深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Oh! Folmosa♪~台北ツアー'13冬~

さて、一週お休みを戴きまして、今回が今年最後の更新、12月の三連休+1で旅をして参りました、「美麗島(Folmosa)」こと台湾ツア-'13冬からハイライト編をお送り致します。

出発は12/20の金曜日、世間の皆々様が年末最後の追い込みとばかり精勤されているのを尻目に、有り余る有給休暇を言葉巧みに取得し、ハローキティヂェットで台北は松山空港に着いたのは、現地時間で15時ちょい前のことでした。

当日は雨で、というか、4日間、結局全部雨だったのですが、到着当日は、いつもの倣いで、まずMRTとバスを乗り継ぎ、ナイター営業の故宮博物館に挨拶がてら顔を出し、早々と江戸お留守居役諸氏への土産調達です。

しかし、運命の暗転はこの故宮での長居から始まったのでした。

それは何故かと云えば、市内に戻るのが遅くなってしまったため、いつも素食の晩飯を戴く台北駅ビル二階の「明徳素食園」が仕舞モードで食事が出来ず、普段とは違うフードコートで、客家飯のコース(二人前)を意地汚く食べてしまい、翌日から胃痛と下痢に苦しめられ、悪天候とこの体調不良でベストの撮影モードとは行かなかったのです。

では、言い訳もひとくさり述べたところで、早速実写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、到着翌日も雨だったのですが、ホテルで現地TVを観ていると、昨晩からずっと基隆の観光港に浮かぶ、巨大アヒルの話で持ち切りだったので、どうせ雨でも、傘さしての撮影か、巨大なオブヂェだから、建物の中からでも何がしかは撮れるだろうとの打算で、止せばイイのに、ローカル列車の立席で1時間も揺られて、すっかり体調不良モード全開状態で基隆の駅に着いたのは13時半過ぎ、駅に停まっていたアヒル特別列車を撮ったもの。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

当日はかなり厚い雲に覆われ、昼過ぎとは言え、暗めの光線状態でしたが、さすがミラーレス、かなりイイ具合いに描き出しています。

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二枚目のカットですが、駅を出てすぐの回廊でアヒルグッズを販売していた小姐2名組に「可以拍照嗎?」と声掛けてみたら、一人は顔を抑えて後ろ向いて、一人は「ハァ~ィ!」てなノリノリなカンジで手を上げてくれたので、即採用!となったものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

帰ってからモニターでまじまじと眺めたら、昔、田舎のデパートに歌謡ショーにやって来た天地マリの往年の笑顔を思い出してしまいました。

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三枚目のカットですが、小姐2枚続きもどうかなと思ったのですが、ちと恩義有る小姐なので、掲載したものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

どんな恩義かと云えば、朝飯も食べられず、下痢の脱水も有り、体調絶不調のため駅のベンチで青息吐息で現地で買ったチュアブルタイプの胃薬をため息つきながら飲んでいたのを一部始終見ていたらしく、ベンチから立ち上がって、蒼い顔(たぶん)で歩き出そうとしていたら、この小姐が何と、下痢には有り難いイオン系飲料を手に歩いて来て、流暢な日本語で「顔色良くないですね、これ飲んで下さい」と渡してくれたのです。

で、お礼を述べてお代を渡そうとしたら、「キャンペンなのでタダですよ」と云うので、せめてお姿を一枚撮らせて、優しい小姐のご尊顔を日本にも紹介したいので・・・とお願いして撮らせて貰ったのです。

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四枚目のカットですが、やっと体調が小康状態に戻ったので、傘を差し、港まで歩いて行って、話題の「巨大アヒル」の雄姿を捉えたものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

が、しかし、ここで機材選びに難点が・・・そうシネレンズではシャープさや情報量が豊富なのはイイのですが、そうこの巨大アヒルの縫合線やら、雨による汚れの縦筋までくっきりこんと写し込んでしまったのです。

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五枚目のカットですが、巨大アヒルの雄姿だけ撮ってたんじゃ、深川流スナップの名が廃ろうってもんなので、港周辺でアヒルを背景に記念撮影なんか楽しんでいるところを借景として一枚戴いたものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

これほどシャープで情報量多いレンズにも関わらず、バックのボケがゾナー並みに滑らかなのはさすがといつも思います。

しかし・・・傘差してのi-Phone手持ちぢゃまともな記念撮影なんか出来よう筈もないので、この後、声掛けて、彼らに向けてシャッタ-を切って上げたのでした、めでたしめでたし。

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六枚目のカットですが、巨大アヒルをモチーフに何枚か撮っていたら、風も出て、愛機X-Pro1が冠水する危険が高まって来たので、そろそろ引き上げようという時に港のアヒルを物悲しそうに眺めている小姐が居たので、ちょいと声掛けて、横顔を撮らせて貰ったもの。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

実は笑ったカットも撮るには撮ったのですが、そちらはちょっとピンとブレの問題がありまして、こちらのややニヒルな横顔のカットが採用となった次第です、はぃ。

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七枚目のカットですが、一夜明けて滞在三日目、北回帰線の南は晴れ時々曇りという情報を得ていたのですが、計画通り、台湾高速鉄道を使い、台中まで出掛け、そこからバスで辿り着いた「鹿港」の路地です。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

無造作とも思える積み方の煉瓦壁、そして古風な鉄製の金枠に妙に明るいブルーのペンキ塗り、同じ路地裏でも、日本のそれとはだいぶ趣きが変っていて面白いと思いました。

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八枚目のカットですが、同じ「鹿港」の裏通り、目抜き通りを結ぶ道を鼻歌なんか歌いながら通り過ぎて行く観光客の後姿を戴いたものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

日本でも、中国メインランドでもない、まさに台湾の空気がそのものが漂うカットになったのではないかと思います。

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九枚目のカットですが、鹿港の名所の筆頭、「掏乳巷」の入口付近で常に待機している人力車で遊ぶ極小姐達の姿が目に留まったので、親御さん達に「可以拍照嗎?」と声掛け、「好、是!」と応えてくれたので、通じないのに、「ほれ、こっちゃさ向いてけろ!」とか話し掛けながら撮ったもの。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

こんなノリノリで協力的な極小姐達もお年頃になってしまったら、写真撮らしてよ、とか声掛けても、やだよ、はずぃよ!とかお断り食っちゃうんだろうな・・・とも思い、ちょっと寂しくはなりましたが。

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十枚目のカットですが、鹿港でほぼ半日撮り続け、さて戻ろうかいなとか考え、バスで通って来た、鹿港のメインストリートを南方向に歩いていたら、何かしら、たぶん、道教関連ではないかと思いましたが、お祭りの一行と遭遇し、その行列の中のトラックの荷台で、無我夢中にスマホンでのゲームに打ち興じる幼い兄弟の姿が目に留まったので一枚戴いたもの。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

非常にシャープなレンズですが、光線状態のいたずらか、幼い兄弟の姿を何故か柔らかな雰囲気で描写しているのがとても気に入ったカットです。

Taipei_012a.jpg
十一枚目のカットですが、滞在四日目、その日の夕刻にはまたしても白ネコ印の飛行機で江戸表へ戻らねばならないの、宿を12時前にチェックアウトし、台北駅構内でスナップしようと思い、到着当時から気になっていた、セピアの壁面写真の有る通路でのカットです。

機材はX-Pro1にHyper Lomo 35mm f2改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

ただ壁面写真だけ撮っても面白くないので、通行人を写し込もうと虎視眈々と待ち構えていたのですが、ちょうど、曰く有りげなカップルが通り、しかも、小姐の方が、思惑通り、壁面写真の方に注意を向けながら足早に通り過ぎて行ってくれたので、イイ按配の演出になったのではないかと思います。

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十二枚目のカットですが、駅ホールで一番最後に撮った、メインランドからの観光客のお子さんである極小姐姉妹のお姿。

機材はX-Pro1にHyper Lomo 35mm f2改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

実は、当日も鹿港でのハッスルのおかげで、体調絶不調は変らず、かなり酷い顔色とムリに作ったような笑顔で声掛けまくったので、次々玉砕、親御さんがOKしても、童子達が只ならぬ雰囲気を察し、親御さん達の後ろに隠れてしまう、或いはしがみついてイヤイヤするなんて拒絶反応を立て続けに食らい、相当心が折れかけたのですが、最後の最後にダメ元で声掛けてみたら、オモニが笑顔で頷き、幼い極小姐姉妹を横で撮らせて貰ったのがこのカットです。

まぁ、普通の写真っちゃ普通の写真ではありますが、オモニと極小姐達に「謝々、再見!」と声掛けて立ち去ろうとしたら、お婆と思しき老女が手を振って、「感謝!」と笑顔を見せてくれたのです。それで採用となったわけ。

今回の感想としては、やっぱり、イイ写真撮ろうとしたら、精神力が要ります。その精神力の源泉は健康以外の何物でもありません。健康には気を付けて、傑作モノにしましょう。

で、次回、新年一発目の更新は、鹿港スペシャル、3本のレンズを使い、モノクロフィルムで18世紀、清の時代の路地も残る鹿港の素顔を捉えた特集行きます、乞うご期待。

テーマ:旅の写真 - ジャンル:写真

  1. 2013/12/29(日) 23:57:54|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

近頃はヒコーキが発着するのを眺めながら休憩する所で働いているので、こうして異国へと往きたい気分しきりです。


944さんの人物写真は、今回特にグローバルにフツーに写っているので、じつはそれほど異国情緒を感じません。

そのような中で、7枚目のような路地裏に、わたしは言い知れぬ、異国に滞在する時の不安感を急き立てられます。
kinetarは厚みのあるボケで、しかもとろける様な被写体の感触に感情移入させられます。ここでふと、ふいに誰かと対面したらすぐさま緊張感が走り、自分が日本人として異国に立ち止まっているという強い脅迫観念に襲われてしまう・・・、そんな状況を期待してしまいます。


それにしてもこうしてみると、アヒルだのデパートのツリーだの壁面写真だの、賑わっている背景は世界的に似たような景色が展開しているような感もありますね。


ロモのレンズも、色気の無い閉所通路のような壁写真での場面も、壁の微妙な石の感触を上手く引き出しているし、kinetarに十分対応できてるように見えます。

レンズもグローバルに使ってみて、色の出を見たり使い勝手を計れる、そんな楽しみに浸っているようで羨ましいです。


(次回の、清時代の遺跡とやらが楽しみです!)




  1. 2013/12/30(月) 11:57:18 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

体調不良の分、一枚一枚に集中力が増している様な?

Charley944さん
お疲れです。

もしかして到着早々のフードコートで食べたものの中に牛肉エキスでも入っていたのではないですかね?

ただ、体調不良になった分一枚一枚の集中力が増したというか四隅まで神経が行きわたっている様にも思うのですよ。何と言いますか、試験前に風邪ひいて熱出た時の方が妙にテストの点数が良かったような、あんな感じで。

そんな感じで9枚目と10枚目は、子供の笑顔もそうですが、奥行きまで計算したかのような映りが見事です。
特に10枚目は荷台の箱まできれいに映し出していて、生活感が見えてきますね。
11枚目はCharley944さんにしては珍しいカットだなと感じました。抜き打ちと言うかすれ違いざまの瞬間速写がCharley944さんのモットーだと思ってましたが、こういうのも撮られるのですね。
ポケット広いなあ。

ただ、CookeKinetalの色調が黄色方向に引っ張られている気がしますけど、これは台湾の空気とかに影響されてますかね?
HyperLomoがきれいに見えるだけに何かこう引っ掛かりを覚えました。
ホワイトバランスは自動でずれるわけじゃないし、何だろう、相性なんですかね。

鹿港も楽しみですが、体調不良が続いたときに無理すると後々にも響きますので、養生されてください。
それでは良いお年を。
  1. 2013/12/30(月) 17:21:43 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
今年も宜しくお願い致します。

小生の年末旅行も恒例となっていて、当初は"避寒"、"避X'Mas"を目的として本土から離れるという趣旨だったのが、だんだんと旅先での発見が目的になりつつあり、初期の那覇界隈から、ここのところ、ソウル、台北と海外シフトが進んでいます。

貴兄がいみじくも指摘されたように、スナップを撮るときは、あまり、国内、海外を意識せず、見たままの景色を、多くの同時代の人々に伝え、出来得るならば、後世の人たちに21世紀初頭の風俗絵巻として遺したいという思いで撮っています。

でも、実際は撮っている時にはそれほど緊張感や気負いなどなく、実は出発直前の機材選択の方がよっぽど頭と気を使うのですね。
  1. 2014/01/04(土) 00:28:35 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

Re:体調不良の分、一枚一枚に集中力が増している様な?

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
今年も宜しくお願い致します。

今回のカットで目を惹くものが有ったとすれば、それは体調不良によるよりも、寧ろ、到着時雨、宿に着いて、ローカル天気予報でも4日間とも雨、但し、北回帰線を境に、中南部は曇り時々晴れ、ということで、台湾新幹線、ローカルバスで貴重な雨の切れ間を求めて旅した、気合いの為せる技だったんぢゃないかと、自分では思ってます(笑)

でも、Kinetalはイイ仕事してくれたと思います。

防塵、防滴フィルターを仕込んであるので、多少の雨が降ってもへっちゃらですし、X-Pro1と組めば、ピーカンから薄暮までオールマイテーなのは石岡で証明済みなので、結構安心して一緒に旅が出来ました。

で、この暖色に転ぶのは、このCooke一族の特色とも云える味付けで、Speedpanchro Ser.IIの50mmよりワイドの玉であれば、もっとアンバー系に色シフトしていたのではないかと思います。

小生は虹彩の色の関係で、白色基準がやや5000°Kより低いらしいので、これくらいが快適に見えます。
  1. 2014/01/04(土) 00:39:08 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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