深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

豊穣の秋~石岡のお祭り2013~

まずはお詫びと訂正です。
今週末は関東三大祭の先鋒、石岡のお祭りに泊りがけで撮りに行くのに、帰って早々のアップで関係無い記事上げちゃったら、せっかくのネタが鮮度を失っちゃいますから、お祭りレポートの予告をしておくべきだったのです。
ところが、機械的かち事務的にやっちゃったもんだから、記事書く段及んで、ありぁりゃ・・・祭りの記事さ、いつ乗っけっぺか??てなことになり、かくして、お詫びと訂正から始まったという次第。
今回も昨年同様、石岡祭りはお泊りで出かけたのですが、何せ、二日目の日曜日、15日は朝から台風接近による大雨と風で、宿泊地の土浦から石岡へ赴くことすら覚束無い状態だったので、仕方なく江戸へ撤退、実質、14日の午後一から宵の口までの撮影となってしまった次第です。
では、今回も当日の行動に沿って、実写結果を見て参りましょう。

ishioka_001.jpg
まず一枚目のカットですが、石岡の駅で同行メンバー二名と落ち合い、早速、歩きながらの撮影開始で、駅から伸びるメインストリート上には、山車やら、屋台やら幌獅子車がひしめき合っており、その周りには社中が何十人も取り巻いていますから、被写体には事欠かず、その中で山車の上でいなせに鉦で拍子なんか取ってる小姐が居たので、下から狙い撃ちしたもの。
機材はM8に深川ノクトン50mmf1.5の絞り優先AEによる開放撮影です。
さすが、被写界深度が浅い、というよりは前ボケにシビアなノクトン、目にピンを合わせて撮ったら、首から下
は滲むような独特のボケと化してしまいました。

ishioka_002.jpg
二枚目のカットですが、その駅から伸びるメインストリートの歩道と車道の縁石上にお揃いの祭り装束なんか着ている童子達の小集団が居たので、傍らで俄か女子会を決め込むオモニ達に「とっても似合っておりますねぇ・・・一枚撮らせて下さいね♪」とか声かけて、またしても「XXちゃんたち良かったわね、お写真撮ってくれるんだって☆」とかいうノリで快諾して戴き、シャッター切ったもの。
機材はM8に深川ノクトン50mmf1.5の絞り優先AEによる開放撮影です。
ホントは一般的な写真撮影のセオリーでいけば、向かって左から二番目の小々姐にピンを合わせるべきだったのでしょうが、その右隣の小々姐は一番ノリが良かったので、ついつい情実でピンを合わせてしまったということです。
ここでも、1.5m内外での撮影のため、極端な被写界深度の浅さが判る作画となっていると思います。

ishioka_003.jpg
三枚目のカットですが、またしてもメインストリートを歩いていると、幼い姉妹がカキ氷上の食品と思われる物体を後生大事に抱えて歩いていたので、あいや暫し待たれい!などと声を掛け、ハィハィ、良い子はおぢさんの云うとおり、山車の前に仲良く立ってね♪とか優しく教え諭し、一枚戴いたもの。
機材はX-Pro1にCine-Xenon28mmf2の絞り優先AEによる開放撮影です。
普段は彩度が高めで、色のヌケも良いカンジのX-Pro1ですが、この独スナイドル製のちっちゃな癖玉にかかっては、それこそ昔の国産レンズをフジのカラーフィルムで以ってアンダーめに撮ったかの如き、ちょい地味目の描写になっています。

ishioka_004.jpg
四枚目のカットは、メインストリートを続々、神社方向からやってくる山車やお神輿に随伴してパレードしてくるいたいけな金棒曳きの小姐達が暫しの小隊休止で、保護者各位が井戸端ならぬ道端談義に花咲かせてしまっていて、金棒ならぬお茶を挽いていたので、声掛けて、撮らせて貰ったもの。
機材はM8に深川ノクトン50mmf1.5の絞り優先AEによる開放撮影です。
ここでは、まるでX-Pro1のお株を奪ったかの如く、M8がオリジナルノクトンのレンズブロックの力を発揮し、祭り本来の艶やかな雰囲気を描き出すことに成功していると思いました。

ishioka_005.jpg
五枚目のカットは、メインストリートの半ばでちょいと一行が小休止した際、駅方向を眺めたら、山車が並んでいる中をなかなかとっぽいカンジの小姐約2名が今風に浴衣を着崩し、こっちへ歩いて来るのが目に留まったので、置きピンで一枚戴いたもの。
機材はX-Pro1にCine-Xenon28mmf2の絞り優先AEによる開放撮影です。
ここでもやはり地味目な発色と低めのコントラストが醸し出す、片田舎の祭りのクライマックス前の気だるい雰囲気を良く表現しているのではないでしょうか。

ishioka_006.jpg
六枚目のカットは、メインストリート経由、常陸総社へお参りしてまた撮りながら駅方面へ戻る途中、レンズを交換してのシェイクダウンテストを行う途上、いたいけな祭り装束の童子達が路上にたむろしていたので、傍らの保護者各位に声掛けて一枚撮らせて戴いたもの。
機材はX-Pro1にMiranda50mmf1.9の絞り優先AEによる開放撮影です。
スナイドルの玉から国産の絶版メーカーの玉に交換し、X-Pro1もやっとその本領を発揮したかの如き、人物の描写になったかのようです。
それでも、この玉も、前ボケに関しては、かなりシビアでクセのある描写と見受けました。

ishioka_007.jpg
七枚目のカットですが、またしてもレンズ交換、日暮れ前にエースへの交替とばかりにM8のライカ+ヴォイクトレンデル連合に対抗し、X-Pro1に英国製の銘シネレンズへと交換して、メインストリートを歩いている途上、呉服屋さんだかの店頭で店番していたいたいけな小々姐と極小姐の二人組の写真撮らして♪とか、売場主任的なオモニに声掛けて、ほら良かったわね☆的成り行きで一枚戴いたものです。
機材はX-Pro1にCooke-Kinetal50mmf1.8改Mの絞り優先AEによる開放撮影です。
さすが、Summicron要らずの最強標準レンズの呼び名も高いKinetal50mmf1.8改M、ピント面のシャープさも発色も後ボケのナチュラルさも文句の付けようがありません。

ishioka_008.jpg
八枚目のカットですが、メインストリート上で陽も暮れかけてきた頃、灯りを点しだした山車が思い思いのルートで運行を始め、ちょうど横道に曲がるところに出くわし、更にそれを息を呑み見守るいたいけな都会風小姐二人組の後姿も目に付いたので、遠景の点光源の描写を見るのにもイイや☆とばかり、一枚戴いたもの。
機材はX-Pro1にCooke-Kinetal50mmf1.8改Mの絞り優先AEによる開放撮影です。
陽も相当傾き、路上での光線状態はかなり悪い中での撮影でしたが、それでも、この稀代の銘レンズ、小姐達の艶やかな黒髪のテクスチュアは言うに及ばず、健康美を湛えた素肌の質感まで十分に描写していると思いました。

ishioka_009.jpg
九枚目のカットですが、駅の程近くの路上で、休憩中の山車上で、神楽舞のメンバーが一息つきながら、歓談している風景を目にしたので、撮りますよ、あ、そのままでね♪というカンジで一枚戴いたもの。
機材はX-Pro1にCooke-Kinetal50mmf1.8改Mの絞り優先AEによる開放撮影です。
このレンズ、M8での撮影が最高!とか思っていましたが、なかなかどうして、初のコンビであるX-Pro1とでも、イイ仕事してくれるようです。
こんな悪い光線条件下でも、締まった発色、程良いコントラスト、そしてカリカリではないものの、臨場感を醸し出す高いシャープネス、やっぱり好きだなぁ・・・

ishioka_010.jpg
十枚目のカットですが、陽もとっぷりと暮れた19時半過ぎ、後から合流したもう一名のメンバーとメインストリートの撮影スポットを巡る途上、歴史的建造物の前を、お囃子付きの山車が通り過ぎようとしていたので、待ち構えて、必殺?の一枚をモノにしたもの。
機材はM8に深川ノクトン50mmf1.5の絞り優先AEによる開放撮影です。
さすがf1.5の明るさを活かし、M8でのAuto ISO機能による感度上昇を防いでいますから、高感度に伴うノイズは全くと云って良いほど見当たりません。
球面ノクトンの醸し出す球面収差、コマ収差が心地好いフレアやオフフォーカス部の柔らかなボケとなって、この夜の祭りの幻想的な雰囲気を演出していると思いました。

ishioka_011.jpg
十一枚目のカットですが、宿営地の土浦へ戻ろうと駅前まで歩いてきた時、和やかな家族の団欒みたいな雰囲気を路上でお披露目しちゃってる殊勝な家族連れに遭遇したので、すかさず一枚戴いたもの。
機材はX-Pro1にCooke-Kinetal50mmf1.8改Mの絞り優先AEによる開放撮影です。
控えめながらバランス良い発色や程よくエッジの効いたピント面での人物描写、またナチュラルな後ボケと相俟って、祭りの夜のざわめきや高揚感を描き出しているのでは、と思いました。

今回の感想は、結局は、ヴォイクトレンデルがやれば、クークもやる、やられたら倍返しだ!みたいな性能比べみたいになって面白いと思いましたが、ここでも、開放値が0.3暗いKinetalと組むX-Pro1は設計が新しい分、高感度ノイズには強いらしく、M8でのf1.5と同等のノイズの少なさを見せてくれました。

で、今年は雨で半分しか楽しめなかったけど、来年は二日間フルで参戦、写真も倍撮るのだ!

さて、来週こそは、秘宝館の秘蔵のエ-ス、国産絶版光学系の隠れた雄をご紹介しましょう。乞うご期待。

テーマ:日本の祭り - ジャンル:写真

  1. 2013/09/16(月) 21:02:15|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

ご苦労様です。
早速の祭りの画像アップ又すばらしいフレームの数々恐れ入ります、
なんかこちらは画像アップ憚れますよー、
944さんほど腕が無いのでそれなりの物を数枚あげましょうか?悩ましー所です。
  1. 2013/09/17(火) 10:53:21 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

7枚目以降はフィルムのような仕上がりで。

ありゃ、切り札のR-D1sは今回持って行かなかったのですか。
レンズと光加減の相性からか、M8の写真はどちらかというとデジタルっぽい仕上がりなのに対して、X-Pro1の方はフィルムっぽい仕上がりになっているのが不思議です。

10枚目のみ、M8でも良い感じの仕上がりになってますが、もしかしてこの日の光源というか光の量だと相性わるかったのでしょうかね。M8とは。

それとさりげなく書いてますけどミランダ出してきましたか(笑)
あっさり出ているから最初見落としちゃいましたよ。
前ボケはちょっとアレですが、ピント合っている部分はかなりすっきりしている割に色彩豊かという気がしました。
深川ノクトンの正体も気になりますが、ミランダ1.9の映りがこうも良いと、楽しみになりますね。
  1. 2013/09/17(火) 22:07:50 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

hiro さん
有難ございます。
そして、先週末の土日はほぼ丸々お付き合い戴き、重ねて御礼を申し上げます。

また過分なるお褒めを戴き恐縮至極です。

しかし、拙サイト、そんなたいした画を上げてるワケぢゃなし、どんどん気に入ったカットをご自分のサイトにアップして下さいな。

みんなでいろんな機材、いろんな撮り方で撮った画をどんどん上げて楽しむのがお祭りの二度美味しい利用法ぢゃないでしょうか。
  1. 2013/09/17(火) 22:33:56 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

Re:7枚目以降はフィルムのような仕上がりで。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
M8の最初の方は夜祭り対策で、オリジナルNoktonに工房でヘリコ&マウントユニット付けちゃったのなんか持ち出し、付け替えるのも面倒なんで昼夜のべつまくなし使っちゃってたのが、結果的に敗因のようです(苦笑)
でも、夜はイイ仕事してくれましたね、X-Pro1に比べれば、格段に低照度に弱いはずのM8に魔法掛けたみたいにX-Pro1+Kinetalとタイマン張ってますもん(汗)
ところで、早速、Mirandaに気が付かれましたか・・・
週末、台風で一日しか使えなくなる可能性が有ったので、ちょいと気の早い実戦投入してみたのです。
結果はごらんの通り、他にも幾つかの構図で撮ってみましたが、Petriとはまた違った端正ながら味わいある描写で、集めてみようか・・・などという邪な心がむくむくと胸中に沸き、少々困惑気味であります(笑)
  1. 2013/09/17(火) 22:48:02 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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