深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

現代光學創建的長矛~Classic Heliar75mmf1.8~

Heliar75mm.jpg
さて、先週末は野暮用が立て込み更新が大幅に遅くなってしまいましたが、今回のご紹介は予告通り、工房附設秘宝館から、ブランド力は無くとも、質実剛健な描写性能を発揮する、Voigtraenderシリーズの名脇役? Classic Heliar75mmf1.8を取り上げます。
このレンズ、栄枯盛衰が激しいコシナのレンズラインアップにあって、今だカタログ落ちしておらず、細々と生産は継続そいているらしく、会社サイトで紹介を見ることが出来ます。

そちらに詳しく書いてあるので、ここではその特徴のみに留めますが、要は、そのHeliarの名の示す通り、3群6枚のトリプレット発展型で3群全てが凹凸貼り合せの色消しになっているということです。

では、早速その実力のほどを検証して参りましょう、今回は新たに撮り下ろしてるヒマなかったので、先の「潮来あやめ祭り」からのストックフォトからの抜粋です。カメラはX-Pro1の絞り優先AEモード、全コマ開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、当日は休日の土曜日だったので、週末恒例の潮来嫁入り舟が運行されることとなり、14時の部でそこそこ良いポジションが取れたので、向こう正面から、お花畑の中を幸せ一杯、パレードしてくる花嫁が通り過ぎながら、笑顔で親族と思しきパンチパーマのお行儀悪い爺ぃとその係累に挨拶した瞬間を捉えたもの。

Heliar75mm_002.jpg
二枚目のカットですが、無事花嫁一行が埠頭まで到着し、そこから、ザッパ舟に乗って、花婿さんが待つ、大川端のテラスみたいなところに漕ぎ出していくところをダッシュで移動しながら川岸から撮ったもの。

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三枚目のカットですが、無事、嫁入り舟運行も終了し、夕方前に宿へ一旦戻る迄、園内を徘徊し、面白そうな画を求めていたのですが、昨年も写真撮らして貰って、少しばかり顔見知りになったようなカンジの小姐を交えた、あやめ娘の園内巡回に遭遇したので、声掛けて、いずれが菖蒲か杜若、とばかりにきれいどころ揃い踏みで一枚撮らせて戴いたもの。

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四枚目のカットですが、園内の花畑のど真ん中で家族をモデルさんに、いわゆる"ヘン顔"記念写真撮ってる組が幾つか居たので、これだけおおっぴらにやってるんだから、お裾分けもしかるべし、とちょいと離れたところから斜め撮りしたもの。

Heliar75mm_005.jpg
五枚目のカットですが、先のお祭りレポート時のものとは別のほぼ最短距離域でのお花畑のあやめのポートレートです。

Heliar75mm_006.jpg
六枚目のカットですが、宿に戻る途中にふと目に留まった古刹の山門付近を振り返ったら、ちょうど、いたいけな若い小姐2名連れが山門の下で何かごそごそやっててセミシルエット状態になっていてイイ按配だったので、望遠の特性を活かし遠方から一枚戴いたもの。

今回の感想としては、おそらく価格ドットコムの最安値価格より安く買えたのですが、いやはや、値段とは裏腹に蕩けるような美しいボケや極めて忠実な発色、そして75mmという扱い易い焦点距離と標準レンズ並みのコンパクトで精悍な佇まい、これまでのコシナ製品への先入観を覆すには十分な製品で、また何か別の焦点距離の製品も買ってみようか、という気持ちにさせてくれるには十分なものだったと思います。

さて、来週は石岡祭り2014からのレポートお送り致します。乞うご期待!!
  1. 2014/09/10(水) 23:15:11|
  2. 深川秘宝館
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

再発見、コシナレンダー!

Charley944さん
お疲れです。
石岡祭りはどんな塩梅でしょうか。

このレンズ、潮来あやめ祭りでCharley944さんが使っているのを見て、「あれだけコシナレンダーを敬遠してたのに何があったのだろう」と思いましたが。

自分もカラースコパー35/2.5を常用レンズにしてますけど、値段とバランスを考えたらこれはこれでアリなレンズだなあと思います。

このご時世フルマニュアルで距離計連動のレンズをあの値段で出し続けてくれるだけでも脱帽ですね。
心してコシナレンダーを使いませんと。

今回は1枚目のカットが一番このレンズの特徴を伝えているなあと思いました。
光加減も良いですし、花嫁さんの表情が生き生きとしていて流石です。
  1. 2014/09/13(土) 23:34:37 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:再発見、コシナレンダー!

出戻りフォトグラファー さん

再びのコメ有難うございます。

コシナレンダーの再評価はそもそも、ヴェトナムでの最大功績レンズがキャノンのL50mmf1.2だったことから、「名は無くとも高性能」を発掘することを思い立ったからです。

コシナは間接的に小林社長の趣味や光学製品に賭ける情熱のようなものは伝え聞いてましたし、例の35mmf1.2や50mmf1.1のようなモダンオールドレンズのカテゴリーながら、一流メーカーの最新設計のものを打ち負かすような性能と心惹かれる描写を併せ持った、キラリと光る逸品をリリースしていることが判っていたので、今まで持っていなかった、望遠域の距離計連動レンズを調達してみたのです。

そう、今回の石岡も、純朴で人懐こい街の人々の暖かい歓待受けて、楽しかったですよ。

もちろん、新兵器3点の苛酷な実戦テストもしっかりやって来て、そのうち、例のT*印はライツ製品以上のスナップ用兵器との評価も付けましたし・・・
  1. 2014/09/14(日) 21:38:41 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

まず、ヘリアータイプでf1.8というのは、いにしえのヘリアーを知っている人にとっては驚きでしょうね。

このクラスでは、ズミルックス75mm(f1.4)位でしょうから、値段で云ったら即買いという気さえしてしまいます。が、(中)望遠で購入するには値段のハードルが高いです・・・。

ヘリアータイプは、ダルメイヤーの戦争前後の大判も色には定評があったし、コダックのプリンティング用にもヘリアータイプがあったので、カラー素性は良いのだと思います。

今回の作例も、遠距離の小さい対象でも緻密感が心地よく、Sニッコール85mmf2を現代風にモダンコートした感もあります。もちろんゾナータイプのニコンよりも全体の線は繊細なようです。

ヘリアー自体は、その構成にトリプレットの癖があると、カメラ専科の300㎜ヘリアーの作例で拝見したことがありましたが、それなりにボケ癖があればモノクロでも面白そうですね。

あとは、コシナさんの色再現の好みでしょうけれど、それにしても、「開放f1.8」という驚異の明るさのヘリアー(タイプ)というのには驚きを感じてしまうのでした。(どんなガラスを使っているのやら・・・)
  1. 2014/09/17(水) 22:20:43 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。

はじめはおっかなびっくり、半信半疑で、夜間撮影も考慮し、明るい厨房園がなかったので、お値段も手ごろだったため、モノは試しとばかりに買いましたが、大正解です。

このレンズの高性能さ加減は五枚目の最短距離での菖蒲のポートレィト?の緻密な描写が物語っていると思います。

なお、コシナのアナウンスによれば、トリプレットの3群全てを貼り合せ色消しとし、性能向上をはかったヘリアの設計を新種ガラスの導入により、更に高性能化したとアナウンスしていますから、おそらく、ライカ、ツァイスの数十万円のレンズと同等の、高屈折率・低分散や、極低屈折・低分散といった希土類添加の硝材を投入しているものと思われます。
  1. 2014/09/17(水) 23:22:04 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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