深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

A trip to the peninsula where indispensable neighbors are dwelling~Korea Tour'14②~

さて、今週のご紹介は、先週に引き続き、韓国滞在三日目、KTXに乗っての慶州の旅から、ソウルに戻った晩の明洞の夜景、そして出発当日の宿の周りの風景いきます。

三日目の朝、8時22分釜山行きのKTXで11時20分に新慶州駅に到着し、良洞民俗村行きの12時20分発のバスに乗る計画で、まずは腹ごしらえとばかり、駅の現地住人各位しか使わないような韓食堂で豪華ビビムパッ定食を戴き、待合ベンチで本など読み適度に時間調整してから、念のため、バス乗り場とバス番号を確認するため、いたいけなアガシ2名がお店番をしているツーリストインフォに立ち寄り、しかるのち、駅前のバス停に向ったのですが、当日はあいにくの雨、しかも一日中降り続くたちの悪い長雨で、バス停で待っていたら、人相の宜しくない、いかにも雲助の子孫でありますよとばかりのタクシー運転手みたいな輩がつかつかと歩み寄って来て、「お客さん、日本からでしょ?民俗村行くんでしょ、バス幾ら待っても来ない、だからタクシーで行こう、ガイドもして上げるから・・・」と勧誘してきます。

しかし、30数キロも離れた民俗村までタクシーなんかで往復したら、軽く70000ウォンは吹っ飛びますし、そもそも、雨の平日にそういう観光地へ一人ぽつねんと出かけても、案内所が閉まっていたりとロクなことがないというのが世界の通り相場ですから、小一時間もしないうちに方針変更、他のバスで慶州オールドシティへ向い、そこで駅前周辺の史跡を観光することとしました。

で、その結果ですが、まさに瓢箪からコマ収差ではないですが、駅前古墳群とも呼ばれている?「大陵苑」を一時間以上掛けて散策しましたが、これが大正解、これまでの人生で最良とも云える紅葉を楽しめました。

では、その結果を見て参りましょう。

カメラとレンズは11枚目までがX-Pro1+Nokton35mmf1.4SC、12枚目以降がM8+Elmarit21mmf2.8、いずれも絞り開放でのAE撮影です、

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まず一枚目のカットですが、バスが慶州駅から少し離れたメインストリートの停留所に停まったので、遥か前方に見える慶州駅舎にまず向うこととし、そこで周辺案内図など眺めて、よくガイドブックなどに紹介されている世界遺産の古墳群を見物することとし、駅前を左右に伸びる幹線道路伝いに歩くこと約5分、大きな芝生の丘が幾つも見えてきたので、古墳王国群馬県で考古学少年でもあった工房主は思わず興奮し、入場料を払い中に入って、まず目に付いた美しい紅葉越しの寺院の佇まいです。

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二枚目のカットですが、苑内をあてどなくそぞろ歩きしている最中、大陵苑で一番大きいという古墳が、雨に濡れ艶やかさを増した紅葉の枝と噴水の有る池越しに見た景色が素晴らしかったので傘越しに撮った一枚。

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三枚目のカットですが、公園内を散策していると、韓国の庭に関する美意識が実は日本人と驚く似ていることに何度も驚かされたのですが、その中でも、背が低いもののがっしりと枝ぶりの良い楓の樹から雨に打たれ地面に落ちた赤や橙、そして黄色の葉が広がる様は、秋は俄か観光名所と化す実家の楓の銘木の様子を思い出し、思わず懐かしくてシャッター切ったものです。

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四枚目のカットですが、さるすべり科の樹木と思われる、これも背が低いながらも枝ぶりのしっかりした植物が、雨に濡れ、時折、雲間から射す薄日を照り返し、あたかも無機的に見える輝きを放っていて、とても不思議な光景に見えたので一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、慶州での散策を終え、またKTXに乗り、ソウル市内へと戻り、明洞のロッテデパート本店内のカフェでケーキとお茶などしてから、明洞エリア名物の夜市とも云えるような繁華街の様子を撮りに出たもので、これはトルコからの留学生?のお友達と散策ついでに屋台でソーセージにパンみたいなものを巻いて揚げたスナックを買おうとしていたヂモティのアガシに声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

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六枚目のカットですが、同じく明洞の夜市で、数箇所で「ソウル名物ザクロジュース」 なるものが売っていて、ここの屋台はなかなかの美形のアガシがテキパキと働いていたので、お仕事の邪魔にならないよう、屋台の後ろに回り込み、働く姿を一枚撮らせて戴いたもの。

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七枚目のカットですが、明洞地区はやはり日本からの観光客、特に関西人が目に付く(正しくは関西弁があちこちで聞こえてくる・・・)こともあり、日本人というか関西人向けの看板を出した屋台も結構有って、「焼きいも」の赤提灯が目立つ屋台に中国語を話すいたいけな若いカポーが立ち寄り、買い食いしようとしていたので、提灯越しの画を撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、ここも明洞では人気の屋台らしく、大きな鍋で煮込んだ野菜や肉と揚げ物みたいなものを売っていたのですが、若い婦女子中心にえらい人だかりだったので、これも車道側に周り、お店のアガシ達がかいがいしくもきびきびと働く様越しに美形のロコガールの凛とした表情を撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、この寒空の下、どういうワケか氷菓子系の屋台も一定の人気があるらしく、品定めをする、ムスリム系の美しい横顔の小姐がショーウィンドの青白い光に照らされていたので、遠慮なく一枚撮らせて戴いたもの。

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十枚目のカットですが、中年の白人女性がデジカメで明洞のエネルギッシュな夜景を撮っては背面LCDモニタで確認し、首を傾げてはまた撮ってみて、またモニタを覗いては考える・・・そんな動作を繰り返す横をヂモティーの若いカポー達が楽しげに通り過ぎて行く様が面白かったので、後ろから一枚戴いたもの。

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十一枚目のカットですが、さっきのムスリム美小姐が居たのとは別の氷菓子屋台で、ちょいと小奇麗ななりの若いオッパーが会社帰りと思しき沈痛な面持ちの初老の男性からの注文を受け、嬉々として氷菓子を盛りつけていた様がなかなかコミカルだったので斜め後ろから一枚戴いてみたもの

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十二枚目のカットですが、出発当日である四日目の朝、到着の晩、深夜3時近くに通り掛かった際、無機質な低圧ナトリウム灯で照らされながらもなかなかフォトジェニックな一帯であると、目星をつけていた、市庁駅から西大門駅を繋ぐ「徳寿宮」の塀伝いの道を小一時間スナップしたもので、ここは宿に程近い「梨花女子大高等部」に隣接する煉瓦造りの教会の礼拝堂を撮ったもの。

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十三枚目のカットですが、いったん、通り伝いに撮りながら、市庁駅まで歩いていって、また戻りながら同じ景色を反対から撮ったうちの一枚で「徳寿宮」の塀を右手に見て、西大門方向の空を入れて撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、同じく市庁から西大門駅へ向う途中の道の左側にある、たぶん欧米の何処かの国の領事館か何かの瀟洒な建物が朝日を浴びてイイ雰囲気を醸し出していたので、重厚な石造りの塀越しに一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、ホテルの立つ西大門前の大通りとの交差点近くに有る、小粋な雰囲気のカフェの佇まいを路上に置かれたお店のキッチュな雰囲気のテーブルとイスをモチーフに一枚撮ってみたもの。

さて、今回の旅の感想ですが、行く先々でこれまでの旅で何回かは遭遇したレベルの偶発トラブルに巻き込まれましたが、地元の人々の親切と隣国からの名も知らぬ友人をもてなそうという暖かい心で事なきを得、何のかんの云っても、初めて訪問した1988年から、人の心の中身まではそれほど変っていないカンジがして嬉しい気持ちになったのも事実です。

しかし、今回は事前調査不足で行きそびれた「良洞民俗村」、来年早い時期に今度は釜山経由、アプローチして見ましょう。

次回のご紹介は、今週末、愉快な仲間達と、スーパー市販レンズをお供に回った墨東地区のレポートお送り致します。
乞うご期待!!
  1. 2014/12/07(日) 17:30:31|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

こんにちは

一、二枚目の「郷愁を誘う」ようなレンズ独特の収差を残す背景の写真に、とても惹かれてしまいます。
どこかにスピードパンクロser2とは違う様相があるようで、当分、自分の記憶の中で比較し合ってしまいそうです。(近所カメラ店に、たまたま十数万円の40mmser2/arri,std仕様がありましたが、手に取って眺めるだけのものでして・・・。)

人物の町中だと35㎜f1.4開放でもピント合致芯が良いだけに、背景の処理方法に「勝負」がかかってきそうな感もします。それにしても、10枚目・入りそうな光源が画面に影響しそうな以外では、滲みの気配もない腰の強い・実用度の大きい大口径レンズだと思いました。

12枚目は、エルマリート族のような緻密そうな片りんもあり、しっとり感も「かの八枚玉」をも彷彿させます。
これでしっかり絞ったら、さぞかし解像力と周辺画質が向上するかと思うと、・・・それは深川さんサイトでは「他者への課題」になるようですね。


今回の21㎜も含め、非対称エルマリート族の緻密さは心地よく、初期の対照型とは違ったフアン層がデジカメの更なる進出とともに増えてくるのは間違いないでしょうね。
15枚目のような広角大口径での背景もf2.8開放だと全体的な描写も安定していて、写真表現独特な描写と、とても好みの描写です。zeissともちがった色再現も含め、重厚な描写感も、ライカ連綿と受け継がれるものだと好感を持てます。
  1. 2014/12/10(水) 12:37:13 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
確かに今回の35mmf1.4の昼夜分かたずの活躍ぶりには、目を見張るものがあると思いますが、ただ、この原型となったSummilux35mmf1.4球面タイプの開放からf2.8くらいまでのフレアまみれで芯が有るのか無いのか判らないような、凡そ失敗の許されない海外での撮影になんか、絶対に持ち出したくないような描写に対し、寧ろ、50mmf2の球面Summicronの描写傾向そのままで開放値だけスライドしたようなこのNokton35mmf1.4SCの緻密な写りは、まさに作画の成否を背景の選択、処理に依らしめている感が強く、そういった意味では撮影時に背景のボケが確認出来る優秀なEVF持ったX-Pro1との組み合わせでこその性能発揮、という感ひしひしでした。

また、ライカとツァイスの広角レンズの味付けという観点で15枚目を見ると、おそらくコシナ製Biogon25mmf2.8とか、富岡製Biogon21mmf2.8Gでこのシチュエーションを撮っていたら、テーブルの赤もイスの白ももっとクリアでヌケ良く、さらっとあっさりした描写になってしまっていたのではないかと思います。

ところで、来週というか今週末のアップでは、この慣れ親しんだElmarit一族へのアンチテーゼとも云える、対称光学系設計を基本とした大口径の広角が登場しますが、こちらも一日中、レンズ交換しようという気が起きなかったくらいの安定した高性能な描写ですから、較べても面白いことになるかも知れませんね。
  1. 2014/12/11(木) 00:15:46 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

11枚目を何度も見返すのですよ。

Charley944さん
お疲れです。
漸く渡琉準備も終わりましたので、後は明日を待つだけです。
ところで韓国撮影後半戦、見事な紅葉に最初惹かれました。
庭園の作り方とか見せ方って案外中国辺りのやり方を朝鮮を通じて渡来したものが源流になっているのでしょうね。
そして11枚目の屋台の撮影、他の屋台もCharley944さんのいつもの技が冴えているのですが、11枚目の初老の男性の沈痛な表情にどうも目が行ってしまいます。
氷菓子を買うだけで何でこうも厳しい表情になるのか、これが生来のモノなのかそれとも別な理由があるのか見ていて飽きませんね。
これ大画面とか半切以上のサイズで見てみたいですね。
  1. 2014/12/13(土) 17:59:23 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:11枚目を何度も見返すのですよ。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。

確かに写真を撮る時って、実は被写体自体を良く見てなくて、とにかく画面の中のひとつのオブジェであり、その構図、配置、光加減、そしてピントしか見てはいなくて、撮った後、出来、不出来を見ながら選別している時、その被写体の心の揺らぎみたいなものを初めて見て取れることがままあるのですよ。

そういった意味では、撮る時もさることながら、撮った後にそういう二次発見が有るかもしれない街撮りスナップって本当に面白いのではないかと改めて思いました。
  1. 2014/12/14(日) 22:52:37 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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