深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

A clumsy optics meets fashonable town~Baltar35mmf2.3C mod.M~

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さて、今週のアップは久々に予告通り、工房製の改造レンズ、Bausch & Lomb銘のシネレンズ、Baltrar35mmf2.3Coated改Mをご紹介致します。
このレンズ、改造自体はもう2~3年前に完成していて、関東近郊のお祭りや、香港・マカオ、或いは台北、韓国などにも持ち出していましたが、何故か後輩レンズに先を越され、本体をご紹介するのは今回が初なのです。

構成はオーソドックスな4群6枚のオーピック型、製造はおそらく1960年後半、既に映像用光学製品から殆ど撤退し、コンタクトレンズや眼底カメラのような医療用途分野に活路を見出したBausch & Lomb社が米国Goertz社にOEM供給を仰いだものと言われています。

電子湾経由、工房に届いた時は、Walt Desneyスタジオの銘の入ったキャップ付きのマグカップ並みの巨大なミッチェルシステムのレンズハウジングに収められており、これをドリルやカニ目オープナーを駆使し、宝玉のようなレンズブロックを取り出し、これを距離計連動化すべく別の本体見合いの薄型でコンパクトなハウジングに固定し直し、距離計連動のための傾斜カムを設けたものです。
では、早速、当日の行動に沿って実写結果を見て参りましょう。撮影条件はカメラはX-Pro1、全コマ開放による絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、中目黒駅からスタートし、目黒川、西郷山公園を経て、ツタヤ主体のカルチャ系ショッピングエリアであるT-サイトに着いたら、中庭でいたいけな中国小姐お二方が、例の自撮り棒なんか使わず、交替で撮ってはキャア、眺めてはキャアと愉しげにスマホンで遊んでいたので、おもむろに近寄りざまに中国語で話しかけて、シャッター押して上げるからモデルさんになってね♪と交渉の結果、撮らせて貰ったもの。

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二枚目のカットですが、同じくT-サイトの建物間の通路で建物を照らす夕陽がなかなかイイ案配になっていたので、イイ雰囲気のカポーでも通り掛かったら通行人出演して貰おうとか鵜の目鷹の目待ち構えていたら、来ました、来ました、冬支度のお似合いのカポ-がお手々繋いで足早に画面を通り過ぎて行ったので慌ててシャッター切ったもの。

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三枚目のカットですが、同じくT-サイト中庭で、傾く午後の陽光に合わせて、場所を変えて、瀟洒なキャンパスのロッヂ風の建物と立木をモチーフに夕陽を背に談笑しながら歩いて来たカポーや、夕陽を背に寛いでいた若いファミリーなどの様子を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、T-サイトを後にし、次なる撮影地である代官山駅周辺の裏通りに移動する途中、旧山の手通りに面したヒルサイドテラスなる商業施設の庭部にあったモノクロのポップアート系オブジェが目に留まったので、グラスエリアも大きく洒脱な建物をバックに一枚戴いてみたもの

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五枚目のカットですが、旧山手通りを代官山駅方面に右折する少し手前の辺りに結構、キッチュでポップな雰囲気の雑貨屋さんが有り、よく店頭で写真を撮らせて貰うのですが、たまたま店先に居たお店番のオッパーに面白いオブヂェですなぁ、一枚撮らして、とか声掛けたら、一枚と云わず何枚でも撮って宣伝して下さいな!とか云われたので何枚か撮ったうちの一枚。面白いことに工房主がX-Pro1なんかでマジメに撮ってると、スマホンやら、EOS KissやらM3/4みたいな思い思いの得物で一緒になって撮り始める通行人が出てくるのが、この界隈の面白いとこです。

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六枚目のカットですが、旧山手通りを代官山駅方面に左折し、すぐに右折すれば駅前に出てしまいますが、暫く通り沿いに歩いて撮影スポットを捜していたら、先月の鹿港の路地みたいなテイストの細い巷が目に留まったので、一枚撮ってみたもの。
ですが、こちらは人工的に整い過ぎて、やはり台湾の古い街並みの醸し出す得も云われぬ雰囲気には到底及びませんでした。

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七枚目のカットですが、またしても代官山駅周辺の通りを何か獲物はと睥睨しつつ歩いていたら、若い夫婦者が幸せそうにベィビーカーなんざ押しながら、おしゃれな店舗の立ち並ぶ裏通りのの緩い坂道を登っていく後ろ姿が目に留まったのですかさず一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、駅とは反対方面のちょうど旧山手通りの側道に当たるような裏通りを徘徊していたら見つけた晩秋の名残りみたいなまだ赤みを残こす紅葉の葉を残した枝越しに東方向に立っている木造コンクリート造のハイブリッド建造物の佇まいを捉えたもの。

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九枚目のカットですが、その駅とは反対方向の裏通りに在る、雑貨店軒先に寄生した?簡易店舗とも屋台ともつかない、飲み物だかソフトだか、とにかくスナック系のものを商う業態の様子をそのお洒落?なパッチ状のトタンの側壁の佇まいとともに一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、代官山駅からほど近いやたら人通りの多い路地裏撮影スポット、段々コンクリート店舗エリアの白いキューブ状の店舗の佇まいを入り口付近から捉えたものです。

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十一枚目のカットですが、その路地裏の白いキューブ状の建物からなる店舗エリアを訪れるお洒落な若人各位のせめて後ろ姿の写真でも撮ろうと待ち構えていたところ、工房主のX-Pro1を二人して一瞥して通り過ぎて行ったカポーがいたため、店舗との間合いを測った上で一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、さて、そろそろ工房に戻らなにゃならん時間だわぃとか思い、駅に向う道すがら、またしても、お洒落な壁面一杯の看板を見つけてしまったので、コイツをモチーフにイケてるヂモテーの若人でも撮ろうかいな、とか目立たないようカメラ構えて張っていたら、かなりのスピードで自転車を飛ばしてくるエスキモールック?の小姐が見えたので、メインのモチーフたる赤い靴との位置を計算して必殺の一枚としたもの。

今週の感想ですが、うーん、順序は前後しますが、来週紹介予定のこれまた買ってから10数年経つのに、どのアダプタも距離計連動が上手くいかなかったのでなかなか登場の機会が巡って来なかった不遇の国産実力派レンズの開放からの描写が物凄かったせいか、はたまた、長野県産の最新かつ最良のレンズに目が慣れてしまったせいか、初めて使った頃のその描写への驚きは薄れてしまったのでは、というのが偽らざる心境です。

さて、来週のご紹介は、このレンズへの換装前に中目黒から代官山T-サイトまで先に同道した、秘宝館の底に潜んでいたモンスター、某国産RF機用のシャープネス命の広角レンズのご紹介いきます、乞うご期待。

  1. 2015/02/01(日) 19:51:09|
  2. Mマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

代官山界隈にこんなスポットが。

charley944さん
お疲れです。

こちらが雪国写真を撮っている間にこんな洒落たものをお撮りとは。
代官山ってこういう撮影スポットがあるとは知りませんでしたね。
まだまだ東京も探せばいろいろあるものですねえ。

それとBaltarなのにX-Pro1につけたせいか思ったより色合いが自然な感じになっているのがすごい。
M9に50㎜Baltarをつけたらもっと鮮やかな色合いになりそうなんですけどね。

9枚目のウテナクリームのトタン看板が気になります。
今度行ってみたいですね。
  1. 2015/02/01(日) 23:26:24 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

1,5,8とかの、淡くグリーン・ブルー掛かった色彩が魅力的です。

たしかに、昨今のコシナ製距離計連動Mマウントのシャープさに慣れてしまうと、その点では落ち度がある気もしますが、もしかしたら、それはあくまでもエッジ表現の違いで、実際のところは35㎜シネというバルター実力を考慮すると、銀幕サイズまで拡大しようなら、色彩コントラスト表現ならばバルターが有利と変わり得るかもしれない、なんて夢想してしまいます。

ともあれ、一枚目のお二人の人物写真には、ガラスに映った複雑なボケとともにイエロー・ドット・バルターの魅力を存分に発揮していると思われます。そしてこれは、APO-ARTARや米DAGORを率いるAMゲルツ・フアンにとっても、貴重な映像作例だと確信しています。
  1. 2015/02/05(木) 22:09:36 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

Re;代官山界隈にこんなスポットが。

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
そうなんですよ。
中目黒から代官山は天気が良ければそれ自体が極めてハイソな散歩道で歩いて景色眺めるだけでも東京という地に暮らしているという、普段は実感しない、幸福感を何となく感じてしまいますし、写真撮るなら、まさに被写体探しの注意力、周りの景色からの切り取りに関する描画的センスが求められます。
そういった、難度が高いコースでは、一見地味な描写を見せてくれるBALTARの実力を掛け値なく見せてくれると思い連れ出した次第です。
また、温かくなったら、沿道にはお手頃なのに旨いフレンチやイタリアンのお店なんかもあるので、撮って喰ってツアーやりませう♪
  1. 2015/02/05(木) 23:01:45 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
あ、そうでした、ここは貴兄のご近所でまさにフランチャイズでしたね。
まぁ、このPC画面サイズではマルチコートが威力を発揮してコントラストと彩度が高い最新型のデヂタル対応レンズの方がぱっと見、良く見えてしまうのは仕方ないかも知れませんが、確かに貴兄云われる通り、超微粒子銀塩フィルムで撮ったものを銀幕サイズまで確認すれば、また勝負の行方は判らないかも知れませんね。
近頃は日本に留まらず、このBALTARを改造しデヂタルで使う手合いは増えてきましたが、電子湾で見向きもされず100ドルかそこらで転がっていたこの無銘に等しかった銘玉を発掘したことを改めて誇りに思いました。
  1. 2015/02/05(木) 23:17:04 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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