深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Rätsel der Geschichte japanischer Optik~Ofunar5cmf3.5mod.L39~

Ofunar5cm.jpg
さて今宵のご紹介は、金曜日から続いた関東地方の大雨の影響により、作例作りに出かけられなかったため、予定変更し、急遽、名実ともに"隠し玉"いきます。

このレンズはかつての大船光学が、引伸用として戦後まもなく開発したとされている4群4枚(異説有り)の光学系で、どうやら、オリジナルは前身の富岡光学大船製作所の頃に設計されたカメラ用レンズらしいです。

らしい、というのも、このレンズも大船光学自体もまだ研究が進んでおらず、そのためか、かなり良い状態で、値段も捨て値と言っても過言ではない値札付いた状態で新宿の某カメラ市場の引伸レンズ/ヂャンクの棚にこれ見よがしに置かれていましたが、誰も省みる人がおらず、たまたま目に付いたので、工房主が値段が値段だから・・・というアヴァンチュールキブンでお金を払い、家に連れ帰ったという次第。

しかし、改造しての初デビューが異例のM8をパートナーとしての街撮りでしたが、英国のCooke社や米国Wollensak社の同時期のトリプレットを蹴散らす、超高性能ぶりを発揮してくれたのです。

では、早速実写結果見て参りましょう。ロケ地は先週末のものと同じ「京島」です。撮影条件jはカメラM8、絞り優先AEでのオール開放撮影です。

Ofunar_001.jpg
まず一枚目のカットですが、路地裏を散策していたら、イイ案配に枯れたトタン屋根壁の住居とその壁面に、これも味のある消火器収納函が目に付いたので一枚戴いたもの。

Ofunar_002.jpg
二枚目のカットですが、同じく京島二丁目の迷路のような路地裏を彷徨っていたら、「甍の波と雲の波」ならぬ、七重八重のトタン屋根の山脈が目に留まったので、一枚戴いたもの。

Ofunar_003.jpg
三枚目のカットですが、ここ京島は、深川に比べれば、遥かにスカイツリーに近いので、少しでも南に開けた路地があれば、このように、突如として、この街並みとアンマッチなカンジが漂うスカイツリーが顔を覗かせている、と云う状態を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、今も残る京島二丁目名物の長屋造りの店舗兼住宅の代表的ランドマーク、「安食屋豆腐店」さんをモチーフに一枚撮ってみたもの。

Ofunar_005.jpg
五枚目のカットですが、前回、下見した時は見落としていたようなのですが、災害対策用の雨水汲上げ用人力ポンプのイイ錆びかけ具合いが目に付いたので、背後に回って一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、午後の一番陽の強い時刻だったのですが、ちょうど、街で一番高いと言われる「マンモス滑り台」越しに世界一高い自立式鉄塔がその雄姿を誇っていたので、これを撮らない手はないので、真逆光であるにも関わらず手でハレ切りの上、撮ってみたもの。

Ofunar_007.jpg
七枚目のカットですが、これもスカイツリーが民家の屋根越しにその巨大な姿を覗かせているので、引伸レンズは無限は全然ダメ、という俗説の反証の目的で無限の解像度を見る目的も有って、ツリーに焦点合わせてシャッター切ってみたもの。

今回の感想としては、う~ん、さすが富岡クオリティ・・・これぢゃ、カールツァイスもパートナーとして選ぶ訳だ、ということ。
そういえば、二年くらい前に富岡光学を京セラが買収して改名した、「京セラオプト」がミラーレス用レンズを開発するとか、さかんに喧伝していたのはどうなったのかな???

戦後まもなくのレンズがこれだけ頑張るんだから、本家カールツァイスも、そのライバルたるシュナイダやライカを超えるものをリーズナブルなお値段で出してくれてもおかしくはないと思うのですが。

さて、次回は、あやめ祭りで今週登場予定だったレンズも交え、大撮影大会、そのレポートお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2014/06/08(日) 19:30:08|
  2. その他Lマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

オフナーすごいですねー。

ヤフオクで見逃したことが惜しまれるレンズでしたねえ。
聞いたことないメーカーだと敬遠するんじゃなかった(笑)
とは言え距離計連動にする技術はないので、やるとすればトミーテックのアダプター経由でミラーレスにつけるかなってところでしたけど。

こうもはっきりくっきり見える映像を見てしまうと、次は見逃せないなと思うものですよ。

やはり富岡光学に外しはないですね。
何で京セラ如きに身売りされたのか不思議でなりません。京セラオプトって何やっている会社なんでしょうね。
案外サムヤンレンズの下請けをやっていたりして??
  1. 2014/06/08(日) 22:19:45 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:オフナーすごいですねー。

出戻りフォトグラファーさん
早速のお越し有難うございます。

ホント、ここまで完膚無きまでに卓越した写りを見せられてしまうと、戦後から50年代くらいにかけて各カメラメーカーが自社ボディ用としてリリースしていた純正のテッサータイプって何なのだろうとさえ思ってしまいました。

このレンズの生みの親は今はしこしことスマホン用カメラのレンズモヂュールやら、ラインセンサー用のレンズユニットこしらえているようですが、なんかもったい無いですよね・・・でも、そっちの方が儲かるからやってるんでしょうけどね、利益優先の企業グループに身売りした以上。
  1. 2014/06/08(日) 23:18:27 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

こんばんは。

じつは、近所でケース入りで同レンズを購入していました。番号は4ケタ(85xx)です。

テッサ―タイプかと思っていましたが、他のタイプもあるのでしたら、もっと良く観察してみます。

レンズ自体は作りがよさそうなので、それでかキチンとした設計なのかガラスなのか、シャープそうですね。最後の写真は、錆び色がシブいし、ブルーの屋根も重く、被さった木の葉もあたかもカーテン越し眺望の様に現代の塔との対比も見事です。

ぜんたい、地味な色合いですが、果して地域特性なのでしょうか?(うちの近所も、10年くらい前までは小工場がおおく在ったのですが・・・)

それにしても、こうしたレンズ携えて、蕨か川口あたりの工場地帯その後なんて、写しに行きたい気分にさせられます。
  1. 2014/06/09(月) 00:22:21 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。

このレンズ、確かにスペック的にはショボいですし、富岡が実の親と言えばさもありなんですが、生家はこれまた無銘の物故メーカーですが、写りはご覧の通り、あたかもこのレンズが生れ落ちた戦後間もない時代にタイムトリップしたかの如き、重厚ながらもキレの良い懐かしい画面を紡ぎだしてくれます。

そうですね、今度、モノクロ詰めて、台湾の田舎の、廃墟になった戦前の日本人集落でも撮ってみましょうかね。
  1. 2014/06/10(火) 23:01:09 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

売主です

こんにちは。
オフナーを委託に出していたものです。
お買い上げいただきありがとうございます(笑)。

長いことROMさせていただいておりましたが、これを機会に書き込みさせていただきました。

設計は、ニコンでファインダーを設計されていた国友健司さんの手によるもののようですね。国友さんはズノーのピンポン球を引っ込めた人ですから、高性能というのもうなずけます。

同時期の中堅メーカーということで、田中光学のタナー50mm 3.5と勝負させたところ(接写ですが)、オフナーの圧勝でした。

中玉のクモリが進行してきたように思えたので手放したのですが、手を入れて使っていただけているようで、良い方に買われたと感謝しております。

これからも更新楽しみにしています!
  1. 2014/07/19(土) 19:41:47 |
  2. URL |
  3. g_zuiko #-
  4. [ 編集]

Re:売主です

g_zuiko さま
有難うございます。
外遊していたもので、せっかくのコメントへの返事が遅くなり、大変申し訳ありませんでした。

実は、こんな珍しい上に素晴らしい性能のレンズが何故、あんなところにあんな値段で置かれていて、しかも誰も、気付かなかったのだろうか、とか、ちょっとしたミステリーになっていたのです(笑)

そうですね、感覚的には、ライツの3代めのフォコターには及ばずとも、国内に敵無し、といった高性能ぶりで、同時期のE-HEXANON50mmf3.5と無限解像力でテストしても圧勝でしたから・・・

まぁ、こんな素人道楽の適当なブログですが、これを機会にどうか今後もご贔屓に。
  1. 2014/07/21(月) 17:45:44 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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