深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

たった一日の異界~座間基地念仏踊りツアー'13~

さて、今宵のご紹介は、毎年恒例のお祭シーズン8月の部第一弾、座間駐屯地の「念仏踊り2013ZAMA」を訪問してのレポートです。
今回は、秘密兵器をカバンに湛えた写友Sundayphotograperさんとの二人組での基地探検、ボディはメインのX-Pro1と午前中に完成した新レンズをテストすべく、R-D1sをサブ機としての出撃です。しかし、予備機兼試験機が全然現役引退していないという事実は困ったものです・・・
で、レンズはX-Pro1に終日、新規導入のPetri55mmf1.4、R-D1sが日中、謎のイタリア製シネレンズ35mmf2.3、宵の口からCLE M-Rokkor40mmf2にスィッチしています。
では、当日の行動を追いながら実写結果を見て参りましょう。

Zama_001.jpg
まず一枚目のカットですが、ゲートの厳重なセキュリティチェックを抜けて基地内に入ると、童子向け土産物屋、そして遊具広場があり、そこで見かけた、ファンキーなTシャツなんざ来た、国産カメラ愛好家のヲヤヂさんと、こまっちゃくれた坊主のカットです。
ここは遊具、エアで巨大なバルーンみたいなものを膨らまして滑り台にしたり、エアトランポリンにしたり、はたまた童子であれば乗車可能なミニレールが有ったりと、アメリカンテイストな、基地開放エリアの数箇所にあるうちの、ゲートに最も近い遊び場です。
機材は、R-D1s+謎のイタリアンシネレンズ35mmf2.3での絞り優先AE、開府撮影です。
背景は明るめの空が写り込んでいますが、さすがは修理上がりの玉、フレアもゴーストも発生させず、開放から、シャープで雰囲気有るカットとなったと思います。

Zama_002.jpg
二枚目のカットですが、中央広場というのか、歌舞音曲用のステージがしつらえられた芝生の広場では、基地の軽音楽部みたいな面々がノリノリで唄い踊っていたので、かなり厚かましくステージ下まで歩み寄り、見上げるアングルから一枚戴いたものです。
ファインダ覗いている時はあまり気付かなかったのですが、真ん中の黒人青年、何となく、若き日のB小浜氏に何となく雰囲気似てるカンジで土曜日の深夜、独りで家のpcのlcd画面見て妙に感心してしまいました。
機材は、R-D1s+謎のイタリアンシネレンズ35mmf2.3での絞り優先AE、開府撮影です。
さすがに晴れの舞台の真っ白なワイシャツはステージの強力なライティングを浴び、ハイライトが飛び加減ですが、それでも、コントラストと階調長再現性は適度にバランスしていますし、シャープネスも充分有ると思いました。

Zama_003.jpg
三枚目のカットはそのステージ広場には沢山の家族連れが居ましたが、お揃いの衣装の極小姐姉妹をあやしていた若いヲヤヂさんが目に留まったので、即座に出演交渉、何とか気難しい童子のお年頃、あやしながらの撮影で、二人が何とかカメラを向いたときにシャッター切ったもの。
機材は機材は、R-D1s+謎のイタリアンシネレンズ35mmf2.3での絞り優先AE、開府撮影です。
赤いTシャツと緑の芝生が映えてカラフルなカットとなりましたが、このレンズ、かなり見た目に忠実な色再現性に拘るらしく、肌の色も衣装も芝生も抑え目ながら、極めて現実的な発色バランスとなっています。

Zama_004.jpg
四枚目のカットは広いステージ広場を徘徊中、とても素敵な笑顔で愛娘をあやしていた、グラサンにイカしたデザインのパナマ帽子っていう、いかにも欧米のエリート層の避暑地でのファッションのお手本みたいなヲヤヂさんが目に留まったので、声掛けて撮らせて貰ったもの。
機材はX-Pro1+Petri55mmf1.4改M距離計非連動タイプでの絞り優先AEの開放撮影です。
隣の芝は青いとかよく言いますが、同じ芝生でほぼ同じ時刻でR-D1sとX-Pro1での発色がこれほど違うとは、LCD見ながら、ひたすら首を傾げてしまいました。
それにしても、店で買ったばかりで何の手入れもしていないPetriレンズ、やはり侮れないオーパーツだったような気がします。歴史にIfは無意味と言われますが、もしこの独特のスピゴットマウントに閉じこもることなく、初めからM42にもっと早めにシフトし、Kマウント化でもしておけば、この廉価で優秀なレンズを武器に今の時代でもブランド銘だけでも存続出来た可能性は有ったかも知れません。

Zama_005.jpg
五枚目のカットはこれまでは開放されていなかったPXやらボーリング場、従業員駐車場方向へ探検してみようということになり、Sundayphotographerさんと徘徊する途中に念仏踊り大会の時刻が近づいて来た為、日中は蟄居していたと思われる浴衣姿の基地従業員各位が、そぞろ歩きして出勤して来たところ、カンジ良いカップルが目に留まったので、あいや、そこの殿方と女人、暫し待たれい!と呼びとめ、写真撮らせて貰ったもの。
機材はX-Pro1+Petri55mmf1.4改M距離計非連動タイプでの絞り優先AEの開放撮影です。
優しさの中にも必要なシャープネスはしっかり保っており、しかも、キャノン、ニコンに有りがちな、高性能レンズの後ボケがざわつくというカンジもなく、感覚的にはAuto-Rokkor55mmf1.4をもうちょいマイルドにしたカンジでOHしたら相当デキるレンズになるのでは、という予感を抱かせてくれました。

Zama_006_20130804191435e51.jpg
六枚目のカットは、子孫のX-Pro1がやるなら拙者も!とばかり、夕陽に映える基地内の通りで夕陽を浴び佇んでいた、浴衣姿の基地従業員のご家族、たぶん、若いオモニとやんちゃな小坊主に声掛け、快諾戴いたので、R-D1sが頑張った一枚。
この謎のイタリアンシネレンズ、出る前に距離計連動カムの微調整しただけで室内の試写すら満足にやらないで出て来ちゃいましたが、なかなかどうして、往年の隠れた銘玉Petri55mmf1.4と、未だ最新鋭の子孫X-Pro1のコンビに決してひけを撮らない尖った写りで、正直感心してしまいました。

Zama_007.jpg
七枚目のカットは念仏踊りが始まる少し前から会場の球場近くに陣取っていたのですが、来るわ、来るわ、普段なら絶対見られない、浴衣姿の異邦人達が、ということで、黒人のグループがかしましくくっちゃべりながら傍らを通り過ぎて行ったので、相棒のSundayphotographerが認識するかしないうちに猛ダッシュでグループに駆け寄り追い縋り、一枚撮らしてけろ♪と頼んで、一枚戴いたもの。
機材はまたしてもR-D1s+謎のイタリアンシネレンズ35mmf2.3での絞り優先AE、開府撮影です。
このカットの中央の黒人小々姐の晴れがましい表情、そして輝く瞳、このカットを撮れただけでも、今回、急遽撮影に間に合わせるべく一心不乱に仕上げた甲斐がありました。

基地関係者の皆さん、そして近隣自治体の応援スタッフの皆さん、本当にお世話になりました。まさに豊かな国のホスピタリティを垣間見せて戴いた気がしました。また来年もきっとお邪魔しますので宜しくお願いしますね。

さて次回のアップは久々に工房附設秘宝館でも行ってみましょうかね。乞うご期待。

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2013/08/04(日) 19:10:22|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<Proprio come il sole sul centro di~Petri V6 schwarz mit Petri55mm f1.8 tuned by FGW~ | ホーム | 可以拍照嗎? Reloaded!~台北ツアー'13夏②~>>

コメント

やはりRーD1sですね。

土曜日はお疲れでした。

あのイタリアンシネレンズはここまでよく写りますか。RーD1sとの相性も良い様ですね。
それに、CCDとCMOSの違いもあるかも知れないですよ。

後は巻き上げレバーの有無も大きな違いかも知れませんが。

仰る通り、座間キャンプは異界でしたね。それも期間限定の。こういう祭りにお誘い頂きありがとうございました。

話は変わりますがPetliの写りには驚きました。M42マウントでも発売していれば、まだ生き残っていたかも知れませんね。今や双眼鏡メーカーになってしまいましたけど。労働争議で骨抜きにならなければ、と思わずにはいられません。

それにしても、今回は実地指導こみで対人撮影を教えて頂きありがとうございました。
帰ってから早速家内や子供、ハムスターでトライしましたが、悉く逃げられました(笑)

やはり真夏の夜の夢を現実にするには繰り返し練習あるのみ、の様です。
  1. 2013/08/05(月) 07:46:00 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:やはりRーD1sですね。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
土曜日は遅くまでお付き合い戴き、有難うございました。
確かにイタリアンシネ+R-D1sは想定外な写りの良さですが、やはり、前評判やら現役時代の名声からして、Petri55mmf1.4の写りもこれまた驚愕に値するのではないでしょうか?
尤も現役時代は安かろう悪かろう亭と公然と陰口を叩かれたPetri製品ですが、何と中古価格では同様の程度のミノルタよりもキャノンよりも高く、ニッコールとさほど変わらない値札が付いているのですね。
年取ればみんなおんなじってことでしょうか(苦笑)
くれぐれも何らかの形で写真文化に関わっていてくれたら、もっと面白い業界になっていたろうととても残念に思います。
それから対人撮影練習ですが、9月になったら本格お祭シーズンですから、徹底的のツアー組んで実地やりましょうよ、石岡、鹿沼、佐原、栃木、小さいのを探せばまだまだ"撮れる"イベントは有る筈です。

なお、貴ブログの力作、まだ全部鑑賞し切れていないので、明晩にでも纏めてコメントさせて戴きます。
今暫しお時間下さい。
  1. 2013/08/06(火) 00:14:32 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

イタリア産のシネマ用なんて、またコアなものを...。
さすがにどこかのコピーだとは思うのですが、なかなかに。
てゆか写りの色は違うけど、質的なものは収差も含めて
バルターに似てると思うのは私だけでしょうか。

あ、でもAPS-Cか。
するとちょっと違うかな。
  1. 2013/08/08(木) 11:20:59 |
  2. URL |
  3. JY #1Nt04ABk
  4. [ 編集]

JYさん
有難うございます。
なかなかお目が高いですなぁ・・・
このレンズ、たぶん、作例挙がったのは世界初でしょう。
電子湾でも今まで見たことなかったし、何回か取引ある欧州の売人兼コレクターから前玉が曇ってて、絞りが油まみれだけど面白そうなレンズが有るから買わない、但し、2本一緒だぉ♪とかいうワガママなオファ-があり、先に成田で先行デヴューしたトリプレットと共に満身創痍の状態で深川を訪れ、大久保で献身的な治療を受けたのち、深川の改造手術を受け、再び日の目を見るようになったというものです。
もちろん、オリジナルの光学設計ではなく、4群4枚、即ち、アストロベロリンのパンタカーのコピーと考えられます。
因みにバルターの直系のご先祖様はもう一本のトリプレットの方です。バルターはボシュロム銘ですが、実際にはUSゲルツが自社ガラスで作っていますから、ゲルツキノハイパーはまさに本家の古いシネレンズの始祖ということになります。
  1. 2013/08/09(金) 00:08:31 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

イヤー今回お電話ありがとうございました
昨日殆どのノーマウントのレンズ買いあさってしまいました。コーワのワイドレンズはバルサモトラブルが有ったので断念しました、
合計13本ほど購入しました。

こんな暑い日がつずくなか懐が木枯らし吹いて寂しくなっています。
  1. 2013/08/11(日) 15:44:10 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

hiro さん
ご報告有難うございます。
また猛暑のさなか、新宿まで遥々お疲れさまでした。
13本!とはこれまた精進なさいましたね♪
でも、仲間内でも5~6本はすぐに捌けてしまうでしょうし、電子湾でもなかなか調達しずらくなっていますから、ここは先行投資ということで観念して下さい(笑)
小生もこのところ、大口径の珍品レンズ海外から曳きまくっていて、カード明細見るのが怖い月末です(苦笑)

そういった意味ではPetriは未発見の金鉱を発見したようで満足感高いですね。
  1. 2013/08/11(日) 18:31:53 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

そういえば私の所にもたしかペトリのレンズ有った筈ですので探して見ます。

確か私の記憶では自分のコレクションの中ではジャンク扱いのはずですのでどこか部品ヘルコイドはずす候補の中に埋没しているかもしれません。

でも暑いー
クーラー夜27度に設定しても涼しく感じるほど熱くて参っています。
  1. 2013/08/12(月) 14:11:10 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

hiro さん
再びのコメ有難うございます。
そうですか、あの膨大な宝の山には、Petriも眠りについているのですね・・・もしかして、試作だけで終わってしまったとかいう幻の"AE Petri58mmf1.2"なんて人外魔境のお宝が彷徨い出てくるやもしれませんね・・・何せ、高輪の魔窟には、この世にあってはならない?モノが時折出てきますから・・爆
そりゃそーと、エアコンだけでは、電力無駄遣いなので、扇風機2台による空気攪拌を併用することをお勧め致します。ポイントは部屋の空気hかき回しますが、風を直接、体に当てないことです。
  1. 2013/08/12(月) 18:28:14 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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