深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

同時與美麗島離別~Taiwan Tour 2014 Winter②~

新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

さて、昨年末からの続き、台北ツアー2014冬の後編行きます。

三日目は、台湾随一の観光スポット、九份の更に奥地、金瓜石の更にまた山の裏側という、ちょっと聞く限りではとてつもない秘境のような印象を受ける水南洞(正しくはさんずいに南)を皮切りに、金瓜石、九份と巡り、夜は、小籠包の銘店「京鼎楼」で晩飯を食べるというコースでした。そして四日目は、同行者と帰便の出発時間と空港が異なるため、単独行動となった、雙連駅周辺の朝市の様子です。

機材は、一枚目、三枚目~六枚目、八枚目~十二枚目がM8+Classic Nokton35mmf1.4SC、二枚目、七枚目、十三枚目がOKC-8-35-1の35mmf2改M、十四枚目~十六枚目がM8+Ultron28mmf2、いずれも開放での絞り優先AE撮影です。

では、早速両日の行動に沿って、実写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、台北からのバスの中継地、金瓜石からバスに乗って10数分の水南洞へ向うと真っ先に目に入る観光スポット「黄金瀑布」の姿をその傍らに茂る芒越しに捉えたものです。

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二枚目のカットですが、バスを下車し、山頂に向って歩き出したところ、右手側の山麓、ちょうど金瓜石の裏側辺りに当たる山肌に不気味な残骸を晒す、水南洞精錬所の鉱石運搬用と思われる巨大なコンクリート製パイプの姿を捉えてみたもの。

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三枚目のカットですが、山頂に向う一本道を更に歩いて行ったら、左手側の高台に見える、東シナ海に面した山肌に今も残る精錬所のコンクリート製の建屋の威容を捉えてみたもの。

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四枚目のカットですが、山間の道を歩くこと数十分(寄り道有り・・・笑)、やっと見つけ出した地元民御用達と思われる地味な展望台へと急な階段を登り、やっと目にすることが出来た、夢にまで見た、東洋のマチュピチュこと水南洞十三層遺構の全貌を捉えてみたもの。

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五枚目のカットですが、全貌を捉えた後、興奮も冷めやらないまま、お腹が空いたこともあり、そろそろ、次なる目的地、金瓜石へ移動しようということになり、十三層遺構の上の広場のようなところで、ちょうどやって来た路線マイクロバスに乗って、一旦、海岸線に面した無料駐車場兼バスターミナルのような場所に着いたので、他の乗客共々、一旦途中下車し、先ほど、上から眺めた十三層遺構を下から見上げたもの。なお、この角度からは、マチュピチュというより、秘境チベットのポタラ宮殿にそっくりという印象を受けました。

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六枚目のカットですが、再びバスの乗って移動した、買って知ったる金瓜石で、観光客のたむろする黄金博物館区、及びその裏手の観光エリアに背を向け、戦前からの金鉱労働者の住宅が山肌に残る集落エリアに足を踏み入れ、如何にも山あいの小集落という風情を残すタール塗りの住戸とその合間を縫うセメント製の細い階段通路を撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、同じく金瓜石の非商業エリアにて散策中、またしても目に留まった、コンクリートも幾星霜でくすみ、いかにも鄙びた山あいの小集落の狭い通路という風情を漂わせた階段と住戸が在ったので、下から見上げる格好で一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、金瓜石で心行くまで撮影も行い、ランチも摂ったので、当日の最終目的地である九份へバスで移動し、現地では平日と云うのに、ちょうど、江ノ島に竹下通りの通行人と買い物客をごそっと攫って来てぶちまけた如き、恐るべき人出に驚き、また辟易しもつつ、とにかく、"例の石段"こと千と昌夫の金隠し、もとい千と千尋の神隠しのモチーフとなった「竪崎路」を同行の友人に見せなければ、彼の家族も納得しないと思い、狭い通路に満ち溢れた人ごみの中を歩いて移動しながら、ちゃっかりと飲食店の店先から店内を撮った一枚。

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九枚目のカットですが、竪崎路との交差点からそのまま降りてしまうのも面白くなかったので、一旦通り過ぎ、基山街のどん詰まりから階段を下り、下から竪崎路にアプローチしようと歩いていたところ、ふと見通しの良い展望台付近で、いたいけな韓国産のアガシ数組が、例のスマホンを括り付けた滑稽な自撮り棒も使わず、親御さんから貰った自らのリーチを目一杯伸ばし、その愛くるしい姿を捉えようとしたところ、別の組のアガシが画面に飛び入り参加し、面白い画になったもの。

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十枚目のカットですが、竪崎路の一番下の広場から「非情城市」とかいう看板を掲げた観光飲食店のちょい上の辺りの階段の脇に昔の軽便鉄道駅かなんかの標識を模した丸い黄色っぽいオブジェが印象的だったので、それをモチーフとして、背景に竪崎路の階段の様子を入れて撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、夕方になり、陽も傾いて来たので、そろそろ台北へと戻ろうかいな、ということになり、九份のバス停まで竪崎路の下の道、確か軽便路という名前の小径だったと思うのですが、そこを歩いている途中に今までは気付かなかった、おそらく個人宅への階段だと思うのですが、そこへ通じる門扉がこのモノトニーな辺りの景色には不似合いなショッキングピンクに彩られていたので、その対比が面白く、一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、そのバス停へ向う軽便路にも途中に基隆山系を含めた辺りの山並みと東シナ海を一望に出来るちょっとした展望台のようなスペースがあり、そこで時刻柄、ちょうど展望している人々がシルエットロマンス系になっていたので、これ幸いに一枚戴いたもの。

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十三枚目のカットですが、九份からの帰りは、まず基隆までバスで降り、そこからローカル列車で台北に戻ることにしたのですが、結構な時間が掛かってしまったので、いきおい、夕飯は遅くまで開いている観光客相手のローカルフードレストランとせざるを得ず、まず一軒目の台南料理屋で或る程度腹ごしらえし、翌日が帰国ということで、友人のリクエストを受け、初日の京鼎楼に小籠包を食べに寄ったのですが、帰りのお会計時にいたいけで愛くるしい極小姐がレヂに座り込んで遊んでいたので、傍らの若いオモニに「可以拍照嗎?」と声を掛けたら、笑顔でうんうんと頷いてくれたので、ご好意に甘え、将来の看板娘のご尊顔を一枚戴いたもの。

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十四枚目のカットですが、翌日は台北駅北カメラ屋街に位置する木賃宿を10時過ぎにチェックアウトし、まず台北駅地下のコインロッカーに荷物を預け、毎回、結構イイ画が撮れる、雙連駅周辺の朝市に趣き、カメラ二台提げて、これはと思うシーンでシャッターを切っていったのですが、このお店のおぢさんが「兄さんイイカメラ持ってるね!!」とか声掛けてくれたので、またしても「可以拍照嗎?」と中国語で聞いたら、墓場から甦ったゾンビと遭遇した無神論者の如く驚いた表情をしたので、写真、写真と云い直したら、破顔しハぃハィ♪ということで一枚撮らせて貰ったもの。

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十五枚目のカットですが、同じく朝市を徘徊しながら次なる獲物を探していたら、辺り一面、真っ黄っ黄の食材を商うお店が在り、また繁盛して活気も満ちていたので、店先から声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

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十六枚目のカットですが、朝市の店舗の奥にはMRTの敷地を利用したちょっとした細長い緑地公園みたいなスペースがあって、そこを子連れ、孫連れの家族者各位がよく通り、声掛ければ、在留邦人以外はたいてい撮影に応じてくれるので、よく見定めて声掛けて撮らせて貰った、おぢいちゃんとお孫さん二人の微笑ましいお姿です。

さて、今回の感想ですが、もう何回も通って、目ぼしいところは撮り尽くしてしまった感の有った台湾でしたが、今回、大学時代の友人との約30年ぶりの旅行ということで、少しはいつもと違う目線で撮れたのかな、と個人的には思った次第。

しかし・・・もう年は明けましたが、この2015年、秋の連休は奇しくも春のGWと同じ日数の休日がありますが、GWまでの、これまでの年では3連休が点在していた2月、3月に連休が皆無・・・これで台湾、香港、韓国とは暫しのお別れ、というのが今回のタイトルの趣旨ということなのです。

さて、来週は、工房主も名を連ねる鏡頭秘密結社「クラシックレンズ愛好者連絡協議会」の新春第一発目のイベントで川越ツアーに参りますが、そこからのレポートをお送りする予定です、乞うご期待!!
  1. 2015/01/04(日) 19:31:49|
  2. 旅写真
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コメント

同好者がいると雰囲気が若干変わりますね。

Charley944さん
お疲れです。

本日は川越撮影会にご同行頂きありがとうございました。
さて今回は台湾撮影行のレポートですけれども、同行者がいらっしゃる分いつもより雰囲気違うかなって気がしました。
その分同行者の方への手本になるような撮り方になっているかなと言う気がしなくもないですけど、8枚目の様に中央の子供だけでなく背後の夫婦やおじさんの目線も向いている辺りはいつものCharley944さんの写真だなと思いました。

それにしてもM8+ULTRON28/2.0がすっきり鮮やかな映りでデジタルならこれだなと言う印象を持ちます。
OKC-8-35-1も良い映りなのですが中々入手できないことを考えるとコシナレンダーの2本の映りがぐんと浮き上がってくるのであります。
私もまた石畳とか長崎の坂とか撮りに行かないとなあ。
  1. 2015/01/10(土) 23:05:02 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

今回は精錬所付近の風景が特に面白かったです。

崖にせり出した建造物の面白さがしっかりと描写され、いつもと違った944さんのクールさを感じます。これらのレンズが、記録的にも(全て開放撮影だったとしても)、万全で緻密で明瞭な描写だと思います。

こうした無限遠に近い場合は平板な描写になりがちですが、コシナの35㎜f1.4は現場の重厚さや空気感をしっかりと表現しているようです。

こうしたところに8-35-1が更にクールな描写で、コシナの色合いと対比することができるのも面白いです。

コシナは28㎜f2も作例があり、異国での町中・色再現の参考になります。


個人的にはM8と8-35-1の組み合わせが、色再現的には新鮮で好みでしたが、コシナの28㎜f2はまだ不明ではありますが、少なくとも8-28-1については自分のNEX7や5Nとは違ってm8ではとても冷たく思える色描写傾向なので、カメラでの再現違いを考慮しないとならないことを、再発見した次第です。

ともあれレンズも盛りだくさんで、今回は特に、非常に興味深い建造物の秀逸な撮影に脱帽ものでした。

  1. 2015/01/11(日) 01:07:58 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

Re:同好者がいると雰囲気が若干変わりますね。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
川越ツアー、セット&水先案内人役、お疲れさまでした。
そうですね、今回の台北は結構、判り易いカットを多く撮ろうと無意識に行動した結果がそこここに滲み出ているかも知れませんね。
それにしても、今回持参した長野県産のレンズ2本、またしても良い方向に期待を裏切ってくれて、また、お金に余裕出来たら、何か買ってみよう、という気にさせてくれる上がりではないかと思いました。
でも、高性能とリーズナブルな価格という点ではロシア製のシネレンズとも相通ずるものがあるとも思いました。
  1. 2015/01/11(日) 23:31:51 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。

今回は、永年の宿願だった、悲運の世界遺産万年落選候補である「水南洞」への初訪問を最大の目的としていたので、その緊張感、興奮みたいなものもいつもの撮影スタイルとの差異に表れていたのかも知れません。

とにかく、もし機会があるならば、この東洋では軍艦島にも匹敵するかの如く壮大で寂寥感溢れる産業遺構を実際に目のあたりにされることをお勧め致します。

またレンズに関してですが、或る意味、今回は長足の進歩を遂げた、ヴォイクトレンデル銘の距離計連動レンズの底力を産業用高性能レンズであるOKC-8-35-1を試金石として体感出来たのも大きな成果ではなかったかと個人的には感じました。
  1. 2015/01/11(日) 23:39:51 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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