深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Rebirth to the opposite role player~Schneider Apo-Componon40mmf2.8HM mod.M by F.G.W.G.

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さて、今宵のご紹介は久々の工房作品、というか、これまで出先写真ではたびたび活躍はしていたのですが、お披露目は済んでいたものと勝手に了解し、今日の今日まで何かとこき使っていたというのが実情で、未登場機材を整理していたら、あらまぁ、まだ出ていなかったの!?てなカンジで急遽、ハノイでの撮影結果をもとにその描写性能をあますところなく見ていこう、ということになったものです。

まずはこのレンズの氏素性ですが、鏡胴外側は一見しょぼいプラ製ですが、中のメカは全てアルミ合金削り出しの黒染めで、意外と持ち重みのする頼もしいレンズです。

このタイプの発売は1990年代半ば、構成は4群6枚ながら、両外側二枚が張り合わせで絞りを挟んだ両側に弱いパワーの凸玉を置いた超変形オーピックタイプとでも云える不可思議な形です。

元々の用途はフィルムの引伸し、焼付用の投影レンズですが、先に改造した競合者のローデンシュトックApo-Rodagpn50mmf2.8が撮影用として最近接から無限まで全く破綻なく使用出来たことから、まだ安かった頃に電子湾で釣り上げ、工房でMマウントの距離計連動改造を施したものです。

では、さっそくその実写結果で実力のほどを改めて確かめて参りましょう。カメラはX-E1の絞り優先AEモードでの全コマ開放、ロケ地は先のGWでの訪問地のハノイ市内です。

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まず一枚目のカットですが、到着早々、教会裏の路地奥にある宿からホアンキエム湖に向う途中の商店街?での商売の様子を背景として、国民の祝日を祝し、町中狭しと掲げられたベトナム国旗のテクスチャを写し取ってみたもの。

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二枚目のカットですが、湖への通り道ではきちんと店を構えた商店のほかに、色々な行商がやって来て、思い思いの商品を商っていますが、その中で、地元民、観光客双方にそこそこ人気ある、菅笠売りの行商のアヂュモニが商品満載の自転車を置いたまま店先のお婆ぁと話し込んでたので、ちょいと失礼と、東南アジアではありきたりのパゴダみたいに詰まれた菅笠の様子を一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、湖への道を歩いていたら、前方にオーセンティックな野菜売りの行商のオモニが悠然と自転車を推しながら流していたので、歩道側から早歩きで並走し、暫くして、背景が開けた辺りで抜き撃ちの一閃とばかりに必殺の一枚を戴いたもの。

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四枚目のカットですが、湖の周回路から北側の旧市街の職人通りへ向う途中、大きな道を横切ろうとして左右を窺っていたら、彼方から、結構な美人のアガシが見たこともないようなスクーターで風を切って、颯爽とこちらに向ってくるのが見えたので、即座に構え、そのエレガントなお姿を一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、ランチ前の撮影を終え、再び、宿の周辺まで戻って来て、馴染になったベトナム料理、洋食兼業のカフェバーみたいなお店でランチを戴き、シャワー浴びて休もうとホテルへの路地に繋がる裏通りの入口付近が地元のいたいけな若者各位で賑わっていたので、その様子を一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、ホテルで一休みしたあと、宿の周辺をほっつき歩いていたら、フランス統治時代の雰囲気を色濃く残す建物の前庭の花壇に山吹色の熱帯の小さな花が無数に咲いていて、殆ど夢の国状態だったので、メルヘンチックな雰囲気を少しでも表現すべく、そのお花越しに雰囲気有る建物をボカして撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、お花畑のあるコロニアル様式?の建物を後にして、更に南の方角を目指していたら、ちょうど、LCCのヴェトヂェットの本社と思しき建物の辺りに来ていて、おそらく、空港から市内を結ぶ、乗客サービスの一環としてのシャトルバスが停まっていて、その前を二人乗りのバイクが猛スピードで通り過ぎて行ったのを丁度画面に収められたもの。

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八枚目のカットですが、宿のかなり南方面の道路を徘徊していたら、市内では珍しくもない、鳥籠の鳥ですが、これが珍しく澄んだ声で元気に鳴いていたので、暫し見とれていたというか、聞き惚れていたら、親父が出て来て、そんなに気に入ったなら、連れて帰ってもイイんだぞ、国は何処から来た?とか満面の笑顔で声掛けて来たので、日本から来たので、残念ながら、連れて帰れない、羽田で没、焼鳥にされてしまう、とか半ば冗談で返したら、それは残念だ、写真撮るだけならタダだから、記念に一枚撮っておけ、ということで、遠慮なく一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、危うく籠の鳥を売りつけられそうになった窮地を脱し、更に南部エリアの徘徊を続けていたら、幼稚園みたいな施設の門扉横辺りにステキな、極彩色にペイントした石ころでデコレーションしたこれまたハデな色遣いの壁の一部に、渋めの古い自転車が頑丈な南京錠みたいなものと鎖で結わえられていたので、そのキッチュな対比が面白くて一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、午後も15時過ぎになって、そろそろ暑いしくたびれてきたので、また宿でシャワー浴びて、日没まで一休みしませう、ということで大聖堂の前まで戻って来た時、前回の訪問時も含め、いつも何も思わず前を通り過ぎていたカフェの窓枠とガラスに映り込む景色がとてもエキゾチックなことに気付き、この時間の陽加減の記録にも、と一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、宿でシャワー浴び、また一休みしてから、日没前の少し涼しくなってきた時間に、ホアンキエム湖の周回路まで出て来て、殆ど、定点観測スポットというか、レンズの海外撮影テスト場と化している湖畔に立つ、ヴェトナム/中華レストランの表の佇まいを一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、湖畔のヴェトナム/中華レストランを十数メートル北に遡った辺りに設置されている、何らかのイベント関連のスローガンをかたどった光沢あるプラスチックの文字看板系オブヂェとその傍らを無関心かつ足早に通り過ぎていく、いたいけな若い西欧からの観光客各位の姿を撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、陽も暮れかけた湖の畔の周回路上のベンチでお孫さんと思しき、いたいけな童子とかけがえのない憩いのひと時を過ごしているご老人の姿と湖の佇まいをバックにその手前に咲き乱れる黄色い花々にピンを合わせ一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、フルーツの露店をやってるヲヤヂさんが、愛くるしいいたいけな自らのお嬢さんにおやつをねだられたようで、この時刻にもなると客足もさっぱりで、お店は閑古鳥も鳴き始めたことから、自分に似ず、奇跡的に器量良しの極小姐である我が娘をサクラとし、通り過ぎる観光客の目を惹こうとしたかの如き動作だったので、宣伝も兼ね、その麗しい様子を一枚戴いたもの。

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十五枚目のカットですが、デヂタル撮影では日暮れの様子がいまいち判りずらいかも知れませんが、陽は沈みかけ、だいぶ日中の刺すような陽光からはマイルドな斜めの光線加減にうって代わり、初夏の湖面も残光を浴びてキラキラ輝いていたので、その様子をバックとして湖岸の花畑の赤い花々の可憐な姿を写し取ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、湖岸の周回路から、また北側の大きな道路を横切り、夕暮の職人街へ足を踏み入れたところ、比較的新しい西欧文化の香りのする街並みに菅笠の物売りのオモニが居たので、その後ろ姿でも入れて撮ろうかいなとシャッター切った刹那、ただならぬ雰囲気に気付いてこちらを向いたオモニの鋭い目線を偶然捉えたもの。

今回の感想というか、このレンズの感想ですが、この鏡胴、ヘリコが渋めにセットしてある上、グリップというか突起がないのでピント合わせには苦労しますが、それでもほぼ休み休みながら半日も付き合えば、初めて持ち出した異国の街で、最新のAE/AFレンズには決して負けない、チャ-ミングで印象的な画をプレゼントしてくれます。また海外に出るときはカバンに潜ませたい一本であることは疑いようがありません。

さて、次回のご紹介は、秘宝館久々の新機材、渾身のレポートです、乞うご期待!!
  1. 2015/06/07(日) 19:58:24|
  2. Mマウント改造レンズ
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コメント

東南アジアやヨーロッパの空気でこそ花開くレンズ?

charley944さん
お疲れです。
そう言えばうちにもこれの50/2.8とか50/5.6なんてのがありました。
そのうちどこかで距離計連動改造お願いしないと(笑)

それにしてもApo-rodagon50/2.8と言い、このレンズと言い、この手の引き伸ばしレンズを撮影用に転用すると、

http://sandayphotographer.blog33.fc2.com/blog-entry-658.html

で掲示したように鮮やかすぎて目が痛くなりそうな色調のブーストがかかるのがデフォルトかと思いましたが、ハノイではそのようなことにならないのですね。
日本とは湿度が違うことも影響しているのでしょうか。
4枚目や14枚目の女性の肌の色が自然な感じなんですよね。

このレンズもそうですが、日本国内で使うより海外で使う方がApo-RdagonやApo-Compononには合っているのかもしれませんね。
  1. 2015/06/10(水) 22:42:48 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:東南アジアやヨーロッパの空気でこそ花開くレンズ?

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
うーん、このレンズ、国内でもそれほどカラーバランスが逸脱したような描写はしないと思います、おそらくカメラのパラメータの違いではないかと。
そもそも、北回帰線より南で赤道に近い方が、光線は強いし、色温度は高くなりますから、原色のブーストは余計掛かるでしょうが、そうはなっていません。

http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/blog-entry-307.html

ただ、このレンズ、また新しい設計のApochromatグレードのレンズは原色より寧ろ、黒が締まるのと線描写が細くとも緻密なので、ハノイでも台北でも古い石やモルタル造りの街並みや家屋の撮影でくすんだような中間色の建造物などの描写に威力を発揮すると思います。
  1. 2015/06/14(日) 23:25:32 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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