深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

新たなる楽天地発見~鹿沼祭り(後編)~

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【撮影データ】カメラ:R-D1s 絞り優先AE ISO200、レンズ:Baltar35mmf2.3C改M 全コマ開放
さて、今宵のご報告は、予定通り、前回に引き続き、写真家の楽天地、鹿沼祭りからのレポートです。

まずここで、何故、楽天地なのか?という問いに対する質問なのですが、まずは基本的に旅人に対しとても親切な風土が江戸時代からの例弊使街道沿いの宿場町で育まれ続けてきたこと、そして、地方都市には良くあることですが、子供たちがとても純朴で人懐こいということなのです。

では、早速実写例見て行きましょう。前回のX-Pro1の奮闘に対し、予備役入りを必死で阻止しようとするR-D1sの獅子奮迅の活躍をご覧下さい。

まず一枚目。

宿営地の宇都宮から、JR日光線で鹿沼入りしたら、JRの駅前でも山車が集合し、お囃子奏でながら、お祭りムードを盛り上げています。

そんな中で少しでも良い画、面白い画を拾おうと、鵜の目鷹の目で歩き回っていたら、なかなかかっ飛んだ祭り装束の小々姐2名が楽しくじゃれているではないですか。

そこで声を掛け、山車の前に勢揃い、はぃ、ポーズと一枚撮らせて貰ったのがこのカット。

さすがBaltar35mmf2.3、シャープさ、画面の均質性、発色、どれをとっても文句の付けようもない描写です。

そして二枚目。

とても人懐こい小々姐2名に心より御礼を述べ、次なる得物を探し、山車の群れの中を彷徨いました。

すると、二台もカメラ提げてキョロキョロと歩き回る見慣れぬ中年男が珍しかったのか、山車の上から、童子達が手を振って、ねぇねぇ撮ってよ~♪とかしきりに嬉しい勧誘です。

そこで嬉しくて、スキップして近寄りたいキブンを抑え、「ん、拙者に何か御用か?」とか渋がって聞いてみると、「新聞か何かなんでしょ?撮って、撮って!!」とか大はしゃぎ・・・でも拙者は新聞記者でもテレビ局でもなく、ただの自称カリスマブロガーなのだよ、とか云ったら、それでもイイから撮ってよぉ!とかはしゃぐので、それぢゃぁ、と遠慮なく1枚戴いたのがこのカット。

このカット、リーダー格で一番奥に鎮座まします、向かって右の小々姐にピンを合せて撮りましたが、面白いことに前は極めて被写界深度が狭く、ほんの30~40cmくらいで大ボケになってしまいますが、背景の3m近く後ろの大太鼓については、それほどボケてはいないようです。

それから三枚目。

サンキューね、とか云って別れようとしたら、え~でも、ホントはマスコミの人なんでしょ・・・?とかやたら疑い深く陽気な童子達に、ハィハィ、劇団ひとりならぬ、放送局ひとり、ね。ブログで鹿沼の子が有名になったら、スカウトさんとか一杯押しかけてきて、AKBならぬKNM48が出来るかもな、足りなきゃ、宇都宮か足利でも行って借りて来ような♪とか口からでまかせ云って、来年の再会を約し別れました。

いつまでも大きな荷物抱えてJR駅界隈でネタ探ししていても仕方ないですから、まずは帰りのルートである東武の新鹿沼駅まで行って、荷物を預け、切符を押さえとかねばならないですから、駅前広場を後にし、街道を市内に向かって歩き出しました。

すると・・・期せずしてまた良いモデルさんが千客万来状態です。

すれ違いざま声を掛けて、歩道上に並んでポーズをとって貰いました。

小々姐2名もなかなかの器量佳しで、この2人だけでも十分画にはなりますが、このスキンヘッドの童子がキーです。

今時、こんな一休さんというか、マルコメ味噌実写版みたいな丸刈り、もとい丸剃りの童子なんかまず見かけません。そして、この表情・・・面白いですね、演技派ですね。後で背面モニター見て何度も笑わせて貰いました。
このカットでは1.5m以内の撮影で、被写体との距離は近いですが、それ故か、背景のボケが若干ニ線ボケの傾向を示し、ちょっとうるさくなってしまったのが残念と云えば少々残念でした。

続いて四枚目。

あまりの幸先の良さにほくそえみながらそぞろ歩いていたら、いつの間にか市内を南北に走るメインストリートに辿り着いていました。

ここでも、荷物置くまでは絶対撮らないとかいう頑な姿勢での撮影行ではないですから、面白そうな、ヒト、モノが視界に入れば、すぐ撮るか、出演交渉です。

と・・・居ました、居ました。なんぢゃこの面白い姉弟は!?

お姉ちゃんはすっきりお醤油顔の典型的和風美人なのですが、弟の方はと云えば・・・何だか売れないお笑い芸人か、タイのビーチ辺りを回ってコメディやってチップ貰ってるドサ周りコメディアンみたいで、見てるだけで笑えます。

そこで、美女と野獣ならぬ、美女とお笑いってカンジで、お姉ちゃんに声掛けたら、アタシだけでイイんですか?とかつれない事を云い出すので、うんにゃ、兄弟仲良くが原則だょぉ~とか必死に笑いを堪え、お願いし、撮影にこぎつけたのがこのカットです。

ここでは、先ほどのカットよりは若干、被写体とのクリアランスをとったので、背景の山車は若干芯が残っているかな、くらいの大人しいボケで、あまりに主題がキツいせいか、あまり気にはなならいのではないでしょうか。

更なる五枚目。

笑いを必死に堪え、撮影協力の御礼と、いつまでも仲良くね~!とか心よりお世辞を述べ、その場を後にし、東武の駅へと向かって歩いて行きました。

すると、メインストリートに接したお祭り広場の裏側が芝生広場みたいになっていて、いたいけな童子達がぴょんぴょんと飛び回り遊んでいます。

そこで、蛍光ピンクの法被を着た極小姐が遊びつかれて、おばぁの元に戻って来たのを見計らい、なかなかオシャレな法被が決まってますなぁ、一枚撮らして下さいね♪とかお願いし、まぁまぁ良かったわね☆とか喜ぶおばぁを横目に、本人はさっそくピースでいつでも撮ってね状態の極小姐をほぃぢゃいきますよ、と撮ったのがこのカット。

ここでは、実はピンは一般的な目でも鼻のてっぺんでもなく、鉢巻の上のおでこの生え際に合せています。
その代わりといってはなんですが、背景は完全なニ線ボケでくらくらしそうですね。

というのも、R-D1sのシャープさって、X-Pro1とどのくらい違うんだろう、と思い、ほんの遊び心というか出来心で生え際を撮ってみたというだけのハナシです。

でも、やはり、必要充分なシャープネスは備えていました。何せ、500万画素クラスと1600万画素クラスでも良い戦い見せてくれますからねぇ・・・

まだまだの六枚目。

ご本人とおばぁに心より協力御礼を述べ、駅への道を急ぎました。

すると・・・え~真夏の深川祭りならいざ知らず、素肌にサラシを巻いただけの女衆が市内ど真ん中を正々堂々と闊歩しているではありませんか。

こんな珍しい風景なんざ、滅多に撮れるもんぢゃありません、でも、カッコがカッコだから、断られて元々と思い、声を掛けてみれば、笑顔でOK、それぢゃぁ、ってことで、山車の前に並んで貰って撮らせて貰ったのがこのカット。

白いサラシに藍染の前掛け、サラサラとした黒髪という純和風のいでたちに髪の極彩色のコサージュがとても清潔な色気を発散していて、出会えてラッキィ!!と思いました。

最後の七枚目。

駅の直前で、また、おやつ?を食べながら楽しそうにそぞろ歩きする小々姐2人組が目に留まりました。

そこで、またしても調子に乗って声を掛けて呼びとめ、一枚撮らしてね攻撃です。

向こうの子供達はもう慣れたもので、首なんか傾げたちょっとキュートな表情も、変型ピースみたいな指使いなんかも、なかなか決まってますね。

前回、今回ご紹介したのみならず、鹿沼の初訪問では一ヶ月、丸々鹿沼編で人物スナップだけ紹介しても充分繋げるくらいご協力戴けました。

この殺伐とした世の中、こんな純朴でのんびりとした牧歌的な街の存在はまさに、政治面、経済面のみならず、精神面でも疲弊しきった日本という国に於ける一縷の曙光かも知れません。日本の元気はまず地方の活性化から・・・これが関東近郊のお祭りを巡って、様々な人と巡り合い、語らい合って感じた、ひとつの思いです。

さて、来週からは、お祭りシリーズ総集編の佐原秋の大祭を前後編に亘りお送りします。乞うご期待。

テーマ:日本の祭り - ジャンル:写真

  1. 2012/10/14(日) 23:38:50|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

すばらしい楽天地ですね♪
うらやましい限りです・・・・・・笑

しかし、今回の写真のほうが
シャープに見えますが、私は目が悪いんですかね・・・(^_^;)

フジのほうは、解像度が高い割には
肌の感じが普通っぽい気がします。
(フィルムだと、レンズの解像度で肌の感じが
結構変わって見えるので)

パルターは、シャープなレンズですね。
私も30mmが1本あるのですが
宝の持ち腐れ状態になってます・・・(^_^;)
  1. 2012/10/15(月) 17:32:57 |
  2. URL |
  3. やまがた #mQop/nM.
  4. [ 編集]

やまがたさん
お久しぶりです。遠洋マグロ漁船の航海から戻られたのでしょうか(笑)

さて冗談はさておき、ホント、鹿沼は良いところです。或る意味、沖縄の那覇辺りの子供達よりもまだ純朴でサービス精神旺盛かも知れません。同じ南東北地方なのですから、たまには遊びに来て上げて下さい。

ところで、R-D1sの方がシャープというか、リアルに近い画となるのは、一概に画素数やローパスフィルターレスだけぢゃない・・・ってことを半ば老朽機化したこの相棒が教えてくれているのかも知れません。

何せ、三倍近い画素数、即ち、同じAPS-Cサイズですから、単位辺りの画素もかっきり三倍になるから、もっとX-Pro1の方が緻密な画となっても良さそうですが、発色が艶かしく、コントラストがちょっと高めというだけで、心地好いコントラスト、エッジの表現等々、まだまだR-D1sの方が優位なような気がします。

ただ、このR-D1sはメーカーにファインダ調整出した時、ブラインドサンプルとしてJPEGS生成辺りのソフトウェアレベルで何らかの改良を施されている疑いが排除出来ないので、市販のR-D1sも同じか、と問われたらこれもまた自信ありません。
  1. 2012/10/16(火) 23:14:31 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

これでファインダーがずれなければ・・・。

R-D1sも十分一線で活躍できるのですけどね。

色合いとかが自然に見えるのはR-D1の方ですが、X-Proはレンズの素性が見えてくるというのか、精密になる分デジタル写真的な映り方になる様に思います。

プリントするとどっちがより満足できる写真になるのでしょうねえ。
  1. 2012/10/17(水) 12:32:15 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #liuN1Pm2
  4. [ 編集]

Re:これでファインダーがずれなければ・・・。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。

確かにR-D1系列は発売当時は、志も高く、ユニーク性も高い、孤高の存在でしたが、作った側が遊び心と思ってコストを掛けてまでくっつけた機能が却って首を絞めてしまったところがあります、その第一がセイコーシャリオのムーブメント2つ使って作ったという針式インヂケータ、第二が巻き上げ機能、第三が反転背面液晶板です。

とりわけ、M8が出て、マイクロフォーサーズ等ミラーレス機が出てきて、脇の甘さが目立つようになってしまいました、その際たるものが、一番、単体パーツとしてはお金を掛けている筈の光学ファインダです。

余計なものにお金を掛けず、もっと地道にレンジファインダー機に求められているものは何か謙虚に自省すれば、本実写例が示す通り、画像処理エンジンのチューニングは極めてハイレベルなのですから、もっと息の長いベストセラー機となったはずなのです。

しかし、プリントでの優劣をX-Pro1とつけるとしたら、これはかなり難しい問題です。

気まぐれR-D1sは1800万画素のEOS 1DsMKIIよりシャープな画を吐き出すこともありますし、撮影条件によっては、画が荒れてしまい、とても人様にお見せ出来るレベルではない画を吐き出すこともありますから。
  1. 2012/10/17(水) 22:59:34 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

がちがちの写りで、スーパーバルターを彷彿させます。もっとも、レンズ自体どういった違いがそれぞれあるのかわかりませんが、標準的なバルターでも、今回撮影分はともかく最終期近いモデルなのかな?とも思ってしまいました。
永らく所有していた非球面直前のズミクロン開放など、1970年代後期設計(?)にしては全くふんわりした周辺の落ち具合でしたし、画角を考慮してセンター付近の描写としても、ここまでピント芯がなかった・・・とおもえば、もしかしたらデジとフイルムの違いもおおきいのかな~、なんてことも考えてしまいました。

あとは、35mmの画角でも、開放だと背景がかなりぼけてピントの深さがわかりますが、もう一方ではやはり広角そうな圧縮感があって、この手のカメラの標準レンズ選択に悩んでしまいそうです。ですので、35判シネにある40mmというレンズにも興味を持ってしまいます。

では、これからも撮影に大いにお励みください。



  1. 2012/10/21(日) 15:23:53 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。

このBaltar35mmf2.3は、同レンジのGauss Tachar32mmf2.5と並び、35mm映画用の広角レンズでは最優秀レンズの部類に入ると思います。

何とならば、中心部の解像度が高いのは勿論のこと、周辺まで流れ、崩れが見当たらないですし、135判の43mmのイメージサークルも何無くカバーしてしまいます。

これがプラナーやらクセノン、そしてスピードパンクロであれば、40mmからになるので、その性能の高さは推して知るべしと思います。

実は、このUS Goertz製の銘玉の腹違いの兄弟に当たるAstro-Berlin製のGauss-Tachar32mmf2と同40mmf2をもう手配してあります。

うまくすれば、今は改造パーツも潤沢にあるので、年内に2本ともデヴュー出来るかも知れませんね。
  1. 2012/10/21(日) 17:04:12 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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