深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

A great heritage coming back from German~Porst 50mmf1.7~

PORST5017.jpg
さて、今宵のご紹介は予告通り、先の「本所・深川ツアー2015」の下見を兼ねて、里帰り後、当工房でのOHを受け、或る程度までは往年の性能が復活したと思われる富岡光学製の隠し玉"PORST50mmf1.7"をご紹介致します。
このレンズ、50mmのf1.7にしては贅沢な6群7枚のいわゆる変形オーピック型のうちの2群、3群間を貼り合せず、また後群に一枚追加したズマリットタイプで、マルチコートの深緑も美しい金属鏡胴の重厚な鏡胴の逸品です。
製造・販売は、この独通販専業、PORST社が1980年初めにはM42マウントの一眼レフに見切りをつけ、富士フィルムのAXマウントのOEMに切り替えたことから、1975年から1980年迄の間に富岡光学が独PORST社に供給したものと考えられます。
実は当日は、撮り終わってからカメラの設定見て、白目剥いて泡噴き、天を仰いで卒倒しそうになったのですが、何と、普段、遊びでは滅多に使うことがない、EOS1DsMKIIのISO感度設定をISO800にしたまま開放で撮っていたのです。
相当数ノカットは使い物にならなかったですが、一応、ソフトで露出とガンマをいじって、見られるよになったものをかき集めたのが今回のアップという次第、いずれ、APS-Cではありますが、X-Pro1でリベンヂします。

では、さっそく、当日の行動に沿って、実写結果を見て参りましょう。

PORST5017_001-1.jpg
まず一枚目のカットですが、「回遊式林泉庭園」である清澄庭園の最大の見所である、泉水、即ち人工池を望む光景ですが、情操教育の一環でしょうか、いたいけな若いオモニが童子を連れて来て、やれお魚さんや鳥さんも愉しそうに泳いでいるね・・・とか話していたので、その和やかで緩い雰囲気を後ろから一枚戴いてみたもの。

PORST5017_002-1.jpg
二枚目のカットですが、庭園南部へ移動しようと入口から左手の飛び石通路方面に歩いていくと、これまたいたいけな小姐と健気な若いオモニが何か呪文を唱えながら、池の丸々太った鯉に更に餌付けしようとしていたので、卒爾ながら、と声を掛けて、その愛くるしい給餌風景を撮らせて戴いたもの。

PORST5017_003-1.jpg
三枚目のカットですが、池の奥方面、位置的には南部の辺りに奥の院みたいなカンジの植林があり、訪問した時は、ソメイヨシノは若干早かったのですが、それでも八重とか桃の一種のような花々が咲き乱れ、全体的にとてもウキウキとした雰囲気だったのですが、それでも我関せずとばかり、庭園内の木製テーブルセットに腰を据え、難解な書籍の読書に勤しむダンデーな雰囲気の兄ちゃんが居たので、音も無く近寄り、一枚戴いたもの。

PORST5017_004-1.jpg
四枚目のカットですが、庭園の東側の塀沿いには、関東大震災以降に建てられたという、モルタル防火造の当時ではモダンな佇まいの店舗兼住宅の二階建て長屋が現存しており、その佇まいを撮りに行ったところ、ちょうど、えも云われぬ雰囲気を背中に湛えた老夫妻が通り過ぎて行ったので、後ろ姿エキストラとして入って貰ったもの。

PORST5017_005-1.jpg
五枚目のカットですが、その元祖震災復興長屋の前の植え込みに桜の一種と思しき濃い目のピンクの花が可憐に咲いていたので、長屋をバックに一枚戴こうとしたまさにその瞬間にヂモテーと思しきママチャリに乗ったヂェントルマンが通り掛ったので、後ボケになって戴いたもの。

PORST5017_006-1.jpg
六枚目のカットですが、清澄白河駅から大江戸線に乗って両国駅につき、そこから徒歩で錦糸町を目指し、錦糸町駅前でお茶してからまたスカイツリーまで歩こうという計画で、とりあえず錦糸町駅前まで到着しましたが、駅前の舗装が西陽を照り返し、そこをせわしげに歩く人々がセミシルエットと化してなかなか良い風情につき、一枚戴いたもの。

PORST5017_007-1.jpg
七枚目のカットですが、錦糸町駅北側に広がる錦糸町公園はそれこそ、終戦直前には東京大空襲で、何万体もの遺体が仮埋葬され、文字通り鬼哭啾々たる有様だったとのことですが、終戦70年を過ぎた今、その悲惨な時の記憶は陽光の彼方に押し込められ、いたいけな若者達が、今の生を謳歌する場所に転じ、その中でもちょっとおませな太鼓持ちの極小姐がなかなか決まっていたので、傍から一枚戴いたもの。

PORST5017_008-1.jpg
八枚目のカットですが、錦糸町公園でのお祭り騒ぎを一通り眺めてから、また押上方面へ歩こうと、北側の出口から歩道に出たら、自転車に乗った健気なヂモテー小姐達が夕陽に向って通り過ぎて行ったので、追い縋りざまに一枚戴いたもの。

PORST5017_009-1.jpg
九枚目のカットですが、スカイツリーを目印に北方面に歩いていけば、錦糸町からは程なく押上に出るので、北十間川伝いに東へ歩いてスカイツリー全貌が川面に映る姿でもスマホンで撮って、顔本での世界中のお友達に配信すっぺ♪と川沿いの道を歩いているさなかに見つけたヂモテーの有志集団が植えたという吊り鉢の花と川沿いの街並みの様子を一枚撮ってみたもの。

PORST5017_010-1.jpg
十枚目のカットですが、スカイツリー下、ちょど、業平橋と押上の中間くらいの北十間川を跨ぐ橋の上を早春の夕陽を浴びてせわしく行き交う人々の姿がなかなか美しかったので川沿い歩道から一枚戴いたもの。

PORST5017_011-1.jpg
十一枚目のカットですが、スカイツリー附設のソラマチのビルの4階、展望台行きエレベータ乗り場の近傍にはちょっとしたイベント広場があり、そこで、季節に応じ、スケートリンクがあったり、移動遊園地が出ていたりしているのですが、今回は、逆バンヂーみたいな、ゴムスリングでいたいけな童子達を虚空に打ち上げ、絶叫せしめる、という、この世の無情さをご幼少のみぎりから体感させようとしているのかとも思える不可思議な遊具が有ったので、そこで人身御供になっている童子の雄姿を一枚戴いたもの。

PORST5017_012-1.jpg
十二枚目のカットですが、スカイツリー訪問時の定番と化している、ツリー鉄骨の根元からてっぺん方向を俯瞰する形で撮ったもの。

PORST5017_013-1.jpg
十三枚目のカットですが、いたいけなお友達がゴムスリングの重石となって虚空に打ち上げられては、ズタ袋を裂くような悲鳴を上げているのに、別のグループは、その修羅場から程近い特設の壁にペンキで何でも好きなもの書いて良いということで、唯一のルールである衣服の汚れ防止のレインコートのみ羽織り、背後の絶叫とは別の嬌声をきゃぁx2上げて、抽象画作成に血道を上げておられたのでそのご様子を一枚戴いたもの。

今回の感想ですが、いやはや、慣れないカメラはダメですね、重くて首と肩は凝って、頚椎ずれてますね、と行きつけの整体の先生には言われるし、ISO感度間違え、あとで生きてた画を捜して補正するのに骨折れるし・・・それでも、このレンズの質感描写の性能の片鱗は窺い知れたのではないでしょうか。

さて、来週は、工房で作ったまま、そのまま使い始めて、正式なご紹介していないものが何本かあったので、ストックフォトを用いて描写性能を見て参りましょう、乞うご期待!!
  1. 2015/05/17(日) 19:56:24|
  2. 深川秘宝館
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<Shonan Tour 2015 Spring | ホーム | 河内 no Wossan returns'15②>>

コメント

実は穴場のAXマウント?

感度800でのうっかり撮影、ということでしたが、そんなことを感じさせない撮影結果ですね。

X-Pro1でも感度をAUTOにして絞り開放で撮影していると、日中の屋外撮影でもすぐに感度800になってしまうという状況ですが、こういう感じでは結果を出せないですよ。

ところで、自分もこの前28㎜/2.8マクロAXマウントを使いましたが、AXマウントレンズは案外穴場なんでしょうかね。あまり使っている人も見ませんし。
それに今回の50/1.7もピントの合った部分の浮き上がり方がかなり好みな感じで映ってますね。
やはりフジノンレンズはすごいということなんでしょうねえ。

うーん、今週末は自分もAXマウントの28/2.8MACROをX-Pro1につけるかなあ。
  1. 2015/05/17(日) 23:24:04 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:実は穴場のAXマウント?

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
が・・・ちゃいまんがな(笑)
このレンズ、富岡光学製のM42、即ちYCマウントのPlanar50mmf1.7の実質M42版なんざんすよ(汗)
しかし、ISO800でも80枚弱撮った中でそこそこ使えそうなカットが40枚弱有って、そこから良さげなのを選っての13枚ですから、まぁ、どのカメラでISO間違えやっちゃっても、似たようなもんでしょう。尤も、ネガフィルムならISO100と同800の間違いくらいはへっちゃらでしょうね。
ところで、肝心のAXレンズに関しては面白い話が有って、あまりおおっぴらには書けませんが、田舎に帰っていた時、駅前のおそらく街一番の老舗写真館兼カメラ店のヲヤヂさんと雑談していろいろ判ったのですが、やはりEBCフジノンは相当性能良く、アマチュア向けに人気があった、CとかMとかO、そしてAとかと違い、宣伝にあまりお金かけず、販売店対策もやらなかったので、人気こそ無かったものの、極端な超望遠とか超広角を除き、レンズラインナップの性能は当時から報道御用達のNと同等以上で、そこまでボディの耐久性とか求められない写真館や出張撮影などのプロカメラマンは6x9から135まで愛用しており、ハッセルがツァイスの次にパートナーとして選んだのも、そのプロ好みの描写性能が選ばれたからと聞いている・・・というような話しが出て面白かったです。
  1. 2015/05/18(月) 00:29:32 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

重量級カメラでの撮影、ごくろうさまでした。

収差が適度に有って、ピントが良いと被写体エッジが際立つのか、使い易そうなレンズだと思いました。

レンズはともかく、最後のカットは構図と背景とがまさに子供の世界感そのもので、その年代の頃の懐かしさがこみあげて来るようです。

レンズがヤシコンの50mmf1.7と同等ということで、本当に七枚玉なのでしょうか。わたしもかつてヤシコンの値崩れ当初にy/c超軽量f1.7レンズを購入しました。

たしか、『f1.7クラスにしては七枚と奢っているので描写が悪いハズ無い』といった雑誌での寸評も眼にしました。ということで、ほとんどのf1.7レンズというのは6枚使用で、7枚のレンズはほかに例がほとんど無かったようでした。
一眼レフの頃は、ピントの難しいf1.4の開放値よりも、明快なファインダーを提供できるというf1.7に期待していました。

RTSⅢのバキューム平面性に期待して、もう一度はフイルムで使ってみたいものです。・・・といっても、今回のポルスト銘というのは本当に変わっていますね。
  1. 2015/05/23(土) 19:22:47 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordreさん
有難うございます。
このトップ写真では、奥目ということもあって、エレメントのコーティングの色までは詳細には見てとれませんが、薄っすらと緑の反射光も見えており、また真正面から見ても、中にガラスがギューっぅと詰め込まれた感が伺え、また結構な持ち重みもする不思議なな玉です。
味付けはどうなんでしょうね、モダンレンズにしては、古典的なプラナーのような味も残ってますし、かと云って、当時、ライセンス生産していたZeiss銘のレンズに較べると発色はかなりあっさりめで、個人的には和風な印象すら受けます。
まぁ、また今度、何処かでご一緒する機会あれば、持参しますので、ご自分で何か撮ってみて
評価して下さい(笑)
  1. 2015/05/24(日) 18:00:41 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/tb.php/428-f73525e0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる