深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

可以拍照嗎?Returns!~台湾熱撮ツアー③~

さて今宵のアップは予告通り、台湾ツアー'13春からのご紹介で、三週目、台北北部の港町「淡水」からのカットとなります。

実はこの日が一番濃厚で、朝、雙連駅近くの露店マーケットに寄ってから、MRTに乗ってお昼前に「淡水駅」着いたのですが、そもそも夕陽がキレイとの触れ込みだったので、まさに「撃ちてし止まん」の精神で、とにかく、路地裏から陽の当たる河岸の散歩道まで撮って、撮って撮りまくる、ということで、当日はM8と伴走機のX-Pro1合計で軽く500カット以上撮っていました。

しかも・・・自画自賛との謗りを受けるとしても、今回の「淡水」での出来はかなり自分でも満足行くレベルのもので、M8とX-Pro1で撮った画から人物中心に載せたいカットをピックアップしたら、30カットは優に超えてしまったので、心を鬼にして、M8でのものだけに厳選し、そこから、このFC2のブログに掲載出来る最大数を選び直したということです。

本当に、快くモデルになって頂いた現地の老若男女各位には申し訳ないとは思いますが、X-Pro1での撮影分丸々とM8での数点は今回は掲載見送りとしました。

でも、この心理的な借りは、またそう遠くないうちにこの「心優しき島」へ舞い戻って、渾身のカットを撮りまくり、ここのブログ等で島のPRを行うことでお返ししたいと思っています。

ということで、台湾からの最終回、「淡水」編、全カットM8+Elmarit21mmf2.8の絞り優先AEでの開放撮影でお送り致します。

taipei_021.jpg
まず一枚目のカットです。

お昼前にMRT「淡水站」につき、とにかく、人の多そうなところにはシャッターチャンスが転がっている、との信念から、まずは大通りに出て、河口方面を目指して歩き始めました。

すると、駅前の通りに街路樹の目的でか植えられたガヂュマルの樹の根元に妖精「キジムナー」みたいな雰囲気のいたいけな極小姐が居て、目が合ったらにっこりと笑ってくれたので、すぐ傍らに控えるオモニに「こんにちは、写真撮っても宜しいか?と広東訛りの中国語で聞いてみたら、あにはからんやまたしても満面の笑顔で「好 是!」とのお返事を戴いたので、それではと21mmでかなり寄って撮ったもの。

初対面のおっさんがかなり至近距離に寄ってカメラなんか向けたもんだから、どうして良いか戸惑い、ちょっと硬い表情なのがとても牧歌的で可愛らしく思えました。

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二枚目のカットは、当てどなく徘徊しているうちに彷徨い込んだ市場の中で見かけた肉屋さん一家のやんちゃ坊主の勇姿?です。

大きな通り沿いにそのまま河岸の遊歩道兼お祭り広場みたいなところにストレートに出てしまっては面白くないので、人々の生活臭の滲み出る通りに彷徨い込んでみることにしたのです。

すると、裏通りの更に側道のような小路にアメ横とか築地場外で見慣れたアジアの典型的市場が有って、そこには河口近くなので魚介類は言わずもがな、肉、蔬菜、その他生活用品の個人商店がところ狭しと軒を並べており、えも云われぬイイ雰囲気を醸し出していました。

ここでも、坊主と目が合ったので、手前のアヂュモニに「こんにちは 写真撮ってもイイ?」とか声掛けてみたら、よほど嬉しかったのか、坊主中心に一家を挙げての滑稽な表情と演技で香港の喜劇映画みたいなカットになってしまったのが面白かったです。名づけて「喜劇駅前市場」

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三枚目のカットはやはり「喜劇駅前市場」からほど近い個人商店の店先でアヂュモニがお孫さんと思しき極小童子を抱っこし、子守と店番の完全兼業体制やってたのを目敏く見つけ、またしても広東ママリの中国語で挨拶がてら、写真撮ってもイイ?と聞いてみたところ、またしても「ほーら、写真撮ってくれるんだってよ、おぢちゃんの方見て笑って」というような趣旨のことを言い含め、こっち向けてくれた瞬間を撮ったものです。
まぁ、市場はアジアであれば、どこでもこんなもんでしょうけど、背後に天井から吊るされたと思しき、紅、橙、ピンクの派手な買い物用ビニール袋がイイ味出してるな、と思った次第。

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四枚目のカットは迷宮のような市場の小路を抜け、河岸の遊歩道とほぼ平行している目抜き通りに面したローカルフードレストランで名物の「魚丸湯」と「川海老炒飯」を戴いてから、河岸の遊歩道でロックオンした地元の女子大生3名様のお姿です。

まぁ、若い人達は英語で話し掛けて、ちょいと時候の挨拶なんざしてから、おもむろにここらで皆で一枚撮らしてよ♪てなカンジでやると、え~撮ってくれるの、マヂ~!?てなノリで戸惑う素振りを見せながら、カメラを構えて、ハィ、シャッター切るから、拙者の方見て、カレシの愛の告白受けた時みたいな目一杯のスマイル頂戴ね☆とか指示飛ばすと、ホレこの通りです。台湾小姐恐るべし!です、でもこういう成り行き、正直云って、大好きです。

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五枚目のカットは暫し、対岸を眺め風に吹かれた河岸で、長い黒髪を風になびかせた若い母親が乳母車をおしながら工房主の視線を横切った時、目が合い、笑顔を浮かべて通り過ぎて行ったので、そのまま、光を読んで、黒髪が風になびく後姿のシルエットを一枚戴いたもの。
ふだんのM8だこういう輝度差の大きい構図だと、大ハズレを量産しがちですが、この初代Elmarit21mmf2.8との連繋プレーでは6ビットコードの助けを借りずとも、心地好い露出レベルを導き出したようでした。

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六枚目のカットは「淡水」屈指の観光資産、「紅毛城」の定番カット?大砲と煉瓦館です。何故か、こんなカット、香港の総督府跡の観光施設でも、釜山の砲台跡でも撮った記憶があるのですが、画になり易いのかも知れません。
Elmaritは開放から適度にシャープで、素晴らしいカラーバランスで、M8があたかも関西系の電機メーカーが出している万人受けのコンパデジになってしまったかのような艶やかな写りを見せてくれました。

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七枚目のカットは「紅毛城」から降りて次なる観光スポット、カソリック教会の古建築を訪れる際、小路を歩いていたら、先の税関長官屋敷跡で借景結婚写真を撮っていたカップル数組のうち、青いドレスを着た組が車でやって来て、教会の望める小路を歩きながら撮影しているのを通りすがりざまに抜き打ちで撮った一枚です。
この日は大安吉日でもあったのでしょうか、「紅毛城」で三組、税関長官屋敷跡でこの青ドレスを含め二組も遭遇し、そのたびに何故か、自分まで晴れがましいキブンになり、心の底から「末永くお幸せに!」と祈りのエールを送らずにはおられませんでした。

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八枚目のカットは河岸の埠頭からフェリーに乗ってついた対岸の町、「八里」の河岸散策中に見つけた、対岸、即ち「淡水」に向かう桟橋の姿です。

ホントは薄着の美小姐でも桟橋の真ん中でニッコリとしてたら、写真としては100点満点の出来なのでしょうが、さすがに河岸の遊歩道を通り過ぎて行く小姐を桟橋まで引っ張ってて、個人撮影会を行う度胸はありませんでした。

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九枚目のカットは遊歩道の終端まで辿り着き、また埠頭までの道を戻ろうと歩いていたら、チリンチリン♪とベルを鳴らし通り過ぎようとした自転車が居たので振り向いてみたら、なかなかの美形コンビだったので、少し先の渋滞ポイントでキャッチアップし、英語で一枚撮らしてくれよ☆と頼んで、またしても快諾戴いたので、それでは♪と一枚戴いたもの。

鬱蒼としたガジュマルの中の遊歩道みたいなところのちょうど光が背後から売店の屋根越しに射すというかなりシビアな撮影状態でしたが、画像処理ソフトで少々ブライトネスを上げただけで、このように鑑賞に堪える?カットになった次第です。

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十枚目のカットは自転車二人乗りの女子大生と別れてから、河岸の遊歩道の開けた辺りを散策していたら、砂浜に賢そうなノラ公が散歩?していたので、口笛なんか吹いて呼んでみたら、或る程度迄は接近して来たので、背景を調整しながら一枚撮ったもの。
このカット、ちょっと見では標準で撮ったのかとも思えるような雰囲気ですが、左手々前方向への河岸の石や貝殻の描写など、シャープな結像が醸し出す臨場感とは別の不可思議な空間構成を見せてくれています。

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十一枚目のカットは「八里」の渡し舟埠頭近傍に在る、漁船溜まりの風景を21mmのレンズの威力を試すため撮ってみたものです。

肉眼で見ると、岸から程近い辺りに普通に漁船が何隻か舫われていて、遠景には「淡水」市街の外れ、「フィッシャーマンズウォーフ」とか云われるエリアが見えるだけなのですが、このElmaritの力を借りると、絵画のように不思議な空間の広がりで以て描写されてしまいます。

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十二枚目のカットは、日も暮れ、そろそろ、雨も降って来ようかという頃合いにMRTの駅に戻ろうする途中、昼に通った目抜き通りを再び通り過ぎる際、このアジアの活気そのものを何とか写し撮ろうと思って、道の真ん中に佇み、ちょうど良いカンジの人通りになった頃合を見計らいシャタ-切ったもの。

別に狙って撮ったワケぢゃなし、でも画面の真ん中を買い食いしながら闊歩しているカップルはしっかりとカメラ目線でこっちを見てくれてます。

これが日本なら、顔を手で覆うか、或いは画面から逃れようとして道の端によけてしまうところですが、何事にもオープンでフレンドリーな台湾のこと、こんな大胆なカットも可能なわけです。

今回の旅を通しての感想は、懐かしいだけぢゃなく、常に刺激的で元気が貰える島、ということを強くカンジました。
出来れば、最低でも年1回は通いたいと思いますし、現地に写友やモデルさんになってくれる若い仲間が出来たら最高ではないかと思いました。

さて、来週は、また工房作品による驚愕?の撮影結果をレポート致します。乞うご期待!!

テーマ:旅行の写真 - ジャンル:写真

  1. 2013/05/19(日) 00:30:30|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

10枚目の写真が

なんかこう虚無感と言うか、色合いが良いからか映画の1シーンの様に見えました。
ふと、昔押井守監督が撮影した「ケルベロス」の原風景っぽくも見えまして、久々にサントラを聞き直してしまいました。
http://www.youtube.com/watch?v=3-xfYLROWuI
とか
http://www.youtube.com/watch?v=kZKYvS0C0sU
この辺りがこの写真には似合いそうなのですが、撮影しているCharley944さんの表情までハードボイルド化しそうですねえ。
M8片手の台湾彷徨。

良いかもしれません。
  1. 2013/05/22(水) 19:36:10 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

いつも行動力には驚かされます。
台湾は行った事ないので一度は行きたいと思いますが?
この所工作機材の更新や室内の整理などしていて全然時間が取れないのが悩みです。
皆さん来たらせめて座って話出来るようにとがんばっていますがもう1月もかかりそうです。
  1. 2013/05/23(木) 17:10:51 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

Re:10枚目の写真が

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
な~るほど、確かに云われてみれば、この 見知らぬ惑星の荒野みたいな砂浜にぽつねんと歩くワン公は色んな受け止め方が出来るのですねぇ・・・
ご教示戴いた、久石譲的なインスツルメンタル曲、こんなカンジが頭に浮かんだのですね。

実は、初めての地にカメラ2台抱えて降り立つ時に小生の頭の中に鳴り響くのは、まさに「ワルキューレの騎行」なんですね。キブンは「地獄の黙示録」の従軍カメラマンです(笑)

で、このシーンでは、実は、亡くなって3年後に終焉の地を偶然訪れたことがある縁で、台湾の歌姫テレサテンの「時の流れに身を任せ」が心の中のBGMだったのです。

しかし・・・ケルベロスってのは、地獄の獰猛なワン公ぢゃないですか・・・それをこんないたいけなメスのノラ公に喩えてしまうとは(苦笑)
  1. 2013/05/23(木) 23:46:35 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

hiro さん
有難うございます。
台湾、とってもイイですよ。
距離的にも石垣島のちょい先てなカンジですし、日本の大都会みたいに若いモンがスレてなくて、とてもカンジイイですね。
I運営委員殿も機会あれば行きたいというようなことを云われてましたし、そのうち、仲間内で慰安旅行なんかイイかも知れませんね♪

それから事務所兼工房の模様替え、ここんとこ仕事が立て込んでしまってお手伝いにも行けそうにないですが、あっと驚くようなサロンの出来を期待してます。

新装オープンの際には、旨い酒でも持参でお伺いいたします。
  1. 2013/05/23(木) 23:53:10 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

さすがにライカのレンズだと詳細まで良く写るので、背景なぞを読むのも楽しみになります。

1,2,3枚目あたりが特にそれで、レポーターのような描写です。
現地の解放感のわかる4枚目も広角ならではの全身画像で、縦位置だと余裕で背景まではいりますね。
砲台やドレスシーンも観光的な光景としての安定感を醸しだします。

船のシーンで遠巻きに対岸の街並みをみると、ヤッパリ東南アジアっぽい雑然とした風景が望めます。

比国だと犬に噛まれるとオシマイという御触れが巷にありますが、コチラは安全なのでしょうか・・・。

これからは、更に東南アジアは変わってゆくでしょうから、日本よりも楽しい環境が育ってゆくかもしれませんね。
  1. 2013/05/27(月) 13:10:31 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
そうですねぇ・・・何のかんの云ってもM8にはライカのレンズが安全パイかも知れません。

ましてや、シネ用だとイメージサークルの関係で28mmより広い画角のものでは、このElmaritシリーズみたいに画面全域に亘って、開放から均質な画質を補保証してはくれませんからね。

或る意味、今まではとにかく人と違ったレンズを使うことにばかり血道を上げ、国内外の民生用レンズの底力をなめてたのかも知れません(汗)

でも・・・こんな何処行っても被写体に恵まれ、気持ち良く撮影出来る「麗しの島」台湾で、アンパイで楽して作品造りに没頭してたんぢゃ、工房の技術は止まってしまう、という危惧も無きにしもあらずではありますが。

ところで、台湾のワン公の狂犬病事情ですが、何せ小生、狂犬病の本場、タイで暮らし、他人様の生命を50名以上預かっていた時期があるので、その手のリスクにはかなり詳しいつもりです。

で、この河畔のワン公どもはどうか???
到って健康そのもので、これで狂犬病なら、島じゅうの哺乳類全部がみんな陽性ってことになってしまいます(苦笑)
  1. 2013/05/27(月) 22:59:40 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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