深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

A Happy New Year in Seoul②

さて、今宵のご紹介は約25年ぶりのソウルツアーからの第二回目です。

そもそも、この胡乱なタイトルですが、何故2月も第三週に入ってのソウルで何故、Happy New Yearなのか???
それは、恥ずかしながら現地に着いて二日目の朝に昌慶宮だったかで白人の童子の写真を撮らせて貰った時、英語、独語、そしてフランス語ちゃんぽんで撮影協力への謝意を伝えながら、少し話をしたら、要はこの二日間が韓国のOld New Year、そう旧太陽太陰暦を用い、かつ中華文化圏の国々の旧正月が盛大に祝われているということが判ったのです。

では、早速、前回からの続き、到着日、即ち滞在第一日目の夕刻に梨大駅から明洞駅まで戻り、その夕刻の様子を夜店見物をしながら撮って歩ったものを見て参りましょう。
Seoul_010.jpg
まず一枚目ですが、明洞は昼でも多少は露店が有りますが、夕刻に掛かると、何処にこんなに隠れていたのか?とデズニーランドのエレクトリカルパレードばりに灯火も煌びやかな屋台、露店の類いが処狭しと登場します。

そんな中で、現地人ならいざ知らず、白人グループのアジュモニ達が、恐る恐る屋台のフード、確かフランクフルトの外周にジャガイモを薄く削いだものをスパイラル状のフィンのように巻いて上げた如何にもカラダに優しくなさそうなものを買い食いせんとしてました。

機材はM8+Gausstachar32mmmf2の絞り優先AEでの開放撮影です。

ピンは手前のイーデスハンソンみたいな鼻の高いアジュモニのご尊顔に合わせていますが、高い解像度、そして忠実な発色バランスが相俟って、手前の噴き上がる白い湯気と共に臨場感有るカットになったのではないかと思います。

Seoul_011.jpg
二枚目のカットはちょと明るめに写ってしまいましたが、これもM8のオートISO、オートWBの為せる技と改めて変に関心してしまいました。

機材は引き続きM8+Gausstacha32mmf2の絞り優先AEでの開放撮影です。

この明洞を買い食いしながら歩いていた地元の小姐と目が合ったので、お、キミ達は少女時代の研究生か何かか?とか精一杯の笑顔で話し掛け、お互いに面食らって顔を見合わせたところを、あはは、おぢさんは日本から来たので、ソウルの可愛い小姐はみんな同じに見えちゃうんだわ、記念に一枚撮らして!とか、口から出まかせを並べ、相手がきょとんとした表情から笑ったらこっちの勝ちです、早速、はいはぃ、ここに並んでね♪とか適当に指示し、ハィポーズ、イーアル、サン!とか云ってシャッター切ったのがこのカット。

云うまでも無く、小姐達の肌、髪、そしてもこもこのダウンヂャケットの質感まで余すところ無く捉えていますが、遥か後方の町の雑踏はまさにアジアの繁華街の雑踏そのものであるようにかなり崩れてごちゃごちゃに写り込んでいます。

Seoul_012.jpg
三枚目はこの明洞の雑踏そのものの雰囲気を捉えてみようと、街角にカメラ構えて立ち、適当な人物が通り掛かったらシャッター切るという、定置網的なスナップ撮影の定番を試してみたものです。

機材はまたしてもM8+Gausstachar32mmf2の絞り優先AEでの開放撮影。

こちらは、全然、誰か特定人物を狙って撮るつもりもなかったのですが、この画面中央付近のGF連れのカメラ目線の眼鏡兄ちゃん、シャッター切った直後にピースなんかして通り過ぎて行きました、ちょっと遅いっつーの(笑)

ここでは被写体との距離が或る程度有ったので、ボケも見苦しくならず、通り全体のざわざわした雰囲気を巧みに捉えているのではないでしょうか。

Seoul_013.jpg
四枚目のカットですが、いつもの街頭スナップのようにキョロキョロしながら実は鵜の目鷹の目、モデルさんになってくれそうないたいけな小姐を五感、六感フルに駆使して探して通りを徘徊していました。

すると、居ました、居ました、小姐2名でまたしても屋台のフード、そうスパイラルポテトソーセージなんか買い食いしている。

これは間違いなく、明洞アガシ小姐だ!と断定し、「チェソンハムニダ サヂヌルチゴドケンチャスムニカ?」とか精一杯の笑顔で話し掛けてみました、しかし、お互いに困った顔で見合わせていたのできっと中国の小姐だろうと思い、「カーィ、パィディャオマ?」と聞き直してみたら、「何かカメラ指して云ってきとるけど、写真撮りたいんとちゃう? ま、悪そうなおっさんやなさそうやから、えーのんとちゃう」とかしっかり2人で談合してます、そう、関西産の小姐2人組だったわけです。

しかし、ここであいや拙者も江戸からの旅行者也とか同胞の名乗りを挙げるより、ワケ判らんけど、悪人でもなさそうな正体不明のおっさんがモデルのリクエストしている、という構図の方が撮り易いですから、そのまま、偽アジア人観光客になりすまし、まんまと一枚戴いちゃったワケです。

機材はここでもM8+Gausstachar32mmf2の絞り優先AE、開放撮影です。

ピンは向かって左のスパイラルポテトを持った小姐の顔に合わせていますが、同一被写界深度内の髪、そしてダウンヂャケットの布の質感のリアルな描写は改めて感心してしまいました。一方、背景は被写体との距離が1m強程度なのでかなり2線ボケが目立ちます。

Seoul_014.jpg
五枚目のカットは、明洞の通りの一方のはずれ、ロッテデパート側の出口付近で面白げな帽子の露店が出ていたので、その目印代わりの帽子をモチーフに付近を撮った画です。

機材はまだM8+Gausstachar32mmf2の絞り優先AEでの開放撮影です。

M8ではISO800がせいぜいなので、もうそろそろ周囲の明るさからして、開放値F2クラスでのスナップはきつくなってきます。

シャッターを切ろうとしたら、向こうから歩いて来た気の良さげな小姐がファインダ越しに笑ってくれているのが判ったので、置きピンを二重像追尾に変え、このピンクダウンヂャケットの小姐にピンを合わせてシャッター切りました。

さすがにM8の露出補正が不随意の絞り優先AEだと、背景に光るガラスの壁面が有ると、小姐にピンを合わせようと考えても、露出は小姐中心に決まってくれないので、こういう場合は、お仕事用のEOS1DsMKIIとか、Nikon D2Hが恋しく思えました。

でも、シャッター切った後、カメラを下げ、小姐とオモニに「カムサムニダ♪」と声掛けたら、笑顔で手を振ってくれたのは、「放浪の街撮りスナッパー」としてはとても嬉しい出来事でした。

Seoul_015.jpg
六枚目のカットはまた明洞の繁華街を中心方向に戻り、この繁華街に来てすぐに見当をつけた撮影スポットに向かって撮ったものです。

その撮影スポットとは、このところ急速な経済交流が進む中国人観光客向けにロッテデパートが行う街頭キャンペーンで、宮廷女官のカッコした小姐というか妙齢のアガシが、日本のTV番組でも良く見る、回転盤に矢を射て、当たった賞品を貰えるとかいうイベントやったり、その豪華で目を引く衣装で観光客と一緒に記念撮影したりといういかにもアジア的な企画でした。

機材はここからX-Pro1+Baltar35mmf2.3の絞り優先AEでの開放撮影に再びスィッチです。

面白いことに韓国語で「済みません、写真撮らせて貰って良い?」話しかけてみたら、「ネー、ネー」と大喜びです。要は写真を撮って貰えることが相当嬉しいらしく、他に2人ほど、撮らせて貰いましたが、みんなかなり積極的で、「チャングムみたいにキレイだね♪」とかおだててみたら、ならもっと撮って、もっと撮ってとか、おねだりされたくらいです(笑)

Baltar35mmf2.3はそれほど解像力番長でもないので、このくらいの距離でも女性のお肌や髪のくたびれ具合いを暴いたりはしませんが、それでもX-Pro1の最新のCMOSの力を借りて、光の加減による陰影を上手く使い、この小姐をなかなか魅力的に写してくれたのではないかと思いました。

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七枚目は先ほど開店準備していた屋台がオープンした頃だろうと、再びロッテデパート側の出口付近に戻り、ちょうど第一陣のお客が屋台の周りに思い思いに着座し、腹ごしらえを始めた様子を撮ったものです。

機材はX-Pro1+Baltar35mmf2.3の絞り優先AEでの開放撮影。

釜山でも台北でも思ったのですが、我々アジアに暮らす人間は、どうやら暖かい電燈の灯と立ち上る湯気が演出するノスタルジックな光景に弱いようで、この屋台の周辺で何枚か撮らせて貰っている間に何組かの和人のグループが「美味しそうだからちょっと寄ってこ!」と異口同音い述べ、現地人の間に混ざって座り、はふはふ云いながら、たぶんトッポギだと思いましたが、真っ赤な鍋の中身を堪能していたのでした。

Seoul_017.jpg
八枚目は晩飯を食べる店を探して通りを徘徊していた時、ピンクのパーカーをおしゃれに着こなしたいたいけな極小アガシがコワモテの白人の大男のヲヤヂと思しきヲサーンを従えて如何にも幸せそうな様子で歩いて来たので、早速呼び止め、卒璽ながら、とモデルさんになって貰ったものです。

機材はX-Pro1+Baltar35mmf2.3の絞り優先AEでの開放撮影。

なんか、決まってますよね、極小アガシのピンクのパーカーの首元から覗く韓国風の玉のアクセサリーも、マフラーをいなせに巻いたコワモテの青い目の大男のヲヤヂさんも。

さて、次回は総集編。二日目の朝から、出発日のお昼過ぎの空港までの出来事を厳選カットでレポート致します。
乞うご期待。

テーマ:旅行の写真 - ジャンル:写真

  1. 2013/02/17(日) 00:22:35|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

Gausstacharいいすね!
多分私が使っても絞るんで意味ないですけど、硬い感じが好きです。
こういうレンズは、じつは背景を選ぶのでなかなかに難しいくて
結局難しくて手を出さなかったりするのですが、
いつか使えるようになったらいいなと思います。

て、書いてもコレ、なかなか手に入らないんじゃ...。
  1. 2013/02/18(月) 15:55:09 |
  2. URL |
  3. JY #1Nt04ABk
  4. [ 編集]

JYさん
有難うございます。

確かにこのレンズは背景を選ぶ・・・というのは云い得て妙ではないかと思います。

実は自分のアップした画いコメントしながら、ホント、合焦面はイイ線いってるのに背景がぐずぐずやなぁ・・・と思うことが多々有り、シャープネスやコントラスト犠牲にしても、も少し背景がすっきり滑らかにボケて写る玉を持って来た方が良かったかな、とか密かに思ったりもしたのです、う~ん鋭い!

そもそも小生は背景がグルグル盛大に回るようなレンズは欠陥レンズだとしか思っておらず、安い玉ならいざ知らず、そんなモノに数十万円も払うような境地には未だ到ってはおりませぬ(苦笑)
  1. 2013/02/18(月) 22:51:55 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

明洞

明洞
懐かしさいっぱいです、私が行っていた頃は殆ど観光客は日本人でしたが、時代の変化を感じる映像です。
Gausstachar32mmf2の2線ボケは下手すると手振れかシャッター揺れではないかと思いましたが?
他の画像見ても少し出ている気もしますが、レンズ個性なのでしょうか?
  1. 2013/02/19(火) 12:42:32 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

背景を選ぶレンズと言う気が。

お疲れです。
全体を見てみると、M8よりX-Pro1で撮影したものの方が色合いが自然かなあと思いました。
3枚目とか5枚目、7枚目の様な写真だと被写体に集中できるのですが、8枚目だと被写体が良いだけに後ろの照明が目について却って魅力半減と言う気もします。
モニターでこれだから、プリントにするとどうなるのだろう、と思うところです。

それにしてもこの時期に韓国ってのも、なかなか忌み深いものがありますねえ。
  1. 2013/02/19(火) 19:41:31 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:明洞

hiroさん
有難うございます。
実は、明洞にしてもソウル全体にしても、同じような浦島太郎状態なのです。
先般お話ししたように前回出掛けていったのが、ソウルオリムピックの翌年ですから、う~んもう25年近くになりますか・・・
確かにあの頃は、貧しかったが、人々は戦前の日本みたいな慎ましさがあったような気がします。

焼肉屋で仲間数人とカルビクイを腹一杯食べて、お勘定済まし、店を出ようとしたら、店員の兄ちゃんがおずおずと近寄って来て、「お客さんの残した骨、犬に上げても良いか?」とかわざわざ聞いてきたりするくらいだったのですから・・・

そりゃそーと、この2線ボケは間違いなく収差影響です。ブレなら、合焦面の被写体ががもっとぐちゃぐちゃになって見られたもんではないです。

解像力高いWガウス系の玉は後ボケに線が残り易いものだと何かの本で読んだことがあります。
  1. 2013/02/19(火) 23:01:29 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

Re:背景を選ぶレンズと言う気が。

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
確かにX-Pro1はM8よりは、まだR-D1sに近い、素直な描写をする気がします、やはり血は争えないのかもしれませんね。

そりゃそーと、スナップでは持ってく場所、時間帯をよ~く考えてレンズを選んだ方が良かったかも知れませんね、今回の場合は、比較的背景が素直にボケるゾナーとかシネプラナー1号機の方が鑑賞し易いカットいなったかも知れませんね。

なお、ソウル行くなら、絶対旧正月ですね、たとえ氷点下でも新年で待ち行く人々も心なしか浮かれている雰囲気なので、結構、イイカットが撮れた気がしましたし・・・調べてみたら、来年は1月31日~2月1日にかけてが旧正月の祝日みたいです、予約しなくっちゃ♪
  1. 2013/02/19(火) 23:07:36 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

前回のバルターは良くわかりませんでしたが、今回の比較で素直なレンズだとわかりました。

6枚目は人物の素直そうな描写とマッチした感があります。

ガウス・タッカーの一枚目はとても魅力的な硬質さがあって、ライツの60年代から70年代に掛けての鋭さのような感覚が良いです。でも、使い手を選びそうで、バルターのように万人向けという感じはありません。

最近は、国産でもこうしたタイプのレンズも少ないかもしれませんね。そんな所が残念です。


それにしても、東京都内といっても不思議はない景色ですね…。アジアの隣接都市は、みなこうして似て来るのでしょうか。



  1. 2013/02/23(土) 18:14:49 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。

今回は或る意味、Wガウス系レンズの競作となったと言っても過言ではないかも知れませんね。
ここに線が細く締まった発色を旨とするキネタル一族が噛んだらもっと面白かったかも知れません。

思うに、Baltarは車で喩えれば、誰でも高速道路でアクセルさえ出せば、幾らでもスピードが出る高級スポーツセダン、まさにアメリカのV8のグランドツアラの性格で、これに対し、ガウスタッカーは同じような排気量、シリンダ数でも、運動性能が桁外れに高く、挙動がピーキーで乗る人間を選ぶ高性能スポーツ、欧州スポーツメーカーのレース用ベース車に近い性格なのかも知れません。

それはそうとして、アジアのメガロポリスというものは、あくまで小生の生活実感なのですが、もはやその国、地域の首都に留まっておらず、寧ろアジアのメガロポリスの兄弟同志と言った繋がりの方が濃厚なのではないかと思うに到りました。

ホント、バンコクもシンガポールも香港も上海もそしてここソウルも、東京も天を目指す摩天楼とその足下のエネルギッシュな人々の昼夜分かたずの暮らしの営み、どれもとても似ているように思えます。
  1. 2013/02/27(水) 23:13:24 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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