深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

新春川越爆撮ツアー'13

さて今週のブログ記事アップは先週予告の通り、先週三連休真ん中の日曜日に工房主が主宰する謎の写真秘密結社?「ノンライツRF友の会」の年中行事の第一発目である、川越ツアーからのカットとなります。

翌日は日本列島大荒れで関東でも大雪になったにも関わらず、この日曜日はまさに日本晴れで初春という言葉が相応しい一日となりました。

一行は10時半過ぎに本川越駅改札前に集合し、喜多院、駄菓子屋横丁、蔵造通りを経て、時の鐘とまさに一日かけて川越のゴールデン観光スポットを巡り、思い思いにシャッターを切ったのでした。

工房主にはもうひとつの思惑があり、それは、前日夜遅く調整が完了したApo-Componon40mmf2.8改Mが絶対エースApo-Rodagon50mmf2.8改Mに何処まで肉薄出来るのか、その試運転も兼ねての撮影ツアーとなったのでした。

では、当日の行程を辿り、実写結果を見て参りましょう。

まず一枚目は、喜多院への移動の道すがら、窓際に猫がひなたぼっこし、その手前の樹には渋そうな柿が一個残っている・・・そんな谷内六郎画伯が週刊新潮の表紙にでも描きそうなモチーフがあったので、即座にR-D1sとX-Pro1で撮ったうちの後者、Apo-Componon40mmf2.8改M+X-Pro1による開放撮影です。

ピンは柿の実に合わせていますが、発色は地味目ながら、極めて見た目に近い描写感は好感が持て、背景で後ボケと化している三毛猫の描写もふんわりと味の或る柔らかいボケとなっていて、なかなかやるなぁ・・・というのが偽らざる心境でした。

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二枚目のカットは喜多院について、いつもの定点的撮影スポット、古銀杏脇遊具での、地場産のいたいけな極小姐のスナップです。

美味しそうなの食べてるね~一枚撮らしてね、とか声掛けたら「わぁ~、XXちゃん可愛いから、撮ってくれるのぉ???」とか満面に笑みを浮かべての撮影モードでした。

機材はこれもX-Pro1+Apo-Componon40mmf2.8改Mの開放撮影です。

お昼前の登りかけた冬の陽光を浴び、いたいけな極小姐のさらさらした黒髪に金色の反射が出ていて、愛くるしい笑顔と格好のコントラストになっていると思いました。

また、さすがアポクロマートレンズ、このいたいけな極小姐の黒いジャケットと背景のご婦人?の黒いパンツルックとの輪郭を極めてクリアに描き分けています。

kawagoe_002.jpg


三枚目は喜多院の掲題を次なる獲物、もといモデルさんを探して鵜の目鷹の目で徘徊していたら、またしても、冬の陽光を浴びて輝く、親子連れの姿が目に留まり、その姿を捉えたもの。

機材はこれもX-Pro1+Apo-Componon40mmf2.8改Mの開放撮影です。

注文品の出来上がりを待つ親子の左手、団子屋の幟の陰から、ファインダ越しに光線状態と表情を狙いすまし、エイヤっとばかりにシャッター切ったのがこのカットです。

ここでも陽光を浴びて照り返す母子の姿はとても美しいと思いましたし、この目で見た光線状態、そして童子の赤い装束の色が光の当たり具合に応じ、忠実に描かれているのはさすがだな、と思いました。

kawagoe_003.jpg

四枚目は境内徘徊中に気になっていた、前掛け姿で健気にも招き猫ショップを手伝っていた、いたいけな少女の姿をおおそれながら、と声掛けて撮らせて貰ったものです。

機材は、R-D1s+Apo-Rodagon50mmf2.8改Mによる開放撮影です。

周りの大人達から、「よっぉ、モデルデビューか!?」とか茶化され、冷やかされていましたが、なかなかどうして、こんな自然な表情で撮影に応じてくれるなんて、将来はひょっとすると・・・かも知れませんね。

さすが万能レンズの誉れも高いApo-Rodagon、一世代前とも言われるR-D1sとタッグを組んだところで、最新のX-Pro1に一歩もひけをとりません、さすがです。

なお、名刺をお渡しした保護者の方、もしご覧になって居られれば、ほんのささやかな御礼としてこのカットのプリント用データをお送り致しますので、メールなり戴ければ幸甚に存じます。

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五枚目のカットは思う存分、スナップを楽しんだ喜多院を後にし、某鰻店でゴーヂャスなランチを戴いてから、蔵造通りを経て、駄菓子屋横丁に移動する際、とある商店の前で福の神の演舞が行われていたのを通り掛かりざまに撮らせて貰ったもの。

機材はこれもR-D1s+Apo-Rodagon50mmf2.8改Mの開放撮影です。

この時点ではもう午後も2時半を既に回っており、太陽が西に傾き掛けてきた頃の光線状態で、それが蔵造りの街並みの牧歌的な催しの雰囲気と妙にマッチしていました。

kawagoe_005.jpg

六枚目は駄菓子屋横丁に着いてすぐ、入口を少し入った辺りで、たい焼か今川焼みたいなものを美味しそうに一心不乱に食べている姉妹が居たので、その傍らのご両親にすかさず出演交渉、快諾を得てシャッター切ったもの。

機材はこれもR-D1s+Apo-Rodagon50mmf2.8改Mの開放撮影です。

白い紙袋はハイライトが少し飛び加減ですが、それでも、いたいけな幼子の柔らかそうな肌、黒髪の質感描写はまさにApo-Rpdagon50mmf2.8の真骨頂であり、シネレンズでさえ、こういった至近距離でのポートレートでは、引伸レンズを出自とするこの銘玉の描写性能には、一歩譲らざるを得ないと思います。


kawagoe_006.jpg

七枚目は駄菓子屋横丁でのスナップを終え、時の鐘の麓まで歩き、その周辺を徘徊していた際、いたいけな極小姐
2名を満載した人力車が突如現れたので、撮影会メンバーは思い思いの場所で、それぞれの機材、技巧のベストを尽くし、撮ったシーンのうち、工房主のものです。

機材はこれもR-D1s+Apo-Rodagon50mmf2.8改Mの開放撮影です。

まさにこれぞレンジファインダー機が今流行りのライヴヴュー機に対して最大のアドバンティッヂを発揮するようなシチューエーションではないかと思います。

なんとならば、こういう至近距離での測距、合焦、そしてフレーミングを瞬時にして同時にこなすという芸当は、ブライトフレームと二重像合致式の明るい光学式ファインダーだからこそ可能なのであって、これをX-Pro1の合焦補助機能であるクロップ拡大や、NEX等のピーキング機能を用いても、動きのある至近距離の被写体を咄嗟に合焦し、フレームに納めるのは至難の業だと考えられるからです。尤も、馴れの問題、と云われれば、ミラーレス一年生でレンジファインダー歴の長い工房主には、反論するすべも有りませんが・・・

kawagoe_007.jpg

さて、来週は、久々に工房附設秘宝館から、何かご紹介致しましょう。さぁ、何が出るかは乞うご期待。

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2013/01/20(日) 23:29:25|
  2. 街撮り写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:10
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コメント

RodenStockのほうが発色が強くてしかしマゼンタに若干転ぶ
Schneiderはブルーを強く残すので悪くいうと鈍い色になる
私は双方をそう評していて、なんとなくRodagonのほうが万人受けするんじゃないかなーと思っていたのですが
上手く活かせば、どちらも主役級のレンズになりうるんだなーと感じました。

さて、引き伸ばしレンズといえばRodenStockとSchneider...ということは
そろそろ我が国の雄の登場も願いたいのですがw
私の経験からだと、ニコンの発色が一番忠実で
Fujiはグリーンに寄る、というイメージがあるのですが...さてw

て、半分冗談ですw

川越、楽しかったです。特にうなぎが。
また機会があれば、是非。
  1. 2013/01/21(月) 01:01:48 |
  2. URL |
  3. JY #mQop/nM.
  4. [ 編集]

ローデンシュトックは、現在では現役最古参のようなカメラ用レンズ会社とも言えそうで、そのせいか描写に古風な気配を感じてしまいます。
今回のシュナイダー40mmは、これは最終型のフォコターなんじゃないかという興味がありましたが、日本製のようなさっぱりした描写に惹かれました。

そういってみれば、ローデンはかつて深川サイトに掲載されたズノーの一眼レフ用標準レンズ進化型の気もしますし、こういっているとどうもオカシクなってきそうです・・・。スミマセン。

それでも、身近な眠っている資産を再起させる絶好の機会を提起させる、興味深い描写でしょうね。

今回は全くお互いが異なる描写特徴があるということで、非常におもしろい組み合わせだと思いました。

(そういえば、国産引き伸ばし機も現在では在庫限りだそうで、cookeでも何故か限定版ポートレート用のスチルレンズ再発があった位ですし、銘レンズでも引っ張ってきて国産引き伸ばし機業界も最後の華を咲かせられないものでしょうか・・・。ただ売って終わってでは、最近の国内老人・末路問題のように、産業形成のありかたも寂しい限りです。その点ではこうしたレンズが海外にはいまだに残っていることですし、ヨーロッパ勢はまだまだ局所的に強いですね。)
  1. 2013/01/21(月) 02:00:41 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

JYさん
有難うございます。

国産の引伸レンズもEL-Nikkor50mmf2.8を皮切りに殆ど改造し、試写していますが、シャープネスとボケのバランスや、コントラストと階調再現性のバランス、そして発色の艶やかさでは、ローデンとかシュナイダ、或いはライツ銘のフォコタ等の引伸光学系には一歩譲る気がしました。

しかし、まだテストしていない大物がありまして、ELニッコールNをエコガラス用いて、金属鏡胴で再設計し、引伸から、複写、はたまたラインセンサー等産業カメラの眼にまで使えるようにしたレイファクトなるアポレンズが有るのですが、これが業販しかしていないため、未だ入手の上、改造出来ておりませんぬ。

鰻シリーズで云えば、佐原にも、太田の尾島にも炭火焼の旨い蒲焼が待っておりまする♪
  1. 2013/01/21(月) 22:53:41 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。

まぁ、今回の二大Apoレンズの白昼の決闘は、使ったボディの描写傾向に差が有り過ぎて、正味、レンズの描写の違いを味わうということにはならなかったのでは、とややも反省しています。

しかし、反対に云えば、世界最強クラスの万能レンズの助けを借りているとは云え、2004年登場の旧式電子レンジ機が、同じくApoレンズを装着した2011年登場の最新鋭のミラーレスに対しても、半分以下の画素数もものかわ、善戦しているというのもまた凄いことだと改めて感じ入ってしまった次第です。

また国産レンズの可能性ですが、先にJYさんのコメントへの返信でも書きましたが、栃木ニコンのレイファクトシリーズしかり、国産でも市中に出ていない特殊な高性能レンズはまだまだ有って、それを何とか大衆受けするパフォーマンスの場である、実写に引っ張り込めないか、画策中です。
  1. 2013/01/21(月) 23:03:04 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

業販レンズ

ELニッコールNをエコガラス用いて、金属鏡胴で再設計し、引伸から、複写、はたまたラインセンサー等産業カメラの眼にまで使えるようにしたレイファクトなるアポレンズ
業販でしたら当社で手に入れること出来ますので、
代理購入しますが方番頭送ってくだされば手に入れますよ。
  1. 2013/01/22(火) 11:11:19 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

見事なまでに機種の好き嫌いが出ている(笑)

お疲れです。
カットを眺めながら、あのシーンはここまで寄ったのか、とかこの角度で撮っていたか、と感じました。
それはそれとして、撮影会でもお話しされていた通りR-D1sで撮影したカットの方が、体に距離感が染みついているのか、一発必中的にいい写真になってますね。
記事に書かれた通り明るい光学式ファインダーによるフレーミングの感覚も頭に入っているからかもしれませんが、X-Pro1の方はまだ慣れないながらもなんとか感覚をつかもうとしている様に思いました。

最後のカットとか見てもそうですが、ここぞと言う時に必ずR-D1sに手が伸びている気がしますね、Charley944さん。

本当にR-D1の後継機が分解してNEX-7とかX-Pro1とかに分散してしまったことが惜しまれます。
ハイブリッドファインダーで光学+液晶ブライトフレーム搭載距離計連動型デジタルミラーレスレンジファインダーなんてのはどこかから出ないものでしょうかねえ。

ライカは手が出ないので、ソニーとか富士フィルムとかキヤノン辺りからってことで(笑)
  1. 2013/01/22(火) 21:31:45 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:業販レンズ

hiroさん
有難うございます。
そうですね、誠に有難いお申し入れ重ねて深謝です。
ただ、今は例のイタリア製に高っか~いシネレンズヘッド買っちゃったんで、購入は2月以降を考えています。
久々に栃木ニコンにHP見てたら、そのレイファクトシリーズのPDF版カタログが出てて、40mm、50mm、63mmって出てるんですが、改造するのは、ライカ版距離計連動式なら40mm、EOSマウントなら63mmではないかと思いました。もし何なら、40mmを小生、63mmをhiroさんが買い求め、せーの!で改造して、取っ換っことかしてお味見なんかしたら楽しいかも知れませんね♪
  1. 2013/01/22(火) 22:13:02 |
  2. URL |
  3. charley944 #-
  4. [ 編集]

Re:見事なまでに機種の好き嫌いが出ている(笑)

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。ハハハ、バレたか!?ってなカンジです(汗)

ただ、正しくは「好き嫌い」ぢゃぁなく、「得手、不得て」と云うべきかも知れませんぜ(苦笑)

イケナイ、イケナイ・・・とか思いながら、どうしても、ここぞ!という時はR-D1sに頼ってしまうという、まさにのび太にとってのドラエもんが小生にとってのR-D1sと言っても過言ではありません。

気持ち的には、R-D1sは改造レンズの実写テスト用として第一線からは引退させ、作品作りは、M8とX-Pro1、そしてEOS1DsMKIIが担っている筈なんですが、どうしても、手が馴染み、明るい等倍ファインダーでフレーミングする癖が抜けなくて・・・ダメですね、早くお金貯めてM-Eでも買いたいです(涙)

それどころか、幾ら格安の出物が有ったからと云って、EOS20Dのボディなんか買い込んでいるようぢゃ、東北のどっかの誰かさんみたいに「これだからワタシはダメダメ人間です・・・・」ですね(^^;
  1. 2013/01/22(火) 22:21:43 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

ELNikkor63mmF2.8と現行栃木ニコンのものは
レンズ構成は同じっぽいですね。というか、手元にある資料では同一で、お値段が違うのは金属製かそうでないかの違いくらい...とも思っているのですが、ガラスの材質も違うかもしれません。
  1. 2013/01/23(水) 11:00:39 |
  2. URL |
  3. JY #1Nt04ABk
  4. [ 編集]

JYさん
再び有難うございます。

栃木ニコンのアナウンスでは、金属鏡胴はさておき、光学系については、「エコガラスでエルニッコールの後継機を作った」ということになっています。

一方、某ニコンの若手の設計者の方からは「古い鉛ガラスやら、砒素ガラス、果てはトリウムガラスを使ったものの方が性能良い、と云うのは迷信、硝材は当たらしければ新しいほど性能良く作り易い」と云った趣旨のことを何度も聞いており、それからすれば、古いEL-Nikkorの経年劣化もこれあり、また金属鏡胴の方が、ネジ部からの締め付けトルクからくる応力を光学系後端部が受けませんし、熱膨張も小さいので、この現行品の方が、同一コンセプトで設計されたのであれば、旧製品よりも性能は良いと考えても不自然ではないと思います。
  1. 2013/01/23(水) 23:07:02 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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