深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

나는 일본 도쿄에서 왔습니다.~Soulful Seoul Tour'16②~

さて、今宵のご紹介は先週に引き続き、2月の連休を利用して訪問してきた、お隣は韓国、ソウルの旅二日目、梨泰院(イテヲン)の路地裏~南大門周辺の街角スナップを予告通り、お送りいたします。

実は到着した翌日かそのまた翌日に前々から水原(スウォン)という世界遺産の史跡都市に行きたかったのですが、この日、韓国国鉄の12時7分発の特急電車に乗って、水原の駅に40分少々で着いてみれば、出てきたソウルよりも激しい雨で、それでも傘は以て来ていたし、前回の慶州の時のように雨に濡れた石組みの史跡も良いかなと思い、ガイドブックで紹介されていたバスに乗って、華城行宮を目指したのですが、幾ら乗ってもそれらしき建物の辺りの停留所は見えて来ず、しまいには、地元民の乗客で満員バスになってしまい、自分の座っている側の窓から見える景色だけが頼りなのですが、あいにく停留所側でなかったので、周囲の状況も把握できず、30分強かけて、結局、市内の主だったところを一周して駅に戻っただけとなってしまい、その日は仕方なく諦め、駅ビルで韓国伝統スタイルのビビムッパを食べて、地下鉄で一時間掛けてソウル市内に戻った頃、ちょうど雨も上がったので、30年ぶりに梨泰院を訪問してみようと云う気になったという次第。

で、地下鉄で南山の南の麓に広がる、どこか懐かしい米軍基地の街、梨泰院に降り立ち、ただひたすら路地裏を求め、あてどなく彷徨って撮り歩いたのが今回の写真。

さっそく、当日の行動に沿って、実写結果を見て参りましょう。
今回のカメラは全てX-Pro1、レンズはElmarit21mmf2.8での開放での絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、梨泰院の駅から地上に出て、大きな幹線道路を暫し歩き、側道に下りる道沿いに店舗やこじんまりとした住宅などが所狭しと建ち並ぶエリアを発見したので、さっそく、その方向に歩き出し、階段を降りる途上で発見した地元民向け飲食店の軒先ディスプレイのやかん群を一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、日頃からの国内外の路地裏撮影で培われた、何がしかのシャッターチャンスに出会えそうな第六感に任せて、高台を貫く幹線道路から枝葉のように下に続く側道を進んで行くと、日本でも、台湾でも、そしてここ韓国でも共通の東アジア的な路地裏の風景が目の前に現れ、雨も小降りとなって来たので、その佇まいをフレームに収めようとしていたところ、ちょうど地元民が通り掛かったので、エキストラとして画面に納まって貰ったもの。

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三枚目のカットですが路地裏の奥までとりあえず踏破し、民家の玄関とその周囲は崖というところから引き返し、今度は幹線道路の反対の高台を探索しようと階段を上がり始めたら、ちょうど、いかにも人が良さそうなアヂュモニと幼アガシが階段を降りて来てた目が合ったので、アンニョンハセヨと声掛けたら笑顔で挨拶を返してくれたので、東京から来たんですが、写真一枚撮らせて貰って宜しいか、とご自慢の平壌訛りの韓国語で聞いてみたら、苦笑しながらOK、OK、ということで一枚撮らせて貰ったもの。

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四枚目のカットですが、幹線道路を暫く歩き、ここでもさすがもと進駐軍の街、梨泰院、道路沿いのそこここに東洋人離れした洒脱なオブヂャがあり、もう使われていないであろう屋外の公衆電話の壁際にマイケルヂャクソンっぽい、電話を掛ける人のシルエットの壁画が描いてあり、ついこの洒落っ気たっぷりの路上アートに心奪われ、一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、幹線道路を歩いていたら、イスラミックの寺院みたいな尖塔が二つ並び立つ建物が遥か彼方の斜面中腹に建っているのが見えたので、比較的大き目の側道に舵を切って、斜面を登るコースをとり、その途中でも面白そうな路地があれば入り込んで撮っていたのですが、南の谷側には低いレンガ塀の韓屋、そして北の山側には漆喰とガラスの無機質な工場の事務棟の壁面というとてもシュールな光景を目にしたので、嬉しくなって一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、進駐軍のみならず、各国の貿易商のような人々も暮らしていたというだけあって、一口に路地裏と云っても、色々な表情が楽しめ、そういった意味では、ここ梨泰院は日本や台湾の裏通りよりはマカオや香港のそれに近い特異エリアのような気がして、この地中海の島の住宅地みたいにベーヂュの漆喰で固められ幾何学的な曲がり方をした坂道の表情を捉えてみたもの。

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七枚目のカットですが、地中海社会やイスラム圏のような佇まいの裏通りから程近いところで見つけた、台湾は九份や金瓜石辺りに近い雰囲気を湛えた、石積み塀と幅広コンクリート階段の裏通りを一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、散々寄り道をして、やっと丘の中腹の見晴らしの良い高台に立つイスラム寺院に辿り着き、敷地内を散策して、建物自体は、スマホンで散々撮ったのを顔本にも挙げてしまったので、きちんとしたカメラで撮ったのをわざわざまた挙げるのも屋上屋なので、敷地内を散策しているうちに見つけた、やはりモロッコのカスバ辺りのような漆喰で塗り固められた階段の壁の右上部に何らかのアラビア文字が書かれた狭い階段を撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、献金するでなし、異教徒があまり敷地内をうろうろとするのも、正直、居心地が宜しくないのもあって、北西に開けた視界から、南側斜面にひな壇のように建ち並ぶ色とりどりの住宅群を望遠で撮りたかったのですが、守衛室の隣ということもあって、早々に退散して、斜面の家々が撮れる別のところを探そうと寺院下の道を歩き出したときに目に入った雑貨屋とその前を通り過ぎる河童姿のバイク乗りのオッパーの姿を捉えてみたもの。

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十枚目のカットですが、幹線道路まで降りて来た際、また人の良さそうなアヂュモニがいたいけな幼アガシの手を引きながら、なんらかのK-POPの歌でしょうか、一緒に歌いながら歩いてきたので、またしても、声を掛けて、一緒に撮らしてね、とお願いしてモデルさんになって貰ったもの。

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十一枚目のカットですが、幹線道路を歩いていたら、雨は殆ど上がったとは云え、上空には厚い雲が立ち込めているとみえ、まだ日没にはかなり時間があったはずなのですが、辺りはそこはかとなく薄暗く、それが却って、車や店舗が灯りを点し、濡れた路面に反射するという効果を生み出し、停車していた車とその横のスイセンみたいな黄色い可憐な花を引き立てていたので、一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、梨泰院での路地裏撮影に満足し、地下鉄を乗り継ぎ、ちょうど、南山を挟んで反対側の北方の位置にある、南大門市場でスナップでも撮るんべぇかということで、徘徊していたら、一名はマスク、もう一名は無しで歩いていた、いたいけなアガシ二人組とすれ違ったので、すぐにとって返し、声掛けたら、向って右の元からマスク無しのアガシはえ-どうしよぅ???てなカンジで笑いながら照れていたのですが、左のアガシがマスクを剥ぎ取るや、相方の腕をとって、日本から来てくれたんだから、撮って貰おう!と云ってくれて、モデルさんになってくれたもの、まさにカムサムニダ!です。

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十三枚目のカッですが、南大門市場といえば、築地とアメ横を足して更にもうちょい那覇の平和通りくらいの観光テイストを加えたくらいのまさに商魂エリアと云うイメージだったのですが、なかなかどうして、遊休店舗を改造したのか、なかなか洒脱なカフェみたいな飲み屋も出来ており、そこで愉しげに語らい合いながらグラスを傾けるオッパー達の姿を捉えてみたもの。

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十四枚目のカットですが、ソウルと云えば、ここを撮らないとお話しにならないと云う、アジア三大門のひとつ(と工房主が勝手に云っている(笑))であり、この街一番のランドマーク、南大門のライトアップされた見事な姿を、復活後、初めて見た感動も相俟って一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、南大門市場では昔ながらのオモニ、アヂュモニによる露店がそこここに店を広げて商っており、表通りから程近いこの路地みたいなところでも、少し高い台の上に設けられた乾物みたいなものを商うアヂュモニの屋台に白人のオモニとアジア人の旦那という組み合わせの家族が、何かを買い求めていたので、その様子をかなり近くから撮らせて貰ったもの。
因みに帰って来てから気付きましたが、前回もこのアヂュモニの屋台を撮ってました(笑)

さて、次回はソウルツアー最終回、ソウル中心部の、朝の宮殿の衛兵交替の様子から、ひょんなことで再トライして初訪問を遂げた水原の史跡、水原華城行宮の様子をお送り致します、乞うご期待。
  1. 2016/02/28(日) 19:58:24|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

全般的に歪みが少ないのがすごい!

charley944さん
土曜日はお疲れでした。
JLC会長と広角レンズの話をしていて考えるところがあったので、今日のデータは参考になります。
21㎜も寄って撮ればかなり迫力あるものになりますね。

しかもAPS-Cなら28㎜近辺での撮影と同じ様に撮れますから、撮り方さえ間違えなければ寄って良し、引いて良しの素晴らしい結果に。
GR21㎜で私も練習しないとなあ。
  1. 2016/02/29(月) 00:16:33 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #COVj8X2A
  4. [ 編集]

異国での雨は良いですね。
こんな路地を、わたしも広角レンズ持って歩き回りたいものです。

街中は日本の都会とそれほど違和感が無い様子ですが、似通っているだけ郷愁も感じますし、このような光景が目の前にあれば、自分自身をを振り返ってしまいそうです。


自分の地元でもこうした広角レンズ持って、異国情緒に挑戦できる「特別な」レンズが欲しいものです。
  1. 2016/03/01(火) 00:23:06 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

Re:全般的に歪みが少ないのがすごい!

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます
そうですね、このElmarit21mmf2.8という発展系ディスタゴンタイプの広角は非常に良く出来ていて、歪曲収差も像面湾曲も無視出来るほどで、また超広角域の入り口にあることから、ちょっと水平を崩すと途端に牙を剥くパースも、この極めて優秀なX系列のグリッド&電子水平儀付EVFを使う限りは完全にコントロール下で、35mmクラスとほぼ同等の使い前で撮り歩けます。
  1. 2016/03/01(火) 23:50:31 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

treizieme ordreさん
有難うございます。
そうですね、見方を変えれば、異国の見知らぬ街角で雨に濡れた路上を観察し、またフレームに収めるというのも、なかなか乙な趣向だったのかも知れません。
ただ、くどいようですが、このElmarit21mmf2.8はかなり使いこなすには難しく、M8では、パースの掛かり具合いや画面構成が完全に把握しきれないので人物がムンク調になってしまったり、画面の中での主題を強調出来なかったりしてしまうこともままありますが、この極めて優秀なX系列のEVFであれば、あたかも妖刀が血を求めて、手にした人間を刃傷沙汰に引きずり込むのと同様にEVFを覗くと、目で見ている景色よりもドラスチックな風景がファインダ内では展開すていくことから、どんどん撮り進みたくなってしまうので、まさにじゃじゃ馬Elmarit21mmf2.8にとって、X-Pro1は名伯楽なのではないかと思っています。
  1. 2016/03/01(火) 23:57:38 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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