深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Die Linse, die den Namen eines großen Forschers nannte~Auto Mamiya-Sekor CS 50mmf1.7mod.EF~

SekorSC50mmf2.jpg
さて、今宵のご紹介は久々のEFマウント改造の往年の国産一眼レフ用交換レンズ、オートマミヤセコール CS50mmf1.7改EOS EFマウントです。

まずこのSekor SC銘で50mmf1.7というレンズ、1974年発売のNCシリーズという特殊なバヨネットマウントのカメラ用にリリースされたようなのです。構成は極普通の5群7枚でWガウスに後ろが1枚追加された形式のようです。

入手したのは某中央線で新宿の次くらいの駅からまた奥地に分け入った地味なお店なのですが、入口付近のヂャンク棚に数本転がっており、眼も当てられないような値札が付いていて、普通はヂャンクレンズの状態や出自は尋ねるのはご法度なのですが、他にお客も居ないし、たまには顔出す程度の知り合いなので、どーして、こんな捨て値で叩き売られているのか、問うてみれば、要はあまりにもマイナーなマウントなので使い道がなく、ルーペくらいにしか使えそうにないから、といった耳を疑いたくなるような答えが返ってきたということです。

確かにオート絞りの制御を他社の製品のように底面から突き出したレバー状のパーツを円周方向に推したり引いたりするのではなく、M42のレンズのように底面から突き出たピンの押し込みで自動絞りを制御するからくりになっています。

ただ、それが一本ではなく、約45度間隔で二本出ていて、それが内側にシーソーでも入っているかの如く、片方を推すと、片方が引っ込む、というモグラ叩きか、「レッドスネークカモン♪ イエロースネークカモン♪」の模造ヘビ遣いショーみたいな不可思議な動作だったので、これを手動絞りとして別マウントで使うのは面倒そうだな、という印象は受けました。

しかし、値段が値段なので、とりあえず一本買って来て、アイデアが閃くまで、防湿庫にて暫しおねむの時間をエンヂョイしてもらうこととし、約一年ほどで突如閃いたというか、いつものようにアイデアが降りてきたので、一気呵成に半日程度で改造してしまった、ということです。

では早速実写結果見て参りましょう。

ロケ地は深川発浅草、カメラはEOS50D、絞り優先AEによる開放撮影です。

MamiyaSC_001.jpg
まず一枚目のカットですが、家の前の道を門前仲町駅方向に歩いて行く途中にいつも家の玄関周りを季節の花で飾っている、なかなか心がけの素晴らしいご家庭があり、今回もそのご好意に甘え、ほぼ最短距離で一枚、可憐なマーガレットの花を撮らせて戴いたもの。

MamiyaSC_002.jpg
二枚目のカットですが、浅草に着き、雷門前の車夫さんや観光客各位、そしてきび団子売りの小姐達も今日は今ひとつぱっとせず、撮る気もあまり湧かなかったので、定点観測地である、仲見世一本東の通りに面した扇屋さん店頭の、意匠を凝らした大和絵団扇のクローズアップ、風神の顔にピンを合わせて撮ってみたもの。

MamiyaSC_003.jpg
三枚目のカットですが、ここもいつもの定点観測スポット、仲見世脇の集合店舗建築脇のガスメーター配管が並ぶさまを一枚撮ってみたもの。

MamiyaSC_004.jpg
四枚目のカットですが、何か良い被写体はないか、鵜の目鷹の目で仲見世をキョロキョロしながら歩いていたら、居ました、居ました・・・異国の小々姐がずっと物欲しそうに店頭で人形焼の実演販売をしているヲヂさんの手元と云わず、顔といわず、その一挙手一投足をガラスにべったりへばり付いて凝視していたので、ヲヂさんがそれに気付き、顔を上げた瞬間を撮ってみたもの。

MamiyaSC_005.jpg
五枚目のカットですが、久々に観音様にお参りでもしようとか殊勝なことを思い立ち、手水場で手と口を清め、本堂に上がってお参りを済ませてみれば、なんと賽銭箱の前に陣取って真摯に祈りを捧げようとする敬虔な民草を不躾にも正面から乱写しようとカメラを構え待ち構える、異国の小姐が居るではないですか、これは自分の姿も被写体として晒してますわよ、という意思表示に他なりませんから、びたっと横に張り付いて撮らせて貰ったもの。勿論、気付かれましたが、彼女は苦笑して手を横に広げ首を傾げる例のポーズとったんで、こちらも笑って、ハイさよなら、です。

MamiyaSC_006.jpg
六枚目のカットですが、時間があまりなかったので、お参りを済ませて早々にまた元来た仲見世を戻りながら抜かりなく被写体を捜そうとしたところ、居ました居ました、仲見世で宝蔵門に面した人形焼と揚げ饅頭のお店の実演販売しているすぐ脇で、またしても熱心に見入っている小々姐の様子が目に留まったので、職人さん越しに一枚戴いたもの。
しかし、洋の東西を問わず、どうして年端もいかない小々姐や極小姐はこういう和菓子系の職人さんに惹かれるのでしょうか。もしかして、何かモテ男の秘訣が秘められているかも知れませんね。

MamiyaSC_007.jpg
七枚目のカットですが、仲見世を歩きながら、雪のように真っ白な幼児を抱えた若い白人夫婦とすれ違い、旦那の方とすれ違いざま目が合いましたが、これは絶対にお子さんの写真撮らしてと頼めば、喜んでOKしてくれる!と瞬時にして閃き、2mも離れないうちに追い縋り、卒爾ながら、と声掛けて撮らせて貰ったもの。

MamiyaSC_008.jpg
八枚目のカットですが、観音様にお賽銭奮発したご利益はなかなかのもんぢゃなぁ・・・とか独りごちてもう雷門も間近に見えてきた辺りで、ロシア系の小姐2名がソフトなんか舐めながらお店から出て来て、これも声掛けたら、絶対にOK撮れると瞬時に閃き、呼び止めてお願いしたところ、舐めてるとこはカンベンしてねってことでしたが、こんな満面のスマイルでモデルさんになって貰えたもの。

このレンズ、今はもう135判カメラからは完全撤退してしまったマミヤOPの往年の銘玉だったのですが、このマミヤという名前の製品は、日本史に名を残す二大冒険家の一人、間宮林蔵と奇しくも同じ名前を冠した、チャレンジングなレンズなのではなかったかと思います、そしてその偶然というか、必然がかの地、ロシアの小姐2名がモデルさんのトリを取ったということなのかも知れません。

さて、次回は久々の秘密結社ノンライツRF友の会撮影ツアーから傑作選をご紹介いたします、乞うご期待!!
  1. 2014/05/25(日) 22:06:44|
  2. EOSマウント改造レンズ
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コメント

4,5,6,8と、さらりとした水彩風な淡い色が国産にしては珍しいです。こってり感が少なめで、こういった抜けの良さそうな方向を国産も更に追求すれば、高級品と目されるzeissとはちがったフアン層を開拓できると思いますが・・・。(cookeとか、zeissI以外でも高級品も色々あるのでしょうけれど。)

ローライ35マウントと同等品があったり、マミヤも面白いですね。

一見古そうで色片寄ナドありそうですが、見た目では判別できない見事なレンズで、探してみたいです。

  1. 2014/05/26(月) 00:16:33 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordreさん
有難うございます。
名も無き物故レンズの描写がその道のお数寄者のお目に適ったとなれば、ホリデー職人冥利に尽きます。
このレンズの写り、会社でもクラ亀、クラ玉に興味ありそうもない人間何人かに見せましたが、やはり、心地よい解像感、そして優しげな発色と若干クセはあるもなだらかでマイルドなボケが純粋な写真の鑑賞には有益ではないかと思います。
ただ、このレンズ、極めてマイナーなマウントでアダプタなどは皆無なので、5/31に高輪と田園都市線沿線の工場にはノウハウを開示しますので、作って貰えば、結構楽しめるのではないかと思います。
中野の奥地に有ったくらいですから、目黒の場末のお店でもあるのでは・・・頑張って、捜してみて下さい。
  1. 2014/05/27(火) 23:21:39 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

間宮に外しなし。

富岡工業製レンズに外しがないことは教えてもらいましたが、マミヤレンズも外しがなさそうですね。
今度うちにあるM42マウントのマミヤセコールと比較してみたいですね。

7~8枚目の表情も良いですけど、6枚目の少女の表情も良くとらえてますよね。
色合いも良いし。
特殊なバヨネットってのがネックだったのかもしれませんけどねえ、何でFDとかFマウント互換にしなかったか惜しまれますねえ。
特許料の問題とかあったのだろうことは予測できますけど。
  1. 2014/06/02(月) 00:05:05 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:間宮に外しなし。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。

そうですね、マミヤって会社のイメージ自体が自分にとっては、実力は有るのだけれど、真面目過ぎてしかも生き方が不器用ってことです。

実際、I大先生によれば、「大中判の会社のレンズなので、中心部の解像力よりも画面全体までの画質均質性と色の忠実性、階調再現性とコントラストのバランスに優れてます」てなお話しを伺っていたので、或る日、閃いて、複雑なレッドスネーク/イエロースネークメカをうっちゃって、自ら手動絞りメカを与えて、EOSマウントとして再生したということなのです。

なお、当時はユニバーサルマウントは実質的に前時代でAEに殆ど対応しないM42かエクザクタ、或いはペンタM系列のKマウントしかなかったので、自前のヘンテコマウントもやむ射しだったのかも・・・或いは、マミヤ、ペトリ、ミランダといった実力は有っても資金力や販売力の弱いメーカーで連合してバヨネットマウントを開発していたら、また違った展開になったのかも知れません。
  1. 2014/06/02(月) 23:03:33 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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