深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Fantastic & Fanatic~栃木祭り'12(後編)~

さて、今宵の記事は、先週の予告通り、栃木祭り'12後編をお送り致します。

まず一枚目ですが、宿営地である小山から両毛線に乗って栃木駅に着き、獅子頭や、キレイどころを先頭に据えた山車のパレードに歓迎され、またしても、同行のhiroさんと2人して駅から会場へ向かう途中の無料甘酒振る舞い所にハマリ、その返礼と云ってはなんですが、前日行けなかった巴波川公園経由、会場へ入ることとしたのです。川の様子やらその沿岸に有る風情有る土蔵をバックとした舟遊び風景は同行のお二方が既に美麗なカットでご紹介されていますので、ここではサボることとし、早めのランチ後に会場である大通りに入ってすぐ、お揃いの法被着て任天堂DSかなんかで遊んでいる小々姐2名目がけて、老男女素人写真師が群がって、無言でレンズ向けていたので、人物を撮影する時のお作法を徹底すべく、つかつかと歩み寄り、お二方に「一枚撮らしてね♪」と声を掛け、やっと顔を上げてくれたところを撮ったのがこのカット。さぞや心細く、居心地悪い思いだったでしょうね、DSで遊んでいるところを見知らぬご老人達に取り囲まれては・・・
カメラはR-D1sで絞り優先AE、レンズはApo-Rodagon50mmf2.8の開放撮影です。
そのホッとした開放感が画面から感じ取って戴ければ、と思います。
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二枚目は何気なく向かった栃木神明宮の境内でたまたま13時から里神楽を実演することを同行のhiroさんが発見し、これもまた一興、とかなりのベストポジションを占め、数カット撮ったうちの一枚です。
演目は「猿太彦」神武天皇東征の際に案内に立った神様とのことで、天狗の形をとって舞われるようです。
カメラはX-Pro1での絞り優先AE撮影、レンズはRodagon80mmf4での開放撮影です。
神楽殿の中でしかも曇天下の撮影だったので、正直、露出はかなり難しく、早々とR-D1sでの撮影はギブアップしましたが、EVF見ながらリアルタイムに補正が効くX-Pro1はこのようなシーンでも満足行くカットをプレゼントしてくれました。
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三枚目は神明宮で神楽見物を堪能した後、再び、会場である大通りに戻る途中、土蔵を改造した店舗の壁の段差に腰掛け、ソフトクリームなんか旨そうに食べている極小姐2名と目が合ったので、早速、美味しそうだね、食べてるとこ一枚撮らしてね♪などと言葉巧みに勧誘し、一枚撮って、ハィさよなら!と立ち去ろうとしたところ、またしても「わ~ん、アタシも撮って~」と一番左側の極小姐がすっ飛んで来て、よっしゃ♪ ちょいと下がって、仲良く三人入れて撮り直しだよ~ん♪とかおどけて見せてシャッター切ったのがこのカット。
カメラはR-D1sで絞り優先AE撮影、レンズは同じくApo-Rodagon50mmf2.8での開放撮影です。
再び、3名の極小姐に「有難ね、バィバィ~♪」とか手を振ってその場を後にしようとしたら、少し先で一部始終を見ていた若い親御さんに「有難うございます、お手数掛けてすみませんね~」とか深々と挨拶され、少々面食らってしまいました。
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四枚目は大通りで再び、各町内の山車行列の周辺で、何かイイ画は拾えないかとまさに餓狼の如き気迫で徘徊していたのですが、またしても、金棒曳きの予備軍とも云える極小姐のひとりと目が合ってしまい、一枚撮らせてね♪とか声掛け、カメラ構えたら、ファインダ覗くか覗かないかのタイミングで「ふぁ~ぃ!」とか真っ直ぐ見返しながら、元気な声で返事してくれたので、慌ててシャッター切ったのがこのカット。
カメラはR-D1sで絞り優先AE撮影、レンズは同じくApo-Rodagon50mmf2.8での開放撮影です。
明るくハキハキしたこの器量良しの金棒曳き見習いさんは、数十年前の山口智子さんの姿を彷彿とさせてくれました。
tochigi_12.jpg

五枚目は、別の山車のパレードがやって来たので、歩道上に一旦引っ込み、またしても誰か目が合わないかな?と虎視眈々と眺めていたところ、へへへ、来ました、来ました、斉藤慶子似の器量良しさんが・・・
一度、行列をやり過ごし、その脇を小走りに駆け抜け、少々開けたポイントで迎撃体性に入ったら、飛んで火にいる何とやら、小々姐はカメラ越しの鋭い目線を感じたのか、こちらをガン見状態です。
すかさずシャッターを切って、通り抜けざまに「サンキュー!」と声を掛けたら、少し微笑んだようでした。
カメラはR-D1sで絞り優先AE撮影、レンズは同じくApo-Rodagon50mmf2.8での開放撮影です。
この小々姐、金棒曳きのパレード時はなかなか大人しそうでイイとこのお嬢みたいな雰囲気を醸し出しているのですが、山車同士のぶっつけで先頭に立つと、声を張り上げ、なかなか勇壮な様を見せてくれたのです、まさにお隣、上州「かかぁ天下」のご幼少の砌からの英才教育の賜物か?てなカンジでした。
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六枚目は運行休止中の山車の周囲で小休止中の金棒曳きさん達がたむろしていたので、これもまた好機と見て、声掛け勧誘運動です。ちょうど、赤、紫色違いの衣装を着た2人組みが周囲そっちのけで歓談していたので、ここぞとばかりに声掛け、ご歓談中申し訳ないですねぇ・・・色違いの衣装がステキですなぁ、髪飾りも艶やかですなぁ♪とか適当なことを云いながらその気にさせて、ハィそこに並んでね♪てな調子で撮ったカットです。
カメラはR-D1sで絞り優先AE撮影、レンズは同じくApo-Rodagon50mmf2.8での開放撮影です。
このお二方、この手の観光写真は相当手馴れているらしく、目線の配り方、お互いにちょっと首を傾げてもたれかかるようなポーズ、なかなかの手練れとお見受け致しました。
tochigi_14.jpg

七枚目は、この祭りの特徴である、練達によるお面の舞のカットです。
前の晩のおかめ男しかり、この青い面のひっとこしかり、その無駄や迷いの無いタイトな動きは、人でありながら、人ではないような印象すら持つ不可思議な舞を見せてくれます。
さすがに山車の周りは熱狂する見物人が十重二十重に取り巻き、標準や広角レンズで肉薄し、至近距離から踊りのベストカットを捉えるなどと云う芸当は無理至極です。
そこで、飛び道具である中望遠の出番です。EVFでしっかりと動きを追い、ここぞと云うシーンでシャッター切ったのがこのカット。
カメラはX-Pro1での絞り優先AE撮影、レンズはRodagon80mmF4での開放撮影です。
他の数枚のカットでは興奮する観衆の手や頭、そして二つ折携帯が被写界に写り込んでしまいましたが、このカットだけは、奇跡的に個人撮影会の如く、踊り手のみを捉えられたということです。しかし、低照度になると動きに弱いX-Pro1の倣いで、頭は何とか止められましたが、両腕はぶれて、舞の動きの激しさを窺わせます。
tochigi_15.jpg

八枚目は奇跡的に山車同士の「ぶっつけ」を至近距離で見物出来た際に撮ったカットです。
このぶっつけ、鹿沼や石岡のように"One on One"の楽曲バトルではなく、3台、或いは4台という、もはや勝敗を決する「ぶっつけ」の範疇からはみ出してしまったようなエンターテインメント性を身に付けているようでした。
確かに鹿沼も石岡も山車の巡行エリアは広いですから、なかなか山車同士がかち合うことはないですが、ここ栃木では基本的に大通りを行ったり来たりの往復運動の繰り返しですから、追い越したり、脇道に避けたりというイレギュラーな隊列再編成は有っても、複数台が交差点やら路上でかち合う可能性は極めて高いということです。
カメラはR-D1sで絞り優先AE撮影、レンズは同じくApo-Rodagon50mmf2.8での開放撮影です。
このカットを撮った頃にはもう16時も半近くとなり、朝から曇天だった空もポツポツと泣き出しそうな案配でしたから、ISO400でも開放値F2.8のレンズではシャッター速度が稼げず、画面中央右手の元気に声を張り上げる小姐こそ何とか止められましたが、左の小姐その他は完全にぶれぶれです。しかしこの主人公のみピンが合い、動きが止まっている表現法こそ、お祭り、即ち「ぶっつけ」の昂揚した場の臨場感そのものではないかと思った次第。
tochigi_16.jpg

さて、来週は、このところだいぶ遊び歩いてしまったので、マジメに工房作品のご紹介でも致しましょう。何が出るかはお楽しみ。乞うご期待。

テーマ:日本の祭り - ジャンル:写真

  1. 2012/11/18(日) 20:00:00|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

今回は、声掛け以降のリアクションという動きある人物撮影が見どころで、その人、その場本位に動いているような微妙な表情の余韻が心地よいです。特に妙齢の少女のリアクションは、無意識に好意的である限りのおいてこれほど美しい物はないと詩人成らずとも言いたいですね。ふだん、無表情を受け付ける私にとっては、こうした写真映像とは奇跡的な幸運の『反復』そのものです。(ちょっとおおげさですが、よのなかそんなものですね・・・。)



ロダゴン類も、回を追って「表情の多様さ」がうかがわれ、たのしいものですね。(そういえば、m8よりもRD-1のほうが透明感あって色的には好みです。)

二枚目の舞や、曇りでも非常に彩度の高い色を映し出している50mmなど、「引き伸ばし機からイーゼル台版というプロセスを、台版を実際の風景として、そこからフイルム・キャリアに画像を取り込む」という、引き伸ばしの逆プロセスを再び明確に意識させられてしまいました。

そうしたなかで、もう拡大率問題などは、設計者くらいしか読み取れないような微細な部分なのでしょうか???

近頃のデジカメレンズは、とくに国産のマイクロフォーサーズ用など金属仕様に回帰し高画質を目指しているようで、外国ブランドを迎え撃つ体制を作り上げつつあるようで頼もしいですが、引き伸ばし時のイーゼル上をルーペで顕微鏡的にフイルムに潜像された画像をピントを移動するような、そしてフイルム・キャリアに伸ばし機付属のカラーチャートをセットし投影したり、そんな精妙な暗室プロセスを今回・ロダゴンは思い出させて頂きました。



  1. 2012/11/20(火) 00:06:45 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
初日は同じ栃木県と思い、鹿沼の調子でやったら、何回か撮影辞退を食らってしまいましたが、二日目は少し加減を変えたら、100%オケー♪でした(笑)

それにしてもお祭りで衣装を着てパレードしている小姐達は、もう完全に「ハレ」モードで、写真撮って貰うこともこれまた即ちお祭りの一部と思っているようです。

だから上手く声掛ければ、満面のイイ笑顔で応えてくれますし、声は届かずとも、真摯な気持ちでカメラを向ければ、目線で返してくれるということなのでしょう。

来年春のあやめのシーズンまではお祭りは少々お預けですけどね。

それはそうと、小生は高校時代は写真部に属していたというのに、カラーばっかり撮っていたので、暗室経験は殆どと云ってイイほど無いため、出自が引伸用のレンズも先入観なく撮影に使えます。

従って、引伸の性能や味なんていうものは度外視し、実写性能だけで優劣を付けられるということなのです。

そういった意味では、このローデンシュトックのレンズというものは同じく引伸用から転用のELニッコール、CEロッコールと較べても実写性能は優秀で、発色性能に目を瞑れば、シュナイダのコンポノンがこれに次ぐくらいなのではないでしょうか?
  1. 2012/11/21(水) 00:05:12 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

流石の後編

いずれもリズムにのってますね。

前日に祭りの大体の流れをつかんだからでしょうか、気負いみたいなものがなくなって、子供たちの笑顔も自然です。

あっしもこういうのが撮れる様にコミュニケーション能力を磨きませんとねえ。

いつまでも犬の視点で流し撮りって訳にもいきませんし。

それはそれとして、同じロダゴンを使っても相手の目線の差が出るのが流石です。
自分だと視点を下げないので見下ろす感じになってしまうのですが、高さ調節もうまく行ってますねえ。
見習いませんとね、こういうところも。

それにしても、X-Pro1はすごいなあ(笑)
  1. 2012/11/21(水) 18:55:53 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:流石の後編

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
ホント不思議ですよね・・・まぁネタを明かせば、本人のコミュニケーション能力のチューニングというよりは、①撮って貰いたい人、②撮ってもまぁ気にしない人、③撮られるのは何かイヤだなぁ・・・という人、それらを見分ける精度が、街の様子が判るにつけ格段に上がったので、断られることが皆無になったということでしょう。
何せ、同じ栃木県でも鹿沼は断る人が皆無でしたから、そのノリを持ち込んだら、初日なんざ失敗して当然でしたよね(汗)。

そりゃそ-として、或る意味、このX系列の撮像素子とアポクロマートのレンズのコンビって街撮りには最強かもしれませんぜ。

Apo-Rodagonnに関しては、確かに前々からM8よりはR-D1sの方が相性良いと思い、 treizieme ordre さんも同様のことを言われてましたが、セミアポレベルの性能のRodagonの中望遠でもこれだけキレイに写るのであれば、標準域のアポクロマートであれば、X系列の撮像素子では更に性能を発揮しそうな気もします。

よっしゃ、X-E1とApo-Rodagon50mmf2.8、一挙に入れちゃいましょう(笑)
  1. 2012/11/22(木) 23:12:02 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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