深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Un pequeño monstruo del fondo del mar~W-Nikkor35mmf2.5mod.M~

w-nikkor35mmf2.jpg
さて、今宵のご紹介は、予告通り、工房で今年初めに改造した、W-Nikkor35mmf2.5改Mです。

このレンズ、勿論、元は不世出の水中カメラ、NIKONOS用の水陸両用として、1963年8月に発売され、1976年8月にマルチコート化されたと云うことです。

構成は4群6枚の変形オーピックタイプ、元はニコンSシリーズ用の広角レンズとしてラインナップされたものですが、コンパクトで素性が良かったためか、光学系を一部手直しし、NIKONOS用の主力として採用されたということです。

かつて、当工房がARRI用レンズは135フィルムフォーマットでは満足に撮れない、とか、引伸レンズは一定以上の距離では収差の関係でまともな画が撮れないとか、そういった定説みたいなものを改造と実写でひっくり返してきました、今回も水中カメラ用レンズをMマウント化し、超精密加工の傾斜カムで以て実写したらどんな写りになるか試したもの。

では、早速実写結果見て参りましょう。ロケ地は水戸偕楽園の梅祭、カメラはM8、全コマ開放絞り優先AEです。

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まずは一枚目のカットですが、長い時間、電車に揺られて偕楽園に辿り着いたはイイが、梅は平均してせいぜい1.5分咲き、黒々とした木々の寒々とした光景なんざ撮っても交通費のムダなので、昨年の経験を元に、イベント広場周辺でお勤めをこなす、ミスの小姐2名の働きぶりを挨拶代わりに一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、ミスの小姐各位をまのあたりにして、そのまま傍観者として撮っているのでは当工房の名が廃りますから、当然のことながら、ゆるキャラと観光客の一部をなす童子達とのふれあい撮影タイムの段取りの悪さにより発生するロスタイムを利用し、手持ち無沙汰のミス梅まつりの小姐二名に声掛けて一枚撮らして貰ったもの。

W-Nikkor35_003.jpg
三枚目のカットですが、これも恒例の水戸黄門ご一統に扮した田舎芝居のご一行サマが観光客各位と一緒に記念撮影するというコーナーがあったので、その上前を跳ね、無辜の観光客はなかったことにして、黄門サマとミス梅まつりの小姐、そして助さんだか格さんだか云う黄門サマの手の者を背景の好文亭なる、歴史的建造物を背景に撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、これも梅まつりの恒例イベントのひとつ、いたいけな女子高生が制服姿で点茶してくれるという、アキバ辺りのお年頃の男子なら、聞いた途端に鼻血出して卒倒してしまいそうな催しなのですが、その風景を観光客に紛れ、一枚戴いたもの。

W-Nikkor35_005.jpg
五枚目のカットですが、偕楽園の中に点在する常設売店のようなところも、このシーズンはやはり書き入れ時のようで、店毎に異なる思い思いの法被を店員さんに羽織らせ、呼び込みや物販に従事させていたので、その様子を何気なく眺めていたら、ふと目が合った、なかなかの美形の小姐が居たので、一枚撮らして、と頼んで一枚撮らして貰ったもの。

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六枚目のカットですが、やはり梅まつりに来て梅の花の可憐な姿をアップしないのもまずかろうと、園内を歩き回ること十数分、やっと何とか枝ぶりの良さげな木を見つけ出し、このレンズの最短で一枝撮ってみたもの。

W-Nikkor35_007.jpg
七枚目のカットですが、帰りの水戸駅のホームに水平近くで射し込む夕陽がとてもきれいに思えたので、車内に荷物を置いたまま、発車寸前に列車の外へ出て一枚撮ってみたもの。

さて、今回の感想、実は・・・このレンズ、ちょい構造上問題が有って、もう治したのですが、無限方向へ何回か強く回し込むと、絞りが絞られて行ってしまうという現象があり、6枚め以降は明らかにISO1260で1/60とか日中では有り得ない撮影条件になっちゃってたんで、頭に地が上り、一旦、全コマ消去し、伴走機の撮影結果に急遽差し替えようかとも思ったのですが家に帰ってファイル復活ソフトで元に戻し、伴走機の撮影条件と比較し、何とか梅の木のカットまでは開放だったと推定出来たことから、7枚のみアップしたという次第。たぶん、丘の上から千波湖方面撮った時、無限を強く回したんで絞り込まれちゃったのかな、と。

でも、限られたカットとは云え、良く写りますね、川越でもR-D1sでモノクロ撮影でテストしましたが、シネレンズ並みの性能に驚きました。

さて、来週は海外遠征にて一週飛ばし、その成果は翌々週の週末にアップ致します、乞うご期待。

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

  1. 2014/03/16(日) 19:57:38|
  2. Mマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

とうとう出ましたねえ、UWニッコール

いつ発表されるか楽しみにしてましたが、この前水戸の梅園を見に行かれた際のレンズがこれでしたか。
過日川越撮影会でのデビュー戦の印象が強かったので、カラーでもこれだけ映えるとは驚きです。
ニッコールレンズって、実はこの頃の物の方が好みの写りになるのですよね。

5枚目の女性や1~2枚目の女性の肌の色もきれいに出てますし、6枚目の梅も発色がきれいなうえに色飛びが起きてないということで。
これくらいの晴天だとどうしてもM8の出番となってしまいますが、R-D1やX-Pro1のカラーだったらどう映るのかも見てみたいですね。
自分が依頼している分が出来上がったら、試してみるかなあ。

それと7枚目ですけど残照の照り返しと金属の質感がきれいに見えますね。こういう一瞬を逃さないCharleyさんはやっぱすごいですわ(笑)
海外遠征結果も楽しみにしてますね。
  1. 2014/03/19(水) 02:01:10 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

謎めいていた平面ガラス外し、ご苦労さまでした。

二枚目の背景が、平面ガラス外した弊害か元からそうなのか不明ですが、若干背景に収差感があります。
六枚目はそうでもないので、結局は距離によっての二線ボケに、そのあたりに近い程度のものかもしれませんね、

Sニッコールよりもコーティングが現代に近いだけに、カラーで使っている上での違和感が少ないという点に興味が注がれます。そしてなによりも、フランジバックが短いという、最近のデジタルの世界ではコシナを除けば貴重な製品でしょうね。


わたしも今回の発表を機会に、一枚目のガラス撤去をするために一本追加購入しました。あとはニコノスアダプターだけなのですが、多分日本製が無いというのが寂しいところですね。(個別の「改造」ならあるでしょうけれど…)

ニコノス自体は、結局は距離計がないから残念ですね。
  1. 2014/03/23(日) 01:18:41 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

Re:とうとう出ましたねえ、UWニッコール

出戻りフォトグラファーさん

有難うございます。

お待たせ致しました。

コイツ、カラーでもなかなかやりますが、やはり真骨頂はモノクロでの硬質な画なんでしょうね。

こういう写りのレンズを高性能のAFで制御し、絞り優先AEで撮れる沈胴式コンパクトが出れば、スマホンにやられて見る影も無いコンパデジに代わり、まだまだフィルムのコンパカメもいけると思うんですがねぇ・・・
  1. 2014/03/26(水) 22:29:04 |
  2. URL |
  3. charley944 #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん

さすが鋭い。
このレンズ、中央付近の収差を押さえ、解像度を上げるため、どうせ開放で距離計なんか使った精密射撃なんかやらないだろうとの設計思想で、周辺の像面湾曲が残った設計になっているとのことなんですよ。

今回はM8で薄っすらとその痕跡が残りますが、翻ってAPS-Cサイズの撮像素子のR-D1sとかフジのXシリーズでモノクロなんか撮ると身の毛がよだつような画がと撮れるですけどね。
  1. 2014/03/26(水) 22:32:24 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

あ、それほしい。

Wニッコール35㎜/2.5相当のレンズをAF制御で、しかも絞り優先AEも使えて沈胴式のコンパクト、クールじゃないですか。
そういうカメラを今こそ・・・、どこが出せるんだろう?
見渡すとどこも疲弊してダメそうな気ががが。
リコーもペンタックスと組んじゃったから、もうそういう冒険心は消されたようだし、ニコンはまずデザインを何とかしろよってところだし。ここはひとつキヤノンの底力で何とかお願いしたいところですよ。

とは言え、ソニーが出すというのも乙なもので。
TC-2とかそんな名前で一つ、どないでしょ?

とは言え400プレストや1600スーパープレストが販売終了となる状況下で、果たしてどれだけの市場がフィルムカメラにあるのやら。
企画しても500台限定受注生産とかそんな感じになりそうですね。
富士の中判カメラももう在庫限りって噂ですしねえ。
フィルム使いには厳しい世情ですね。
  1. 2014/03/29(土) 10:48:25 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:あ、それ欲しい

出戻りフォトグラファー さん

お、やはりこの話題には食い付いて来られましたね(笑)

今、こんな尖がったフィルム出せる会社と言えば、世界で一社しかないでしょう。

それはフィルム作っている会社本人、フジですよ。

クラッセのリニューアルで「ハイパークラッセ」ってことでどうでしょうかね。

マーケッティングの仕方にもよりましょうが、たぶん、香港とか台湾辺りの若い写真好きの手合いが飛び付いてきそうな気がします。
  1. 2014/03/29(土) 22:12:12 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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