深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Amazing technology and passion pursuing thinner and lighter optics~Hexanon AR40mmf1.8~

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さて、今宵のご紹介は、先週末のイベント前夜の金曜日にふと発作的にヂャンクレンズが欲しくなり、新宿へフラリと彷徨い出た際、出掛けの駄賃代わりに某大手チェーン店にて買い求め、夜を徹して、分解、エレメント清掃、そして内面反射抑制を施した今は亡きコニカのAR Hexanon40mmf1.8です。

発売は1980年、世界初のワインダー内蔵のAEカメラコニカFS-1の標準レンズとして世に送り出されました。

このレンズは分解してしみじみ思ったのですが、お金掛けるところは徹底的にお金掛けていて、そうでないところは徹底的にコストダウンしてコスパフォを追及しているのです。

まず構成が凄い。この手のパンケーキタイプは判で押したようにテッサ型なのですが、何と、このレンズ、5群6枚、前群分離型のウルトロンタイプなのです。

しかし、コストダウンも凄く、銘盤はプラ製のバヨネット固定、その下から現れたレンズブロックはなんとガラス繊維強化のエンプラ、でもバヨネットもヘリコイドパーツもしっかりとした金属の削り出し製なのです。

さぁ、そんなこんなで今までなかなか買うことのなかった、意中のホットケーキ、お味の方は如何でしょうか、先週の秘密結社「クラシックレンズ愛用者連絡協議会(愛称:クラレン連)」のイベントで回った本所・深川ツアーでの撮影結果を見て参りましょう。

カメラはX-Pro1、絞り優先AE、全コマ開放での撮影です。

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まず一枚目のカットですが、清澄白河駅のすぐ近くにある、大正から昭和にかけての商店街長屋のエリアをどんよりと雲がたち込め、時折、小雨がぱらつくさなか、南方面に向けて撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、その清澄白河レトロ商店街を徘徊していたら、なかなかポップなカンジの店構えのお店が有ったので、その店頭に停めてあった、ハワイとかカリブ海のリゾート地辺りから飛んできたようなカラフルな自転車をモチーフに店頭の佇まいを一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、ここもレトロ商店街で撮影スポットと決めている白い壁と白い階段の図で、当日は、曇天気味で、それほど光量が多くなかったので、隣接した清澄庭園の樹木の陰影も活かし、かなりイイ案配に造作を捉えることが出来たと思っています。

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四枚目のカットですが、レトロ商店街の撮影中に時折、降ったり、やんだりしていたのですが、丁度イイ案配にいたいけな小々姐を連れたオモニが、雨の日も心浮き立つようなおっされーな色使いと模様の傘をお揃いでさして歩いて来て、目の前の商店のショーウインドを覗き込んだので、これ幸いにと一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、雨宿り出来るところもあり、雨の日は比較的、来場者が少なく、思い通りの庭園の画が撮れるということで、清澄庭園に移動し、その入口を入ってすぐのところにある、巨大な卵型天然石を削り出して作った蹲に溜まった水面のさざ波にピンを合わせ撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、庭園の大部分を占める池の水面とその畔に建つ茶室を背景として、手前の松の枝葉を至近距離で撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、清澄庭園の池周辺のエリアから、門で隔てられている公園広場と呼ばれるエリアで、様々な、花の咲く樹木が植えられ、その端部には花菖蒲の池もあるのですが、盛りの過ぎたソメイヨシノに代わって、今を盛りに咲く八重桜の花を最短付近で撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、そろそろランチ場所へ撮りながら移動しませうということで、清澄庭園を後にして、銅製蛙オブヂェで有名?な臨川寺を経て、次なる撮影スポットである万年橋、芭蕉坐像エリアを目指しながら、裏通りに建っている、昭和の色濃い民家の軒先の佇まいを撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、前カットの民家の軒先に更に近づいてみれば、簾が下がっているガラス引戸の手前の植木棚に可憐なマーガレットの花が咲き乱れる鉢が置かれていたので、簾を背景として最短付近で撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、小名木川を跨ぐ、大川に一番近い鉄橋、昭和5年に震災復興の一環として建てられた鋼構造の名橋、万年橋の雄姿を袂から一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、万年橋を渡り、いよいよ、「日本のアンデルセン人魚姫坐像」とも一部では呼ばれているらしい、松尾芭蕉の像の安置してある堤防上の展望公園下まで歩いてきたら、擦りガラスの建物の前に木賊が植わり、そしてその前にパステルカラーの真新しい磨き上げられた自転車が整列して置かれていたので、その画になりそうな光景を一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、「日本のケルン」と呼ばれる清洲橋の眺めを芭蕉展望台から眺めていたら、ちょうど運良く、水上バス「ヒミコ」型二番艦である「ホタルナ」が橋の下を通ってきたので、その絶妙な組み合せを撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、一時期1万円台後半で売られていただけの人気と実力はダテぢゃなかった・・・
しかし、分解清掃が通常のレンズとはかなり異なり、修理業者に外注するとなると、商売にはならないので、仕入値そこそこで叩き売るようになってしまったのでしょうね、とても満足感高いレンズなのに。

さて、来週は、この撮影行の後半、森下で食事してから移動した「玉の井いろは通り」、「鳩の街」探検からお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2015/04/19(日) 22:46:16|
  2. 深川秘宝館
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コメント

これはびっくり!

charley944さん
お疲れです。

まさかのAR40/1.8登場に、「え、何で今更?」と思ったのですが、写りを見てびっくり。
凄いじゃないですか、このレンズ。
もはや二束三文で売られているのが当たり前で、メンテナンスはまず無理だろうって状況なのに、手がける人が手掛ければこうもすっきりした写りになるとは。
印象が国産最強、の印象も強いAR57/1.2の写りと似ているのも不思議ですね。
コニカも標準レンズとして作っただけあって、部分的なコストダウンは図っているものの、設計は手を抜いていないのですね。まだ探せばありそうだから、今度市場を眺めてみるかなあ。

個人的には4,7,11枚目が好みですね。
私も4枚目の被写体を撮影しましたが、もっと寄るべきでしたね。
換算60㎜の焦点距離がうまく被写体と合ったようですね。
  1. 2015/04/20(月) 00:05:49 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:これはびっくり!

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
二週に渡り撮影行お疲れさまでした。
そうですね、今まで結構な値段してたレンズがまさに二束三文になっていて、また外観もそこそこキレイでちょい曇りってことで買って来て、夜を徹して、OHしたのですが、やはり翌朝のパフォーマンスは苦労を裏切らないものでした。
もし機会があれば、是非とも一本は手元に置いておけば結構楽しめるんではないか、と思いますよ。
  1. 2015/04/20(月) 23:22:35 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

今回は、レンズの分解解説もあって、なかなかわからない製造メーカーの実情も興味深く拝見できました。

40mmとはニガテな焦点距離ですが、f1.8まで明るいと、そこそこ背景をぼやかすことができるので、使いではありそうですね。

再現色が、数か月前に購入したマミヤセコール・M42テッサ―タイプの50mmに似ているような気のする優しげな色再現ですが、それよりも全体的に線が細くてコントラストが高く、1・10枚目の地味な天気で地味な色材でも、古いブツ成りに重厚感が軽快に再現されているところに、コニカの良さが光るようです。

松や花の近接時・背景描写の放射状二線ボケ気味になるのが、先日掲載されたカラーウルトロン50mmのリング状の強めのボケを思い出し、前玉分離タイプのクセなのか気になったものです。こうした点ではウルトロンのほうが優等生的で面白いですが、こちらの40mmの個性を引き出すヒントになるような気もして落ち着かなくなります。

ウチの近所中古店では、この40mmは少々高めの価格でしたので、ちょっと手がでません。(ところで、57mmf1.2の話題が出ましたが、お話がでれば、こちらの前期・後期タイプ一揃えがどうしても欲しくなってしまうものです・・・。)



  1. 2015/04/21(火) 00:29:32 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordreさん
有難うございます。
このレンズ、APS-Cのミラーレス機使う人間であれば、マストアイテムだと思いますよ。
実際の換算画角は60mm相当で望遠過ぎず、標準にありがちな画面の余白取り過ぎ感もないし、また45cmまで寄れるのも、街歩きには心強い味方ですよね。
なお、ヤオフクなどでは5000円程度でそこそこのものがまだまだ買えるようですから、一本押えて、葛飾区のUCS辺りにクリーニングでも頼んでみてはいかがでしょう。
  1. 2015/04/23(木) 22:58:02 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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