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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

High performance but less fame~Leitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4.0asph.

さて、今週のご紹介は予告通り、Leica M(TIPO240)によるLeitz R lens再評価第三弾行ってみます。
今回の患者さんはVarioElmar21-35mmf3.5-4.0asph.というRシリーズ最終機に出たズームレンズですですが、肝心のR8、R9がウルトラセブンに出て来た宇宙怪獣ジャミラみたいな異様なデザインとむ無意味に大きくて重かったことから全く売れず、従って発売期間、販売数の両面から見て、かなりレアな玉の筈なのですが、不気味なまでにプレミアが付くM用の玉に比べれば、まさに鳴かず飛ばず、先のICS世界の中古カメラ市@銀座松屋でも会場で未使用品を見かけましたが、それでも税込み30万円と新品の正規価格からすれば、信じられないような安価でした。
発売は2002年、構成は8群9枚で、この画角、開放値は当時としても、日本産では何の変哲もないスペックで、実際、画角的にはバッティングするCanon N-FD20-35mmf3.5Lなど1984年には発売されていましたし、トキナー辺りからも似たようなスペックのものは各マウントで発売されていたと記憶されています。そんなところからも、Mレンズと比べると気の毒なほど、お安い価格的評価に甘んじなければならなかったのかも知れません。
では、さっそく、実写結果を見て参りましょう。
ロケ地は本所から浅草、カメラはLeica M(TIPO240)による絞り優先AEモードでの全コマ開放撮影となります。

V_ELMAR1835_001.jpg
まず一枚目のカットですが、折角の超広角ズームをフルサイズで使えるのですから、M(TIPO240)を買った当初から是非とも試したい被写体が幾つか有ったのですが、そのうちのひとつが、スカイツリーとさ逆さスカイツリーを同一画面で写し込める横十間川の十間橋からの構図で、やはり21mmでも両方の頭を縦位置に収めるのは難しく、水面の方はちょっとズルして切って何とか収めたもの。周辺がやや光量落ち+色シフトしてます。

V_ELMAR1835_002.jpg
二枚目のカットですが、くだんの橋からは横十間川を西方向、即ちスカイツリータウンに向かって5~6分も歩けば、もうスカイツリーの真下に着くのですが、ちょうど時刻的には早春の陽光が西に沈みかけた頃なので、川面に向かって浅い角度で低い色温度の光線が射すタイミングで、まだ冷たそうな水面と手前の歩道の手摺の金属感とまだ蕾も膨らまない桜の樹の枝のシルエットの構図がなかなか良いカンジとなった一枚。

V_ELMAR1835_003.jpg
三枚目のカットですが、横十間川の夕暮れに見とれていたら、その傍らを賑やかに家族連れが童子は小走りに、まだ若い親御さん達は大股に歩きながら語らい合い、楽しげに通り過ぎていったので、光線の回り具合を見計らって、童子達のシルエットに光の縁取りが出来た一瞬を見計らってシャッター切ったもの。

V_ELMAR1835_004.jpg
四枚目のカットですが、スカイツリータウン一階の広場に着いたら、フランス語でキャァキャァとはしゃぎながら、傘を斜めにさしたり、回したりして、おそらくは今流行り物のインスタ向けの写真なんか撮っていた白人のカポーが居たため、しめしめとばかり、写真が凄く上手なヲヂサンがシャッター切って上げるからとか甘い声を掛けてモデルさんになって貰ったもの。

V_ELMAR1835_005.jpg
五枚目のカットですが、一階からエスカレータに乗って、スカイツリーへのエレベータへの乗り換えロビーのある4階屋上に移動し、さっそく、西側の広場でスカイツリーをシンメトリカルに収められるひ秘密の位置に立ち、最短焦点距離の21mm側でツリーの威容を下から見上げる格好で撮ってみたもの。ここでも空側に減光+色シフトが認められます。

V_ELMAR1835_006.jpg
六枚目のカットですが、スカイツリー下での撮影もほどほどに切り上げ、まだ陽光が残るうちに東武電車で浅草に移動、雷門まで戻らず、浅草駅北口から出て、伝法院通りからいつものフランチャイズである仲見世にアプローチしモデルさんを探そうとしたら、いきなり着物着たアジア人と白人の二名組の小姐に声かけられて、シャッター切って上げた代わりにモデルさんになって貰ったもの。

V_ELMAR1835_007.jpg
七枚目のカットですが、先の二人組と別れてから、そのまま仲見世通りを浅草寺方面へと歩き、程なく宝蔵門前まで来たら、結構、着物が似合うネシアの小姐がお友達と写真撮りっこしていたので、一枚撮らせてよ、と頼んだら、着物着てない友人は他人のフリして逃げ出し、逃げ遅れた着物の小姐が快くもモデルさんになってくれたもの。

V_ELMAR1835_008.jpg
八枚目のカットですが、ここもいつもの定点観測スポットのうちの一つですが、宝蔵門を潜って、そのまま本堂に至る道を辿らず、横東側の休憩スペースとの間に在る手漕ぎ井戸の方面に目をやったら、い居ました居ました、冬の間は水が冷たいため、どうしても敬遠される井戸に中国人親子がやって来て、童子が水汲んで手を洗いながら、親御さん達が写真なんか撮っていたので、声かけて撮影人に混ぜて貰ったもの。

V_ELMAR1835_009.jpg
九枚目のカットですが、周囲もだいぶ暗くなって来ての屋根の下なので、開放値の明るくない玉ではどうかな、とは思ったのですが、ここ手水場もなかなか秀逸なカットが撮れることがままあるため、暫し張って居たら、来ました、来ました、久々の日本人で豪快に童子を肩に抱えた若いオモニが笑顔でお清めを始めたので、待ってましたとばかりに一枚戴いてみたもの。

V_ELMAR1835_010.jpg
十枚目のカットですが、巨大香炉の在る焼香場の傍ら、線香売り場と手水場が一体化した建物の南側、ちょうど御神籤売り場との間のちょっとした広場からはスカイツリーの勇姿が望めるのですが、同時に空いた場所でもあるので、メールやラインしたりする息抜きの場としていつも、何がしかの観光客がたむろしているので、ツリーを背景にその様子を捉えてみたもの。

V_ELMAR1835_011.jpg
十一枚目のカットですが、境内での撮影が一段落し、今度は雷門方面へと仲見世を歩いて被写体を探してみようかと歩き出した刹那、またしても着物姿のアガシ二名に英語で声かけられて、五重塔を背景にシャッター切って欲しいというので、このタイからのアガシ二名の願いを聞き届け、代わりにモデルさんになって貰ったもの。

V_ELMAR1835_012.jpg
十二枚目のカットですが、宝蔵門をくぐり、仲見世に入るとすぐに、糖質制限ダイエット中の自分は絶対に買わないでしょうが、結構な数の観光客が群がる揚げ饅頭屋さんの店頭で、これまた中国人の小集団が自分達の買う品物の上がりを待っていたのですが、その中でも極小姐が待ちきれないとばかりに実演のヲヂサンの目の前に進み出て無言でプレッシャ掛けてるその姿が面白くて、傍らから一枚戴いてみたもの。

V_ELMAR1835_013.jpg
十三枚目のカットですが、仲見世を雷門方面に歩いてすぐに伝法院通りとの交差点に出ますが、ここの位置的にスカイツリーの全貌が見易くなっていて、先ほどの着物小姐二名組ではないですが、インスタ映えを狙い、キャァキャァ云いながらシャッター切っている観光客が多いのですが、あにはからんや、また居たので、その後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

V_ELMAR1835_014.jpg
十四枚目のカットですが、人混みの仲見世を歩き通し、やっと雷門の手前、美人茶屋あづまさんの位置する交差点まで辿り着き、そこを西に曲がり、ここも定点観測スポットである、側道との角に位置する扇子屋さん店頭の大和絵団扇をモチーフに店頭の様子を撮ってみたもの。ここでも空は入っていますが、35mmサイドでの撮影なので、光量落ち+色シフトは全くと云って良いほど認められません。

V_ELMAR1835_015.jpg
十五枚目のカットですが、この日は、結構な数の観光客、それこそ多国籍軍と云ってもイイほどの多種多様な人々が、和風テイストのインスタ映えを狙い、雷門周辺で自撮り、ないしカポーの交替撮りをか敢行していたのですが、特に何処の焼鳥レストランにも無いような巨大赤提灯が大人気らしく、下にた立ち止まっては代わる代わる記念撮影している中国人グループが居たので、傍らから一枚戴いてみたもの。

V_ELMAR1835_016.jpg
十六枚目のカットですが、同じく雷門付近での撮影で、今度は正面南から宝蔵門方面に向かい、やはり、巨大赤提灯とツーショット撮影を決め込もうとする若い小姐と、それを横目に見つつ冷淡な表情で傍らを足早に通り過ぎて行く年配のアガシとの対比を捉えてみたもの。

V_ELMAR1835_017.jpg
十七枚目のカットですが、すっかり陽が落ち、人工光によるライトアップ時刻になった雷門前の広場で、思い思いのスタイルでパートナーとツーショット記念撮影を愉しむカポーや、人待ち顔でスマホン画面なんか覗き込む兄ちゃんなんかが散らばっていて面白いので、広角を活かし、一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、やはりフィルム時代の広角はデヂタルのフルサイズだと、CMOSの構造上、どうしても周辺が甘くなって、光量落ちと色シフトが起こるのですが、広角Mレンズに比べ、テレセントリック性は良い筈のRレンズでも少なくとも21mmサイドで空を入れた構図では光量落ちと色シフトは顕著に認められ、なるほどと納得した次第。
さて次回は確定申告も終わったし、何か工房製レンズのテストでもしようかな、乞うご期待!!
  1. 2018/03/11(日) 20:45:39|
  2. 深川秘宝館
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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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