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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Amazing second life of gloomy optics~Som Bertiot Cinor 40mmf1.5

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さて、今週は先週の予告通り、久々の工房作品、ご紹介いきます。
今回のレンズは泣く子も黙る高額レンズ群の一角、Som-Bertiot社のCinor40mmf1.5という珍品級の大口径単玉ですが、実はその出自がプロジェクション用光学系ということで、ライカマウントの撮影用とは打って変わって、ロシアレンズとどっこいどっこいのお買い得価格で、先に50mmf1.5を買い求めた欧州の業者から、お替りはいかが?と云うことで、撮った写真を見たい思いもあったらしく、これまた極めてリーズナブルなお値段で譲って頂いたもの。
ところで、このレンズの構成ですが、全部のエレメント単位で分解したワケではないのですが、先の50mmは前が二枚貼り合わせの長いクリアランスの後方に位置する後群は分離の二枚という典型的ペッツバールタイプだったのに対し、前群が以上に長くまたスリット経由の光線を見ても前のねじ込みを外した前群が2枚貼り合わせび1群だけとは考えられず、おそらく、ペッツバールタイプの特性は崩さないまま、40mmとするため、前群に独立した一枚凸を足したのではないかと考えられます。
では、さっそく、実写結果を逐次見て参りましょう。
ロケ地は暮れの浅草、カメラはX-Pro2による絞り優先AEでの開放撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、14時半過ぎに地下鉄を乗り継ぎ浅草に着いたら、朝飯を食べて以来、何も口にしていなかったことを思い出し、まずは腹ごしらえとばかり「宇奈とと浅草店」さんにて、リーズナブルな価格でひつまぶしを戴き、しかるのち、まずは暮れ詣でということで、浅草寺本堂にお賽銭上げてお参りしてから、清々しい気持ちで境内を散策していたら、居ました居ました、いたいけな極小姐連れの中国人一家が、例の宝蔵門近くの手漕ぎポンプで一生懸命、水を酌み出す様子をアイポンで撮ってたので、写真撮らしてねと声かけて並んだら、どういうワケか気合いが入って、渾身の力を込めた写真が撮れたもの。

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二枚目のカットですが、さっそくの御利益ぶりに気を良くして、次なる獲物を探して境内周辺を徘徊していたら、居ました居ました、自分達のスマホンで思い思いに撮った写真を見せっこしながら、論評し合っていた中国産小姐のグループが宝蔵門の下に居たので、そのままの状態撮らしてね、と声をかけたものの、生返事して判ったか判らないのかはっきりしないまま、再びスマホンを片手に仲間内で口角泡飛ばさんばかりの論戦始めたので、じゃ勝手に撮らして貰いますよ、ということでその様子を一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、境内のおみくじ売り場も貴重な票田ですが、またしても、恰好のターゲットになりそうな白人のカポーがお互いのスマホンで撮った写真を見ながらあーだらうーだら批評し合っていて、話が尽きそうな頃合いを見計らって、声をかけて、スマホンなんかと次元が違う珍レンズでその姿を記録したいとかなんとか適当な口実付けてモデルさんになって貰ったもの。

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四枚目のカットですが、お線香売り場と巨大焼香場の間辺りに、これまた大量発生の中国産小姐が夏の浴衣みたいなデザインのレンタル着物着て、大きな七五三みたいな髪飾りなんか付けて、同僚と一緒に焼香しながら、その煙を自らの至らぬところに擦り付けようとする姿を不思議がって撮ろうとしていたので、先手必勝、先に後ろから一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、この季節、まだまだ陽は短く、16時近くになると、すっかり太陽光の色温度は低くなり、また射し込む角度も相当低い角度で射して来ますから、角度によっちゃ、光るものを配置すれば、周囲がブラックアウトして浮かび上がるような構図の画が撮れるんぢゃまいかということで、宝蔵門下の巨大提灯底部の金具が陽光に照らされて鈍く光っていたのを工夫して撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、雷門方面へ歩きながら、仲見世の様子を撮ってみようと考え、宝蔵門から歩き出してすぐの土産物屋さんの店頭で、今度はいたいけな韓国産アガシ二人組がおそらくは同僚ないし、友人向けの、いわゆる帰国後、職場復帰時のバラまき用土産物を物色している現場に遭遇したので、斜め後ろに音もなく近寄り、その熱心な様子を一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、いつも同様に人混みでごった返していることには変わりはないのですが、こと暮の浅草寺仲見世通りはまさに多国籍軍駐屯地状況を呈しており、先に韓国産アガシのお土産物色の店頭から幾らも歩かないうちに、今度はインドネシア人一家が、その大家族制を背景とした、国でお留守番をする、一家眷属・一族郎党向けに気の利いた手工芸品でも買い求めんと、店員と交渉中にヒマな極小姐が店頭で幼い弟と展示されていた品物を眺めていたので、オヤヂさんの横からひょいと出てその愛くるしい様子を一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、世界各国からのゲストでごった返す仲見世を縫うように進み、やっと雷門まで手が届きそうな距離に店を構える「美人茶屋 あづま」さんの前に辿り着き、さて、今回は見慣れない新顔ばかりだなとか思いながら、適当な人垣の切れ目に頭突っ込んで、前掛け姿で一心不乱に黍団子を次々と製造する小姐の凛々しいお姿を一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、同じく仲見世通り雷門近くの「美人茶屋 あづま」さんの店頭で、いつの間にか独立採算制でもなったのか、黍団子事業部と甘酒事業部はユニホームを変えていて、しかも、今回は、年端もいかぬ若い小姐がかなり堪能な英語を駆使して、次から次へと押し寄せてくる海外からのゲストを巧みに捌いていた姿が面白かったので、ちょいと失礼と行列の横に立って、その働きぶりを一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、雷門をくぐり、大通りに面した門前のちょっとした広場に出ますが、何と、ここでいたいけな女子高生相手に人力車の営業を掛けている大胆不敵な車夫氏が居たので、その1対2の表所豊かな商談の様子を女子高生の斜め後ろに回って雑踏を背景に1枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、雷門の周辺で撮ったら、次は、待乳山の聖天社へ暮参りに行こうと決めていたので、人混みでごった返す仲見世を通る気はとてもしなかったため、空いていて、比較的ショートカットとなる松屋デパート前の道に出ようと神谷バー方面に歩いていたら、ちょうど目の前の人力車が威勢良く掛け声とともに走り出したので、反射的にシャッター切ったもの。

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十二枚目のカットですが、神谷バーの先、アーケードが途切れた辺りで、遥か彼方に聳え立つスカイツリーを背景にセルフカットを撮らんとしゃがみ込んで、精一杯の笑顔で腕伸ばしてスマホンのシャッタ-切ろうとしていた関西弁の小姐2名の姿がなぜか新鮮に見えたので、黙々と傍らを通り過ぎて行く人混みを背景に一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、松屋側に渡ろうかと思った矢先、そうそう、定点観測の場所取り忘れてらぁとか思い出し、急遽、松屋前のアーケードを西に進んで、また仲見世方面に戻り、途中の煎餅の製造販売のお店の店頭で、不可思議なカッコをした煎餅が緑の繊維状の詰め物と一緒にガラス広口瓶の中に封じられて、棚に並んでいたので、そのシュールな光景を一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、ホントはこれがいつも浅草ロケでの冒頭に来るわけなのですが、何せ今回は腹ごしらえの直後に本堂への暮参りという異例のルートとなっていたため、とにかく拝殿がシャットダウンされる前に聖天社に参りたいという思い先行ですっかり放念上人と化していたのですが、何とか思いとどまり、「美人茶屋 あづま」さん横の側道に面した扇屋さんの店頭の大和絵団扇の至近距離撮影を行ったもの。

Cinor40mm_016.jpg
十五枚目のカットですが、松屋前から歩くこと約10分、人力車で訪れた先客も何組か居て、何とか拝殿のシャットダウン前には間に合った待乳山聖天社ですが、このコンパクトな境内には、結構、マニアックな撮影スポットが点在していて、とりあえず、手っ取り早い手水場上の古瓦屋根の巴を枯葉の残った枝木を背景として撮ってみたもの。

Cinor40mm_017.jpg
十六枚目のカットですが、同じく待乳山聖天社の境内で、手水場の傍ら、江戸時代から残ると云われている、瓦を積んで築いた築地塀の手前辺りの山茶花の植栽のうち、殆どの花は既に咲き切って、色も褪せかけてきていたのですが、ただ一輪だけ、到着を待っていたかの如く咲き立ての瑞々しさ、凛とした気品を漂わせた花が目に留まったので、敬意を表して1枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、うーん、1年ってホント早いですね、基本的に社会人って、同じことの繰り返しのサイクルの合間に個人的な趣味等のイベントが落とし込まれるので、あっという間に年末、工房の最終操業、滑り込みで、こんな面白いレンズに再び活躍の場を与えて上げられたことがとても嬉しく、そして誇らしく思えました。

さて、次回は年明けの第二週の週末、年明け早々の海外遠征からのレポートをお送りする予定です、乞うご期待!!
  1. 2017/12/24(日) 22:33:49|
  2. X-mount改造レンズ
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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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