深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Das Grosser des objektive der Mamiya~Mamiya Sekor C 45mmf2.8 mod.EF

Mamiya_Sekor45mm.jpg
さて今宵のご紹介は予告候補のうち、Big MamiyaことMamiya Sekor C 45mm f2.8N改EFでいきます。

このレンズ、元はと云えば、云わずと知れたMamiya645用の広角レンズで、7群9枚のディスタゴンタイプ、同社の会社更生法適用後の1985年以降にラインアップされた新設計のものらしく、マルチコートも煌びやかに、その秘められた性能を物語っています。

確かにこのレンズ、中判用交換レンズを改造したものなので、元々のレンズ自体が重い上に、素材選択の都合上、EOSとのフランジバック差と口径差を埋めるべく、真鍮無垢材の丸インゴットを二個刳り貫いた上、ネジ切って接合しているので、肉抜きもままならず、超ヘビー級の改造レンズとなりました。少なくとも、当工房で改造したレンズでは135mmクラスまで含めても一番の巨漢です。

ただ、よくよく考えてみれば、今をときめく、Zeiss銘で長野県のリンゴ畑で産まれてくる?OTUS55mf1.4しかり、SIGMA50mmf1.4Aしかり、みなイメージサークル大きめに取ったレトロフォキュもといディスタゴンタイプなので、初戦の潮来に出る前から、性能のほどは予想はついていました。

では、早速実写結果見て参りましょう。

カメラはEOS50D、絞り優先AEでの全コマ開放撮影です。

Sekor_C45mm_001.jpg
まず一枚目のカットですが、まずは潮来の宿に撮影には不要不急の手荷物を預けようぢゃまいか?ということになって、一旦、宿に寄ってから、あやめ祭り会場の「前川あやめ園」に歩いて行く途上でみつけた、門前に五右衛門風呂みたいな釜を置いて、そこに今を盛りに咲き誇る菖蒲を植え、通り掛かる人々の目を楽しませようという、なかなか素晴らしい心意気のお宅の佇まいを撮ってみたもの。

SeKor_C45mm_002.jpg
二枚目のカットですが、「前川あやめ園」へ抜ける細道沿いで見つけた魚屋さんの店先に下げられていた、夏の涼のシンボルのような簾にピンを合わせ、店先の様子を撮ってみたもの。

Sekor_C45mm_003.jpg
三枚目のカットですが、「前川あやめ園」の西側を流れる前川に掛かる鉄橋上から、いかにも涼しげな日傘を相合傘に差して、ザッパ船の船着場の様子を眺めて、いかにも楽しげに語らい合っていた熟年夫婦の後姿を撮ってみたもの。

Sekor_C45mm_004.jpg
四枚目のカットですが、毎年恒例の「あやめ娘」の小姐達全員による歓待ということで、この時間帯シフトの小姐に加え、去年、ポートレート撮らせて貰い、お話しもしたことある小姐が3名ほど加わっていたようなので、7名の正規+3名ということで、10名の増強体制のうち、精鋭?8名のお姿を一網打尽的に撮らせて戴いたもの。

Sekor_C45mm_005.jpg
五枚目のカットですが、とりあえず、昼の部の撮影を切り上げ、お茶してから宿に戻ろうとまたしてもとぼとぼと歩く途上、曲がり角の彼方に、このような鄙びた地方にはちと不似合い?な山門が目に留まったので、元々、好奇心旺盛な一行のこと、宿に戻る時間を多少先延ばししても、と見物に訪れ、その石畳越しに静謐な境内の雰囲気を撮ってみたもの。

Sekor_C45mm_006.jpg
六枚目のカットですが、翌日曜日に再び、会場を訪問したとき、結構混みだしてきたので、手っ取り早く、シンボリックなカット撮んねばなんめぇと、あやめ娘の小姐のお一方にお願いし、「潮来の伊太郎」像したで笑顔のポートレ-トを撮らせて貰ったもの。

Sekor_C45mm_007.jpg
七枚目のカットですが、前日も、いたいけな童子が罰ゲーム的に労役を課せられていた、足踏み水車でのあやめ田への給水を、あまりにも楽しげに、まさに鼻歌キブンで軽々こなしていたカンカン帽の年配小姐の姿が目に留まったので、水を貰えて心持ち、ハリを戻しかけてきたあやめの花越しにその雄姿を撮ってみたもの。

Sekor_C45mm_008.jpg
八枚目のカットですが、あやめ祭りとは云いながら、あやめだけではやはり人が呼べないのか、或いは、呼応して観光キャンペーン張ってる佐原に密かに対抗してのことか判りませんが、ところどころ、泥田の中に美しい蓮の花が咲き誇っていたので、重いレンズもものかわ、水田に相当身を乗り出しての決死行で捉えた渾身の一枚。

今回の感想ですが、いやはや、重いだけあって、写りが安定して危なげがなかったです・・・というか、重すぎて、バランス失い、水路に転落しそうになったことは幾たびかありましたが、さすが、中判の巨大なイメージサークルのしかも、レトロフォキュのテレセントリック性に優れた投射像の真ん中だけ使うのですから、悪かろう筈もないです。

さて、来週は、今回出番を譲った名門エルンストライツの貴公子、ズミクロンM50mmf2でもいきましょうか。乞うご期待!!
  1. 2014/06/22(日) 22:13:48|
  2. Arri改造レンズ群
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<The scion of the nobility in Leitz Empire~Summicron50mmf2M~ | ホーム | Ticket to paradise?~Iris Flower Festival in Itako ’14>>

コメント

流石の中判レンズ

写りに余裕がありますね。
しかもこれ一本で余裕の中望遠域で。
今のところ645マミヤはレンズも本体も捨て値で中古市場に出てますから、マウントアダプターさえ確保できれば、何とかなりそうな気がします。

次回はズミクロン50㎜ですか。
かなり精細な写りになりそうですね。来週も楽しみです。
  1. 2014/06/25(水) 20:03:41 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:流石の中判レンズ

出戻りフォトグラファー さん
ありがとうございます。
そうですね、最新のZeiss Otusとか SigmaのArt50mmf1.4を除けば、世界で唯一のディスタゴンタイプのマルチコート標準レンズですからねぇ・・・
確かにマウントアダプタ買ってしまえば、捨値のレンズをとっかえひっかえ楽しめますから、マウント改造より賢いかも・・・
来週のズミクロンはさすがに潮来ってワケにもいかないので、土日の天気にもよりますが、都内・都下で何処か斬新なところへ取材へ行きませう。
  1. 2014/06/26(木) 22:47:03 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

デジタル適合性の大きい『レトロ系の標準レンズ』という着想は面白いです。

写り自体は古いマミヤ伝統の、青みが強い傾向です。それは、ちょっとした変更で変えられるでしょうけれど、イメージサークルの大きさから来るボケのまろやかさは、ここでの特徴的だと思います。

マミヤの古めのレンズはモノクロがとても合ってたようですが、645出たあたりから各種評価が高くなってきたようで、645用の80mmf1.9はたしか総合評価が当時の最高レベルだったようです。

二眼のCシリーズ頃まではフイルムサイズに頼っていたレンズ設計だそうで、解像力を考慮していないなんて、設計者のコメントを読んだことがありましたが、645シリーズはどうなのでしょうか。(といっても、二眼用のDS105mmなどはヘリアータイプで、モノクロでもシットリ再現力があり、ポジカラー結果も非常に良好です。)

いずれにせよ、最近のガラス枚数の多いレンズ設計を考えるうえでも、一石を投ずる面白いサンプルだと思います。
  1. 2014/06/29(日) 12:57:24 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
たまたまでした、このレンズとの出会いは。
中野のペコちゃんカメラのヂャンク館の棚で、目を千葉真一状態にして、我先にとブツを掴みカゴに放り込む、地獄の餓鬼の如きヂャンク漁りの一群も、この大きく使い道のなさそうな玉には、見向きもせず、残されたままでした。
でも、買って来て暫くしてから、またいつもの"降りてくる"系の閃きで、真鍮インゴットを削って、マウント付けてやったら、この活躍ぶりです。
まさに失敗の許されない旅写真でも期待を裏切らない立派な働きだと、我ながら思った次第。
因みにコシナ製のOTUSもシグマのアートラインもディスタゴン派生系の標準レンズということは、これを加工してから知ったことでした。
  1. 2014/06/30(月) 23:16:28 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/tb.php/382-0dbbedda
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる