深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Lens aus Frankreich einen Schlummer zu bringen~Boyer Paris Saphir≪B≫2"f3.5 modL39 uncoupled~

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さて、今宵のご紹介は予告通り、工房製の改造レンズ、Boyer Paris Saphir≪B≫2"f3.5の登場となります。
このレンズ、言わずと知れた往年のフランス製で、超ブランド品?のKinoptikeやAngenieux、そしてSom-Betiotなどの陰に隠れ、地味で電子湾でのお値段的にも決して正当な評価が付けられているとは思えませんが、さる通人のお勧めに従い、電子湾の夜釣りで釣り上げ、入手したものです。
ただ、着いた当初は前後の玉とも埃や脂、そして煙草のヤニと思われるような汚れ、そして中の絞り前後のエレメントも絞り機構のオイルの揮発ないし撥ねと思しき汚れの膜が覆っており、全分解してエレメントのクリーニングと内面反射防止対策を行いました。
そういった手当の甲斐あってか、かなりコントラストも改善され、フレアも少なくはなったのですが、それでも、長年の酷使によるものか、最後面のコーティングもずるずる状態で光に透かすと、前玉にも薄っすらと磨き傷が認められるので、とりあえず現況でマウントをつけて試写し、しかるのち、光学系再生のプロの手に委ねようと考えた次第。
ところで、この玉の出自と仕様ですが、生まれはフランスで1950年半ばから後半、自社では製造出来なかったようで、Som-Bertiot社での委託生産とのことで、構成は4群6枚で両外群が貼り合わせのいわゆるオルソメタータイプの対称系です。
では、4月のストックフォトで入院前の実力?を見て参りましょう。
カメラはX-E1により絞り優先AE、全コマ開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、古河のもも祭りに撮りに出掛ける前に、まずは腹ごしらえとばかりに、駅からゆっくり歩いて15分弱の鰻&川魚料理の名店「たたみ家」さんに歩きながら色々と寄り道しているうちに桜の樹が立派なお寺のすぐ近くの飲食店の店先に咲く花々がきれいだったので、試写してみたもの。

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二枚目のカットですが、駅からの道中、道から見て境内の桜がちらほらと咲きかけていた名刹にお邪魔し、本堂裏の墓地界隈の桜の樹の下まで辿り着き、見上げる格好で、薄ピンクの桜の花を空を背景として数枚撮ったうちの一枚。

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三枚目のカットですが、お寺での桜撮影を終え、再び、「たたみ家」さんへの道を辿り、駅から続く広い幹線道路伝いに歩いていると、祭り用を中心とした提灯、雪洞の類いを商うお店が目に留まったので、最短距離付近での試写の目的も兼ねて、店先の商売物の提灯を撮らせて頂いたもの。

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四枚目のカットですが、同じく「たたみ家」さんへの移動の道すがら、通りまらちょっと入ったところに、いつものメンバーならおのずと好みそうな昭和40年以前系のトタン外装のアパートが小奇麗な表通りの繁栄から取り残された、それこそ、そこだけが異界の如く佇んでいたので、デテールの再現性なども見たかったため、フレーム一杯に入る前提で試写してみたもの。

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五枚目のカットですが、無事、「たたみ家」さんでふっくらとした旨い鰻重をご馳走になり、身も心も充実したキブンで駅前のシャトルバス乗り場に歩いて戻る道すがら、街の様子など撮っていたのですが、ちょうど、黒尽くめの土蔵の背景に現代的な超高層マンションが聳えているアングルが有ったのですかさず一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、会場に着いて、時間まで自由行動で撮りましょう、ということで、会場内を徘徊しながら、桃の花のみならず、来訪者などで面白そうな被写体などないか鵜の目鷹の目、探していたら、陽光を燦然と照り返している、白毛犬ことピレネー犬と、その大きな肢体の横では小型犬にも見えてしまいそうなゴールデンレトリバーが日向ぼっこしていたので、何枚か撮らせて貰ったうちの一枚。

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七枚目のカットですが、同じくもも祭りの会場である古河総合公園では、利根川のすぐそばの湿地帯エリアというロケーションもあって、園内には大小の池沼やクリークなどが配されており、いつもの撮影スポットである手動ポンプのところで、おそらくは地元のよゐこが水をくみ上げる肉体労働に勤しんでいたので、輝く水面を背景に一枚頂いたもの。

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八枚目のカットですが、最短距離での試写として、園内の池沼を背景として、今を盛りとして咲き誇る桃の花のクローズアップを撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、やはりおフランス製のレンズですから、おフランスと云えば印象派の絵画、そんなモチーフで田園地帯を撮ったらどうなるか、無限付近での結像と画面全体の画質の均質性も確かめたかったので、もも祭り会場奥の、毎年、熱気球試乗コーナーが設けられていた辺りから南東方向の一番大きな池沼の岸辺と池沼にかかる橋を撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、公園南方面の最大の池沼の畔を一人散策しながら、おフランスのレンズの得意とする?風景を撮り歩いていたのですが、公園内最大の池沼の東の果てまで辿り着いてしまったので、池沼の中の浮島のようなところに建てられた東屋のような建物と、護岸の岩石などを水面の反射なども入れて撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、もう4~5年は通っていた古河もも祭りではありましたが、公園南側の古民家園には訪れたことがなかったので、何か面白い画でも撮れるかと、同行の愉快な仲間達を誘って古民家園に来てみれば、ちょうど、もも娘の小姐達が、観光協会の指示により団体見学客の供応に出て来ていて、記念撮影なんかも一緒にやっていたので、相乗りとばかり後ろから一枚頂いたもの。

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十二枚目のカットですが、同じく公園内の古民家園にて、前ボケの具合いも見たかったので、古民家の茅葺屋根を柴垣超しに撮ってみたもの。

今回の感想ですが、まぁ、可能な限りクリーニングして、コバ塗りや内面の反射防止をやったとしても、後玉や前玉の研磨再コートをして乱反射対策を徹底しないと、こんなもんでしょう・・・というカンジで、数か月後に光学系の再生が出来たら、再びビフォー&アフターとばかり、改善結果をご紹介したいと思います。

さて次回は久々に工房付設秘宝館から、国産の古い玉の描写でも紹介しましょうかね、乞うご期待!!
  1. 2016/06/19(日) 17:31:09|
  2. その他Lマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

同じレンズと思えない。

charley944さん
お疲れです。
多分メンテ前だからでしょうが、6枚目までの写りと7枚目からの写りが印象違ってびっくりです。
光の入り方次第で乱反射が出てしまうのでしょうね。
11枚目や12枚目は普通の写りに見えるのですけどね。
メンテ後の写りがどう変わるか楽しみです。
  1. 2016/06/20(月) 20:17:02 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

Re:同じレンズと思えない。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
そうですね、どういうワケか7枚目以降は、薄霞のような眠いフレアはじっと目を凝らさなければ判らないくらい減ってますが、それでもやはりハイライトや背景のアウトフォーカス部の写りはまごうことなき同一レンズです。
元々の解像感は高い印象を受けますので、これを研磨・再コート出来れば、美味しいとこどりに描写を満喫出来るのではないかと思います、乞うご期待!!(笑)
  1. 2016/06/22(水) 23:12:54 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

この端正な写りのレンズ描写がどこかに似ていると思ったら、ゲルツの「ダゴール内側の凸レンズ・分離型」の一種だと思いました。(自分的には)

最近では今回の青いコーティングタイプが無くなってしまいましたが、多くのマニアがこのレンズの色調がほしいのか、更に新しそうなタイプは海外オークションでは売れ残っています。

ニコンの5005台50㎜f2やタナ―50㎜f2も似たコートですが、色調は似ていてもこれらのゾナータイプでは、この大らかな描写は望めません。

《B》のコート違いについてはm42云々のサイトに望遠タイプが掲載されていますが、非常にすっきりとした描写で、まるでレンズ構成までリフレッシュされた様子に違和感があります。(たぶん、新種ガラスでのカーブ変更でしょうけれど・・・)

いずれにせよ、古いレンズはこうした様々な点で面白いものですね。
  1. 2016/07/07(木) 19:02:47 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
そうですね、ちょっとレンズ表面の状態が宜しくないようなので、100%の実力を発揮しているとは到底思えませんが、それでも、f3.5という開放に対し、4群6枚のオルソメタータイプを採用するというオーバースペック気味のパッケージングですから、ところどころにその性能の片鱗は窺えると思います。
果たして、大久保の名人の手によって、この当たるも八卦当たらぬも八卦の、往年の高性能レンズがどこまで実力を取り戻せるのか、今から楽しみぢゃありませんか・・・
  1. 2016/07/10(日) 23:05:25 |
  2. URL |
  3. charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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