深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Underlying possibility of precision industry in Japan~Voigtlaender Super Wide Heliar 15mmf4.5asph.III~

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さて、今週のアップは予告通り久々の工房の新兵器を附設秘宝館からお送り致します。
その新兵器というのが、コシナが満を持して登場させた、デジタル対応の新世代超広角レンズSuper-Wide-Heliar15mmf4.5asph.です。
このレンズのご紹介はメーカーサイトに詳しく載っていますので、あまりくどくどと書くつもりもありませんが、
1999年発売の初代のSW-Heliar15mmf4.5asph.はコンパクトで被写界深度も深いため、主にフィルムカメラでのスナップのに意外と便利でコアなファン層中心に根強い人気があったのですが、特にライカのM9以降のフルサイズデジタルとの相性があまり宜しくなかったようで、これがMマウント化された二代目を経て、この三代目にして、9群11枚へと光学系を一新し、フルサイズデジタルにおいても周辺の色シフトや不如意の減光などが起こらなくなったとアナウンスされたものです。
では、今回は潮来のあやめ祭りから佐原老街の休日にかけて散策して参りましたので、その様子で性能をご覧ください。カメラはX-Pro2の全コマ開放により絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、予定よりやや遅れた10:35過ぎに潮来駅へと到着、11時から始まった「潮来嫁入り舟」の様子を余すところなく望遠で撮影、しかるのち、炭火焼鰻料理の名店「錦水」さんで豪華鰻重(上)などを堪能したのち、すぐに会場戻って菖蒲の花に真摯に向かい合ってその可憐な姿を撮ろうなどと云う枯れた気持ちにはなれなかったので、潮来市の名刹「長勝寺」に寄ってから会場へ戻ろうということになって、その道すがら玄関先の鮮やかな紫のあじさいと白いドアが対照的だったスナックの様子を一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、程なく「長勝寺」の入り口に辿り着き、木陰で涼みがてら、参道途上に佇んで、暫し朱塗りの立派な山門を眺めていたら、上下ジャージに日傘という、如何にも茨城県というか、その属する南東北文化圏の服装習慣を具現化したような一家がそそくさと追い越していったので、これ幸いと山門周りの風景のカットに後ろ姿エキストラ出演願ったもの。

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三枚目のカットですが、そこそこ長めの参道を歩いて行くと、そのどんづまりには、かなり特徴的な作りの本堂が鎮座ましましており、何処が特徴的かと云えば、端的には今では絶滅危惧種と云っても良さそうな茅葺屋根、そしてその屋根のデザイン自体が、この頃の寺社仏閣にしてはかなり急峻度が高く、また上に行くほどすぼまる角度も急で、ちょうど、まんが日本話か何かに出てくる「牛方と山姥」などの典型的な山のお寺みたいな佇まいを醸し出していて、超広角レンズのテストにはもってこいなので、有難く一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、お寺で小三十分も眺めては散策し、撮っては適当な感想を述べ、そうこうするうちに予定撮影再開時刻が近づいてきたので、ショートカットを使い、あやめ祭り会場である「前川あやめ園」に移動しながら、経路にある、前川と園内を跨ぐ二連橋のうち、川の上にある位置から、自称"娘"船頭各位が年金生活の傍らのお小遣い稼ぎに漕いでいる櫓舟の行き交う川面を俯瞰して撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、当日は天気も大変良かったので、ハイライトというか集客の目玉である「嫁入り舟」の谷間の時間でも、観光客の数はそこそこ入っており、運営を行っているスタッフ各位の士気もなかなか高いようで、あちこちからいたいけな極小姐の声で「あ、あやめちゃんだ!」とか「あやめちゃんと一緒にお写真撮りたい♪」などと引く手あまた、さっそくその着ぐるみの働く場所に急行してみれば、付き添いの小姐もなかなか利発そうで器量良しだったので、一緒に入って貰って二枚看板のモデル撮影としたもの。

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六枚目のカットですが、そういえば、到着してから、嫁入り舟の花嫁行列だ、寺の風景だ、あやめちゃんだと目につくものを何も考えずに撮っていたというか、とにかく美味しい鰻を食べないとミッションの価値半減なので、肝心の主役は何かすっかり放念上人してしまっていたのですが、それじゃいかん!と思い直し、水の張られたあやめ畑の縁ぎりぎりに乗り出し、紫の花の上品な佇まいを撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、そうこうするうちに、着いた時は会場に影も形も見えなかった、陰の主役、いたいけな「ミスあやめ娘」の小姐各位がいつの間にかお揃いの着物と赤い番傘さして会場に姿を表していたので、先ほどまでの花を愛でようなどと云う殊勝な心掛けは即刻何処へやら、さっそく、ダッシュで急行し、声をかけてあやめ畑をバックにモデルさんになって貰ったもの。

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八枚目のカットですが、よくよく考えてみれば、毎年6月も15日過ぎにやってくると、気温のせいなのか、或いは日照の関係なのか、会場内に100万株有るという色とりどりの菖蒲の花は何となく萎れ加減で、ぴんと張った健気な姿でないと画的には厳しいなとか思うことがままあったのですが、今年は気温がそれほど上がらなかったことも幸いし、花はまだ健全な姿を保ち、せっかく来たのだから佐原に遊びに行っちゃう前にちゃんと撮って、と語りかけてくるカンジもしたので、園の一番北の端からあやめ畑越しにイベントの全景を撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、主役をないがしろにしてしまったようで申し訳ないキモチで何枚か撮ったら気分も軽快になったので、そろそろ茶でもすっぺか?ということで、また園内を南方面に歩いていたら、居ました居ました・・・去年まではおそらく無かった職位で、早乙女姿の女性スタッフが菖蒲畑の手入れをしていたので、大声で「撮るよぉ!」と声かけて、手を振ったら、こちらを振り返り笑顔を見せてくれたので、その様子を有り難く一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、潮来で撮影後、15時近くまで駅近くのファミレスで休憩し、しかるのち、鹿島線で佐原に移動し、撮影開始したのですが、今回はまず今月22日にはとバスで初佐原入りする老母の下見を兼ねて佐原老街西はずれに在る「東薫酒造」さんを訪問、改築が終わってまだ日も浅く、白木の壁面も清々しい蔵の内部を撮らせて貰ったもの。

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十一枚目のカットですが、同じく佐原老街の「東薫酒造」さんの敷地内の蔵の北側にある、清酒仕込み蔵の窯から伸びた煉瓦積みの煙突の風情溢れた佇まいを下から見上げる格好で撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、同じく「東薫酒造」さんの敷地の南東の塀側にさりげなくオブジェとして置かれている釉薬も黒々とした「もろみ」仕込み用の甕の偉容を、塀際にささやかに咲く薔薇の花々バックに撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが佐原老街を東西に貫く目抜き通りを通って、小野川のところまで歩いてきたら、ちょうど時間が16時になったので、小野川を跨ぐ通称「ジャージャー橋」の観光放水が始まったので、5分かっきりで終わってしまうため、ダッシュで橋の近くまで近寄って、息を整えるのももどかしく、周囲の風景ともども一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、観光放水ののち、小野川上流の「与倉屋大土蔵」まで行って、また別のルートを通って、大通りの小野川を挟んで東側に位置する煉瓦造りの古い銀行の支店を撮りに戻ったのですが、その反対側の種子店の店先に可憐に咲く赤い小さな花々を撮ろうとしたら、ちょうど隣の店舗から、いたいけな小姐が出て来たので、夕陽で後光が射す神々しいお姿を一枚戴いたもの。

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十五枚目のカットですが大通り周りは殆どめぼしいものは撮ってしまったので、定番の観光コース、小野川北上コースを取り、川の左右を走る道路伝いに歩きながら、面白そうな建物やらオブジェが目に入ると最寄りの橋を渡って反対側の道路に移動して撮るという動作を繰り返し、ちょうど夕陽が射す時刻になって来たので、川の東岸にある旧家の街並みを撮ってみたもの。

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十六枚目のカットですが同じく小野川伝いの散策で、陽がだいぶ傾いて来て、ここ佐原老街も空が茜色に染まりはじめてきたため、手ごろな橋の上で立ち止まり、明るさを失いつつもまだ白く薄雲が浮いている北の空を入れ、小野川の水面を撮ってみたもの。

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十七枚目のカットですが、佐原老街に幾つかある観光ランドマーク、その殆どが戦前までの豪商だったり、銘家の屋敷だったりするのですが、この小野川沿い随一の歴史的建造物「正上」の蔵の入口の門に掲げられた、苔むした大谷石の屋号のレリーフにこの街の歴史の重みのようなものを感じ、敬意を表して一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、これまで15mmなんて玉は香港辺りで特異な超高層ビルの谷間を画面に無理やり収めるための非日常的な道具、とばかり思っていたのですが、このX-Pro2の極めて優秀なEVF内の電子水準器のおかげで、不用意なパースがついて画がデフォルメされ台無しにされることもなく、普通にスナップに使えるカンジです。
また、ほぼ一年ぶりに訪問出来た佐原の街もとても暖かい雰囲気で居心地良かったです。
さて、次回は「潮来あやめ祭り」の本編をお送り致します、さぁ何のレンズが出てくるか?乞うご期待!!
  1. 2017/06/18(日) 22:28:14|
  2. 深川秘宝館
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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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