深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Nearly fameless but extremely capable~Sigma θZoom28-70mmf3.5-4.5 tuned by F.G.W.G.

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さて、今宵のご紹介は、予告では「何か工房作品でも」とか云ってたんで、凄い改造レンズでも出てくると期待してた、そこのアナタ、はぃ、ページ閉じないで下さいね(笑)
このレンズ、そこそこ前に買い込んでいたものの、被写体側から見て、大きな油染みみたいな汚れが有ったので、強い光源が入らないよう、そして反射率の大きい淡い色の被写体を撮らないよう、騙しだまし使っていたのですが、工房主によくありがちな、”降りて来た”系の閃きがあり、レンズの複雑な可動部はいじらず、部分的な清掃と特殊潤滑油の注油のみに留め、光学系を前後から外して、関東カメラサービス殿ご提供のマルチクリーナと従来型の揮発系クリーナを組み合わせ、前群、即ち、縮小光学系の一番後ろの面の油染みを完全に拭き取り、後ろから取り出した主光学系の絞り前後もクリーニングの上、内部のピンポイントの反射防止対策を強化の上、組み直した、立派な工房作品なのです、従って、市販品とはコントラストや線描写が若干異なることをご了解の上、ご覧下さい。

このレンズ、実は専業メーカー製のニコンマウントですから、タダでさえ安いメーカー製のMFの標準ズームより、更に安く、中古業者では扱いを敬遠する向きもあると聞いてますが、ネット上の既知の情報によれば、ドイツの著名メーカーのミノルタOEM品から、ボリュームゾーンたる標準域ズームの地位を承継した、無銘の高性能光学機器なのです。

構成は8群11枚の回転リングによるズームで登場は1990年初めと言われています。

では、早速、その実写結果を見て参りましょう。
ロケ地は晩夏の浅草寺周辺、カメラはX-E1、絞り優先AEによる全コマ開放での撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、深川から浅草寺へのアプローチにはだいたい日本橋経由の銀座線を使いますが、これは駅出口から地上に上がってすぐ、車夫の兄ちゃん、姐ちゃんが脇目も振らず、乗客の勧誘を行っており、これが結構オープンに撮影出来て画になるので、今回も山だしっぽいオーラを漂わせた母娘2名組を熱心に勧誘してるすぐ近くから50mm域付近で一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、修理する前なら、白い肌がフレアのヴェールを覆って、作画が台無しになってしまうので、敬遠していた、直射日光下での白人の小姐ですが、ミラーレスのメリット活かして、EVF覗いて場所を変えてみたら、この程度の肌からの反射であれば、無視出来るくらいに内面での反射が減っていたので、これ幸いと70mm域で一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、いつもの定点観測スポット、深大寺の美人茶屋「八起」さんと並び称される仲見世の美人茶店「あづま」のきび団子職人の小姐を大陸やら半島やらの観光客に紛れ、人混みのフロントローに躍り出て、70mm域で以て、一撃離脱で戴いた一枚。

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四枚目のカットですが、ここも浅草撮影での定点観測スポット、「あづま」さん北西側の扇子・団扇商いの店頭に飾られた団扇を取ろうと思ったら、その手前にほうずきの鉢植えが有ったので、これ幸いに至近距離で50mm域で一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、仲見世を通り過ぎ、宝蔵門を潜ると、本堂手前にはお御籤売場が左右に有って、そこでは世界各国の善男善女が自ら運命を託し、引き当てた神籤の文面に一喜一憂し、それをワイヤー棚に括りつけている姿がシャッターチャンスの"量産工場"なのですが、今回、タイから来たといういたいけな若いカポーにお願いして籤を読んでるところを35mm域で撮らせて貰ったもの。

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六枚目のカットですが、一応、庭先で遊ばせて貰っている上、宝蔵門、本堂の屋根材を買って貰っている恩義もあるので、本堂にお賽銭上げてお参りしてから、元来た道の東側の側道を通って、駅に向うこととし、それでも歩きながらシャッターチャンスを探していたら、人形焼だか瓦煎餅だか焼いている実演のショーウインドにいたいけな大陸産の小姐が駆け寄って眺めていて、後から追いかけて来たオモニに何か伝えようと顔を上げた瞬間を70mm域で捉えたもの。

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七枚目のカットですが、仲見世側道にも結構、人だかりの出来ているお店が有って、こういったお店周辺にもシャッターチャンスが転がっていることが多いので、暫し人垣越しに眺めていたら、大陸からのグループが去ってすぐ、その後ろで順番を待っていた、健気な邦人家族がソフトクリームを求めようと、店頭特設コーナーの店員諸氏に詰め寄っっていったので、その様子を28mm域で一枚戴いたもの。

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八枚目のカットですが、仲見世通りの側道が伝法院通りと交差するところに、著名な洋食屋がありますが、そのミラーコートされた赤い木枠の窓には、いつも、オシャレな白文字で季節やその月々のオススメメヌーが書かれているらしく、とても個性的で面白いので、個々も定点観測スポット的に撮っているもので、今回は35mm域で周囲の様子も入れて撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、伝法院通りに突き当たったので、たまにはそっち方面でも撮ってみっぺか?と六区方面にそぞろ歩きしながら被写体を探していたら、老舗の確か鼈甲屋兼もんじ焼屋の前で、車夫諸氏が愛車を並べ、乗客がやって来るのを待っていた風情だったので、その様子を一枚28mm域で戴いたもの。

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十枚目のカットですが、遅めのランチを摂りに入った松屋"エキミセ"の屋上からはスカイツリーの上半身が良く見えるのですが、それを70mm域で以てEVFの10倍クロップにより、かなり丹念にフォーカシングを行きつ戻りつして撮ってみた精密射撃の一枚。

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十一枚目のカットですが、エキミセで極上のサザエカレー大盛りを戴き、お腹も心も十分満ちてきたので、深川に戻る前のラストスパートとばかり、神谷バー前交差点を業平橋方面に渡り、橋の袂から大川を眺めたら、ラッキィ☆なことに桟橋にヒミコ型水上バス一号艦「ヒミコ」が係留されていて、乗客を迎え入れて終わり、まさに出航しようとしているところを目にしたので、これも70mm域で橋の上から、大陸からのゲストに混じって一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、橋の上で撮り終わって、そろそろ駅前デニーズでお茶してから深川に戻ろうかいな♪とか考えて橋の袂付近まで歩いて来たら、台湾からという小姐2名に声を掛けられて、まず二人をアイポンとコンパデジで撮って欲しい、それから、イヤでなければ、そのカメラで撮った写真をGmailで送って欲しい、との嬉しいお願いをされたので、ほいほぃと観光ボランテア的に70mm域でクリアランス置いて撮って差し上げたもの。

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十三枚目のカットですが、なかなか良いキブンで小姐2名と別れてのち、雷門前のデニーズに浮き浮きとそぞろ歩き始めたら、交差点におそらく婆ちゃんといたいけな孫娘であるいたいけな極小姐の二人を乗せた人力車が交差点付近に停まって、ベテラン風の車夫氏は例の黄色い巨大な物体の説明を始め、乗客2名は感心して聞き入っていたので、その様子を70mm域で戴いたもの。

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十四枚目のカットですが、レストア後の試写も無事終わり、お茶とスィーツなど堪能してからl深川の自宅兼工房に戻った時には、辺りはどっぷりと暮れ色に染まっていたので、ちょうど遠景の佃の辺りの明かりが藤城清冶氏の影絵みたいに綺麗だったので、ブレもものかわ、一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、元が高性能のレンズはたとえ捨て値で叩き売られていても、きちんと手を入れて上げれば、OEM先の高級中古品同等以上に佳き仕事してくれるのですね♪ いやぁ勉強になりました(笑)

さて次週はホントのホントに工房製品紹介・・・したいなぁ(笑) 乞うご期待!!
  1. 2016/01/24(日) 23:13:23|
  2. 深川秘宝館
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<Amazing rebirth of Japanese enthusiastic optics~Aires Coral 4.5cmf1.9 mod.M uncoupled~ | ホーム | The first excursion for photography in Kawagoe 2016>>

コメント

今回も、面白そうなご紹介、ありがとうございました。

ネットでは状態が良くわかりませんし、OHするとなると、色々な意味で勇気が入りますので、店頭で確認しながら拝見したい種類だとは思いますが、このレンズはなかなか出ないでしょうね…。

こうして作画を拝見していると、マニュアルZOOMを良く使い込んでいる感があります。焦点距離をあらかじめ設定して撮影にのぞんでいるのか、TVの様に動かしながらだと、見ているうちに被写体が移動するだけだとか…。

そいえば、R社への対抗ではありませんが、ペンタックスの古いzoomにはz社仕込みなんて噂の45-125など在った様ですが、真偽のほどは…。(これは持ち歩きが難儀でしょうな…)。まだまだ掘り起こす楽しみがありそうで、わたし読者としては、ホンキで実践的なマニュアルズーム攻略法を体得すべく、これからも時々は、OEM/zoom特集を続けてください。それにしても、レンズメーカー製品の中古値段が凄まじいものです。

よろしくお願い申し上げます。

  1. 2016/01/25(月) 02:49:27 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

まさかのシータVSシータ2とは。

charley944さん
お疲れです。
こちらでシータ2をだした翌日にシータを出すとは思いませなんだ。
こちらは買って出し。
そちらはメンテ済、ということで、その違いも含めて良い比較になったのではないでしょうか。

撮影結果を見るとシグマズームは程度の良いものであれば十分現行レンズとして使えそうですね。

当方のシータ2もそこそこやれる感じですし、FD、LeicaR、Y/Cに続く第四のMFズームレンズとしてシグマは評価できそうです。
ヤシカMCをどこに持ってくるかは、今度X-Pro1での撮影結果を見てから考えようかと思います、はい。

それにしても3枚目と10枚目が良いじゃないですか。
これ現行のXCズームと比較するとどうなるのだろう?
あれはあれで夜景でも充分良い写りをするらしいので、それとも比べてみたいですね。
  1. 2016/01/25(月) 22:08:40 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #nOJiXcNY
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
今回はお早いお着きで・・・(笑)
このレンズ、確かにネットでの情報先行で、とにかく、程度が良かれ悪しかれ、業者は売れ残りを嫌い、それほど高い値札付けず、その結果、ヂャンクも正規品もそれぽど差が無い価格設定なので、まさに「親の仇と出物は出会ったら討ち取れ」の鉄則通り、少しでも関心ある人間が討ち取ってしまったので、もはや、マニュアル絞り機能すらないEFマウントとか、αマウントのものしか見かけることはまずなくなってしまいました。
ただ、それでも、まず見かけたら押えるべき一本であることは疑いようがないですし、輸出専用のなんちゃってマルチコートの安物ズームみたいに心臓部の主光学系の絞り前後がノーコートの安い硝材でしかも白濁していて、クリーニングしても元に戻らない、ということが、まず無いので、腕に覚えがあれば、ネット等を参考に自分でクリーニングしても良いですし、或いは、適切な業者に頼んで1万円やそこら払っても、価値あるアイテムではないかとも思います。
なお、撮り方ですが、まさに単焦点レンズでのスナップの応用で、レンズ向ける前には、もうだいたいの画角と距離指標は合わせておいて、EVF覗いてシャッター切る直前では微調整だけです。
  1. 2016/01/25(月) 23:21:37 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

Re:まさかのシータVSシータ2とは。

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
マジンガーZ対グレートマジンガーみたいで面白いでしょ♪
しかも、このマジンガーZは中にかなり丹念に手を入れているので、少なくともオリヂナル出荷時の性能にかなり肉薄しているはずです。
まぁ、ライカRはブランド価値というか骨董的価値が入り込んでしまっているので別格として、国産セミクラシックズームであれば、FD、Y/C、ロッコールに比肩すべき高性能ぶりではないかと思います。
  1. 2016/01/25(月) 23:26:45 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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