深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

佐原秋の大祭ツアー'12~前編~

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【撮影データ】カメラ:1、2、4,5、6,7枚目;Leica M8、3、8枚目;Fuji X-Pro1、レンズ:1、2、4枚目:PO59-1 50mmf2、3枚目;Rodagon80mmf4、5、6、7枚目;Cine-Sonnar50mmf1.5、8枚目;Cine-Ektar40mmf1.6
さて、今宵のご紹介は、いよいよ満を持してお届けする今年のお祭りシーズンのクライマックス、関東三大祭りの頂点に君臨する「佐原秋の大祭」から前後編に亘ってお送りするうちの前編行きます。

今年は休日の暦回りがあまり宜しくなく、金、土、日と3日間に亘って開催されるうちの金曜日が平日となってしまったため、殆ど、土、日に賭けるというカンジでの撮影行でした。

前日の金曜の夜遅くに成田での常宿、京成成田駅前のアパホテルにチェックインし、翌日は10時40分の成田線で佐原入りし、ヲーミングアップ代わりに軽く撮ってから、いつのもランチスポット、「ロティスリー吉庭」さんで地産地消の意趣を凝らしたランチを戴き、途中でお仲間のhiroさんから今着いた!との電話を貰い、ランチから合流しての撮影行になりました。

今回の機材は、主力機のM8と、これまでのお祭り撮影行で慣熟をこなし、有用性が実証出来たことから、今回は日夜フル稼動して貰おうと、これまでの伴走機Zeiss Ikon ZMに代えてX-Pro1の出撃です。

レンズはこれまた、お祭りシーズン実績を積んで来た手連ばかりを選びました。50mmクラスが解像力の塊PO59-1と夜景の女王Cine-Sonnar50mmf1.5のそれぞれMマウント版、40mmクラスがFMAOこと40mmクラス最強の描写性能を誇るBaltar40mmf2.3改M、夜間の眼Cine-Ektar40mmf1.6、32mmクラスが総合バランスに長けるSpeedpanchro32mmT2.3改M、そして80mm望遠がこのところ、X-Pro1の専用レンズ化しつつあるRodagon80mmf4です。

では、土曜当日の行動に沿って、画を見て参りましょう。

まず一枚目。

駅に着き、勝手知ったる何とかではないですが、手っ取り早く画を撮りながら、「ロティスリー吉庭」まで辿り着けるルートを辿りながら、相も変わらず不審人物然としてキョロキョロ見回しながら歩いていたら、「清見屋」遺構に出る前のちょっとした商店街のお店で、いつもは平服の童子達がたむろして、カードゲーム?みたいなものに打ち興じてているのですが、さすがお祭りの朝、真っ赤な祭り装束も目に鮮やかな極小姐達が何らかのクイスゲームみたいなものに没頭していました。

そこで、極力陽気に歩み寄り、「一枚撮らして貰うよ、あ、そのままでお願い!」とかモデル勧誘と演技指導をいっぺんに済ますとちゃちゃっと撮ったのがこの一枚。

本人はゲームに没頭し、生返事でふぁ~ぃ♪とかいうカンジだったのですが、カメラを意識しなかったことで、却って自然な雰囲気で撮れたので、これはこれで良かったのではないかと思いました。

さすがM8+PO59-1のコンビ、シャープネス、コントラスト、赤の艶やかさ、幼子の肌の柔らかな質感・・・文句の付けようもない描写ではないでしょうか。

そして二枚目。

まだまだゲームに没頭する極小姐に「有難う、バィバィ♪」とか声を掛けてその場を立ち去ろうとすると、周りのハナタレ小僧どもが、え~オレ達せっかくピースとかしてるのに撮ってくれないの~とかブーイングです。しかし、お腹も空いているので、ぢゃぁ、また今度巡りあったらなとか適当にかわし、別れを告げました。

無事、ランチを食べ、同行のhiroさんとも合流出来、当日、いよいよ、馬力を上げての本格撮影です。

まずは大通りに出ることにして小野川沿いの道を南に下っていきました。すると川沿いの道の上で、早速、何処かの町内の山車と社中が華麗なパフォーマンスを繰り広げており、見とれる人々が居りました。

山車のパフォーマンスもさることながら、寧ろ周りの見物客の方が気になっていて、早速、真横で踊りに見とれる
いたいけな極小姐の真摯な眼差しを殆ど逆光にも近い条件ながら、一枚戴きました。

後でモニターを見たら、やはり、斜め前上方から射しこむ直射日光のため、古いロシアレンズは画面向かって右下に極僅かな虹状のゴーストを発生してしまいましたが、それにも増して、極小姐の髪、肌のエッジを光らせた秋の陽光の美しさが勝っていたため、採用とした次第です。

それから三枚目。

川沿いの道を大通りまで出て、30分程度、芸座連の生演奏と4人組の佐原囃子の手踊りなどを見物し、それから、佐原初訪問のhiroさんのため、名所旧蹟巡りということでもないですが、近くに無料休憩所もあることから、小野川を更に下り、「与倉屋大土蔵」まで歩いてみることにしました。

街の説明なども交え、雑談などしながら歩いていたら、来ました、来ました、祭り装束の小々姐2名連れが。

早速、笑顔で駆け寄り、この土蔵の前で一枚、観光写真撮らしてくれる? 良いよね? ぢゃ、はい、ここ立って、とかテキパキ指示し、ちゃっちゃっか撮ったのがこのカット。

後で気付いたのですが、このお二方、なかなかTPOを弁えていて、さすが伝統有る祭り衣装に身を固め、歴史的な大土蔵の前では"ピース!!"なんてやらなかったみたいです。

このカットはM8、X-Pro1の二台で撮りましたが、80mmを付けたX-Pro1のカットの方が僅かに小々姐たちのお姿が大きく写っているので、採用とした次第です。

続いて四枚目。

なかなか腰が低く、ホスピタリティーに富んだ小々姐に心より御礼を述べ、とりあえず倉の上まで見てから一行は小休止しました。

暫くしてから、もう一名のメンバーI運営委員殿が来られるまで日中、撮れるだけ撮ろうぢゃまいか?ってことになり、再び、大通り方面に戻ることとしましたが、来た道を戻ってもつまらないので、大土蔵の裏側の道を北へ上ることとしました。

このルートにも古いが手入れのしっかりした家作がそこここに在り、目を楽しませてくれると共に撮影スポットとしてもとても便利です。

すると、居ました、居ました、古い土蔵を改造した家作の前でいたいけな極小姐2名が小休止しているようです。

早速駆け寄り出演交渉です。

うん、いいよ♪ってことだったので、ハィ撮りますからね、ハィポーズと合図してシャッター切ったら、一名の闊達そうな極小姐はキチンと意図を理解して目線と微笑を向けてくれたのですが、もう一名の極小姐は我が心此処に在らずってなカンジのカットになってしまいました。

でも衣装、背景って道具立てはカンペキだし、いたいけな極小姐も愛くるしいからこれはこれで佳しとしましょう。

まだまだの五枚目。

hiroさんと所狭しと精力的に動き回って、撮りまくっていたら、時間は17時半も回り、そろそろ、秋の夕陽は釣瓶落としの喩え通り、このお祭りに華やぐ地方都市にも夕暮は近づいてきました。

メインストリートの一番西に近いエリアでは山車が内蔵電源による電照を灯し始め、いよいよ、夜祭への出撃準備です。

ふと目を凝らせば、遠い里山の上空の茜色の鰯雲越しの夕陽と電照の灯された山車の対比がとても暖かなものに見え、つい、シャッターを切りました。

夕暮前の時点から、日中のPO-59-1から夜の女王、Cine-Sonnar50mmf1.5にバトンタッチしているので、この程度の明るさであれば、難無く自然な画が撮れるワケです。

デジタル撮影にありがちな、いたずらに明るくなってしまうような不調法もなく、Carl Zeiss社製の戦時中の光学兵器は、見たままのえもいわれぬ雰囲気そのままを描き出してくれました。

まだまだの六枚目。

そのまま、明るく暖かげな山車まで吸い寄せられるが如く2人は歩いて行きましたが、そこでは、いたいけな童子達が無邪気に山車を遊び場として、創意工夫して遊んでおり、思わず童心に帰り、混ぜて貰いたいような気持ちになってしまったほどです。

なかなか器量佳しで、愛想も良い小々姐が居たので、ちょっと山車の前でみんな揃って写真とか撮らない?とか勧誘してみたところ、ワ~ィx2てなカンジで集まって、苦笑いする大人を尻目に山車の正面に座って、こんな陽気なポーズを取ってくれたというワケです。

こういうカットが撮れ、いや、こういう無邪気で人懐こい童子達と触れ合えるからこそ、佐原のお祭りは価値が有るのだと思います、決して、歴史的な山車や、お囃子、古い町並みだけではなく、江戸からの素朴で純真な心が今も脈々と息づいているからこそなのです。

更なる七枚目。

童子達にまた明日、どうも有難う!!とか心より御礼を述べ、その場を立ち去りました。

それから、19時半前に着いたI運営委員殿を駅までお迎えに出掛け、3人揃って、ウキウキ鰻屋へ出向きましたが、が~ん、あいにくの店仕舞いタイム、仕方なく、手っ取り早く開いている川沿いのお店で失意のディナーと明日の失地挽回を誓い、そそくさと勘定を済ませると、夜間撮影に出撃しました。

ところが、捨てる神有れば、拾う神有り、人生塞翁が丙午とは良く云ったもので、煌々と照らされた山車周辺や夜道のそこここでシャッターチャンスが待ち構えています。いや、気付く人間とそれを撮れる機材を持った人間には勝利の女神が微笑むと云い変えるべきかも知れません。

休止中の山車の遥か後方で、手持ち無沙汰で出番待ちの小姐がヒマに任せ、スマホンなんかでそわそわメールなんかしてるぢゃありませんか?

これは画になるわい♪とひとりごちて、気付かれない距離まで忍び寄り、第三帝国の光学兵器の威力を活かした、夜間の隠密撮影です。

予想通り、小姐はドンピシャにピンが来て、指先までシャープに捉えられていますが、背景の煌々と灯りを灯しに賑やかなお囃子を奏でる山車は非点収差と球面収差などが入り乱れ、ぐずぐずの発光物体と化してしまっています。

最後の八枚目。

ではそろそろ駅まで戻ろうかい、ということになり一行三名は小野川沿いの道を北に上って行きましたが、振り返りざまに見た、山車周辺の祭りの雰囲気というか空気がとても貴重に思え、来年夏まではもう見られないかと思うと、ふと寂しい気持ちにもなったので、その心を込めて一枚撮ったのがこのカット。

このカットはX-Pro1で当工房での夜間撮影用シネレンズではCine-Sonnar50mmf1.5の良きライバル、Cine-Ektar40mmf1.6による撮影です。

このレンズは通常の4群6枚のオーピック型ではありますが、夜間の発光体の撮影では、寧ろ3枚貼り合わせが2群も有る、Sonnarよりもすっきり描写し、Kodakが特定用途向けに他の光学メーカーにOEMで作らせたという曰く因縁もさもありなんという気になります。

さて、来週は後編、二日目、日曜日の夕刻までの限られた時間での撮影、夕刻には雨も降り出してしまいました、どんなカットが撮られていたのか? 乞うご期待。

テーマ:日本の祭り - ジャンル:写真

  1. 2012/10/21(日) 21:31:25|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

今回は、レンズの種類はもちろん、写真にもバラエティーさがあって、とても楽しめました。

とくにお気に入りは、夜間で山車が背景に幻灯器のように燈るゾナーのカットです。写真の画像では私は、いままでこうした雰囲気の色感はあまり見たという覚えがなく、まるで映画の場面のようです。レンズがそうだといえばそうなのでしょうけれど、これからはこうしたカラー表現もデジタルカメラに助けられて、大いに楽しめるのでしょうね。

POレンズも逆光で少々残念でしたが、少女の髪の一本一本まで鮮明で、フード次第では活躍する場面が広がりそうですね。色傾向も場面によって雰囲気が変わるようで、この先も気になる製品です。

ロダゴンもとても安定した描写のレンズそうで、今回も程よいぼけ具合で、今日・新製品の中望遠レンズもしっかりと作らないと、こういった作例で企画をつぶされかねないですね。

エクターの水面に映す光の反射もキレイなものです。まだまだ実力の片りんというところでしょうけれど、エクターは当時新種ガラスでは、かなり色に定評があっただけに楽しみなレンズです。



それでは、翌日分のお写真も楽しみに待たせて頂きます。

では。

  1. 2012/10/23(火) 00:47:20 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

5枚目と8枚目が・・・

例のフォトコン向きですかね。

祭りの雰囲気も伝わるし、祭りを行っている町の情景も出ているし。

それと、いよいよM8とX-Pro1のツートップ体制になりましたか。

重戦車そろい踏みっぽい感じですね。
首がこりそうですが。

ただ、はまればすごいM8、安定のX-Pro1という風にも今回の作例では見えますね。
やhりメーカーの違いなのかもしれませんが。
  1. 2012/10/23(火) 16:54:49 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #liuN1Pm2
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。

実は、旅に出る前のレンズ選びってのも、悩ましいながらも、楽しいひと時ですよね。
やはり、不要な失敗は避けたいですから、シャープでクリアで画面の均質性の高いものを選んでしまいがちです。

が、やはり、そうなると、石岡でも鹿沼でも佐原でも同じようなレンズの登場となってしまうので、そこはやはり、ひと捻りして、レンズを選び、それに合わせた撮り方を工夫するのですね。

特に佐原は日中は陽射しが強く、夜は、街が暗めで山車のイルミは結構キツめってことで条件は厳しいですから、昼と夜の二通りの目玉に登場願わねばならず、今回も結構悩んだ結果がこの組み合わせだったのです。

因みに二日目は英米の最強広角レンズの激突になります、M8もX-Pro1もローパスレスなので結構楽しみですね、乞うご期待。
  1. 2012/10/24(水) 23:20:37 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

Re:5枚目と8枚目が・・・

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
ホント、祭りって、夜まで居ないと真価は判らないと思いました。
特に現地の老舗店舗のお嬢さんと知り合いになって、みんなで自宅にお邪魔し、お話しを伺っていたら、やはり、最終日の20時以降が一番盛り上がるそうな・・・次の日が休みでなけりゃ、観光客な皆引き揚げてしまいますよね。

そりゃそーと、M8とX-Pro1のコンビって結構使い易いんです。

X-Pro1は純正レンズ以外ではOVFは無用の長物ですが、大きさはしっかりしたホールドに寄与していますし、EVFはまさに一眼レフで撮ってるのと殆ど同じ感覚ですから、とっさの操作でM8と混同することもないのです。

なまじっか操作性が近いと微妙な違いが致命的なミスになったりしますが、ここまで別物だと、意識して使えますから、却って安心です。

それに重さもR-D1sより心持ち軽く、Zeiss Ikon ZMより少し重程度ですから、二台足してもレンズ付きのEOS1DsMKIIよりはまだ軽く楽勝もんです(笑)
  1. 2012/10/24(水) 23:28:55 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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