深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

One of the strongest triplet in the world~Astro-Berlin Kino-Hyper5cmf3 mod.L~

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さて、今宵のご紹介は、何回かイベント撮影での非正規登場はあったものの、その姿が公開されずにきた、Goertz Kino-Hyper5cmf3改Lいきます。

このレンズ、産まれは1939年、Bolex用の望遠レンズとして、かつてドイツに存在した、ゲルツ社がリリースしたトリプレットタイプの光学系です。

エナメルの黒塗りも美しいこの小ぶりなレンズヘッドは、来日当時は経年劣化による硝材の酸化のためか、表面がごく僅かに白濁していたので、大久保の名人にお願いして研磨、最コートしてもらい、このような宝玉の如き美しい佇まいに戻ったものです。

で、その写りや如何に?・・・昨年の成田祇園祭りのストックフォトから、実写結果を追っていくことと致しましょう。
カメラはR-D1s、全コマ開放による絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、成田山新勝寺へは結構アップダウンのある参道を辿って向うことになるのですが、その途上、ちょうど、木造の元宿屋、今は川魚料理屋になっている店舗が立ち並ぶ辺りの手前で通りの様子を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、参道を暫く歩いていたら、如何にもキャンペンガールっぽい風情の小姐2名が佇んでいたのが目に留まったので、もしや何かお役に立てることでも、とか声掛けて、ぢゃ一本呑んで感想聞かせて!ということで、レッドブルなる精力飲料を馳走になり、お近づきの印に、とか一枚、正確には、ヘキサノン35mmf2.8+X-Pro1でも撮っていたので、二枚撮らせて貰ったもの。

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三枚目のカットですが、参道沿いの店舗兼住宅前でいたいけな童子3人が祭り装束の写真をデヂカメで撮るのに、一人がシャッター押そうとすると、三人揃って撮れないので、どうしようと困っていたので、シャッター押して上げたついでに、おぢさんにも一枚レンズテストで撮らしてね、と云って協力して貰ったもの。

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四枚目のカットですが、声掛けて正面からのポートレートだけでも面白くないないので、歩きながら、露店に集う人々の横顔とか、後姿なんかも遠慮がちにバシバシ撮っていたのですが、ちょうど日なたの位置に出ていたラムネ等清涼飲料水販売業者さんの露店に集う兄ちゃんと極小姐達が陽光に燦々と照らされ、イイ雰囲気だったので、横顔を一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、また参道を山門方面に向かって歩いていると、お揃いの祭り装束のいたいけな姉妹が目に留まったので、すたすたと歩み寄り、74年前のレンズをテストしているのだけど、モデルさんになってくんない?とか単刀直入に勧誘したら、マヂ~?面白そう!とかノリノリでモデルさんになってくれたもの。

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六枚目のカットですが、参道の途中で、焼き鳥なんか焼きながら売っていて、結構若いお客さんで繁盛していたので、その様子を一枚戴こうと音も無く車道から歩み寄り、渾身のシャッター切ったら、只ならぬ雰囲気を察知した、いかにも千葉辺りによく居る、気の良さそうな小姐がレリーズの瞬間にこっちを向いて、撮り終えた頃にピースなんかしてくれちゃった、という惜しい一枚でした。

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七枚目のカットですが、参道の途上の露店でテントの下で、かき氷なんか商っていて、シロップ掛け放題!といういかにも太っ腹なお店があり、そこに浴衣の極小姐が、削って貰った氷にシロップなんか掛けようとしていたので、傍らの若い親御さんにお願いして至近距離で一枚撮らせて貰ったもの。

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八枚目のカットですが、山門付近まで来たら、木彫りの彫刻も眼に鮮やかな山車が停車していたので、至近距離まで歩み寄り、燦々と降り注ぐ陽光に照らされ登り龍の彫り物と町会の提灯をモチーフに一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、新勝寺境内にもかなりの数の露店が出ていて、そのうちの赤いテントの中では、昔懐かしい、コルク栓の射的なんかやってて、しかも、いたいけな童子達が集い、結構熱くなって遊んでいたので、端から一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、本堂まで登って集結した山車の写真なんか撮って、また参道を戻る途中、とある店舗店頭の太鼓叩き体験コーナーみたいなところで、太鼓を叩く演技をしながら、健気にも道行く観光客に自らの姿を撮って貰いたいがため、キョロキョロと挙動不審な童子の姿を一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、お団子髪から足袋までバシッと祭り装束に身を固めた、まだ若いオモニが、まだ幼い我が子を背に担ぎながら、咽喉が渇いて仕方なかったのでしょう、冷水に清涼飲料水を浸して商っていた露店の店頭で物欲しげに眺めていたところを一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、作戦行動も終わり、京成成田駅前のドトールで茶などしばいて、さぁ、電車に乗って、お江戸さ戻っぺかと再び歩き始めら、思い思いの浴衣に身を包み、エステの客引きなんかしていたちょっと派手目ないかにも千葉小姐ってカンジの二人組が目に留まったので、かくかくしかじかでモデルさんになってよ!とかうどん県副知事ばりの特殊交渉術で交渉し、このように仲良くツーショットとなったもの。

今回の感想としては、いやはや、トリプレット恐るべし、トリプレットでここまで写るなら、ガウス、ゾナーは勿論、テッサーである必要すら疑いたくなってしまいます。そういう枚数多い光学系の唯一のアドバンテージは、CanonL50MMF1.2とか、NOKTON35mmf1.4SCが示すように、背景から浮き立ったような輪郭の描写くらいなのでしょう。記録用途として写実的な描写が求められるのであれば、この玉のような描写で十分かも知れません。

さて、来週は、再び、工房附設秘宝館から何かご紹介致しましょう。何が出るかはお楽しみ、乞うご期待!!
  1. 2014/10/26(日) 23:10:05|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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  4. | コメント:2
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コメント

ハイパーって前にも出たような?

5枚目の子供の表情が印象的ですね。
最後の方で書かれている通りこれだけ良く映るなら、これ一本あれば十分じゃないかという気がしなくもないですね。

しかしこのレンズ、まさか改造ベースはエルマーなのでしょうか。それともロシアンレンズの方ですかね。

R-D1sでの利用なら75mm位の焦点距離になると思いますけれども手慣れた映りは流石です。

確か前にもキノハイパーをもいたような気がしますけれど、あれは旅写真の方だかなあ。後で探してみようっと。
  1. 2014/10/27(月) 06:18:40 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:ハイパーって前にも出たような?

出戻りフォトグラファー
有難うございます。
はい、昨年の成田祇園でヘキサノンAR35mmf2.8と競演しています。

で、この改造ベースは初期型のインダスター22のレンズがいかれたのが安く売ってたんで、それをパックンチョして上手く使ったってことです。

でも、実写経験は後にも先にも天気の良かった成田だけなんですね、何せフィルター付けられない希少レンズですから、あまり気軽に持ち出せなくて(笑)
  1. 2014/10/27(月) 23:07:49 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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