深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Western Japan Tour '17 vol.2

さて、今週のアップは予告通り、関西出張に引っ掛けての関西撮り倒れツアー後編をお送り致します。
まずは、恒例の行程紹介ですが、京都先斗町の夜を撮り終えた七夕でもある金曜日の晩、湖西線経由、近江八幡駅に着き、駅至近の宿にチェッキンし、翌土曜日は8時前に起床し、宿ご自慢のサービスの朝食を戴いたのですが、ブッヘコーナーのテーブル上に並べられた手作りの惣菜の中に「赤こんにゃく」を発見し、改めて近江の国の宿を借りたことを実感、しかるのち、いったん部屋に戻って準備をし、まずは市内随一の観光エリアである「日牟礼八幡」に赴くべく、駅前のロータリーからバスに乗って移動、そこでランチ込みの撮影を14時過ぎまで行って、しかるのち、隣接した江戸時代の街並みが残るエリア、たまたまミニ縁日をやっていた萎びた商店街を撮らせて貰ってから、再びバスで近江八幡駅に戻り、今度は湖西線で長浜市まで移動、日暮れまで黒壁スクェア周辺を撮って、駅付近でお茶して、電車で近江八幡駅に戻ってまた一泊、日曜の朝9時台半ば近江八幡駅発で江戸に戻って来たと云う次第。
では、行程に沿って当日の実写結果を見て参りましょう。
カメラはX-Pro2、レンズはS-Nikkor3.5cmf1.8オリヂナルによる、全コマ絞り開放AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、近江兄弟社前のバス停に着いて、真っ先に目に留まるのが、このウィレム・ヴォーリーズ、帰化名、一ツ柳メレルに日本のいたいけな小々姐が心尽くしの花束を闊達に片手で差し出している像の姿が、いつ見ても、彼の優しく誠実な人柄、そして当時の日本の純朴な民草の心根を素晴らしく象徴的に表しているため、共感と敬意を表して一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、日牟礼八幡宮へ続く八幡堀という掘割にかかった橋の正面に位置する昔の学校で、今はミニ博物館というか観光案内所のような使われ方をしている白雲館という建物で、いつもは改めて写真を撮ろうとも思ったことは無かったのですが、この日は夏の清々しい青空に入道雲が広がり、ちょうど、白雲館の背後にも掛かっていたので、まさにその名の通りの構図となったため、一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、掘割にかかる八幡橋の上から、東の方向を眺めて観ると、おそらく、写真が日本に入って以来、何万カット、いや、手書き絵画の時代からすれば何十万カットも描かれてきたであろう、関西屈指の水辺の風景が広がり、テレビ時代劇のロケには必須になって、必殺シリーズでは隠れたレギュラーと云ってもおかしくないくらい頻繁に登場した八幡堀の佇まいを上から撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、堀にかかる橋を渡り切ると、目の前には日牟礼八幡宮ではなく、関所の如く立ち塞がるのが、「たねや日牟礼舎」とその付属施設である「Club Harie Confectionaries」の建物ですが、日牟礼舎の方は、江戸期の豪農の母屋を移築して手を加え、店舗兼料亭にしたもので、その店舗前の軒下周りには、専門のコーディネーターが四季の趣向を存分に取り入れたデコレーションが施されており、まずは、涼し気な軒先の瑠璃色の風鈴を一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、同じく日牟礼舎の入口左脇のダミーの井戸桁の上には竹の簀子が載せられ、ここもいつも季節の趣向を凝らしたオブジェが飾られており、秋には実の付いた柿の木一枝、盛夏には井戸の水面に西瓜を浮かべる等々ですが、今回はいつもの定番である、時代物の鉄瓶が錆びかけた鎖に繋がれ、簀子上にさりげなく置かれていたので、軒先をバックにローアングルから一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、店先で何枚か撮らせて貰ったあと、初めてロープウェイで八幡山の頂上に登り、しかるのち、日牟礼舎の二階で至極の懐石料理を戴いたあと、腹ごなしとばかりに八幡堀の水面ぎりぎりに作られた細い石畳の通路を辿っての撮影を開始し、まずは橋の下から逆光気味に西の方面の水辺の佇まいを撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、まずは八幡橋からどん詰まりが近い東方向、即ち「瓦ミュージアム」方面に向かって撮りながら歩いていたら、ミュージアムから堀に続く石の階段から、優しい目をしたお武家様が降りて来られて、目が合ったら思わず凍り着いてしまったのですが、「こんにちは、観光ですか」と声を掛けられ「さよう、江戸表は深川から・・・」と反射的に答え、相手が笑ってくれたのをきっかけに「卒爾ながら写真など宜しゅうござるか」、「はぃどうぞ、こんなカンジでイイですか?」と侍の恰好で現代語を話す初老の男性と現代人で江戸時代の侍言葉で話す中年男性という奇怪なシチュエーションで撮られたもの。

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八枚目のカットですが、奇妙な遭遇による胸の高鳴りを残したまま、毎回、なかなか秀逸なカットが撮れる「瓦ミュージアム」の敷地に上がり、入場料を徴収されるのが、建物の中だけなのをイイことに敷地内の庭園、付属の登り窯みたいな窯業施設などをタダで見物し、好きなだけ写真も撮り歩いたうち、瓦を敷き詰めた細い道の手前に季節の紫陽花が可憐に咲いていたので白い建物を背景に撮ったもの。

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九枚目のカットですが、瓦ミュージアムを後にして、堀沿いの石畳の道を西方向に歩きながら、行けるところまで行って、撮ってみようと考え、八幡橋を潜った辺りで、東に向かって船がやって来るのに気づき、しかも、それが、潮来の娘船頭みたいな不当景品表示法違反そのものみたいなシロモノではなく、がたいはデカいが、一応、栗色に染めた長い髪を清潔そうにポニーテールに束ねたいたいけな若い女性船頭さんだったので、橋を通り過ぎる頃合いを見て何枚か撮ったうちのベストショット。

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十枚目のカットですが、同じく八幡堀沿いの石畳の道を歩いていたら、道の傍らに紫陽花の比較的大きな植栽があり、ちょうど見事に濃紫の花が満開だったので、堀をバックにカッコ良く一枚に収めようと構図やら露出やらに腐心していたら、ラッキーなことに背景に船が通りがかったので、エイヤとばかりにシャッター切ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、紫陽花の花を撮ってから更に西方向に歩いて行くと、堀が緩くカーブした先にちょっとした一級河川並みに広がったエリアがあるのですが、そこへ向かう途中、カーブから出て来た船の屋根部先頭付近に比較的ぱっと見の良さげな小姐が団扇で扇ぎながら涼しげに遊覧を愉しんでいる風情だったので一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、八幡堀も西のどん詰まり近くまで到達し、周囲は何の変哲もない住居やら工場、店舗の街並みに変わってきてしまったので、早々に離脱し上の道路に上がり、相当暑さも酷くなってきたので、次なる撮影スポットである江戸時代の街並みをちょこちょこっとスマホン中心に撮り歩いて、しかるのち、その出口付近の公園前辺りからバスに乗って駅に向かおうかと思った矢先、道路反対側の萎びた商店街でミニ縁日みたいなことやってたんで、冷たいものを恵んで貰った手前、チンドン屋に扮した街の有志を追いかけながら撮った一枚。

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十三枚目のカットですが、商店街の縁日を撮らせて貰ったあと、目の前のバス停から駅に向かい、駅から湖西線経由長浜に着いてすぐ、向かった先が観光の中心のひとつ、というか長浜観光の目玉的ランドマーク「黒壁スクェア」で、まずは35mmをAPS-C換算1.5xで52.5mmのほぼ標準レンズ画角で何をどう撮ろうか、中心部の交差点前で佇みながら思案しているところにいたいけな浴衣姿の小中学生が通りがかったので、反射的に撮った一枚。

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十四枚目のカットですが、数年ぶりの来訪の街ですから、まずは中心部の交差点から見える風景を標準レンズ画角で撮ってみるのも悪くはないだろうと思い直し、交差点の真ん中でぐるっと見回しながら、東方向の祇園の山車をモチーフにした商店街のアーケードの下を通る民草と傍らの物販露店を捉えてみたもの。

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十五枚目のカットですが、アーケードの下では縁日の如く、様々な露店が出ていて、なかでも、色鮮やかなカラーボールすくいや、牧歌的な田舎の童子達の眼に潜在的な狩猟本能の炎が灯る金魚すくいなどは恰好の撮影現場なのですが、これだけの人通りにも関わらず、閑古鳥がなく店先で「どーしてお客さん来ないんだろうね」とかまだ口も利けないいたいけな乳幼児に語りかける老露天商の哀愁滲む様子を一枚撮ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、近江八幡の八幡地区に負けず劣らず、琵琶湖岸の街、長浜も水路が張り巡らされており、黒壁スクェアの近所もかつては高瀬舟のようなフラットボトムの櫓舟が行き交ったであろう両岸に船着き場の階段が設けられた掘割があって、その岸付近にコルテンという錆で腐食を抑制する特殊鋼をレーザーで切り抜いたと思しきポニーテールのいたいけな小姐のオブヂェが建てられていたので対岸の土蔵をバックの一枚撮ってみたもの。

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十七枚目のカットですが、今の時期、もはや船が日常的に行き交うこともなくなった掘割は水位も極めて低く、それこそ靴脱げば、ひざ下くらいの深さなので水遊びも出来ようかという浅いせせらぎとなっていますが、それでも往年の水運を利するべく設けられた水辺の階段は、いたいけな若いカポ-の憩いの場となっており、さっそく先客が居たので、声かけて一枚撮らせて貰ったもの。

今回の旅の感想ですが、いやはや、出張帰りの撮影旅行、イイもんです。何か仕事上のミッションをやり遂げた開放感も有って、普段、自腹ではなかなか来られない地方の撮影をのんびり楽しめるって、宮仕えの身としては、ちょっとしたボーナスみたいなもんでとても有難いと思いました。出張をお膳立てしてくれた支社の仲間に心よりお礼を申し上げたいと思いました。

さて、次回は、上州は太田世良田に400年以上も伝わるという、かつての「関東三大山車祭り」の一角「世良田祇園祭り」からお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2017/07/30(日) 19:41:02|
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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