深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

The greatest hot springs resort in the world ~Kusazu Hot Springs Area tour '15 summer~

さて、今宵のご紹介は、群馬県が世界に誇る温泉リゾート、草津温泉への旅行に同道した、これまた日本光学界が世界に誇る超高性能レンズ2本で以て昼夜を捉えたレポートです。

まず簡単に当日の行程をご説明しておくと、朝9時5分木場発の営団地下鉄東西線に乗り、日本橋経由上野に出て、上野から9時31分の高崎線で高崎まで移動し、そこで11時43分初の吾妻線で長野原草津口まで移動し、13時04分には同駅に着き、そこからバスで13時40分には草津温泉バスターミナルに到着することになっていたのですが、高崎からの吾妻線乗車が列車到着遅れで10分延発、そして渋川駅での信号トラブル等々により登り特急との離合なども時間が狂い、結局40分程度遅れ、草津の町には14時半前の到着になってしまったのでした。

しかし、予約していたペンションはバスターミナルから徒歩5分圏内という大当たりで、さっそくチェックインして、部屋に荷物を置き、可愛い仔犬の従業員と和室で少々遊んでから、街の昼の顔を撮影しに出かけた、ということなのでした。

機材は、1枚目から9枚目までがVario-Sonnar28-8mmf3.3-4、10枚目から16枚目がCanon FD55mmf1.2SSC、カメラは全行程ともX-Pro1での絞り優先AEによる開放撮影です。

では、さっそく、当日の行程に沿って実写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、草津温泉と云えば湯畑、これを語らずしては世界に誇る名湯と云えども、その魅力は半分も伝わらないと云える街のランドマークですが、まずはそこを目指して歩いて行ったら、遥か昔、30年前の訪問とは打って変わって、小綺麗に整備された湯畑前広場の変貌に驚き、日傘をさして小休止のやや年いった感アリの小姐二名組をアクセントにその様子を一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、これも30年前には存在していなかった、湯畑脇の共同浴場「白旗の湯」横の新しい明治風洋館作りの浴場「熱の湯」の佇まいを湯畑の湯樋越しに撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、更に記憶を頼りに湯畑周りを徘徊しながら、あちこち眺めていたら、30年前には、湯畑の奥の常夜灯篭が建っている岩盤下に「滝の湯」という共同浴場があったですが、そこが取り壊され、湯滝と滝壺になっていて、これまた観光客の記念撮影スポットとなっており、ぼぉっと眺めていたら、シャッター押して下さい攻勢が立て続けにあり、我に帰って、その変貌した姿を一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、同じく湯畑下の滝壺前で、昼はここでもまだ暑い盛りではありますが、下界より秋の訪れの早い高原のイメージを感じさせる芒と、盛んに湯気を立てる湯樋の様子を撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、記憶の探訪はまだまだ続き、湯畑下の道から、ちょいと渋めの商店街を抜け、「西の河原」(さいのかわら)を目指して歩いていたら、とある工芸品、土産物商店コンプレックスの軒先で赤い花々が可憐に咲き誇っていたので、商店を背景として、ほぼ最近接で一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、歩くこと10分強、やっと「西の河原」に到着し、そのところどころ硫黄臭のきつい水蒸気や温水が湧出する、この世のものとは思えなくもない殺伐とした河原を上流に向い歩いて行ったら、いたいけな極小姐に率いられた家族連れが、我が意を得たり、とばかり、石の上を上手に渡り、軽快に歩きながら、小生を追い越して云ったので、ご一行様のその愉しげなお姿を一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、無事「西の河原」の最深部まで到達し、そこで足湯にうち興じるお気楽大学生合宿みたいな連中の様子を何枚か撮らせて貰ってから、また湯畑近傍へ戻ろうと、元来た道の一本上の道を通っていたら、ちょうど建ち並ぶ旅館の建物の合間に空が開けたところがあったので、いつもの路地裏写真的に通行人が来た頃合を見計らって一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、湯畑まで戻って来たら、宵の口からのショータイムの露払い?でしょうか、妙に渋い声で三味線なんか掻き鳴らして、「正調草津節」なんかを歌う着流しのお爺さんの姿が目に留まったので、お仕事の邪魔にならない距離からその様子を一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、その三味線の民謡爺さまのすぐ下の広場から盛んにシャボン玉が風に乗って流れてきて、はしゃぐ童子達の元気な声が聞こえたので、目を向けてみたら、お婆ぁがお孫さん二人とシャボン玉に打ち興じていたので、シャボン玉で遊んでいるところを一枚撮らして、と声掛けて撮ってみたら、遊びに夢中になっていた筈のお姐ちゃんが何故かカメラ目線になっちゃいました、というもの。

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十枚目のカットですが、昼間のシーンは概ね満足行くまで撮れたので、一旦、ペンションに戻り、温泉に浸かり一休みしてから、夜景でも撮ろうぢゃまいか、ということで、再度、19時も15分を回った辺りに出撃し、湯畑前の広場で開かれていた、ハモニカコンサートの様子を、人の眼より明るい、このf1.2の威力を試すため、一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、昼間のうちに当日は日没後、キャンドルアートが湯畑周辺で行われるという情報を仕入れていたので、ペンション出る前から、何を撮ろうかだいたいイメージは出来ていたのですが、それでも、街の中心部の名刹の階段全てをキャンドルで埋め尽くすなどという大技は、実際に眼にするとなかなかの感動もので、階段前で記念撮影する行列にわざわざ並び、シャッター押して貰うのを断り、自らその全貌を撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、階段キャンドルの撮影を無事終え、また湯畑前広場を徘徊していたら、先ほどのハモニカおじさんのステージの後ろから熱心に見つめ、演目が終るごとに熱心に拍手するいたいけな極小姐が居たので、斜め後ろから、その様子を一枚戴いたもの。

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十三枚目のカットですが、草津温泉と云えば、一昔くらい前までは、とにかく団体を中心とした年配者、或いは人生終盤戦に入った、それこそ高峰某女と上原某氏みたいな熟年夫婦達の植民地的な一種の異界だったのですが、このところ、様々な観光業者やら交通機関とのタイアップによるイメージ向上作戦の成功もあり、若いカポーやら、学生の夏合宿、或いは女子会旅行みたいなものが主力客層になり、昔の君主だった浴衣来て、ストリップに繰り出すおっさんの酔客は絶滅危惧種になってしまったことを表す、湯畑周辺の様子を一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、これも湯畑の柵にへばり付いて佳き雰囲気を醸し出す、いたいけな若いカポーの様子を、変貌した草津温泉の象徴として一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、そーいや、この新しく買った超高性能レンズの近距離での光源入れたテストやってねぇわ・・・と思い出し、湯畑前の即席ステージ脇に組まれたラック上のキャンドルの群れに向け、ほぼ1m付近で一枚撮ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、キャンドルを撮っていた工房主の横を大声で話ながら、いたいけな若い小姐3名組があ、キャンドル階段だ、行ってみよ~♪なんてノリで早足で歩いて行ったので、こちらも追尾、階段下で声掛けて撮らせて貰おうかと思いましたが、ストロボ無しで相手方にも満足行く、一般ウケするカットは難しいので、どうしようか迷っていた時、おもむろにスマホンの自撮りに、なんと別のガラケーのストロボ代わりのライトを顔面に照射して撮るという芸当をやってのけたので、感心しながら戴いた一枚。

今回の感想ですが、草津温泉はいやはや遠い・・・電車とバスで片道5時間近く掛かってしまいます、が、それを補って余りある、素晴らしい湯、そしてレトロで何処かホッと出来る街の佇まいがあり、また時間を作って訪問したいと思いました。
また、今回、初のデジタル撮影トライの超重量級の2本でしたが、望外の成果を出してくれて驚きました、またここぞ、というところで登場させるつもりです。

さて、次回のアップは、お盆の帰省につきお休み。お盆明け、江戸表に戻ってから、何を載せるか考えましょう、乞うご期待。
  1. 2015/08/09(日) 23:03:54|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

昼はヴァリオソナー、夜はFD1.2でカバー。

charley944さん
お疲れです。

そうか、こういう組み合わせで撮ればいいのですね、温泉街は。
日中はヴァリオソナーで万遍なく押え、夜景は1.2級一本で単焦点勝負と。
1.2級ならば、キャンドルライトもきれいに撮れますし、眺める人々も撮れますもの。
流石です。

それにしても、草津良いとこ~(^^♪の歌詞の通り良い雰囲気の温泉街ですね。
まあ、絶滅危惧種の方々はそのまま絶滅していただいて、雰囲気の良い温泉街として栄えてほしいですねえ。
  1. 2015/08/09(日) 23:41:07 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

温泉というと、ちょっと前の高度成長期時代の連休出掛け先定番だったようですが、いまでも体の疲れをいやすという事での「王道」なのが間違いなさそうだということは、画面からも伝わって来るようです。

派手さを抑えた色感と堅実描写が、ズームにしては良いものです。今回は、夜間の非球面レンズが大きな効力を発揮しているようですね。
点光源でもゴーストの影響を見る事も無く、ハロも湯煙と見分けが付かない位でおまけにシャープなので、モノクロでも使い勝手がよさそうな感です。

(実売価格も、珍しく近所のお店に出ているものでも十数万円で、N-FD50mm赤帯の1,5倍ほどの価格になっていました。)
  1. 2015/08/13(木) 06:10:48 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

Re;昼はヴァリオソナー、夜はFD1.2でカバー。

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
ちょいとお盆の法要もあり、江戸表を離れていたので、亀レスになってしまい申し訳ありませんでした。
前にもお話しましたが、近場の軽旅行には、広角から標準域のズームと50mmf1.2級のハイスピードレンズがあれば、十分こと足りるのですね・・・
草津でも、その前の世良田でも、これからアップ予定の尾島でもだいたい2~3時間で400~500カット撮れるくらい、使い前が良いのですもの・・・てか、道具立てに余計な気を使わない分、撮影に集中出来るのかも知れませんね。
さて、本題ですが、ホント、草津は良いところですよ、しかも今回のペンション、温泉の影の元締めってことで、最上の湯に思う存分入れましたし、バスターミナルや街の中心部から至近のため、便利で、宿賃も安いですし、絶対、オススメです。
  1. 2015/08/17(月) 19:54:17 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

treizieme ordreさん
有難うございます。
亀レス申し訳ありませんでした。
さて、このレンズ、非球面ではなく、極普通の初期型FD55mmf1.2SSCです(笑)
もしご関心有れば、今週末にでも持参しますが、非球面の代わりに新種ガラスと伊藤理論をこれでもか!?とぶち込み、通常のレンズより2周り近く巨大になってしまった重戦車的な傑物です。
このところ、ほぼ週代わりでf1.2を使いますが、おそらく、この夜間描写性能の高さはNFD50mmf1.2Lと比肩し得るレベルで、より設計の新しいEBC-Fujinon50mmf1.2も、Cosinon55mmf1.2もAi-Nikkor50mmf1.2もハロの少なさや解像感では今一歩及ばず、禁断のトリウム、トリウム/砒素レンズを積極的に用いているとも云われる、AR-Hexanon57mmf1.2や、直系のご先祖様であるFL58mmf1.2を以てしてやっと拮抗出来るレヴェルではないでしょうか。
おそらく、小生の腕ではノクチ50mmf1.2や、当工房ではそれに次ぐ高性能のCanonL50mmf1.2mod.by K-Factoryを以てしても、今回の状況では有意差が出ないのではないかと思います。
  1. 2015/08/17(月) 20:04:39 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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