深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Back in nostalgic hours~墨東撮影行2014冬~

さて、今宵のご紹介は先週、「クラシックレンズ愛用者連絡協議会」通称、"クラレン連"の愉快なお仲間各位と誘い合って出かけた、墨東撮影ツアー2014冬からの撮影結果をお送り致します。

当日は、メンバーの好物である、クラッシクレンズ、セミクラシックレンズによる写真撮影、美食堪能と盛りだくさんで、11時過ぎに浅草橋駅に守集合し、小一時間ほど柳橋近傍を撮影してから、享保3年開業で、江戸ご府中きっての老舗、「ももんぢ屋」さんで絶品の猪小鍋定食なぞを戴き、しかるのち、鳩の街、玉の井商店街と明治から戦前の面影を追い求めて、日没まで撮り進んで行ったという流れです。

カメラはM8、レンズは前日、新品を買ったばかりのヴォイクトレンデルウルトロン28mmf2、絞り優先による開放撮影です。

では、早速実写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、柳橋の神田川沿いには、何軒かの船宿が在って、江戸時代からの風情を漂わせていますが、その一軒でプランタの可憐な花越しにお店の玄関先周りをぼかして撮ってみたもの。
このところ常用のNokton35mmf1.4SCの極めてワイルドなボケ表現と違い、まどろむが如きやわらかなボケでシャープな結像部と相俟って、この新品レンズの卓抜した性能を垣間見た思いでした。

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二枚目のカットですが、柳橋での撮影を終え、いよいよ、待ちに待った「ももんぢ屋」さんでのランチに向う途中、両国橋詰にこれまた素晴らしい洋式商館風の建物を発見してしまったので、ランチもそっちのけで、お仲間と撮影したうちの一枚。

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三枚目のカットですが、「ももんぢ屋」さんでの絶品ランチ後、浅草経由、東武線の曳船駅まで移動し、次なる目的地、鳩の街へ向う途上で見かけた、なかなか風情の有る路地の様子を一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、同じく曳船駅から鳩の街へ向う途上、ところどころ開けたところから、スカイツリーの雄姿が見えましたが、この路地からはかなり下の方からその姿が見られたのと光線状態が好ましかったので、一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、鳩の街について、散策しながら路地を中心に撮り歩くなか、古めかしいモルタル造アパートが所狭しと立ち並ぶなか、ぱっと開けた路地の先に青空があり、薄暗いアパートの壁面が仄かにその空の明るさを照り返す様子がなかなか風情有ると思い撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、鳩の街商店街まで辿り着き、辺りをキョロキョロ見回しては、脇道に入り、そこで、殆ど、勘働きに任せて、面白そうな風景を撮っているうちに遭遇した、昭和初期の雰囲気ぷんぷんの住宅を路地の下の方から見上げた格好の図です。

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七枚目のカットですが、そうこうして入り込んだ鳩の街の更に奥地の古い住宅街の路地の植木鉢等を所狭しと並べた棚の下で、虎視眈々と獲物を狙う目つきで、闖入者を睥睨していた、あまり柄の宜しくない猫と目が合ってしまったので、睨み合いを続けながら、じりじりとにじり寄り、そろそろ向こうが根負けして逃げ出そう、というまさにその瞬間に撮った図。

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八枚目のカットですが、愉しく語らい合いながら撮り進んで行ったら、短めな鳩の街はあっという間にどん詰まり、目の前には首都高六号線の進入口、では、別のルートで引き返しましょう、ということで、一本西側の裏道を歩こうとした時、目に留まった昭和の遺物のような雑多な集合住宅兼店舗の裏手の様子です。

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九枚目のカットですが、曳船駅に戻る途上で見つけた、道路交差点というか追分に立つ、いわゆる楔型の古いモルタル造住宅と、新しく出来た画一的なモダン建売住宅が並んで見られるポイントで昭和から平成への移り変わりみたいな雰囲気を描こうと撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、場所は変わって、当日最後の撮影エリア、玉の井商店街を歩きながら、いつも入って行く裏通りの比較的開けた場所に立つ、これも楔型の住宅兼店舗を重たげな冬空を背景に一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、玉の井商店街の奥まったゾーンにある、電子ゲーム遊技場遺跡を背景に家路を急ぐのか、或いは、これから学習塾へのご出勤なのか、徒党を組んで自転車で爆走するいたいけな小学生男児の群れと、感慨深げに遺跡を覗き込む、クラレン連のお仲間の姿を捉えたもの。

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十二枚目のカットですが、ここも玉の井商店街のどん詰まりに近いゾーンにある、商店街で唯一信号の有る道路に面した鮮魚店とその横の交差点を自転車で通り過ぎようとする妙齢のご婦人のお姿を薄暮の中、捉えたもの。

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十三枚目のカットですが、そのどん詰まりにある鮮魚店の背景には、戦前からの路地と小規模住宅がひしめくこの墨東の最深部、玉の井界隈には不似合いとも言える、巨大な高層マンションが屹立しており、その対比が面白かったので、一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、昭和の色濃いこの玉の井商店街でも、殊更、前回の東京オリンピック前後の雰囲気を漂わせるディープな蒲団屋さんの店先が暮れなずむ冬の空を背景にとても懐かしい雰囲気を発しまくっていたので、一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、前回のツアーの際も訪れた、青線の置屋の面影を残す住宅を探訪したのち、もう一箇所のなかなか見つからない、高度成長期以前の佇まいで今も残る古いモルタル造アパートを探し当て撮ってから駅に戻る途中、目に留まった、薄暗い住宅街の中に浮ぶスカイツリーの灯。
なお、本カットは、先に公開の「Sandayphotographer」さんのブログでもほぼ同じポイントから違うレンズ、違うボディで撮った画がアップされていますので、ご高覧戴ければ幸いです。

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十六枚目のカットですが、迷宮のような玉の井の裏通りから、やっと東武線の高架に行き当たったところに建っている、これまた楔形住宅兼作業場のような建物と高架、夜空を背景に一枚撮ってみたもの。

さて、今回の感想ですが、う~ん・・・これまで、一日に数箇所回る際は、だいたい1回から2回はレンズ交換しますし、また比較と保険のため、伴走機でも撮るのですが、今回は結局、お昼前から日暮れまでずっと一本のレンズ、そして伴走機もカバンの中で35mmf1.4のこれまたネオクラシックのモンスターレンズを装着したままスタンバイ状態で終わり、こんなレンズは今まで無かったと申しておきましょう。

次回はまたしても海外渡航で一週スキップ、年末にまた大冒険行をレポート致します、乞うご期待!!
  1. 2014/12/14(日) 19:53:42|
  2. 街撮り写真
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コメント

買いですね、ウルトロン28mm/2.0

Charley944さん
お疲れです。
渡琉から戻りました。

先週の撮影結果もまだアップしきれてないというのに、琉球でもTouit三兄弟、XF56/1.2、Petri55/1.4、困った時のXenon28/2.0と6本使ってX-Pro1で撮ってきました。
まだ整理が終わってないので、今週末にこちらは出す予定です。うひー。

さて、先々週の両国~墨東撮影行の結果が出てきましたが、ウルトロンとM8の組み合わせだとこう映りますか!中古でエルマリートを高い金出して買うくらいならこっちを買って差分を旅費に回した方がお得かもしれません。
15~16枚目の夜景の捉え方は流石M8、夜景をうまく抑えたなあと思いました。
X-Pro1だと鮮やかな色合いで映るのですよね。
こう昼間?みたいな色合いなんで見た通りの色彩で撮るならM8の様な感じにした方が良いでしょう。

それにしてもこの界隈なら28mmとか35mm辺りの広角の方が迫力でますね。
今度行くときは自分もGR21mmかTouit12mmを持って行こうっと。
  1. 2014/12/16(火) 21:22:43 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:買いですね、ウルトロン28mm/2.0

出戻りフォトグラファーさん
ありがとうございます。
暖かいところから、急に空気が乾燥し、寒い地域へ急行なんて、まさに体を苛めることの典型ですから、くれぐれもご自愛くだされ。
で、このUltron28mmf2、正直、半信半疑のおっかなびっくりで買い求めてみたものですが、やはり、先に買い求めたClassicNokton35mmf1.4SCでの感動画質、もっと具体的に申し上げれば、デジタルとの親和性の高さに賭けて、まさに目が出たとでも申せましょう。
ほんと、手許の28mm域の距離計連動玉は、国産きっての銘玉、CanonL28mmf2.8もあるし、Elmarit28mmf2.8三代目もあるし、海外遠征などの、ここぞ!という時には選択肢が多くて迷ってしまいます(笑)
  1. 2014/12/18(木) 23:57:31 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

こんばんは。

このところ国産に入れ込んでいるようですね。
距離計連動カメラも、国産ではコシナのマニュアル仕様のベッサがまだ販売されているようなので、たのもしいかぎりです。


コシナの28mmf1,9は、距離計連動カメラシャッターの静かさと相まって、直ぐに購入しました。

広角でしかも開放値が明るいので、夜でも安心使えるのが楽しかったです。

海外の知り合いに、渡航先でプレゼントしまったので今はありませんが、こうして後継機の画像を拝見すると懐かしいです。

違いと云ったら、背景ボケの滑らかな綺麗さとエッジが効いて艶っぽくなった色再現が、全体に向上したような気がしました。

こうして拝見していると、zeissのような明るい暖色系さが不足しているのは仕方がないとしても、サッパリした国産風の嫌みのない堅実な色合いなのでしょうね。

デザインもコンパクトで、f1,9に付属していたフードよりも実用的なのが良いです。
なんにせよコシナの価格も含め実用的な所は、昨今のライカ製品の一般向けの価格とは言えない流れとは、一線をひいています。

再び、フイルムカメラを持って、こういったところに戻ってゆきたいものです。

  1. 2014/12/23(火) 20:58:34 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordreさん
有難うございます。

確かにこのところ、新品で買っているのは、ヴォイクトレンデル銘のもののばかりで、気が付けば、75mm、50mm、35mm、28mmと一通りの焦点距離は揃っていました。

ただ、いずれの玉も志は高く、おそらく、ブラインドテストすれば、ライツの玉とも、ツァイスの玉ともかなりイイ描写性能の争いをするのではないかと思います。

しかも、貴兄も書かれている通り、お値段はもはや比較にならないレベルですから、ライツやツァイスのいわゆるレジェンド付フランドレンズを買い求める動機は、ブランドと一体化する安心感、そして虚栄心くらいしかないのかも知れません・・・

そういった中で、撮影優先で選ぶということなら、このシリーズは素晴らしく賢明な選択に思えたという次第です。
  1. 2014/12/25(木) 23:16:41 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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