深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Wonderful Goblin's nose~OKC2-35-1mod.M by F.G.W.G.~

OKC35.jpg
さて、今宵のご紹介は北の大地はUSSR、旧ソ連邦1992年産まれのシネレンズ、OKC2-35-1、ディスタゴンコピーと思われる35mmf2.8のレトロフォキュタイプを工房で距離計連動加工したものです。

このレンズの改造自体はもう3年近く前に完成し、ちょうどこのくらいのシーズンの京都祇園界隈での極秘任務でその高性能ぶりを発揮して、公式デビューも間近、と思われたのですが、このレンズが完成直後、別のタイプの、やはり旧ソ連邦製のシネレンズで35mmf2のプラナーコピーのこれまた超高性能レンズが入手出来、そのコンパクトで半絞り明るく、緑、紫のマルチコートの面相も美しいレンズブロックを即攻で距離計連動改造したら、すっかり、それに嵌ってしまい、先輩格のこの天狗の鼻みたいな、ちょいとヴィジュアル的にはハンデ負った玉は出番を失っていた、ということなのです。

ただ、京都の祇園のような時代がかった地区では高性能ぶりを遺憾なく発揮ことは検証済みなので、今回、モノクロ専用機としたR-D1sとコンビを組んで、大正から昭和初期へトリップするタイムマシンになって貰ったということです。

では、早速実写結果を見て参りましょう、ロケ地は本郷、カメラはR-D1s、絞り優先AE、全コマ開放です。

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まず一枚目のカットですが、本郷菊坂通りにある古刹の長い緩やかな階段の向こうに夏空が広がっていて、なかなか良い雰囲気だったので、寺の名称を刻印した石碑にピンを合わせ、門回りの全景を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、お寺の写真を撮らせて戴いたのち、記憶を頼りに菊坂通りの一本南というか下に位置する、菊坂下道という通りに下りて、そこの古めかしい佇まいのアパートが道一杯に立ち並んでいる様子を一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、菊坂下道の半分より奥まった辺りに位置する、樋口一葉住居遺跡の奥手、鐙坂に連なる崖を利用して建てられた木造建築の佇まいを下から見上げるアングルで一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、その菊坂下道を南に入ったところに位置する樋口一葉住居遺跡前の、一葉も使っていたという曰く付きの井戸をその崖下の木造建築へ連なる階段下から撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、先の三枚目の崖下の木造建築物のカットの階段上部向かって左側に無造作に置かれた古めかしい木製の梯子状の物体が階段上からはイイ光線加減だったので一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、その木造住宅のこれまた窓の辺りが北西に開けた空に照らされてイイ雰囲気だったので階段上から一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、崖中段の路地みたいなところから、鐙坂に抜けられる出口があるのですが、その出口を背にして、路地に咲くあじさいをモチーフとして木造住宅の佇まいを撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、鐙坂から菊坂方面へ再び下り、元来た方向へ進んでいくと、これまた古めかしい銭湯と床屋さんがあって、その床屋さんの葡萄の蔓や葉に囲まれた回転看板の佇まいが何とも云えない雰囲気を醸し出していたので、一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、ここも菊坂下道を進んでいくと、何と、京島二丁目辺りと見紛うが如き木造平屋建築が立ち並ぶエリアに出て、そこでは夏の涼をとるためか、家の周りに夏の草花の鉢をところ狭しと置いていたので、その様子が面白く、一枚戴いたもの。

OKC35_010.jpg
十枚目のカットですが、菊坂下道をどん詰まりというか、終点の言問通りまで到達してしまったので、戻りは菊坂上道を通って、本郷通り方面を目指したのですが、すぐに古風な土蔵と木造建築物を発見し、川越みたいだなぁとか思い接近したら、樋口一葉と親交有った「伊勢質店」という老舗だということだったので、軒先の佇まいを一枚戴いたもの。

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十一枚目のカットですが、これも菊坂通りの上道と下道の間の段差というか斜面を上手く利用した古い木造の三階建て住戸が目に留まったので、背景に暮れかけた西の空を入れて下からその佇まいを一枚撮ってみたもの。

今回の感想としては、相棒のズミクロンがカラーで写実的なカットを量産し、あたかも、有象無象の観光ミニガイド、みたいなテイストになってしまった感なきにしもあらずですが、このR-D1sの秀逸なモノクロモードとレトロフォキュの素直な描写が相俟って、何となく、叙情的な雰囲気の組写真になったのではないかと思いました。

さて、次回は久々のお祭り写真です。さて、何処が出るのかな、乞うご期待♪
  1. 2014/07/06(日) 22:22:58|
  2. Arri改造レンズ群
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

3枚目と6枚目が好きですね。

見ていて中村幸雄の「日暮し」が流れてきました。
何だろう、多分この一角だけの筈なのに、懐かしさが醸し出されるのですよね。

本当にこれ東京都内なのでしょうか。
まだまだ探せばこういう風景あるものなんですね。

この近くの駒込吉祥寺の辺りは、かなり改装されちゃって昔の面影はなくなってきていたと記憶しているのですが。

これで自転車に乗った豆腐売りが現れたら完璧ですね。

時間が出来たら散策に行ってみたいです。

ところで、久々にR-D1s出してきましたね。
うちのxGだとカラーでも案外行ける感じなんですけど、画像処理エンジンが微妙に違うのですかねえ?
  1. 2014/07/06(日) 23:16:47 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:3枚目と6枚目が好きですね。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。

そうですね、約3年ぶりに訪問し、ここまで昭和初期以前の住戸が残っていたのは大きな驚きです。

前にも述べましたが、京島、東向島が急速に普通の住宅地化してしまっているのと対照的で、とても嬉しい気持ちになりました。

秋になって、お祭りシーズンが一服したら、同士で行きましょう♪

ところで、カラーでも、パラメータを揃えれば、貴R-D1xと遜色ない色を吐き出す筈ですよ。
  1. 2014/07/07(月) 23:04:05 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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