深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

The great province in Japan !~鹿沼祭2013(前編)~

さて、今宵のご紹介は、やっぱり時事ネタということで、この週末、土日かけて行って来た鹿沼祭2013からのレポートと致します。
二日間に亘り、M8とX-Pro1でみっちり撮って来たので、前後編の二回に分け、今週、来週とアップ致します。
今週は一日めである、12日の晩までお送り致します。
では、当日の行動に沿って、実写結果を逐次見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、もう一名の同行者であるhiroさんと新鹿沼駅前で落ち合い、まずは腹ごしらえということで、軽く流しながら、鹿沼そばの銘店「佐野屋」さんに向かう途中、市内を南北に走るメインストリートで祭りの山車に遭遇したので、これ幸いと先導さんを探しあて、はい、山車前で写真撮らしてね、とお願いして一枚戴いたもの。
カメラはM8、絞り優先AE、玉はThe cinelensこと Hyper_Lomo35mmf2 mod.Mの開放撮影です。
このレンズ、先週、深大寺にて実戦テストを行って来たのですが、いやはや、良く写るを通り越し、もはや擬似ハイビジョン3Dの様相を呈しています。

kanuma2013_002.jpg
二枚目のカットは、同じくメインストリートを北に向かい歩いていたら、昔ながらの宿場町に良く見られる、鰻の寝床型の旧家を會所として、そこに入って行こうとする羽織袴の祭役員と思しきご老人が居たので、すかさず追い縋り一枚戴いたもの。
カメラはM8、絞り優先AE、玉はHyper_Lomo35mmf2 mod.Mの開放撮影です。
ここでもシャープで限りなくヌケの良い産業用レンズの実力の片鱗を窺い知ることが出来ますが、面白いと思ったことは、タングステン光下や直射日光下では、黒い衣装は皆、小豆紫に変色して写ってしまうものとばかり思っていたのですが、こういう高級な手染めの正絹の反物は限りなく黒のままなのだということでした。

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三枚目のカットですが、食事のあと、まずは旅程の無事を祈願すべく、当日の祭りのメインイベント会場でもある今宮神社へ向かうこととし、その境内で夕刻からの揃い踏みのために終結しつつあった山車の様子を撮ったもの。
カメラはM8、絞り優先AE、玉はHyper_Lomo35mmf2 mod.Mの開放撮影です。
この山車の絢爛豪華な彫刻と装飾の数々、まさに肉眼で見た以上にリアルでまさに今流行りの4Kディスプレイを彷彿とさせます。
実は帰ってからデジタルデータを整理していて、同行のX-Pro1に装着していたMicro-Nikkor(S)5cmf3.5のデータが紛れ込んだのかと一瞬錯覚し、Exifデータで撮影機を再確認したほどです。

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四枚目のカットは神社付近の店頭でビールを売っていたところで、乳母車で子連れのドイツ人と思しきヲヤヂさんが、極小姐を乳母車に残したまま、まだ日も高いのに「ビール一杯下さ~い♪」とゴキゲンで、路上で一杯楽しもうというところ、声をかけて、こんなカットを撮らせて貰ったもの。
カメラはM8、絞り優先AE、玉はHyper_Lomo35mmf2 mod.Mの開放撮影です。
ヲヤヂさんが、極小姐に向かって、「ハイ、カメラ見て笑ってネ♪」とか教育のため?日本語で優しく教え諭したにも関わらず、当の極小姐はかき氷を口に運びながら、何ぢゃ、このドイツ製のカメラ構えたアヤシゲな現地人は?てな警戒心目一杯モードで、不可思議なカットになってしまいました。

kanuma2013_005.jpg
五枚目のカットはメインストリートをお茶すべく、駅前通りに在るCoCo'sに向かう際、声を張り上げ、伝統イベントの宣伝をしていた、お揃いの黄シャツのいたいけな小姐二人組が目に留まったので、「ブログで宣伝しまっせ♪」とか甘い声を掛けて一枚撮らせて貰ったもの。
カメラはX-Pro1、絞り優先AE、玉はかのStan Tamarkin氏のコレクションを譲り受けたMicro-Nikkor(S)5cmf3.5の開放撮影です。
この稀代の銘玉も解像度のモンスターとも云えるべきシャープさを誇っていましたが、なにぶん、設計が1950年代初め、これに引き換え、組んだボディ自体は二世代も古いM8ながら、1990年代に入り、パテント無視、コスト度外視で国策のため製造された、北の国から来た異次元の妖物の眼のシャープさとウルトラリアリティの前には、ありきたりの良く写る玉へと成り下がってしまったのです。

kanuma2013_006.jpg
六枚目のカットは陽も暮れかけたメインストリートで、お揃いではない祭り装束に身を包み、秋の陽光を浴びながら仲良くかき氷など堪能しながら歩いて来た小々姐二人組が目に留まったので、すかさず声を掛け、モデルさんになって貰ったもの。
カメラはM8、絞り優先AE、玉はHyper_Lomo35mmf2 mod.Mの開放撮影です。
ここでは、陽の当たった向かって右側の小々姐の微笑を浮かべたご尊顔はただ単にシャープにウルトラリアルに描写するだけでなく、仄かにフレアが浮かび、優しい描写になって、かなり気に入ったカットとなりました。
またこれだけシャープなレンズでありながら、背景はそこそこマイルドに蕩け、良くありがちな2線ボケなどのクセは出ていないようです。

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七枚目のカットはお茶した後、また神社を目指しメインストリートを北上する際、出会った、お祭小姐隊ご一行様揃い踏みの図です。
カメラはM8、マニュアル撮影1/250、玉はHyper_Lomo35mmf2 mod.Mの開放撮影です。
北方向とは云え、空が大きく写り込んでいるので、一旦、絞り優先AEでシャッター速度をカメラに計算させ、それをマニュアルでプラス露光側に補整して撮影しましたが、いやはや、こんな難しい光線状態でも、この妖物の目の如きレンズは、きっちりとウルトラリアリティの再現というお仕事をやってくれるから驚きです。

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八枚目のカットは陽も西の里山の彼方に沈み、とっぷりと暗くなり出した頃、それぞれの町会の山車の前で看板娘宜しく、先導さんが床几に腰を下ろし、或る者は辺りを睥睨し、また或る者はじっと目を閉じ、出番を待っているかの様子だったのですが、と或る町会で斜め下の提灯群に横顔を照らされた、まさにいたいけという言葉が似合うことこの上ない極小姐の姿が目に留まったので、観光客の特権とばかり、そおっと近づき一枚戴いたもの。
カメラはX-Pro1、絞り優先AE、玉は換装した、我が国の誇る世界遺産印のモンスターレンズ、50mmf1.2の開放撮影です。
尤も、物見高い鹿沼の祭り社中のこと、撮った横から、町会の中年ヲヂさまがすかさず声を掛けて来て、どれどれと、背面LCD見せたら、へぇ~こんなデカイレンズだと、フラッシュ焚かないでもこんなに良く撮れるんだ、ヲレも買おうかな♪とか無謀なことを言い出したので、まずやめておいた方が賢明でしょう、ボディは手に入りますが、レンズを買ってしまったら、そこから先は冥府魔道の旅ですぞ・・・とか自分とか仲間の経験談を交え優しく教え諭したら、ハィ、ぢゃおとなしくフラッシュ焚いてデジカメで撮りま~す♪とか云う事を聞いてくれました。

kanuma2013_009.jpg
九枚目のカットですが、今宮神社に集結し、裏手の駐車場でお囃子を奏で始めたそれぞれの山車の提灯によるイルミネーションを撮ってみたもの。
カメラはX-Pro1、絞り優先AE、玉は世界遺産印のモンスターレンズ、50mmf1.2の開放撮影です。
この提灯によるイルミネーションの撮影は結構難しく、よく、ホワイトバランスが上手く取れたものだと、このX-Pro1もM8も関心してしまいました。


kanuma2013_010.jpg
十枚目のカットですが、仄暗い山車の中で一心不乱にお囃子の太鼓を打ち続ける姿が目に留まったので、傍らの世話役のヲヂさまに声を掛けて近くに寄らせて貰い、中の様子を撮ってみたもの。
カメラはX-Pro1、絞り優先AE、玉は世界遺産印のモンスターレンズ、50mmf1.2の開放撮影です。
ピンは不動の太鼓の打面、具体的にはその縫い取り目に合わせていますが、なかなかどうして、非球面を採用していないにも関わらず、局部的に提灯に照らされた太鼓の打面のテクスチャなども飛ばずに描写していますし、仄かに照らされた太鼓手の若衆のエネルギッシュ雰囲気も妙に冷静に伝わって来るような気がします。

kanuma2013_011.jpg
十一枚目のカットはさすがに小一時間も十数台の山車がお囃子を奏で続ける広場に居続けたら、音酔いしそうになったので、少し耳と頭をクールダウンするため、境内から北側の道路に出た時、門横でお店を出していた昔ながら
のかき氷の露店があったので一枚戴いたもの。
カメラはX-Pro1、絞り優先AE、玉は世界遺産印のモンスターレンズ、50mmf1.2の開放撮影です。
しかし、よくよく考えてみれば、もう10月も中旬、お彼岸もとっくに過ぎ、秋も秋、盛秋という言葉が似合いそうな時期なのに、夏の代表的風物詩、かき氷が店を出していて、しかも、これが大盛況とは、いつのまにか、地球温暖化影響で夏祭りと秋祭りの境目が曖昧になってきたのかもしれないと思いました。

kanuma2013_012.jpg
十二枚目のカットはお祭りもたけなわ、音酔いも一段落したので再び境内を徘徊し、何か面白そうな、画になりそうなシーンはないか、鵜の目鷹の目、山車を回っていたところ、或る屋台の傍らで醒めた表情で佇むご老人の姿が目に留まったので、一枚戴いたもの。
カメラはM8、絞り優先AE、玉はKowa Prominar50mmf1.5mod.Mの開放撮影です。
この日没後のシーンでは、やはり設計が比較的新しく開放値もF1.2あるM8側が有利でしたが、この印象深いご老人を撮ったカットでは、かつて国産RF機最強のハイスピードレンズとも目されたProminar50mmf1.5の面目躍如の感アリです。

今回の感想は、ローパスレスコンビとシャープなレンズの組み合わせで結構、満足行くカットが撮れたんぢゃないか、ということ。やっぱり、こういう絢爛豪華、艶やかなハレの場はシャープでヌケの良いレンズぢゃないとね♪

さて来週は二日目の朝から夕刻の帰りまでの一日の行動を捉えた後編をお送り致します。乞うご期待。

テーマ:日本の祭り - ジャンル:写真

  1. 2013/10/14(月) 19:53:29|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

ハイパーロモ大活躍ですね。

お疲れです。

ハイパーロモ大活躍ですね。夜景こそ世界遺産印に譲りますが、それ以外のシーンでは、向かうところ敵なしの様相ですね。

それに鹿沼の祭りの熱気もすごいですね。徐々にI先生の掲示板にもアップされてますが、暑さに負けない祭り空間が形成されていて、こちらも行った気分になりました。

そうそう、ハイパーロモ、あっしもお願いいたしました。今から楽しみです。来年度こそはスケジュール合わせたいですね。
  1. 2013/10/14(月) 21:44:27 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

遠いところまでの出張撮影、ごくろうさまでした。

ロモのM8撮影での開放クリアーさを先日も伺っていましたが、納得できました。わたしのカメラではローパスが(ソフトに)悪さしているという事が歴然です。

F社のf1,2は、50mmということでもあり、そこそこ近代的なpentax-A辺りと良い比較になるのではないかと思いました。

そこからすると、古典的なプロミナーは情感の豊かなレンズというところでしょうか。これもこれで、実は貴重なデジタル映像でしょうね・・・。
  1. 2013/10/15(火) 19:59:00 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

Re:ハイパーロモ大活躍ですね。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
これまでの拙ブログの文脈でいけば、M8とX-Pro1という機材であれば、玉はMiranda50mmf1.9に同35mmf2.8、そして夜間戦向けにはCanon L50mmf1.2と同FL58mmf1.2かNikkor50mmf1.2Aisでも十分美麗なカットを揃えることも出来たでしょうが、それでは、年に一度のお祭り、街の人々の熱意とおもてなしの心に報いるためには、心意気として役不足で、ここはやはり、人外魔境の究極のラインナップで行く必要があったのです。
これは実写結果云々というよりは寧ろ、演者でありホスト側である鹿沼の、街を挙げての熱いもてなしの心意気に対する、撮り手の返礼のような気がしたからです。
さぁ、早いとこ、用を無事済まし、来年は夏祭りなどと云わず、古河の桃祭りからスタートし、お泊りで甲府信玄公祭り、佐原夏祭りなども転戦しませう♪
  1. 2013/10/15(火) 22:27:15 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
ハイパーロモの正当な実力を判って戴けたようで何よりです。
ここの画はすべてJPEG撮って出し、加工はリサイズのみという、まさにレンズの実力そのものなのです。
早いとこ、状態の佳きハイパーロモ35mmとTrans-X-CMOSテクノロジーのカメラを入手され、この驚愕の実力を自ら体験されることを強くお勧め致します。
それから世界遺産印の50mmf1.2ですが、幾ら活躍時期が近いからと云って、PENTAX風情の50mmf1.2と一緒くたんにされるのはあんまりではないでしょうか?(苦笑)
うちにも同時期の50mmf1.2はコシノンから、ニッコールからキャノンまで色々と取り揃えていますが、う~ん、今回の実写結果でもNFD50mmf1.2Lの赤鉢巻とほぼ同等、かのさくら印のモンスターレンズとノクチ50mmf1.2手磨きモデルの中間くらいには位置する描写性能に思えますが・・・
  1. 2013/10/15(火) 22:41:58 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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