深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

An eye as a legacy~Olimpus Pen F E Zuiko100mmf3.5~

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さて、今宵のご紹介は予告通り、今を去ること9月に訪れた深大寺でのHelios33と同時にテストを行った、OlimpusはPen Zukio100mmf3.5のレポートをお送り致します。

まずこのレンズの氏素性ですが、1963年に発売になったOlimpus Pen F、FT用の中望遠レンズとしてリリースされたもので、ハーフ判なので、135判換算だと150mm相当の画角になります。
構成は4群5枚のいわゆる改良エルノスター型でこの焦点距離と開放値ではかなり贅沢な構成になっていると思います。

よくよく考えてみれば、PEN F,FTシリーズのハーフ判というのは135判の半裁ですから、フジX系列に代表されるAPS-Cフォーマットのミラーレスとは90度配置が異なりますが、いわば同一フォーマット専用レンズと云って良さそうなので、これがどんな写りとなるのか、当日の行動に沿って実写結果を見て参りましょう。

カメラはX-E1、絞り優先AEでの全コマ開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、深大寺裏手のペットセメタリー近くにある手打ち蕎麦の銘店「松葉屋」さんの手打ち蕎麦せいろ大盛りを戴いて、やる気まんまんになって、最初の撮影エリアである深大寺城跡まで、茶店街を歩いて移動する途中、買ったばかりなのでしょうか、ぎこちない手つきでベンチに座ったいたいけな極小姐を一眼レフで撮影しようとしてる若い健気なオモニが居たので、その様子を通りざまに一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、深大寺城跡の廓近傍に或る、”秘密の花園”こと、彼岸花畑に到着し、いつもと勝手が違う中望遠でどうやって、この可憐な花達の晴れ姿を撮ろうかと思案にくれていたら、西方から黄揚羽蝶がヒラリヒラリと飛んで来て、レンズ最短距離のちょっと先の花にとまって蜜など吸い出したものですから、EVFのクロップ拡大モードを駆使し、精密射撃し捉えたもの。

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三枚目のカットですが、撮影クリアランスがとりずらく、構図に制約が多い彼岸畑で一枚、決めカットが撮れたら、多少は心にゆとりが出来、冷静になって、背景が開けている方角を探してみれば、北方向に空が開け、しかも西南西から午後の低めの陽光が射している花が何輪か目に付いたので、可憐な花達の茎や地上に顔を出す地下茎を踏んで傷付けないように気を使って移動し、一番大輪で陽の当たる花を最短撮影距離で撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、深大寺城址と云えば、このブログでも喧伝した成果もあってか、地元民やらネット民に間で定着しつつある呼称で知られる、深大寺城跡のなんちゃって「この木、何の木、気になる気」を撮らないわけには行きませんが、早い話、全景を収めるとなると、広角でも、標準でも中望遠でもそれほど有意差が出ませんので、特徴あるカットを、と考え、大木のシルエット越しに常設ベンチを撮ろうと考え、いつもよりだいぶ離れた位置から撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、ここ深大寺城跡もその下の神代植物園附設水棲植物園も都の管理下なので、16時入場終了、16時半総員退場という掟があるため、陽光の加減も考え、廓を後にして、丘陵を下って水棲植物園まで下りて、ここの風物詩、水稲の刈り取り前に雀などの野鳥に稲を食べられてしまわないように張り巡らされた薄いオレンジ色の防鳥網が秋風にそよぎ、たゆたう海面のような風情なので、その様子を中望遠的な構図で一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、深大寺城跡の廓周辺の彼岸花畑で思う存分、彼岸花は撮った筈なのに、生えている周辺が違い、背景が違い、そして何よりも光線状態が違うと、また撮りたくなってしまうのが、写真撮りの倣いで、水棲植物園東側の土手に群生している彼岸花のうち、特に大輪で陽が当たっているものを土手の上から最短距離で撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、いつものパターンどおり、16時過ぎから夕暮までの短い時間で、深大寺山門前の茶店街の様子をちゃちゃっと撮るため、水棲植物園を後にして、茶店街に入ったら、すぐ目の前の別院に繋がる小さい石橋の辺りでデジカメの獲物を背面液晶で点検する中年のオモニとその足元で退屈そうに、アニメソングなど口ずさみながら、千日回峰の修行僧よろしく石橋を行ったり来たりしているいたいけな童子が居たので、その様子を一枚戴いたもの。

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八枚目のカットですが、境内でも何か中望遠で撮ったら面白そうなものはないか物色していたところ、本堂の扉脇に据え付けられた板金屋さんの手仕事と思しき大きな銅製の燭台が夕陽を受けて鈍い銅色の反射を見せていたので、その質感を捉えるべく一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、先にHelios33で「美人茶屋 八起」さんのミニ庭園でお茶などしばいている様子を撮らせて貰った、中折れ帽のいたいけな小姐とその愉快な?お友達がおみくじ売場で、自らの運命について真摯に語らい合っている様子だったので、それを背後から一枚戴いたもの。

Zuiko100-1.jpg
十枚目のカットですが、調布市と云えば漫画家の水木しげる大先生の終の住まいが在ったことから、鳥取県の境港同様、ゲゲゲの街として知られており、ここ深大寺にも鬼太郎茶屋なる、原宿の竹下通りにもあるようなキャラクターショップ兼テーマカフェがバス停至近に在って、そこの傍らのそこそこの樹齢の木の梢にミニ鬼太郎ハウスが設けられているので、それを中望遠のリーチの長さを活かし一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、描写については、勿論云う事無しですが、それにもまして、画角150mm相当というと、ちょっと使いにくい気がしてたのが、あにはからんや、実際に人口密度がそれほど高くなく、撮影のクリアランスの裕度が高い、ここ深大寺では、少なくとも75mm相当の50mmや、53mm相当の35mmとは、撮り方さえ工夫すれば、それほど遜色ない使い前ではないかと感じました。
来年春の川越ツアーとか横浜でのCP+で美人撮影に縦横無尽に活躍して貰おうと思いました。

さて、来週は、今週土曜に訪れた、栃木祭りの裏番組「栃木蔵造りの街ふれあい祭り」からレポート致します、乞うご期待!!
  1. 2015/11/01(日) 22:00:11|
  2. 深川秘宝館
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コメント

Penのレンズがここまですごいとは!

charley944さん
お疲れです。

くそう深大寺行きたかったわー。
それはそれとして、新たな境地の発見でしょうか。
100㎜レンズですと、150㎜相当の焦点距離になると思うのですが、被写体との距離が適正であれば迫力あるシーンを抑えることが出来そうですね。
近接戦闘になればちょいと取り回しに不便さが生じそうですが、シーンを選べば十分な撮影が出来そうですねえ。

案外100㎜以上のレンズも使いどころ次第なのですねえ。
  1. 2015/11/02(月) 23:22:19 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:Penのレンズがここまですごいとは!

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
確かに、オリムパス製品はファン層がコアでマニアック過ぎて、ノーマルな写真愛好家層(どこがだ!?www)にはついていけないところがありますが、そういったバイアスを除けば、PEN F系レンズは広角から望遠まで、全てオーバースペック気味とも云えそうなほど凝った設計となっていて、経年劣化の少ないもの、適切なメンテを施されたものは、目を疑うような成果を見せてくれることがあります。
40mmf1.2みたいな世界で唯一のスペックのレンズなんか、余裕あれば、一本是非欲しいところです。
で、100mmという焦点距離ですが、これまた面白いことにたった35mmの違いですが、135mm、つまり200mm画角換算から較べれば、遥かに標準に近い感覚で、例えば85mmのYCマウントのPlanarとか、75mmのC.Heliarなどとそれほど大差なく取り回せることが判りました。
また次の機会にはもっと本来の使い方、即ち或る程度距離を置いたところからの美女のポートレィト撮影でこの真価を問いたいと思います。
  1. 2015/11/03(火) 22:29:51 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

このところフルサイズに押されてAPS-Cはちょっと苦戦気味の感はありますが、おかげで中古購入時の半額で新品同様のnex7を購入してしまいました。

旧ペンもそうですが、小型でも相応の解像力を想定しているので、相当な拡大さえしなければ画質的にはそれほどフルサイズとは遜色が無いような感があります。
今回はそれを裏付けるようなシャ―プな上がりに、改めて小型カメラの存在価値を見出しました。

焦点距離もフルサイズよりも短めなので、ボケ感や圧縮感に慣れなくてはなりませんが、100mm(中望遠)=150mm(望遠)という感覚はf3.5という数値からも使い易さを予感させられます。

色再現はしっとりした感で古さは感じませんし、古めの特徴としてむしろトーンが良く出ている感はあります。

これなら、標準レンズの38mmや40㎜にも期待できますし、広角の25㎜も先行で手に入れようかと、画さくしたくなります。

(ところで肝心のマウントアダプターがあるのか、これから調べてみることにします。なくとも旧ペンが手元にあるので…。)
  1. 2015/11/08(日) 18:53:12 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
そうですね、オールドレンズの描写を評価するには、経年劣化や修理の巧拙を考慮しなければならないのですが、この個体と先に紹介した38mmf1.8は本体がすぐに壊れてしまったので、日本刀などと一緒に24時間、365日空調が施され、湿度、カビ胞子とは無縁の保管庫で40年間保管されてきたものなので、おそらく新品の性能を発揮してくれたものと思われます。

135判になって、構成が月並みとなったOMズイコーと違い、このPEN Fズイコーはフォーマットが小さくても開放から使える、つまり、135判の二絞り以下のボケと対等以上に闘える描写性能を叩き出すため、極めてユニークで高スペックのレンズ構成となっていると考えられます。

従って、或る意味、富士のX系列の思想と近似しているところがあるので、APS-Cデヂ用として再発見したら面白いのではないかと思います。
オススメレンズは今週土曜日にでも・・・
  1. 2015/11/11(水) 23:17:04 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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