深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

A descendant of the optic with outstanding fame after WWII~Sun Zoom 28-80mmf3.5-4.5~

Sum_zoom28_80.jpg
さて、今宵のご紹介は先週の深川八幡祭りで銘玉Ni Elmar3.5cmf3.5+R-D1sに伴走した、これまた国産黎明期の銘玉の子孫であるSun Zoom 28-80mmf3.5-4.5の試写結果をお送り致します。

このレンズは、おそらく1970年代の終わりから、80年代の中頃にかけて、主に輸出マーケット向けに供給されていた、普及版のズームだと思われ、新宿のジャンク店舗で発見された時は前群裏側にくもり、後群には絞りから跳ねたと思しき油染みのようなものが有ったことから、外観も前後玉も傷が殆どない状態で、工房主の一週間分のランチ代の半分程度のお値段で買えたものです。

しかし・・・この輸出用普及レンズのご先祖様は泣く子も黙るSun Sophia5cmf2であって、これはXebec銘共々、数年に一回、市場に出るか出ないかという超珍品で、描写性能も1945年当時ではライカに肩を並べるくらいの高性能さ加減でした。

しかし、次第に一眼レフ5社を頂点とするカメラメーカーのレンズ性能が向上し、またシステム化を旗印にした販売政策の厚い壁もあって、国内市場での生き残りよりは、海外に活路を求め、ボリュームゾーンであった欧米の中級以下のマーケット狙いの製品路線に転換したということでしょう。

では、早速、その往年のSunのズームの性能を見て参りましょう。

カメラはEOS20D 絞り優先AEによる開放撮影です。

SunZ_001.jpg
まず一枚目のカットですが、深川濱の工房兼住宅から永代通りに出るためには琴平橋という橋を渡らなければならないですが、あおの橋の上に祭りの太鼓屋台が待機し、渋めの年輩若衆が物憂げに遠い目をしていたので、80mm域で一枚戴いたもの。

SunZ_002.jpg
二枚目のカットですが、永代通りとの交差点付近にたむろする数々の観光客を縫って、やっと永代通りに出たら、すぐのところで、女性二名が威勢良く大太鼓の対面打ちをやっていたので、世話人に断って、真下付近まで入れて貰って、ファインダ越しに動きと表情を窺い、ここぞと云うところでシャッター切ったもの。

SunZ_003.jpg
三枚目のカットですが、太鼓屋台の真下は移動する各町会の動きも良く見え、ちょうど、太鼓屋台手前の放水陣地のところに差し掛かったとき、一行魁を歩くいたいけな小姐二名狙って、同年代の小姐が友情とおもてなしの心を込めた散水を行ったので、その瞬間を戴いたもの。

SunZ_004.jpg
四枚目のカットですが、太鼓社中に一旦別れを告げ、永代通りを西に向かって歩いていくと、神輿渡御の前が詰まっているらしく、小休止している町会の神輿が眼に止まったので、眼を閉じ、容赦無く降り注ぐ冷水を浴びながら、ひたすら出番を待つ担ぎ手を前ボケとして配置し、一枚戴いたもの。

SunZ_005.jpg
五枚目のカットですが、また暫く進み、道の北側で別の町会の神輿を待ちながら最大望遠域である80mmで、まだだいぶ遠くの神輿を狙いシャッター切ってみたもの。

SunZ_006.jpg
六枚目のカットですが、目の前を通り過ぎる町会の行列の中で、紺一色お誂えの袢纏の中で、まだ若いパパに肩車して貰っていた赤い袢纏のいたいけな極小姐のずぶ濡れになりながらも力強く前方を見据える表情が心惹かれたので、一枚戴いたもの。

今回の感想ですが、20Dという10年以上前の機種にもう30年は経とうかという古い普及ズームの組み合わせでしたが、なかなかどうして、斜入光によるコントラスト低下等の古いレンズにありがちなクセを掴んでしまえば、Ni Elmar+R-D1sみたいな怪物コンビには敵わないまでも、こういうイベントの記録には十分戦力となることが判りました。

さて、来週は工房作品のご紹介行ってみましょうかね。何が出るかは乞うご期待!!
  1. 2014/08/24(日) 21:00:00|
  2. 深川秘宝館
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こちらも迫力ありますね。

開放3.5~4.5と言う事やカメラがEOS20Dと言う事もあって、安定した映りですね。
てっきり40Dかと思ってましたが、仰る通りこういう夏場の祭りイベントでは戦力として使えますね。

3枚目もレンズの影響か水しぶきが面白い形になってますけど、その場の雰囲気が伝わってきますね。

SUNZOOMも侮れませんね、こういう映りを見てしまうと。
R-D1sとEOS20Dを抱えての焦熱の夏祭りお疲れでした。
  1. 2014/08/24(日) 22:05:34 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:こちらも迫力ありますね。

出戻りフォトグラファー さん

有難うございます。

このレンズ、マニュアルフォーカスではハンデを負ったEOS20Dの全面マットスクリーンでも、なかなかピントのヤマが掴み易く、設計の素直さを感じてしまいます。

たぶん、1DsMKIIのメーカー調整のマイクロスプリットイメージスクリーンの入ったファインダで、適当なフード付けて撮影に望んだら、たぶん、現行のセットズームなどよりは緻密ながら力強い描写を見せてくれるのでは、とも思いました。
実は、このとき、同世代のズームと望遠を纏めて3本買っており、いずれも出番待ちです。

また、秋のお祭りシーズンでは、今やってる隠し玉を含め、あっと云わせるような玉手箱が出てくるでしょう、乞うご期待!!
  1. 2014/08/25(月) 00:07:17 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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