深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

The scion of the nobility in Leitz Empire~Summicron50mmf2M~

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さて、今宵のご紹介は予告通り、Leitz Summicron50mmf2Mをお送り致します。

この全身を上品な梨地クロムメッキで覆われた、Elnst Leitz社の代表的標準レンズは、先にM3と共にデビューし、その解像性能の高さを世に問うた沈胴Summicron50mmf2の二代目として、1956年にバトンタッチしたものです。

構成は6群7枚で沈胴式と同じで、鏡胴のデザインのみ変ったと考えて良さそうです。

ところが、このレンズ、発売から60年近く経っているのと、化学的には安定性が良くない希土類を大量に含んだ新種ガラスをふんだんに採用したため、中玉に曇りの有るものが殆どで、この個体も強い白色光では薄っすらと認められるくらいの曇りが有ったため、相場の半額以下で入手出来たものです。

おいおいしかるべきところに修理には出すとして、今回は、工房に入ったままの状態での大正~昭和へのタイムスリップ行です。

ということで、ロケ地は本郷菊坂界隈、カメラはM8で絞り優先AEでの全コマ開放撮影です。

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まず一枚めのカットですが、本郷三丁目の地下鉄駅を降り、記憶を頼りに旧菊坂町界隈を目指し、そこで見覚え有った「金魚坂」の入口付近に在る、良い案配に歳を経た住宅が目に付いたので、流れる雲をバックに一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、一枚目の味の有る住宅の側面を、「金魚坂」の店舗方面へ裏通りを進みながら、その隣接住戸ともども一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、記憶を頼りに辿り着いた「金魚坂」で見た目も涼しげな金魚達が水槽の中から歓待してくれているようなカンジがして思わず嬉しくなったので、水中の金魚達にピンを合わせ一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、敷地の東側、建物脇の通路のようなスペースで金魚すくいに没頭していた父娘x2の家族連れの姿が目に留まったので、まだ若いちょいコワモテのヲヤヂさんに「お嬢ちゃんの金魚すくいしているところ、一枚撮らせて貰ってイイですか?」と声を掛け、どーぞ、どーぞってことでお言葉に甘え一枚戴いたもの。
撮影後に背面モニターで金魚すくいにうち興じる娘さんの姿をご覧戴いたら、コワモテのヲヤヂさんが破顔していたのが印象的でした。

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五枚目のカットですが、また菊坂方面へ撮りに戻るため、「金魚坂」の北側の出口から出て、坂を下りる途中、お店の看板と古い住宅の屋根、そして夏の青空が奇妙なハーモニーを奏でているように見えたので一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、樋口一葉も使っていたとかいう鐙坂脇の古民家のところに有る井戸とその奥の江戸百景ともいえるような斜面を利用した木造集合住戸を目指して菊坂通りを歩いていたら、これもまた古い住戸が見えたので、植栽越しにその古めかしい玄関周りの様子を一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、これもお目当ての井戸と路地の近くで北側の空に沸き起こった入道雲と蔦の絡まった古めかしいアパートの側壁のコントラストが面白かったので一枚戴いたもの。

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八枚目のカットですが、菊坂通りの途中に在った禅宗の古刹の山門へ繋がる階段の道の脇に見事な紫陽花が咲いていたので、背景のボケ具合いも確かめたかったので一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、菊坂通り名物?のサイケアパートですの雄姿です。確か前回、初めて見て、驚き、何カットかR-D1sで撮ったのを思い出し、移ろい行く東京の都心で、今も変らぬ姿のままでいることを何故か嬉しく思いました。

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十枚目のカットですが、これも狭い裏通りの何処かノスタルジックな家並みを背景に紫陽花が見事に咲き誇っていたので、その可憐な姿を至近距離で撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、まさに数年前、都心のこんな造作の建物群が残っていたことを発見して狂喜乱舞した、本郷固有の斜面を利用した鐙坂東側の集合住宅群の佇まいです。

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十二枚目のカットですが、その集合住宅群のミニ長屋とも云えそうな廓の内側から下からは向かって左側の住戸の玄関横に生えているヤツデの葉を透かして、下の樋口一葉の井戸のある長屋界隈を撮り下ろしてみたもの。

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十三枚目のカットですが、その集合住宅群の廓内にお邪魔し、その路地の様子を鐙坂方面から可憐な紫陽花越しに撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、鐙坂の途中に開いた廓の門から出て、坂を下り、再び菊坂通りに戻って歩いていたら、これも那覇のやちむん通りの路地裏ぢゃあるまいし、元々が渋い配色とデザインの上にイイ歳の取り方をして、優美に枯れた住戸が在ったので、玄関回りの佇まいを一枚戴いたもの。

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十五枚めのカットですが、目ぼしい目標は殆ど撮り終え、そろそろ空模様も怪しくなって来たので、本郷三丁目の駅に戻ろうかいなと、元来た菊坂通りを戻っている時に、緩い坂の斜面にきれいなプランターで季節の花々を植えていたマンションがあったので、その前まで来て、プランター越しに下の坂の様子を一枚戴いたもの。

今週の感想ですが、う~ん、正直驚きました。都内でノスタルジックなエリアと云えば、まずは月島、佃、そして曳舟から東向島というのが、通り相場だとばかり思っていたのですが、しかし、数年ぶりに本郷菊坂界隈を訪れてみれば、大正から昭和初期の住戸がかなり高い頻度で現在も使用され、残っているではないですか・・・

聞くところによれば、押し寄せる観光客や心無いカメラマンらに地元の人々も迷惑と思うことも多々有ったそうで、こういう稀有なエリアは、街並みを残す並々ならぬ努力に頭を垂れ、心してお邪魔しようと思った次第です。

さて、来週は工房製改造レンズのご紹介いきましょうかね、このM8と併走で実写終ってますから、天候フリーで予定通りアップ可です。乞うご期待!!
  1. 2014/06/29(日) 19:59:18|
  2. 深川秘宝館
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コメント

こんな穴場があったとは!

charley944さん
お疲れです。

流石Summicronだなあと見てましたが、本郷三丁目にこんな場所があったとは驚きです。
最近は谷根千の商店街が許可なしの撮影を禁じる旨の決議書だか警告文だかを掲示したようですし、こういう場所は徐々になくなっていきそうな気配ですね。

いや貴重な街並みの情景をありがとうございます。
  1. 2014/06/30(月) 21:51:55 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:こんな穴場があったとは!

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
そうですね、4年近くぶりに訪問し、これだけ昔の様子が残っていたとは、あの京島、東向島の変りぶりを見た後だったので、驚きも喜びもひとしおでした。
確かに個人で節度を以てお邪魔します、てな姿勢で路地裏に入り込んで撮るのには寛容のようですが、集団でがさがさ入り込んででも来たら、町会ぐるみで排斥、なんて雰囲気ではありましたが。
今度、2~3名で静かにマジメに撮りにいきませう♪
  1. 2014/06/30(月) 23:20:18 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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