深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

An astounding eye with the saint's name~Petri CC Auto 55mmf1.4~

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さて今宵のご紹介は、先週の予告通り、工房附設秘宝館から、今や稀少レンズの部類に入ってしまった感もある、PETRI CC Auto 55mmf1.4いきます。
このレンズ、実は二年近く前には工房に有り、座間基地の開放デーなんかにも持ち出していたのですが、開放での滲みがあまり好みでなかったので、そのまま防湿庫の奥底に仕舞われたままになっていたのですが昨年、ふと思い出し、前群、後群とも取り外して徹底的にクリーニングとコバ塗り等を強化、更に内鏡胴のツボにも反射防止対策を施し、不必要な開放時のフレアを劇的に減少させることが出来たため、出待ちとなったまま、再び忘れられていたもの。
構成は5群7枚のいわゆるズマリット型、発売は1970年台初めで、おそらくは1/1000の最高速を持ったフラグシップ機FTの登場とともにラインナップに加えられたものと思います。
では、土曜日の世界各国からの観光客で賑わう築地界隈での実写結果を逐次見て参りましょう。
カメラはX-Pro2、全コマ開放による絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、工房の在るマンション内に築地勤務者が多く、不用意にカメラなんか提げて場内で遭遇すると、「仕事場にノコノコカメラなんか提げて遊びに来やがって!」とか後で云われるのもイヤなので、なかなか場内へは足が向かなかったのですが、当の親分格にたまには場内も撮りたいですなぁ・・・とか切り出したら、あぁ、観光客がたむろしている東から北の食堂棟の辺りなら面白いんぢゃないの(≒邪魔にならない)とのご託宣を戴いたので、場外で絶品焼き鳥丼の味見後、まずは場内へ足を踏み入れ、団子屋茂助の店頭でいたいけな女給さんが団子を商っていたので、横から数枚戴いたうちのベストショット。

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二枚目のカットですが、確かに北の食堂棟の界隈は海外からの観光客で賑わっていて、お互い知らない同志で記念撮影のシャッターの押しっこなんかして、なかなか良い雰囲気だったので、それに乗じて、今週初めにポーランドからやって来たと云う美男美女のカポーに声かけて、食堂棟前でモデルさんになって貰ったもの。

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三枚目のカットですが、観光客でごった返す食堂棟をシャッターチャンスの宝庫と呼んだのは、何も工房主だけではなかったようで、中国ないし台湾からの鋭い目つきをした小姐が時折、携帯で怒鳴りながら、愛機EOSで食堂棟の合間を縫って、市場の美味にありつこうと行列を為す世界各国の観光客の喜怒哀楽の表情を撮っていたので、当の本人が油断した隙に一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、同じく場内北エリアの食堂棟の間で、行列に恐れをなしたか、並ぶでなし、立ち去るでなし、ガイド本とスマホンからの情報を併用して、何とかして世界に冠たる築地の美味を堪能しようと試行錯誤をしていた白人の老夫婦の哀愁に満ちた姿を人垣の陰から一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、ここ場内食堂棟の中に建つ店の中にも人気不人気の格差は結構あって、真ん中くらいの入り口に一番近いところの海鮮丼専門店は、高額な寿司屋が多い築地界隈に在って、比較的庶民価格で様々な種類の海の幸を愉しめるとあって、店の前の行列はまさに長蛇の列で、店の人に何分ぐらい待つのかと聞いた人が居ましたが、だいたい1時間は覚悟して貰わないと、ということで、カーカー云いながらひたすら忍の一字で耐え忍ぶタイ小姐観光客ご一行様の姿を頂戴したもの。

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六枚目のカットですが、場内食堂棟の南側、遠くに晴海方向の高層ビル群が見える辺りの通路際の壁面に可憐な小さい黄色の花を生けたプランターが置かれているのが目に留まったので、最短距離の描写を見るため、しゃがんで一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、人気の行列店ひしめく場内食堂棟では、他の客とのトラブルを避けるため、全員が揃ってからでないと列に並ぶことを認めない店もあるようで、食堂棟の南側の通路で、先に到着したメンバーが首を伸ばし、スマホンの画面を睨みつけ、次第に人が集まり、長くなる一方の行列を横目に眺めあぁ遅い、何やってんだろうとやきもきする後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、人気の鮨、海鮮丼のお店がひしめき合う場内食堂棟に在って、この天婦羅屋さんもなかなかの人気店のようで、店先には目の子で7~8m程度の行列が出来ていて、土曜当日はそこそこ気温も低かったため、防寒着もしっかり着込みながら、足踏みなどしながら店の前で自分達のために引き戸が開けられるのをひたすら待っていた中国ないし台湾からの若いカポーの後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、食堂棟の人気店前で順番待ちの行列の人々を撮るのも飽きて来たので、僅かに開いている一般人にも商いをしている場内の商店でも見回ろうと思い、食堂棟の一番西の棟間通路から北の水産品梱包場エリアに抜ける辺りで開いていたおそらくは練り物屋さんと思しき店頭で物色していた母娘のシルエットを一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、場内食堂棟北側の水産加工品梱包場エリアを抜け、また水神様のお社や吉野家一号店などが在る東店舗棟方面に歩いていたら、自転車に乗った初老のヲヂサンが上機嫌でよろよろと走って来て、ちょうど良い画面構成上のアクセントとなったため、すかさず一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、前々から場内のターレット整備場に面したゲートに繋がる通路を歩く度に目を惹かれるのですが、普通、フォークリフトと云えば、その動力源はガソリンかディーゼル、最近は電動も増えて来たようですが、ここ築地には、個人タクシーぢゃあるまいし、なんとプロパン燃料のフォークリフトが有って、その後ろから見たデザインがコミカルなロボットの顔みたいでとても面白く、今回も思わず一枚撮った次第。

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十二枚目のカットですが、そろそろ場内を後にして、場外の買い物客でも撮りましょうかとか思い、出口に向かって歩いていたら、そうそう、忘れ物があるでしょ♪とばかり、燦々と陽光を浴びながら運転手は背筋をピンと伸ばし凛々しい表情で電動ターレットが疾走して来たので、とっさにカメラを構え、一枚ものにしたもの。

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十三枚目のカットですが、ここも場内の外れ、東店舗棟の西側に位置する水産品の宅配便仕分・梱包場で二人の若い衆が息を合わせ、ちゃっちゃっと手際良く次々と荷物を捌いていたので、そのシルエットを外から一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、波除神社前の出入り口から外に出て、場外市場一番西側の市場の東フェンスに沿った通りを歩いて一番賑わうエリアへ向かう途中、店舗の前にさりげなく色違いのターレットが停められていたので、一番北側に位置する、他の黄色のものとは違い、白地に青の塗り分けもスタイリッシュな一台のハンドルにピンを合わせて撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、同じく場外で一番西側の通りに面した乾物屋の店先で、おそらくは知り合いか親戚が子供連れで訪れたのでしょうか、いつもは苦み走った総白髪の初老の店主がいかにも嬉しそうな表情で赤子を背負った母親に話し掛けている様子がとても微笑ましかったので、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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十六枚目のカットですが、同じく場外市場で一番西側の通りの東面で昔からやっている瀬戸物屋さんの店頭で、黒い革ジャンを決めた年配の白人女性がかなり真剣な眼差しで、ご奉仕品の箱の中から自分だけのお宝を発掘しようとでもしているのか、次々と取り上げてはためつ眺めつしている様子が面白かったので通りざまに一枚戴いてみたもの。

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十七枚目のカットですが、同じく場外市場一番西の通りの路上で、上海からおととい到着して、居ても立っても居られず、築地は初めての奥方とまだ幼い愛娘を連れ、学生時代良く通ったという築地市場にやって来たという、中国人の一家の記念撮影のお礼にモデルさんになって貰ったもの。

今回の感想ですが、やはり50mmクラスのf1.4は各社、実質上のレンズのフラグシップですから、力を入れていることが判ります。
おそらく、55mmf2.0はOEM品を含め3~4本は当工房に有りますが、そのどれよりもこの55mmf1.4は開放での滲みが少なく、コントラストも高く、単純に比較は出来ませんが、工房主の好みを熟知している川崎の協力工場でOH時に味付けされたLeitz Summarit50mmf1.4よりソリッドな写りかも知れません。
ただ残念なのは後ボケがやや硬く二線気味なのと前ボケはぐずぐず気味で構図上苦しいものがあることです。

それでも、悲運に泣き、日本の光学史上から早々に撤退せざるを得なかった物故メーカーの主力レンズがここまでの性能を発揮してくれたことはとても嬉しく思いました。

さて来週は海外遠征で一週スキップ、下旬の更新でその成果をアップしようと思います、乞うご期待!!


  1. 2017/03/12(日) 19:59:25|
  2. 深川秘宝館
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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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