深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

A hot lens from freezing country~Helios33 mod.M~

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さて、今週のご紹介は、今を去ること、9月下旬に深大寺界隈にて小手直し後の試写を行って、OK出したロシア製の汎用レンズヘッドHelios33、35mmf2のMマウント改造レンズいきます。

このレンズ、電子湾ではたまに遊弋しているのを見かけ、それが何回か改造用パーツを調達する業者の持ち物だったので、比較的安く入手出来、モノは試しに、とばかりMマウント、距離計連動改造したものです。

ただ、R-D1sでテストしたら、中心部にピンを合わせたら、そこを囲む狭い楕円形エリア以外はピンがぐずぐずで使い物のならないように見受けられたので、暫く放っておいたのですが、そうだ周囲がぐずぐずになっても使えるシーンがあった☆とばかり、虫の報らせで彼岸花が満開になっていそうな深大寺までX-Pro1に嵌めてオール開放でのテストに出かけた次第。

で、実像見てピン合わせるミラーレスなら、結構使い物になるぢゃまいか?ってことで、今回、ご紹介する運びになった次第。

このレンズは1970年代半ばにクラスノゴルスク光学工廠で製造されたものらしく、工房には、未使用のまま、例のプラスチックコンテナに収納され油紙で包まれた状態で検査証同封で届けられました。

レンズ構成は極めてノーマルな4群6枚のオーピック型、コーティングはユピテル8Mなどでお馴染みの赤紫の毒々しいものが施されています。

では、早速、その描写性能を深大寺の景色・人物をもとに見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、当日はまず蕎麦を戴いて腹ごしらえしてからの撮影となったのですが、深大寺附設ペットセメタリー脇の「松葉屋」さんで大盛りせいろなど戴いてから深大寺城址に登り、そのエリアであちこちに咲く彼岸花のうち、花越しに偽"この木何の木"を望める位置から一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、深大寺城跡エリアで心行くまで撮ってから、次なる目的地である「神代植物園附設水棲植物園」まで降りて来てそこで、毎年の風物詩となっている、実った稲を雀などに食べられてしまわないように張り巡らせた薄橙色のネットが風にたゆたい、あたかも春の海の波のように見えたので、その佇まいを一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、彼岸花は深大寺城址エリアのみならず、土手部を中心に水棲植物園内にも幾つか群生があり、毎年、比較的急峻度の高い土手の上から生えている彼岸花を撮ると、背景が回リ易いことが経験則的に確かめられているので、このレンズでも試してみたもの。

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四枚目のカットですが、これもいつもの水棲植物園内のウッドデッキ散策路を入口ゲート側から眺めたもので、この被写体、構図だとどんなクセ玉でもたいがいはおとなしく写ってしまうということを検証すべく一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、16時過ぎになると、水棲植物園は入場打ち切り、16時半でゲートが閉められてしまうのと、次なる撮影スポットである深大寺山門前茶店街に閑古鳥が鳴いてしまうので、早々に水棲植物園を後にし、茶店街に向い、ここも定点観察アイテムである、美人茶屋「 八起」さん店舗脇ミニ庭園内の蹲を竹のすのこ?にピンを合わせ撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、同じく「八起」さんのミニ庭園の方に目を向けてみたら、カサブランカのハンフリーボガードの中折れ帽のようなオシャレな帽子をかぶり、今どき珍しく姿勢の宜しい清楚な小姐がお付きの方?とともに甘味などをご賞味されていたので、垣根越しにそのお姿を一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、茶店街を次なるモデルさん探して徘徊していたら、居ました、居ましたいたいけな美小々姐が愛くるしいシバ犬と遊んでいるではないですか・・・ってことで、傍らのちょい怖げなヲヤヂさんに向い、しきりに愛犬を褒め上げ、小々姐には、その介添人という立場で参加して貰ったという整理のものです。

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八枚目のカットですが、ここまでの試写でなかなか好ましい性能ではないかと確信が出来つつあったので、今度は階調再現性とコントラストのバランスを見るべく、木漏れ日が照らす茶店街の西の外れの石畳でセミシルエットの人物でも撮ろうと待ち構えていたところ、「ボカァ、シアワセだなぁ♪」とか心の声が聞こえてきそうな若いカポーが楽しげに歩いてやってきたので、そのお姿を一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですがここもまた毎回の定点観測スポット化してますが、この時間、ちょうど、西日が斜めに射し込み、いかにも普及品オーラがぷんぷんのアルマイト製柄杓頭部の薄金色?の肌を照らしていたので、同じく残照を照り返す水草ともども一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、前に工房オリヂナル光学系でのべつまくなしに渦を巻く手に負えないレンズのテストをここ深大寺で行った時、嵐の午後みたいなテイストになった山門脇の灯篭越しの木の枝がどうなるのか、怖いもの見たさで試してみたら、期待に違わず、「星月夜~糸杉と村」を書いた、故ビンセント・ヴァン・ゴッホも目を回し泡吹いて卒倒しそうなぐらい、回ってしまったもの。

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十一枚目のカットですが、茶店街より5m近く高い、山門の位置から門前の茶店を眺めると、ちょうど視界に「昭和枯れすすき」が入るので、そのすすきの穂部分にピンを合わせて、茶店周辺を撮ったら、どんな案配に写るのだろうか試すべく撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、そろそろ人の出も減り始め、周囲も暗くなり始めたので、またもと来たバスでつつじヶ丘駅まで戻ろうと、山門から真っ直ぐ伸びる表参道を歩き出したら、とある料理屋兼土産物屋の軒先で植栽の中に蒼い可憐な桔梗の花を見つけたので、このレンズの最短付近で撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、表参道の一番手前、バス停寄りに「鬼太郎茶屋」なる元祖キャラクターショップみたいなお店が在るのですが、そこで、何かのキャンペーンだかで、1回300円(税込)のはずれ無しのクジ引きやってて、結構、通りを行き交う人達に人気のようだったので、色がちょいと黒いがなかなかカンジの良い係員の小姐もろとも、その楽しげな様子を一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、距離計連動でダメダメレンズと思っても、ミラーレスで使ってみれば、このように、実用性を備えながら、シーンによっては、大胆なデフォルメをかましてくれて楽しめるなかなか楽しい大人のおもちゃではないかと思いました。しかも、このところ、値が上がって来てしまっているシネレンズと違い、汎用高性能光学系ということなので、同じようなスペックのOKC-8-35-1からみれば、半値以下で入手出来るようですし・・・

さて、次週はこの面白ろロシアレンズと併走テストした今は亡き国産のオリヂナリテー溢るる、独特のシステムカメラのレンズをここ深大寺にてアダプタ経由試してみた結果をレポートします、乞うご期待。
  1. 2015/10/11(日) 23:18:56|
  2. Mマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

なるほど、こう映りますか。

Charley944さん
お疲れです。
奇しくも自分も今日Helios33で横浜の秋の装いを撮ってきましたので後で更新かけまする。

X-Pro1ですと良い感じに映るのですが、R-D1だとそんな感じですか。
同じAPS-Cでも何か違うのでしょうかねえ?

元々このレンズ、マイクロコピーとかそういう向きのものだと思ってましたが汎用光学系だったとは。

3・11・13枚目が好みですね。
そんなに周辺の流れも気になりませんし、ミラーレスで使うってのがベターなレンズなんでしょうね。
  1. 2015/10/12(月) 22:24:09 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2015/10/14(水) 21:41:32 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

Re:なるほど、こう映りますか。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
そうですね、本人もびっくらポン!とばかりの写りの理由はといえば、R-D1sでは複雑なカムプロファイルカーブでの距離計の連動が難しく、実像で見るミラーレスでは、成功した、ということなんでしょうね。
まだまだ安く買えますから、もう一本、別ロットのものを買って、もう1回、距離計連動モデルを作り直してみましょうかね。
  1. 2015/10/15(木) 23:06:19 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

ヘリオス33は、色の出が素直な気がして、わたしもヘリコイドとお得なNEXのマウントが付いた番号91で始まる安い新品(?)を購入しました。何故か、このところ多く販売されるのを見掛けるようになってきました。
深川さんの写真からも、そんなじぶん好みの色が多く観られるようで、購入してソンな気持ちが薄れて来るようです。

時々ボケに強いクセがあるようで、とても小さいレンズなので工業用という気がしていたのですが・・・。
  1. 2015/10/17(土) 19:38:25 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
或る意味、当工房は自発的人柱で、一文の得にもならないのに、せっせと他人様の買わないレンズにお金を貢ぎ、手間隙掛けて改造して実写結果を挙げると、それを見たマニアから改造業者に注文が行く・・・
ホント冥加金でも徴収したいくらいです(笑)
  1. 2015/10/19(月) 23:54:26 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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