深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

関東三大祭り・先鋒~石岡のお祭り2012後編~

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【撮影データ】カメラ:Fuji X-Pro1 絞り優先AE ISO Auto、レンズ:Rodagon80mmf4改NikonF改ライカM
全コマ開放
さて今宵のご紹介は、いよいよ、工房待望の新兵器、Fuji X-Pro1の実戦投入ということで、佐原祭りに先駆けたフィールドテストも兼ね、ミラーレスの利点であるライブヴュー機構、しかも高精度のEVF経由での撮影を活かし、今まで一眼レフで使っていたRodagon80mmf4をニコンF→ライカMマウントアダプタ経由純正Mアダプタ付きのX-Pro1に装けての終日撮影に臨みました。

実は写真愛好家の仲間内では、APS-Cのミラーレスについて、二つの派閥?が有り、最大派閥が云わずと知れたNEX派、そしてもうひとつが、GX-R+マウントユニットA12M派です。

小生は、撮影スタイルからすれば当然、レンジファインダ機と同位置にアイピースがあり、デザイン的にも洗練されているNEX-7に心情的に惹かれるものがあったのですが、ただ、この機種、マウントアダプタ経由のレンズ遊びにはやや冷淡なようで、純正レンズ以外のライカマウントレンズなど使用しての撮影では、対称系の広角系を中心に色カブリや金メッキ接点の映り込み、或いは斜光の周辺光落ち等々なかなか難しい問題がありそうで、フジの新製品が出た時、メーカーの販売戦略次第では、戦力になるかも!と少なからず期待を抱いていました。

そして、販売から半年近く経ち、値段もこなれ、純正Mマウントアダプタも出回って来たので、場合によっては、長年良く働いてくれたR-D1sを他にご奉公に出し、これと入れ替えてもイイかなと思い、遂に導入した次第です。

何回か浅草や豊洲など近所で半日以内のフィールドテストした結果、なかなか使えそうだとの心証形成が出来、初見参ながら、その名も名高い石岡のお祭りにM8の伴走機として持ち込みました。

では、未体験のRodagon+X-Pro1のハーモニーをとくとご賞味あれ!

まず一枚目。

土曜日は8時半くらいまで石岡に留まり撮影し、翌日曜日は宿営地である、土浦の駅至近のビジネスホテルから10時半過ぎの常磐線下り電車で石岡へ"出勤"しました。

着いてすぐの11時頃はまだ市内中心部の道路の交通規制は解除されておらず、歩道も祭り衣装の市民各位がまばらに行き交うくらい、物々しくカメラを二台も提げ、鵜の目鷹の目で被写体を求め歩道をキョロキョロと歩く工房主はさぞや不審人物だったに違いありません。

そんな中、人々は祭りの中心地、常陸總宮へ向かっているらしいことが判ったので、ネタを求め、周囲に目を配り続けながらも早足で神社へと馳せ参じました。

まずは傑作をモノに出来る様、本殿にお参りしてから、頭の中でゴングが鳴ります。

お参りを終え、本殿を降りてすぐ、チャンスの第一波がやって来ました。

如何にも人の良さそうなお爺ちゃんが極小姐をあやしていて、かがんで極小姐に笑いながら手を振ってみたら、こっち向いて手を振り出したので、こうれればこっちのもん、お爺ちゃんにあのぉ、将来の常陸美人さん一枚撮らして下さい、と云ったら、ぢゃ、記念のオレも!ってカンジでシャター切ったのがこのカット。

たぶん1.5m以内でのカットではないかと思いますが、EVFのクロップ拡大で極小姐の前髪の分け目にピンを合わせて撮ったので、このキューティクルまで写っていそうな超精密描写になった次第です。

これだけシャープなのにも関わらず、背景もそれほど酷い2線ボケにはなっておらず、やはりローデンシュトックという会社は地味ながらレンズに賭ける情熱はツァイス、シュナイダーには決してヒケを取らないと改めて思い知らされた次第です。

そして二枚目。

お爺ちゃんと将来の常陸美小姐に心より出演御礼を述べ、その場を後にし、幸先の良さに小躍りしたいキブンを押さえ、次なる得物を境内で物色します。

すると、居ました居ました、AKBに居てもおかしくなさそうな小綺麗でカンジ良い小姐が獅子頭の横で手持ち無沙汰にしています。

そこで、ちょっと獅子頭に告ってるみたいなカット撮らせて、と少々難題を吹っ掛けてみたら、あ~ら不思議、ご覧の通り、ごく自然に、俯き加減で耳を傾けているかのような獅子頭像に愛を囁くようなカットに上がっちゃったって次第です。

ピンはEVFのクロップ拡大モードを利用し、小姐の睫毛で合わせましたが、いやはや難しいこと。拡大倍率が高く、範囲が極めて狭いので、ブレちゃって、なかなかピンの山を掴みづらかったのです。

でも、たぶん、苦心惨憺して距離計連動加工しても、ここまでのピント精度は出るものやら・・・

それから三枚目。

何故か場慣れしている?美形の小姐に心より協力御礼を述べ、その場を後にしました。

実は当日の朝、結構晴れていたのですが、いわゆる「狐の嫁入り」現象が頻発し、さすがに電子機器たるデジカメを二台も裸で抱えていたら危機感を感じましたので、信徒会館みたいな建物の軒下に避難し、そこから得物を狙います。

こういう時、実焦点距離80mm、APS-Cの補正画角では約120mm相当になるので、知らんぷりして傑作をモノにするのにも便利です。

親娘で祭りに参加している幸せそうな組が目に留まったので、娘さんが呑み終えたアクエリアスのアルミ缶だかを親御さんの目の前で力任せに絞り上げようとしている瞬間の表情や姿勢が面白かったので、抜き打ちの一発で戴いたのがこのカット。

エッジが切れるほどシャープなアポロダゴンに較べればまだまだマイルドですし、背景と着物の色調が似ているのであまり浮き立ち感は目立たないですが、それでも、開放でf4とは云え、80mmの望遠の間合い感は良く出ているのではないかと思います。

またここではキセル爺の長閑な雰囲気が柔らかなボケとなって、なかなか小憎い演出となっているのではないでしょうか。

続いて四枚目。

境内で思う存分撮ってから、そろそろ市内の主要地区も車両通行止めになっただろうと見当を付け、神社を後にしました。

すると、次なるラッキーは、何と初日に駅前で「ハィハィ写真撮って下さいね♪」とか派手なパフォーマンスを繰り広げていた「飛扇会」のキレイどころが出撃前の小休止をしていたのでした。

そこで、目の届く範囲でノリが良さそうな若いハデ目な小姐2人組みに声を掛けて、出演交渉、会の宣伝もさせてねってことで2人が編み出したポーズがこの口元隠しのお揃い首傾げポーズ。

おぃおぃ、自分ら、平安時代のわらわはイヤぢゃとかのたまうお姫さんかよ!?とかファインダ覗きながら、軽口叩いての撮影です。

撮ってるうちに背後からヒューヒューとか口笛やらヤジなんかも飛び交い、結構目立ちたがり屋の愉快な小姐達の集団であることが判りました。

ここでもローパスレスのカメラでEVFのクロップ拡大で超精密合焦やったもんですから、髪の毛の生え際から、ファンデで塗り込めたお肌自然のテクスチャまであますところなく捉えてしまっています。

更に五枚目。

気の良いお二方にお礼とともに「美形揃いの深川祭りの金棒曳きでも先導勤まるくらいだぜぃ」とか目一杯の賛辞を述べ、集団の中で次なる得物を探すと、居ました、居ました・・・いたいけな小々姐と楽しそうに階段に腰掛け一服しながら語らい合う、これまたヂェニュイン美小姐が。

早速、歓談中に割り込み、お三方揃い踏みで一枚撮らしてよ♪と出演交渉。笑顔の二つ返事でこっち向いてポーズしてくれたのでキブン良くシャッター切ったのがこのカット。

ここでは、ややオーバー気味の露出レベルで肌の彩度が高くなり過ぎ、少々不自然な感無きにしもあらずではありますが、それでも、こういう派手目ないわゆる「記憶色」での描写はお祭り写真にはうってつけなのではないでしょうか。イヤならASTIAモードで撮れば済むだけの話しでしょうし。

まだまだの六枚目

代表格の小姐に撮影協力のお礼を述べ、自ら名乗って名刺を渡してその場を後にしましたが、小姐同士の集団の喧しいこと、やれ、自分達だけ撮って貰ってズルぃとか、え!?今の撮影、何かの取材とかだったの?とかそこそこ期待していたリアクションは有ったようです。

一時過ぎになって、そろそろ腹時計も鳴りだしたので、初日と同じ、ノスタルジー溢れる駅前食堂、福々食堂さんでランチにすべく、一旦、駅前まで撤退することとしました。

しかし、転んでもタダでは起きない工房主のこと、被写体を虎視眈々と狙いながら、絶えず辺りを睥睨しての駅前撤退です。

すると、天の助けか、たった10円ぽっちのお賽銭では申し訳無いくらいにイイシーンに巡り合う日です。

大通りの一本南の裏道で幌獅子車の天幕へ入りかけながら、知り合い?と談笑する健気なローカル小姐の姿が目に留まりました。

こうなったら、シャッターチャンスは千載一遇、EVFクロップ拡大での合焦ももどかしく、肉眼コントラスト検出モードでシャッター切ったのがこのカット。

お祭りの楽しさ、晴れがましさが目一杯詰まった、色黒の健康そうな小姐の笑顔が何故か、見る者の心を和ませるカットではないか、と個人的には思いました。

それほど精密にピンを追い込んでいないまでも、実用上は全く問題無いレベルまで撮れるX-Pro1のEVFの性能の良さにも改めて感心しました。

いけいけの七枚目。

福々食堂さんで美味しいローカルポークの肉野菜炒め定食を戴き、また大通りを西に向かいます。

すると、午後の一番眠い時刻、会社でも良く(というか毎日)経験しますがむしょうに眠気が襲ってきます。

さすがにイイ年こいたヲサーンが会社で昼のひなかに爆睡することは社是からも服務規程からも到底許されることではないでしょうが、お祭りの日、しかも頑是無い童子となったら話しは別です。

幌獅子の心地好い揺れに眠気を誘われたのか、完全に夢見る極小姐状態です。

実は沿道を埋め尽くすアマチュアカメラマン各位も、その眼は節穴であろう筈もなく、小生のみならず、十数名がこの天性のスター的小姐のいたいけな寝顔を撮っている筈です(笑)

ところで、このカットで改めて驚いたのが、このX-Pro1のセンサーのダイナミックレンジの広さで、ハイライトである居眠り極小姐の白い涎掛け?がギリギリ飛ばずに粘っていますが、一方、車内シャドー部の別の小々姐が気遣うような表情で覗き込んでいる様子が余すところなく捉えられています。

最後の八枚目。

大通りの西の外れまで歩き通し、突き当たって、南北に走る街道まで出ました。

すると、ここでは何台かの山車が神楽みたいな演じ物を掛けており、大勢の見物客が立ち尽くしていました。

そんな中、相も変わらず、鵜の目鷹の目、得物を探してキョロキョロしていたら、これまた美極小姐を肩にとまらせた若いヲヤヂさんが目に留まりました。

そこで後ろからお嬢さんをだっこしてるとこ一枚撮らして、と頼んでみたところ、またしても快諾。

ただ、当の本人は歌舞楽曲の華やかなる山車の方が気になると見えて、じっと視線を向けておられず、それならいっそと、遠くの視線を移した瞬間に一枚戴いたのがこのカットです。

撮った後、若いヲヤヂさんにもこのカット見て戴きましたが、ずいぶん不思議な写り方をするカメラなんですねぇ・・・とか妙な感心のされ方をしてしまいました。

メール戴ければ、お写真送りますので、どうぞご遠慮なく。

今回の感想としては、やはり、関東平野は広い! こんな素朴で大らかでフレンドリーな人々の暮らす街がまだまだ在ったとは。来年も伺いますよ! 佐原、川越、石岡、栃木、この四つのお祭りは工房主の頭の中では人懐っこくノリのイイ人々の晴れ舞台としてしかとインプットさせて貰いましたよ。

さて次回は何をご紹介しようかな?土曜日の天気で考えることとしましょう、乞うご期待!

テーマ:日本の祭り - ジャンル:写真

  1. 2012/09/23(日) 21:00:00|
  2. 旅写真
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望遠レンズへの、新らたなるシフト?

新カメラでの深川・初掲載、おめでとうございます。

(この組み合わせセットを8x10組合会場で偶然見せていただきましたが、ライカマウントへの組み合わせを持つ薄型ヘリコイドがアッサリと引き伸ばしレンズを撮影レンズに組み替える。ミラーレスだと、こんなにも易々と変換するという見本を目の当たりにしました。また、分解清掃したというヘリコイドの感触は絶品で、このような些細な事でも撮影に際する条件としては特筆に値すると思います。
そして、早速お借りしてnexで撮影させていただきましたが、会場の人口光源下での被写体分離に優れた特徴があると、数点のカットでしたがとても感心しました。それは、ぐずぐずになりそうな背景ボケをしっかり整える力を、丁度このロダゴンが会場の照明を適切な光源として、引き伸ばしレンズの性格上の機能として備えているのではないかという事でした。…逆に、自然光を光源にして引き伸ばしした写真家も居ることはいましたが…。)



今回の掲載スナップですが、一枚目・八枚目などは背景ボケも手ごろで、Y/C 100mmf3,5のようなシャープなイメージです。レンズもちょうどそのようにコンパクトなのは、むしろSニッコール10,5cmf4かSキャノン100㎜f3,5に近いイメージです。しかしながら描写は、ほかのカットはその開放絞り値のためか少々背景が重いような気がしました。
もともと重め描写のデジタル受光素子が、引き伸ばしレンズのボケの重みを増やしている感もあります。


フジの新型カメラですが、せっかく実像式ファインダーもあることですし、次回はカメラマウントの電気接点を解読して、その実像ファインダーを生かせるような新たな改造レンズへの足掛かりにしてほしいです。
あるいは他の手段として…。ライカMの新型もムービーが付いてライブ・ビューが入っているそうですし、これから更に乱戦のミラーレスだからこそ新たな「連動機軸への試錬」に向かって多く挑んでください(ライカMのご予約とか…)。










  1. 2012/09/27(木) 01:39:47 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

Re:望遠レンズへの、新らたなるシフト?

treizieme ordre さん

有難うございます。

今回のRF機に限りなく近い超高性能ミラーレスの導入は、今までは機構上の制約で撮影に使えなかったレンズを距離計連動機構やSLR機の長いフランジバックという呪縛から自由にし、まさに何でも使えるようになったということで、或る意味、これまでの活動から飛躍的に"使える"レンズが増えた、ということに他なりません。

従って、距離計連動改造の出来るものは、M8、R-D1s、そしてライカ型の銀塩機向けに開発を行いますし、その一方で、ショートフランジバックでライブヴューという利点を活用し、今まで埋もれていたレンズを使えるようにして行こうと考えています。

先ほども、今まではマウントが極めて細い上、内筒(光学ブロック後端)と外筒(マウントスクリュー)が殆どクリアランスが無く、ライカと2.2mm程度しかフランジバックの差がないため、距離計連動機構を組み込むことが出来なかったロボット用Biotar40mmf2をMマウント(距離計非連動)→Xマウントとして一本作ったところです。

しかし、X-Pro1のOVFをどうこうしてというのは全く考えていません、というか、殆どEVF専用機で使っていて、幾らお金と手間が掛かっていようと、非純正レンズ使用には距離関連の表示が無いOVFは無用の長物でしかないからです。

一方、新しいライカのMには、物凄い期待をしています。

何となれば、あのカッコ悪い角というかたんこぶみたいなEVFの出来次第では、世界中のフランジバック27.8mm(=ライカM)以上の如何なるレンズも使え、ノスタルジックな銀塩のボディは"屑鉄"と化すインパクトを秘めているのですから・・・
  1. 2012/09/30(日) 15:48:23 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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