深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

The great province in Japan !~鹿沼祭2013(後編)~

さて、大変遅い更新となってしまい申し訳ありませんでしたが、これには深いワケがありまして、日曜晩にいつも通り更新しようとしたら、このFC2のプログラム不調なのか、画像処理ソフトでリサイズの上、縦横変換したファイルをアップロードしたら、それが何故か縦位置写真が横のまま表示されるという不具合が発生し、月曜日にブログアップすっぺ♪とか甘いことを考えていたら、世の中そんなに甘くない、会社の仕事が片付いたのが22時半近く、そこから帰って来て、翌朝、8時過ぎの出社が控えているのに夜なべしてまでブログ更新する根性が無かったというのが真相です。
では、早速、鹿沼祭り2013、二日目の行動と共に写真を追って行きましょう♪

kanuma13_013.jpg
まず一枚目のカットですが、朝、JR宇都宮発、JR鹿沼駅経由、メイン会場エリア入りしたのですが、11時前にも関わらず、既に気の早い山車は路上に繰り出し、総ねりのリハーサルとばかり、お囃子を奏で、その廻りで社中の老若男女が楽しそうに語らい合っていて、なかなかイケてる小姐二人組と目が合ったので、ちょいとキレイどころのお姐さん、山車の前で一枚撮らしておくんなさいよ♪てなノリで戴いたもの。
機材はM8にSpeedpanchro40mmT2.3改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
さすが第一線級のシネレンズ、40mmにしては被写界深度は思いのほか浅く、画面向かって右の小姐でピンを合わせたら、多少前位置に立っていた向かって左の小姐は若干前ボケとなってしまっています。

kanuma13_014.jpg
二枚目のカットですが、やはりメインストリート上で社中が暫しの休憩を取り、寛いでいた山車の様子を撮らせて貰ったもの。
機材はM8にSpeedpanchro40mmT2.3改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
ピンは画面向かって左の法被の小姐の背中に合わせたと思いますが、ここでは距離も有ることで、全部の法被の背文字が被写界深度にギリギリ入っているように見えます。
また、銀塩だとなかなか発色が難しい、一部照り返しの路面入り日陰メインのカットではありますが、見た目忠実になかなか良い色合いに上がっていると思いました。

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三枚目のカットですが、メインストリートを今宮神社方面に歩いていたら、或るお寺の門扉横で寛いでいたお先棒の小姐隊の姿が目に留まったので、傍らの保護者の方々も交え、熱心に出演交渉、かくして美形揃い踏みでのカットとなったもの。
機材はX-Pro1にHyper-Lomo50mmf2の絞り優先AE、開放撮影です。
発色は緑の木立越しの直射日光に白塗り小姐ですから、AWBも難しかったらしく、若干青カブリ気味にも見えますが、敢えてソフト等で修正せずアップしました。
背景の木立の渦巻きボケもロシアの荒削りなレンズのパッションを表しているようでなかなか面白いと思いました。

kanuma13_016.jpg
四枚目のカットですが、メインストリートから今宮神社への近道である、東方面への道に曲がった途端、集合写真を撮っている社中の姿を認め、撮影メンバー全員で、或る者は駆け足、或る者は早足で駆けつけ、散々撮らせて貰ったのですが、その周辺で遊んでいる童子達の値千金の笑顔に惹かれるものがあったので、お願いして一枚撮らせて貰ったもの。
機材はM8にSpeedpanchro40mmT2.3改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
さすがM8とSpeedpancroの名コンビ、こういう時もしっかりと押さえてくれます。
このカット、中央部は文句無く良く写っていますが、背景のボケも印象派絵画的で面白いし、周辺の僅かな光量落ちが効果的に演出してくれます。
因みにのも法被が紫に見えるのは、M8名物のマゼンタかぶりなどではなく、元々の法被の染め色です、念のため。

kanuma13_017.jpg
五枚目のカットですが、神社へと向かうメインストリートに並行する裏道を歩いていたら、道に面する公園広場みたいなところで、いたいけな童子達の楽隊が健気に何らかの楽曲を演奏していたので、その姿を焼き付けるべく一枚戴いたもの。
機材はM8にSpeedpanchro40mmT2.3改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
近距離だとあまり目立ちませんが、ここまで青空を入れて数メートル先にピンを合わせて取ると、先のカット同様、やはり対称光学系のクセである、周辺光量落ちが僅かながら目に付くようになります。

kanuma13_018.jpg
六枚目のカットですが、裏通りい面したとある神社の参道入口付近で、メンインブラックの調査員と宇宙人グレイの記念撮影宜しく、大の大人がいたいけな極小姐を両脇から手なんか掴んで、持ち上げたり遊んでいたんで、ハィそのまま、そのまま、撮りますからね、と声かけざま、カメラ目線になる間もなく一枚戴いたもの。
機材はM8にSpeedpanchro40mmT2.3改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
これも日陰と日なたが同居する難しい露出条件でしたが、蔵の壁で露出を割り出し、AEロックという超高度なワザを駆使し何とか見られる範囲の露光に収めたという知られざる苦労の一枚なのです。
X-Pro1なら実画像見て、露出補整も簡単ですが、M8は一発勝負ですから・・・
ここではちょい後ピン加減なためか、後ろの祭り装束の人々もそれほどボケずに写り込んでいます。

kanuma13_019.jpg
七枚目のカットですが、メインストリートを練り歩く、山車とその町会の社中を追いながら、シャッターチャンスを狙い、一枚戴いたもの。
機材はM8にSpeedpanchro40mmT2.3改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
このカットではまさに名コンビの本領発揮とばかりに艶やかな発色、シャープで均質性の高い画面、そしてなだらかなボケ、とシネレンズで撮っていることを思い起こさせる一枚となりました。
しかし、お先棒小姐の足袋と、向かって右のヲサーンのズボンが紫なのは、云わずと知れたM8のおイタです。

kanuma13_020.jpg
八枚目のカットですが、前から撮ったお先棒一行をやり過ごすと見せかけ、背後から一閃浴びせた一枚です。
機材はM8にSpeedpanchro40mmT2.3改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
いたいけな小姐達の姿が忠実に描かれているのは言わずもがなですが、写真的には画面中央右を締める朱色の日傘の日光を透かして光るさまと周辺光量落ちのグラデーションに惹かれました。

kanuma13_021.jpg
九枚目のカットですが、灼熱のメインストリート路上で、とても素敵な笑顔で幼い弟をあやしながら唄を唄う美小姐の姿が目に留まったので、声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。
機材はM8にSpeedpanchro40mmT2.3改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
名コンビが贈る程好いシャープさと忠実な発色がこの幸せそうな姉弟のひとときを余すところなく描写しているのではないかと思いました。

kanuma13_022.jpg
十枚目のカットですが、停車し、福の神の仮面をつけた演者が福銭やら、福餅みたいなものをバラ撒く傍らで、その社中のいたいけで素朴な美しさが光る小々姐がとても素敵な笑顔で同僚と語らい合っていたので、その瞬間を抜き打ち的に戴いたもの。
機材はX-Pro1にHyper-Lomo50mmf2の絞り優先AE、開放撮影です。
信じられないほどシャープでエッヂの立つ弟分の35mmレンズに比べ、この50mmはかなりマイルドな描写ではないかと思いました。前ボケと化した小々姐も、他のカットでの荒々しい後ボケに較べれば、ずっと優しく見えます。

kanuma13_023.jpg
十一枚目のカットは、メインストリート上での客寄せイベント、オール小姐による即席路上綱引き大会の図です。
機材はM8にHyper-Lomo35mmf2改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
さすが、妖物の眼、Hyper-Lomo35mm、眼が痛くなるようなシャープさとエッヂの立ち具合いで印象的に思えました。

kanuma13_024.jpg
十二枚目のカットは、帰り際、夕陽を浴びて佇んでいた山車社中の曳き手の美小姐の美しい横顔の図です。
機材はM8にHyper-Lomo35mmf2改Mでの絞り優先AE、開放撮影です。
やはりここでも、この被写体の美小姐は夕陽の中、浮かび出るように描写され、また衣装の赤も息を呑むが如き艶やかさで、レンズの途中交替はやはり大成功だったと思います。

今回の鹿沼祭りでの撮影を通じ感想としては、素朴で優しく、人懐こい人々のお祭りを楽しませて貰ったという感謝の念です。
二日目の午後に或る山車の社中を撮っていたら、羽織に着物のご老人が「町場の方ですかな?」と目を細めて笑顔で聞いてこられたので「はい、江戸表は深川から昨晩駆けつけました、昨年もお邪魔しました」と応えたら、「今年は天気も良いので、良いおもてなしになりそうですな、ゆっくり楽しんで行って下さい」と言われ、来年も是非お邪魔したいと思いました。

さあ、来週の更新は結構溜まった秘宝館から何か紹介しましょうかね。乞うご期待!!

テーマ:日本の祭り - ジャンル:写真

  1. 2013/10/20(日) 23:31:15|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<Tradition sometimes makes a miracle~Yashica DSB 50mmf1.9~ | ホーム | The great province in Japan !~鹿沼祭2013(前編)~>>

コメント

ハイパーロモとスピードパンクロの共演がすばらしい。

Charley944さん
お疲れです。

M8やX-Pro1との相性がいいのか、とても鮮やかでぬけの良い写真のオンパレードですね。
これレンズのクリーニングもマウント加工時に合わせて行ったのでしょうか。
35mmハイパーロモと40mmスピードパンクロで撮った映像はどちらも臨場感あふれるもので、自分も祭りに行った気になれました。

50mmのハイパーロモは35mmと比べると若干抜けが良くない様に見えましたが、これは光の加減によるものでしょうか、それとも元々50mmはこういう感じの映りなのでしょうか。

最近フォトベルゼ辺りに同じような50mmハイパーロモが出ていたので、そこだけはちと気になりましたね。
  1. 2013/10/23(水) 19:41:08 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
公私とも色々有って、レス遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
これらのレンズ、みんなヴァーヂンもしくは、それに近い状態で入手したので、くたびれたのをそのまま改造したのとは一味も二味も違うのですわ(笑)
で、hYPER-lOMOの35MMと50MMの描写傾向の違いですが、結論から云えば、同じ工場製ですが、全然別物。何とならば、35MMが2世代程度後の設計のようだからです。ですから、50MMと較べるのであれば、モデルコードxxxの後の数字が同じ世代のもの同士でやらなきゃダメでしょうね。
寧ろ、35MMの方に近い写りはPO系列の古いもの、しかもきちんとメンテされているものの方が当てはまるのではないかと思いました、詳しくはご連絡戴ければお教え致します。
  1. 2013/10/26(土) 08:23:42 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

(ずいぶんと遅くまでの残業ということで驚きました。ご苦労様です。)

ソ連崩壊原因でもないでしょうけれど、ロモ50mmの山車脇に談笑する少女たちのとても優しげな色彩が印象的です。こうしたokc50mmは、国力と直接関係あるのか不明ですが、古いものでもシャープに見えるものがあって妙なものです。

(50mmのpoもそれほど調べたわけでもありませんしどういった種別かも不明ですが、どことなく面白い描写ですね。)

cookeの40mmは微妙に周辺減光があって、今後フルサイズ・ミラーレス発売後には生き残れないのかどうかと心配です。

しかしながら、7枚目の風格のある映画のようなシーンというのには納得できますし、コンパクトな18x24mm相当のアパチュアサイズ・ミラーレスカメラも、今後も残してほしいものです。


  1. 2013/10/26(土) 20:57:51 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
そうですね、ロシアのレンズは元々の描写傾向が異なる上にヴァーヂンから、使い倒されたガタガタの個体まで千差万別ですから、手に入れた個体の描写の出来不出来は、当たりハズレの次元で語るしかないのかと・・・
ただ、まだまだ安いですから、当たったと云ってはもう一本押さえ、ハズレたといっては、もう一本試しに買うなんてことになるのでしょうね、まぁ道楽のうちでは罪が軽い部類でしょう(笑)
それからスピードパンクロの40mmの周辺減光については、今回稼動のモデルは奥目なので、元々、フィルムで撮っても影が四隅に認められましたが、よりテレセントリック性に敏感なCCDではたとえAPS-Hという一回り小さい撮像素子でも余計に目立つということなのかも知れませんね。
ただ、うちにもう一本ある、Ser.IIのハウジングにSer.IIIのエレメントが入った個体はそれほど奥目でもないですし、元々、前後のエレメントも大きくレンズ後端の配光特性が異なり、フィルムでも問題なく撮れますから、M8ならこのロシアのモンスター達と同様の活躍をした筈です。
ただ、シャープネスがSer.Iに属する奥目の方が上だったので、怪物みたいなマイクロニッコールとかハイパーロモ、或いは世界遺産印と渡り合うのなら、ということで、あえて、イメージサークル的にはハンデある方を選んだ次第です。
  1. 2013/10/26(土) 23:23:48 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

うあああ!五枚目凄い!!
スピードパンクロ凄...。

っていうかこういう遠近感立体感の出し方もあるのか...なるほど。
  1. 2013/10/28(月) 13:03:25 |
  2. URL |
  3. JY #1Nt04ABk
  4. [ 編集]

JYさん
有難うございます。
そうそう、写真って、いろんなパラメータがあるからこそ面白いんですよね、被写体、アングル・構図、光線状態、撮る人のウデ、そしてレンズ固有の描写特性。
これらの組み合わせ次第で、各人の好みのカットって出来るんぢゃあないかと。
また、腰良くなったら、撮りいきましょうよ、年末はノンライツ忘年会やりますしね♪
  1. 2013/10/30(水) 23:01:19 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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