深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Japan's nostalgic hotspring area located approx. 200km away from mid of Tokyo~Minakami Town'15~

さて、今宵のご紹介は予告通り、先週末の三連休、いつもの倣いで、風の吹くまま、ふらりと旅に出たくなって、三連休直前の木曜晩にネットで必死こいて滑り込み予約をとった水上温泉の旅いきます。

水上温泉も、先月末に訪れた四万温泉同様、群馬県北部山岳地帯の谷あいにある伝統的な温泉で、ただ、四万温泉が交通の便が芳しくないことから、今なお何処か秘境的テイストを纏っているのに対し、こちら水上は上州から越後へ抜ける街道沿いの温泉地であり、また便数はともかくとしてJR線が高崎から繋がっているため、オイルショック前くらいまでは高度成長期に乗った団体旅行客の受け入れで温泉街はかなりの隆盛を極め、今も人気の草津、伊香保と並ぶ人気温泉地だったのが、バブルの波に乗って熱海や加賀温泉郷のような団体客中心の歓楽街的温泉地と化し、その崩壊後、団体ニーズが去り、個人、小グループ客の客離れも続いていたのですが、リーマン以降、県観光化、地元観光協会、そして、SLまで引っ張ってきたJR東日本の努力の甲斐もあって、いまや個人や小グループ客中心に客室稼動も上がってきて、往年の華やぎを少しずつ取り戻しつつあるといった印象を受けました。

今回は土曜日の午後13時半過ぎに駅に着き、渓流沿いの宿にチェックインし、荷物を預け、そのまま、晩飯スポット探しを兼ね、ご幼少のみぎり数回訪問した時のおぼろげな記憶を頼りに温泉街の路地裏を散策し、むやみやたらに撮った中から、これは、と思う水上温泉らしいカットをアップ致します。

機材は、カメラはX-E1のみ、レンズは1~11枚目までがLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4.5Asph.、12~16枚目までがAi-Nikkor50mmf1.2の全カット絞り優先AE開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、宿に着いて、荷物解いてからカメラ一台と広角ズーム、といっても、1.5xですから31.5mm始まりなのでそれほど極端な広角というカンジはしない組み合わせをお供に宿を出て、温泉街に向ったのですが、道路よりやや高い土手の上の線路の上から、煙が出て、しゅっしゅっしゅっしゅ♪と妖しげな音が聞こえて来たので、果ては三国峠を越える電車を後ろから押すディーゼル車が故障して、駅から離れたところに停車しているのかな?とか思い、温泉街への道をそのまま下り、土手の上が見渡せるところに出てびっくり・・・何と地球に優しくないことでは右に並ぶもののない、前世期の異物が真っ黒い煙を上げて佇んでいるではないですか?ってことで、地元民各位の使う杣道を辿り、土手を登り切って、35mm側、即ち52.5mm相当でその雄姿を捉えたもの。

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二枚目のカットですが、利根川上流の渓谷沿いに温泉宿は点在しているのですが、その駅と温泉街を繋ぐ水上橋の上から眺めた水面を、台風直後の増水もものかわ、次から次へとラフティングと称するゴムボートでの川下りを行うグループがやって来て、奇声、喚声を上げながら、橋の下を通り過ぎて行ったので、上流方面に向い手を振りながら撮った一枚。

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三枚目のカットですが、同じく橋の上から下流方向を眺めてみれば、橋の下を通り過ぎて行ったボートが両側から巨岩がせり出した急流で、ゴムボート数隻がホバリング的に滞留し、すくった清流の水をお互いにかけっこなどして愉しそうに遊んでいたので、上から一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、温泉街の途中で脇へそれる側道があったので、その分岐点を進んだところ、煙たなびく山肌を望む拓けた視界の下に見事統一された、沖縄の離島みたいな赤い屋根の民家が並んでいたので、その見事な景色をズームの最広角側で捉えてみたもの。

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五枚目のカットですが、その側道をどんどん進んでいくと、山あいの田舎に有りがちな、妙に鮮やかな青色に塗られたトタンの建物が、ところどころに紫陽花の咲く妙に艶かしいカーブを描くコンクリートの石段に面して建っていたので、その対比が面白く、一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、同じ側道を奥に向って歩いて行くと、相当古びていて、住民が居るのか居ないのか判らないような、おそらく高度成長期前後に建てられたような旅館などの観光業従事者向けの住宅なのでしょうが、それでもその心有る住人達は、今なお、ここが人の住む家屋であることを知らしめるべく、通り沿いに花を植えているということが判り、その心意気に感じ、一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが側道の奥まで辿り着いて、大手ホテルの裏手に行き当たってしまったので、元来た道を辿りながら、景色をキョロキョロと眺めていたら、行きは構図が後ろ向きになってしまったためか見落としていた、黄色い名も無き花と温泉街裏手の緑濃い山並みの対比がなかなか画になることに気付き、カメラ、スマホンそれぞれで撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、また温泉街との分岐点まで戻ったので、被写体探しながら、温泉街方面に向かって歩いて行くと、何と、数年前、丸の内・大手町地区のあちこちに置かれていた、アート牛プロジェクトの残党みたいなオブヂェが、都心から遥々200kmほども離れたこんな山奥の温泉街でひっそりと余生を送っているのが何故か嬉しくなって、煙たなびく山並みをバックに一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、アップしてて、あちゃ~7枚目カブってないかぁ~?とも思ったのですが、温泉街の路地裏を徘徊していたら、ちょいと開けた場所で、黄色い向日葵みたいな花が、背景に紫陽花、煙たなびく三国連峰の山々を背景に咲き誇っていたので、一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、水上温泉名物のスマートボール、射的の兼業?店の前を通り掛かったら、ちょうど、いたいけな若い小姐がスマートボールに打ち興じていたので、一旦通り過ぎてから抜き足差し足で戻って、邪魔にならないよう、店の前からそそくさと一枚戴いたもの。

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十一枚目のカットですが、温泉街の裏通りならでは、生活臭ぷんぷんの一般商店、しかもかなり古風なカンジの食料品店が目に留まったのですが、無人の店先を撮るのも味気ないので、いったん通り過ぎ、二回目に店の近くまで来たら、店の関係者と思しき爺様が店先の花に水を与えに出て来たので、ここぞとばかりに一枚戴いたもの。

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十三枚目のカットですが、お茶しながら、駅前の茶店の老マスターと話して、色々と面白い情報を聞き込み、一旦宿に戻り、まずはひとっ風呂浴びてから、ちょいと小休止、夏の陽が傾きかけた頃、晩飯も兼ね、今度はレンズを明るい単焦点に付け替え、またもや首から提げてのお手軽観光客ルックで外出し、先ほど探訪した温泉街の路地を再びなぞろうと出掛けたら、水上橋の上から眺めた松の井ホテルに明かりが灯り、それが夕暮れ時の山の稜線に絶妙にマッチしていたので、一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、橋を渡り聚楽ホテルの前を通って、再び温泉街エリアに入り、昼間に探訪した路地裏を再びなぞって行ったのですが、その中で、さすがに明るい真昼間には気も付かなかったのですが、歓楽街、特に料亭やら割烹が在るところには付きものの、芸者さんの屯所兼マネジメント事務所である「見番」(けんばん)の看板が残照をバックに妙に目に留まったので見番の建物ののセミシルエット共々一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、街ではかなり有名で、本や旅行サイトでも紹介されている石窯ピザのイタリアンレストランが手がけている、とろけるみなかみプリンだかでお茶を飲ませるミニカフェみたいなお店の前を昼間通って、かなり心惹かれたのですが、結局、駅前の茶店に入ってしまい、夜の徘徊でももしや、と思い前を通ってみたらもう閉店していたのですが、それでも、店の前のデスプレイはなかなか店主のセンスを感じさせる秀逸なものだったので、未練も籠めて一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、一見、13枚目がダブったのではとアップした時に目を疑いましたがさにあらず、見番の隣りの路地でこちらの方がやや視界が開けているので、夕暮の煙たなびく山の稜線を背景のセミシルエットの家屋を表現するには良いかと思いアップしたもの。

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十六枚目のカットですが、温泉街には若い経営者が開いているらしい、なかなかセンスの佳いカフェバーみたいなお店も何店かはあり、多様な観光客のニーズにも応えられるようになっていて、このお店でもカクテルの他、特製カレーなど食事だけのお客にも快く応えてくれるようで、その店先周りのセンスの良さに感心して一枚撮らせて貰ったもの。

今回の感想ですが、前々週、前週が声掛け活動の集大成みたいな人物撮影のオンパレードだったのに対し、水上温泉編では、声を掛けようにも、観光客が外に出て来ていなかったので、全然ダメ、最後の頼みの綱の宿の若女将も日曜日のチェックアウト時には不在で空振り三振・・・でも久々の水上、山のいで湯でリラックス出来たからま、いっか?てなカンジでした。

さて、来週は、戦前迄は関東三大祭りと言われて、絶えて久しかったのが、今年、盛大に復活し、ゆくゆくは川越、佐原、栃木にも挑戦しようという450年の歴史を持つ、群馬県太田市の秘祭からレポートします・・・果たして1000年に一度の美女とは云わないまでも450年に一度の美小姐は登場するのか!?乞うご期待!!
  1. 2015/07/26(日) 19:44:44|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

f1,2ノクチは、蒸気でダメよだめだめ・・・(?)。

精力的なご活動、ご苦労様です。

季節外れの温泉街という郷愁が、遊技場や商店に見えてきて興味深かったです。

川の乗り物やら汽車やらオブジェ等に最近の行楽の傾向・動向が観られるようで、感慨深いです。といっても、C61(?)のような大型幹線用というのには疑問が微妙にあったり、おしなべて観光地的な違和感がありますが、なにかを導入しないと、という危機感は地方創世の課題でもあるのでしょう。これらが、堅実なライツ一眼のズームでシッカリ写されているのも、問題定義の端緒になっているかもしれません(おおげさで、スミマセン・・・)。

替わって第二部の雰囲気描写大口径レンズは、蒸気のような妖気に漂う気分だけで(軟弱?)描写に浮かれる、ちょっとした待ち宵(酔い)感があってイイものです。
こうした緩キャラめいたレンズモノは、コトやモノの存在感そのものを変化させるようで嬉しいものです。ここでも食べ物やさんの店先窓に「浴衣歓迎」と、中華人にも分かる記載(フツーの日本語ですが…)があったり単純な英語にさえも招致活動を応援したくなる気分を持ってしまい、異国人招来での再活性化を期待したくなりました。

レンズマニアとあらば、異国人ならぬこうした異形レンズでの挑戦もよいですし、地方活性化を願ってさらに『強力な』レンズの登場を希望したいものです。あのイシバさんでしたら、最強兵器でも歓迎されることと期待してやみません!ということで次回は、ライツf1.2ノクチ・他の『ゆけむり大名行列』なんて主旨で如何でしょうか・・・。
  1. 2015/08/02(日) 05:32:54 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

(訂正)

(投稿して気がつきましたが、題名中の”蒸気”を”ゆけむり”に変更したかったです…。)
  1. 2015/08/02(日) 06:19:18 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

f1,2ノクチは、湯けむりでダメよだめだめ・・・(?)。

treizieme ordreさん
有難うございます。
温泉と云っても、成分やらロケーションそれぞれで、例えば、草津とか、裏磐梯、蔵王や那須の一部は硫黄+硫化水素泉ですから、今や国産2000ccクラスの乗用車が新車で買えるくらいのお値段になってしまった上に電位差腐食という概念を無視して異種金属をこれでもか!?と内部に使っているノクチ50mmf1.2を持ち出すのは絶望的ですね・・・
尤も、人工光源のしかも点光源が強調されないようなシーンであれば、かの超高額レンズを持ち出すまでもなく、C社のL39とFLのレンズで十分用は足りてしまいますから、来週は手持ちのどちらかで行くか、或いは都内某所で見かけた、C社の言うFL58mmf1.2の改良版を買い求め、それをX-E1に装備し、出撃したいと思っています。
  1. 2015/08/03(月) 00:01:48 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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