ち着いています。

続いての四枚目。

親切なカップルにブログ名刺をお渡しして、鄭重に御礼を述べ、その場を後にし、いよいよ、京都の決戦場、祇園花見小路へと足を向けました。

かの大石蔵之助が遊興に明け暮れたという「一力茶屋」を左手に眺めつつ、石畳の道を進んで行きます。

しかし・・・とても気になったのが、やたら自動車の通行量が多いこと、そして・・・中国人観光客が溢れかえり、出勤途上の舞妓はんを追い掛け回したり、お茶屋や料理屋の店先の漆喰壁などに片手付きポーズ決めて写真撮ってみたりと書き連ねたらキリがないほど悪逆の限りを尽くし、地元の住民各位はもちろん、日本各地からの観光客からも大顰蹙を買っていたことは申すまでもありません。

そんな生き馬の眼を抜くが如き花見小路で一抹の清涼剤の如き、和製小姐2人組が目に留まりました。

そこでダッシュで追い縋り、「地元の方ですか?・・・え、違う、でも浴衣似合ってますよね、ここの前で一枚撮らして下さいな♪」とか、極めてライトにお願いし、快くお許しを得て、シャッター切った一枚。

お約束通り、ブログに採用させて戴きました。小生宛メールかブログのコメント欄に「管理者限り」でメアドでも書いて戴ければ、画像データお送り致しますので、お気軽に御連絡下さいね。

清楚な浴衣に背景の黒塀、そして、祇園祭のお札の類いがえも云われぬ季節感を醸し出しているのではないかと思いました。

更に五枚目。

浴衣の小姐お二方に心より御礼を述べ、名刺などお渡しし、更に奥へと進みました。

陽も暮れかけてきたので、途中でレンズを交換しました。今度は35mmです。

それから少し歩くと、黒壁と竹囲い、そして祇園祭りの提灯と、いかにも京都のお茶屋さんっぽい造作があったので一枚戴きました。

入口まで歩いて行って、よくよく見てみれば、御茶屋ではなく、手工芸品の展示即売とお茶はお茶でも正真正銘のお茶を飲ませるカフェ的街角美術館みたいなものだったようです。でも、業態が変わったとは云え、太古の昔からの雰囲気を大切にしているのは、素晴らしいことだと思いました。

さすが焦点距離35mm、35mm用のシネレンズ、APS-Cサイズの撮像素子との組み合わせでは、全く危なげなところがありません。

まだまだの六枚目。

35mmのレンズに交換し、かなり退いて撮れるようになったので、それに相応しい被写体を物色しながら、中国人、韓国人観光客達の溢れかえる石畳の道を、ひっきりなしにやって来るクルマを避けつつ歩きました。

すると、花見小路から右へ曲がった小路へと曲がりかけた浴衣の小姐2名組を見掛け、ここでもダッシュで追い縋り、一枚撮らしてと交渉しました。

ここでは、嬉しいことに「お兄さん、写真旨そやから、モデルんなる代わりにうちらのスマホでベストショット撮って!!」とか頼まれ、ハィハィ、そんな嬉しいお申し入れなら、と、また調子に乗ってやれ、もうちょい右に寄ってだとか、やれ笑顔が固いとか、好き放題意見を述べて、まず見本代わりに撮ったのがこのカット。

背景、ポーズともども、即席で撮ったにしては、なかなかだと自分では思ったカットだったのですが・・・この後、お隣の国の破廉恥なお客様により、とんでもない出来事が・・・

R-D1sの背面モニタでお二方にお見せしたら、「うっそぉ、え~、はよ、スマホで撮って、撮って☆」とせがまれ、またしても、色々と演出上の注文を付けて撮ろうとしていたら、中国人観光客数名がやって来て、私達も撮らして欲しい、とかたどたどしい英語でリクエストしてきたんで、小姐達にどないしますねん?とか聞いたら、まぁ、しょうがないやろ、うちら目立つし・・・とか云ってOKしたのが運の尽き、初めは大人しく小生が撮ってた横で控えめにシャッター切ってたのが、画面向かって左の小姐が自前のデジカメをポーチから取り出して、ほな、これでも頼んます、ということで、ポーズ決めてたら、図々しいモノホン小姐がぶ厚い眼鏡かけて、あろうことかお二方の真ん中に中腰で入り込み、ピースなんかして写りこもうとしたんで、さすがの和製小姐もこれにはキレて、「え~、何これ、ウチの記念写真になんでこんな得体の知れないオバハン入りこまなならんの~」と声を荒げたので、英語でキツめに注意し、どかして、さっさと撮ってお二方を逃がした、という次第です。

最後の七枚目。

その後も花見小路を散策しましたが、とにかく、冒頭書き記した通り、中国、韓国からのゲストのマナーの悪いこと、悪いこと、まさに"旅の恥は掻き捨て”というタイトルの寸劇を、考えられ得るパターン全てで見せられているキブンでした。

そこで、小生がやたらに無辜の日本人女性に声を掛けて気軽に撮ろうものなら、またしても、迷惑行為を誘発してしまう危険性があるので、この危険地帯での声掛け運動はいったん取り止めにして、自然な風景のみあちこちで撮り、小路を出たのです。

すると・・・そんないじましい心がけが天に通じたか、花見小路の入口付近で、またしても美形の小姐2名組を発見しました。

そこで声掛けてしまいましたが、地元の方らしく「う~ん、顔出しは堪忍な」ということで、歩く後ろを至近距離で撮らせて戴く、という了解を戴き、程好いところでシャッター切ったのがこのカット。

でも、これはこれで可愛らしい髪飾りや粋に団扇を斜め挿した京娘の美意識の一端を捉えられたので、結果的にはオーライだったのではないかと思います。ホントは裏表両面撮って、表面は「写真展で」とかPRもしたかったのですが。

今回の感想は、やはり京都は広角です。或る程度間合いを取って撮るのが常態である江戸ではスナップは35mm、50mmの天下ですが、やはり狭い小路と独特の街の美意識みたいなものを上手く捉えるには、35mm以下の広角主体でフリートを組むようにした方が効果的かなと思いました。

さて、次回は、夏恒例のキャンプ座間の夏祭りの様子からレポートしたいと考えています。乞う御期待。

テーマ:旅行の写真 - ジャンル:写真

  1. 2012/08/05(日) 23:11:58|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<Summer day with foreingers~Camp Zama Festival'12~ | ホーム | Il DNA è stato lasciato alle spalle il più denso di Edo~佐原夏の大祭'12②~>>

コメント

高瀬川

高瀬川
いやーいつ見ても良き風情で撮りますねー
バルターの特性もよく出て見事ですねー

この盆休み中に1000mm仕上げて郊外にでも車で出かけて撮ってきますかね=

ついでに長焦点レンズみんな持って撮ってくるのも面白いのかもしれませんが?
  1. 2012/08/10(金) 16:22:11 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

Re:高瀬川

hiroさん
有難うございます。

25mm級はスピードパンクロが24mmと25mm、そしてこのバルター25mmとキネタル25mmを改造して所有していますが、写りが完璧過ぎるスピードパンクロ兄弟よりも、こちらの方が使いようによっちゃ面白いカット撮れますし、キネタルはそもそもイメージサークルがAPS-Cでもケラれちゃいますから、実質M3/4用の恐ろしくシャープな標準レンズと見た方が妥当かも知れませんね。

それはそうと、1000mmなどという空恐ろしい玉が、着々と完成に向かっているのですね。

お盆明けの18日の土曜日に横田基地のフレンドシップデーに何人かで行こうとかいう話しもありますから、バズーカ代わりに背負って行かれますか?(笑)
  1. 2012/08/10(金) 22:44:08 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

座間の写真をみてからコチラにくると、モノクロでは定評のあるズマロンでも、圧倒的に色の出方がこちらシネレンズのほうが安定していると見えます。
それでも、時たま垣間見えるズマロン・サン半のこってりした色ノリ(別冊・写真工業ライカレンズの特集グラビアページ・参照)もそれなりに魅力的ですが、製造年代も大きいのでしょうか。
  1. 2012/08/18(土) 21:10:23 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。

まず、モノクロだと性能の良さが際立ち、カラーでは発色が渋すぎ、それほどではないという玉と、ポジでもネガでもカラーでは色ノリもコントラストもバッチリなのに、モノクロ、特にイルフォードのXP400とか、今は亡きコニカのセピアフィルムだと線がボヤ~として全体的にメリハリが皆無で、眠くなってとても鑑賞に堪えないという玉がありました。

個人的な経験から申せば、前者の典型例がLキャノン28mmf2.8とか沈胴ズミクロン50mmf2など、後者がヤシコンT2のゾナー38mmf2.8、コシナレンダーのカラーヘリア50mmf2です。

また、もうひとつの問題として、デジタル素子との相性の問題があるのではないかと思います。

例えば、フィルムとは焦点面の反射率や反射面の色が違いますし、CCDやCMOSはシリコン素子を使う関係上、フィルムよりも赤外域での感度が高く、青色域での感度が相対的に低くなる傾向があります。

それが、硝材、コーティング、更には入射光のテレセントリック性などにも関わってきますから、ほぼ同じような年代の35mmf3.5と35mmf2.8でも発色の差という目に見える形で表れたのではないでしょうか。

しかし、このロシア製のレトロフォキュレンズはヘッドだけなら、今や高騰し続けるズマロン35mmf3.5の5分の1もしません。
  1. 2012/08/18(土) 23:56:13 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

夏の京都も行ってみたいですね。

着物の女性が良い感じですね。
さすが撮りなれていらっしゃる。

それにロシアンレンズも発色豊かでびっくりです。

それはそれとして

>今回の感想は、やはり京都は広角です。或る程度間合いを取って撮るのが常態である江戸ではスナップは35mm、50mmの天下ですが、やはり狭い小路と独特の街の美意識みたいなものを上手く捉えるには、35mm以下の広角主体でフリートを組むようにした方が効果的かなと思いました。

次に京都に行くときはこのコメントを参考に35mm主体で行こうと思います。確かに背景を考えると50mmでも狭く感じる写真があったのですよね。自分のデータを見ると。

それでも、何かの時に、と85mmとかを持ちたくなるのは何かの業でしょうか(笑)
  1. 2012/08/19(日) 21:54:50 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #liuN1Pm2
  4. [ 編集]

Re:夏の京都も行ってみたいですね。

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
京都はやっぱりイイですよね。

この日は本文中でも述べたように日帰り出張ベースだったのですが、それでも、広角2本はイイ仕事してくれました。

因みに着物の女性は撮り慣れているというほどではなく、だいぶ、話術と"なりきり"が上手くなった成果と見るべきではないかと思いましたよ(汗)

この時、実際、カバンには、50mmがスピードパンクロ、40mmがバルターと隠し持っていたのですが、25mmのバルターと35mmのロシアンレトロフォキュで充分事足りてしまったようです。

これが泊りで鞍馬や嵯峨野の方まで足を伸ばすならば、もっと違った焦点距離も活躍の場が有るのかも知れませんが、濃密な美意識が支配する祇園近傍では、やはり35mm以下が標準と考えるべきなのでしょうね。
  1. 2012/08/20(月) 23:11:49 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/tb.php/284-dd177224
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる