深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

A little autumun may be found~深大寺新蕎麦&紅葉ツアー2013~

さて今週のご紹介は、予告通り、11/23に秘密結社「ノンライツRF友の会」の愉快な仲間達各位と出掛けた、紅葉真っ盛りの深大寺ツアーからハイライト編としてお送り致します。

当日は、10時半集合、実質、11時前から撮り始めたのですが、メンバーの日頃の功徳の賜物か、晴天に恵まれ、気温も程好い状態でまさにお出かけ撮影日和そのものでした。

機材は、カメラはオールX-Pro1、レンズは1~3枚目のカットまでが、Auto Miranda 35mmf2.8、4枚目からラストまでが、Petri35mmf2.8です。
撮影条件は絞り優先AEによる全コマ開放撮影です。
では、早速当日の行動に沿って、撮影結果を見て参りましょう。

Jindaiji13_001.jpg
まず一枚目のカットですが、一行は11時前に集合後、まずは山門から西の方角にあるちょっとした木立の広場で蚤の市みたいなイベントやってるので、まずそこでヲーミングアップ代わりに撮ろうぢゃまいか?ということでみんな打ち揃って気もそぞろに会場に着き、そこで撮り始めた時に、難しい顔して散策している白人の男性がやって来たので、一枚戴いたもの。
同じ35mmでも、Hyper-Lomo35mmf2の切り抜いたが如き輪郭描写には遠く及びませんが、それでも、木立の中で背後には木漏れ日の盛大な照り返しが写り込んでいる状況でこのくらいのコントラストと程好いシャープネスで描写出来る性能は、往時の国産レンズもなかなかやるもんだ、と正直関心しました。

Jindaiji13_002.jpg
二枚目のカットですが、同じく蚤の市のエリアで市のボランテアみたいな妙齢のオモニ?が昔話をご自分の人生観に重ね合わせた新解釈で編集し直したと思われる愉快な紙芝居を休み休み上演していたのを赤ん坊を背負った若いオモニが背中の赤子をあやしながら紙芝居見物としゃれ込んでいたので一枚戴いたもの。
X-Pro1の撮像素子の性能なのか、はたまた、マグニファイヤもない一眼レフの光学ファインダでは性能が出し切れていなかったのか、研究の余地はありますが、いやはや、カリカリしてはいないものの、赤子を背負った若いオモニのウールの帽子の生地のテクスチャをはじめ、発色バランスを含め、素晴らしくリアルに細部を再現し、しかもバックのボケは変な非点収差の渦巻き現象なども生ぜず、ゾナーの如きマイルドな蕩け加減です。

Jindaiji13_003.jpg
三枚目のカットですが、土産物屋街に続く東西の参道に面した蚤の市の広場の外れで、あやつり人形を披露している兄さんが居て、子供連れが興味を持って近寄ってくるたびに、飽きもせず熱心に、市井の人形遣いとしての熱き思いの丈など語っていたので、背後から一枚戴いたもの。
ここでは向かって左の極小姐のピンクのフリースやコンビニ御用達の白きポリ袋に直射日光が当たり、かなりのハイライト加減だったのですが、金属光沢で日光を反射しているマイクスタンド状の物体表面にパープルフリンジが認められるくらいで、鑑賞上有害無益なフレア、ゴーストの類いが認められないのはやはりたいしたものだと唸ってしまいました。

Jindaiji13_005.jpg
四枚目のカットですが、深大寺ペットセメタリー近くの蕎麦の名店「松葉屋」さんでのゴーヂァスな蕎麦のランチを挟み、午後の撮影に出掛けた神代水生植物園での紅葉を入れたカットです。
ここは、さすが財政的にゆとりある都の施設だけあって、湿地帯上に架けられたウッドデッキ上の歩道はいつも白木に近い美麗な状態で、植物の緑と花や、紅葉の赤や黄色に映え、とても素敵な素材ではないかと感心しております。そんな穏かな配色を往年のPETRI製の広角は歪みや流れもなく、忠実に描写してくれます。

Jindaiji13_006.jpg
五枚目のカットですが、深大寺城跡での撮影後、お茶を挟み、陽加減がイイ按配になってきたということで、再び、深大寺周辺に戻り、撮影した、蚤の市会場入り口の山羊に餌付けなんかしていた心優しい極小姐の図、山羊さんとのツーショットです。
或る意味、このカットをPCのモニタに映し出し思ったことは、硝質、コーティング、そして構成ともAngenieux35mmf2.8と瓜二つながら、この極小姐の清潔そうな白いウールのセーター上のハイライト滲み、これこそが、PETRI製レンズのDNAであり、真骨頂なのではないかと思いました。

Jindaiji13_007.jpg
六枚目のカットですが、陽も傾きかけ、タングステン光源が存在感を増して来た頃の茶店街のランドマーク的存在、浅草の「あずま」さんと並ぶ、美形小姐が看板娘を務める「八起」さん店頭の図です。
このカット、湯気がもうもうと上がり、しかも背後からハロゲンの光源が店頭の小姐をガンガン照らしていますが、ここでも、かなりクリアにそして程好いソフト加減で主役の看板娘を中心として、秋の夕暮の雰囲気を描き出しているのではないかと思いました。

Jindaiji13_008.jpg
七枚目のカットですが、深大寺山門脇には見事な紅葉を見せる古木が植わっており、その手前には、如何にも儚げな風情の芒が風になびいていたので、その対比を面白く思い一枚撮ってみたもの。
ピンは手前の芒に合わせていますが、背景の紅葉も素晴らしくなだらかなボケで、まさに暮れ行く秋の穏やかな空気まで描き出したカットになったのではないかと自分では思いました。

Jindaiji13_009.jpg
八枚目のカットですが、山門前の茶店街でちまちまと秋の痕跡を探し出して撮っていたら、突如、山門の辺りから喚声が上がり、振り返ってみれば、朝から七五三で賑わっていたこの深大寺で、仏前結婚式のカップルが門をくぐり抜け、まさに階段を降りようとしていたところが目に留まったので、EVFを速写向きのピーキーングモードに切り替え、数カット撮ったうちの一枚。
ここでも、純白無垢の花嫁衣装は晩秋の傾きかけた陽光に輝いていましたが、この往年のレトロフォキュレンズはその晴れの衣装全面に優しげなフレアを纏わせた姿で描写していました。

今回の感想としては、やっぱり、仲間と撮りに行くのは楽しいですね、同じ被写体を人により撮り方が違うし、また自分が見落としたシーンを撮っていたりと、後でネットにアップされたものを見ても、佳き刺激になります。

さて、来週は工房作品から何かご紹介致したいと思います。乞うご期待!!

テーマ:四季 −秋− - ジャンル:写真

  1. 2013/12/01(日) 21:03:04|
  2. 街撮り写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

たんに高性能というだけては達成できないような、わたしは5/7/8カット目の素朴な風合いがたまらなく良いです。こうした写真のように、技術を超えた向こう側にPETORIの世界観があるようで、それはまた平穏な日常にこうべを垂れてしまうような瞬間でもあります。


  1. 2013/12/02(月) 00:40:58 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

MirandaとPetriでこうも違うとは。

Charley944さん
お疲れです。

往年のメーカーレンズによる競演、拝見いたしました。
Petriの方は自分も以前浦和での作例を上げましたが、安定の色合いで光加減さえピタリと合えば、独特の世界観を築いてくれますね。
Mirandaの方はシャープな印象を受けます。
こちらは今マウントアダプター待ちの状況ですが、かつてNikon やCanonが警戒した性能はいまだ健在と言う印象を受けました。
目指す方向が違うのかもしれませんが、Petriの方が対象の輪郭をソフトに描くのに対し、Mirandaは開放から焦点の合った箇所をくきりシャープに写し撮っている様です。
どちらも今は市販のマウントアダプターがないので捨て値で入手できるわけですが、アダプターさえあれば再評価されると思うのですけどねえ。

KIPONやKernelも、メジャーレンズのマウントアダプターだけに血道を上げず、こういうマイナーレンズのアダプターも作れば名前が上がるのですけどねえ。
  1. 2013/12/02(月) 18:50:26 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
このいにしえのレトロフォキュレンズの醸し出す独特の世界観に共鳴して戴き、とても嬉しく思います。

まだまだ、Petriの銘玉達ははそのひ弱なボディや、紛糾の挙句、自滅してしまった会社等のネガティブイメージで、正当な評価を得られていませんが、それでも、名の有るメーカー製品とは異なる、優しい叙情的描写は今でも十分通用するものだと思っています。
  1. 2013/12/03(火) 22:39:35 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

Re:MirandaとPetriでこうも違うとは。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
そうですね、線が細めでシャープなビジネスライクな描写がMirandaなら、もっと叙情的で感性に訴えかけるが如き描写がPetriではないかと思います。
1970年から1980年代にかけて、PetriもMirandaも三流扱いで、結局、両社とも、人知れず、この世を去ってしまいましたが、その膨大な遺産はまだ市中で正当な評価を受けることもなく、たな晒しのままですから、アダプタが市販されていないことをイイことに、選り取り見取り、状態のイイものを少しずつでも買い足していこうかなと思っています。
  1. 2013/12/03(火) 22:45:59 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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