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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

An optic with great riddle~Kodak Ektar63mm mod. M uncoupled~

Ektar63mm.jpg
さて、今週のご紹介は予告通り、確定申告も無事終わったことだし、ここ深川でも早い桜の樹は花も咲かせ始めたし、久々にLeica M(TIPO240)による工房製改造レンズ試写のレポート行ってみたいとおも思います。
今回、加工、テストしたのは、謎のKodak製Ektar銘の63mmレンズで開放値の表示すらないもので、シャッター速度から推定するにおそらくf5.6~6.3程度ではないかと思われる、総真鍮無垢削り出しの重厚なハウジングの奥底に小鳥の目玉みたいに可愛らしいエレメントがちょこんと鎮座ましましているという、如何にも謎に満ちた玉で、記憶の限りではここに着いてから、あまりにも重く、その一方、光学系がしょぼかったので、ちょっと改造意欲が湧かず、道具箱の奥底に転がされていたのですが、またいつもの降りてきて系の閃きが有って、確定申告終了後はコイツを撮れるようにしなければならないと思い込み、昨日の土曜日に3時間ほど掛けて加工したものです。
分解清掃の段階で判ったのは、構成がテッサー、或いはトリプレットタイプではないかと云うこと。
左側を被写体として、(凸-凹(-凸)といった構成なのですが、実のところ、二群凹の収められた厚めの真鍮黒塗りのハウジング筒が開けられなかったので、貼り合わせがあるかどうか確認出来ていないのです。なお、絞り機構はありません、尤も開放でしか撮らないので関係はないですが。
とまぁ、謎は謎のままとして、さっそく、実写結果行ってみたいと思います。
ロケ地はご存知浅草、カメラはLeica M(Tipo240)による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、いつもの通り、地下鉄駅から上がると雷門へ向かい、その付近で何枚か撮ってみるのですが、この日も大勢の着物小姐が思い思いに記念撮影したり、頼まれ一緒モデルなんかやったりして和気あいあいの雰囲気だったので、赤いバラの髪飾りがステキだった中国人小姐のグループの後ろを通りざまに1枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、赤い髪飾りの小姐、結構、海外からの観光客に人気あるらしく、おそらくはまシンガポール辺りから来た華僑のグループに英語で一緒に入って撮らせてとか頼まれ、オケー、オケーととか二つ返事で了解しにこやかな雰囲気で撮っていたので、リーダー格と思しき中年男性に頼んで写列の横に入れて貰ったもの。

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三枚目のカットですが、雷門付近でまずまずの戦果を挙げられたので、キブン良く、次の定点観測スポットである、美人茶屋あづまさんへ向かったのですが、今回はビジュアル的に魅力を感じる小姐が皆無だったのでパス、仕方なく、くもりの残ったノーコートレンズで空を入れて撮ったらどうなるか、仲見世入口付近の赤提灯にピンを合わせて撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、美人茶屋あづまさんはダメでも気立ての良い店頭デモンストレーション小姐が居る蒟蒻石鹸屋さんの前に行ってみれば、ここもいつものカンジ良い小姐の姿は見当たらずパス、では、とこれまた定点観測スポットである、扇子屋さん店頭の大和絵団扇でも撮ろうとしたら、何と、どういうワケか、いつもと反対に西側に向けられ、仲見世サイドから見るとのっぺらぼうの団扇が柵に並べられているように見えましたが、反対側に回って無事一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、そろそろ誰ぞに声でもかけて撮ろうかいなと思い、あづまさんの列に並ぶ関西弁の小姐二名にここで一枚撮らして貰ってイイ?と聞いたら顔さえ出さなきゃ全然オケーです、とか渋めのお答えだったので、じゃ並びながらメールしてるシチュエーションで、ということで合意、一枚撮らせて貰ったもの。

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六枚目のカットですが、この日は何かの祭礼イベントらしく、ふだんの日曜の午後の3~4倍の人出で、とてもじゃないが、通りで誰かに声かけて往来の真ん中で写真なんか撮れる状態ではない仲見世をあ足早に通り抜け、浅草寺境内に辿り着き、まずは上海旅行から無事、かつ大満足で帰国した母親加護のお礼参りを済ませるべく、手水を使い、本堂にお参りしての帰り、清楚な日本人小姐が本堂の階段上かから祭礼の写真なんか撮ってたので、声かけて、斜めしたからその様子を撮らせて貰ったもの。

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七枚目のカットですが、お参り済ませて、ギアが一段上がった工房主は、降りた境内で次なるモデルささんを探したら、エクスキューズミーとか声を掛けてきたイタリア人カポーが居たので、本堂をバックにアイポンで記念撮影して上げる代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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八枚目のカットですが、本堂下を徘徊しながら次なるシャッターチャンスを探していたら、たまたまき着物の白人カポーが目に留まり、二人して肩なんか寄せ合って、金龍の舞なんかしみじみと見物していたので、せめてその後ろ姿をとか思ってEVF覗いていたら、ラッキーなことに小姐が横向いて美しい笑顔が見えたのでその一瞬を切り取ったもの。

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九枚目のカットですが、なかなか良いカットが撮れたわい、とか独りごちてその場を去ろうと踵を返した刹那、後ろでヲヤヂさんの肩車で祭礼を見物していたインド人極小姐目が合い、照れ笑いしたら向こうも微笑み返してくれたので、土台になったヲヤヂさんにお願いして父娘モデルさんになって貰ったもの。

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十枚目のカットですが、そろそろ雷門前のデニーズでお茶とスィーツを愉しんでもバチが当たらないような頃合いになって来たので、境内を辞そうと思った矢先、お御籤売り場で、これまた別の中国人小姐グループがワィワィ云いながらお御籤を拡げて見せ合っていたので、通りざまにその斜めうしろ姿を戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、このレンズ、開放値暗いクセに空とか強い光源が入ると白いフレアというか霧が出たみたいに画面全体のコントラストが低下するのですが、そうでなく、程々に明るいところでは、素晴らしいシャープネスと発色バランスを発揮してくれるので、宝蔵門下の大提灯で試してみたもの。

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十二枚目のカットですが、宝蔵門を出ると、そこには中国人小姐と韓国人アガシの二人組が台湾からのカメ爺一個小隊に包囲されてほぼ専属モデルにさせられているという浅草ならではの光景があり、混ぜて貰う前にまず周囲の全体像を撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、台湾国旗のバスタオルを両肩から掛けた、カメ爺団体のリーダーっぽいヲヤヂさんに声かけ、しかるのち、韓国語が聞こえたので貸し切りモデル状態の小姐の声かけたら、二人して、に日本語判るよ、ということで快諾を貰い枝垂れ桜の下で一枚撮らせて貰ったもの。

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十四枚目のカットですが、そうこうしているうちに再び境内が賑やかになってきたので、足早に戻ってみると、先ほどの金龍の舞と一緒に行動していた稚児さん一行が屯所に戻るのか、大人に手を引かれ、参道を歩いてきたので、国内外の観光客が思い思いのカメラ、スマホンを片手に撮影していたので、あ空いていたところに入れて貰い、その様子を一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、さぁお茶だ、お茶だとか歩き出そうとしたところ、またしても着物姿の小姐がつかつかと歩いてきて、やや訛りは判るものの、ほぼ完ぺきな日本語で、写真上手そうだから、二人一緒に撮って、ということでライカの御利益てきめんで、五重塔下で何枚かアイポンで撮ったお礼にモデルさんになって貰ったもの。

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十六枚目のカットですが、宝蔵門から表に出ると、まだ先ほどの中韓連合小姐と台湾カメ爺ご一行様のセッションとトークが続いており、しっかり、国旗バスタオルの爺に、お、それライカだな、なんかヘンなレンズ付けてるけど、ちゃんと写ってるのかとか、たどたどしい日本語で突っ込んで来られたので、背面液晶見せながら、その仲間ともあーだら、うーだら写真談義してたら、またしてもスマホン片手の着物小姐二名組が桜の樹の下で記念写真撮って、とか頼んで来たのでまず一人目を撮ってみたもの。

Ektar63mm_017.jpg
十七枚目のカットですが、先の着物姿の日本人小姐の二人目、こちらはコスプレモデル経験有りでポージングには自信有り、ということで、目線は云うに及ばず、指先の仕草まで気を使い、やや本気モードでモデルさんになって貰ったもの。

今回の感想ですが、いやはや、見た目は重くて、中身がしょぼい、キテレツレンズだと思いましたが、なかなかどうして、光線状態さえコントロール出来ればシャープだし、発色はコダック固有の暖かいい色合いだし、小姐を撮るとイイ味出してくれて、クラシックレンズ使ったモデル撮影会なんかだと結構重宝するかも知れません、もうちょい丁寧にクリーニングしてみましょう。

さて、次週、その次もは久々の長めの海外遠征でスキップ、4月1日の日曜晩にその成果をお披露目すすることと致しましょう、乞うご期待!!
  1. 2018/03/18(日) 23:16:21|
  2. Mマウント改造レンズ
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  4. | コメント:2
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コメント

エクターということで興味を持ちましたが、肌再現に特徴がありますね。7枚目などはJoel MeyerowitzのRedheadsという写真集の表紙とソックリです。写真集のアメリカ人カメラマンも、恐らくコダック製のレンズのような気がします。ちなみに写真集は8ⅹ10カメラですが、ライカ判にしてこの肌描写とは面白いです。

日本でいえばヘキサ―50㎜f3.5あたりの赤っぽい描写に似ているのでしょうか…。

それにしても、たぶんテッサ―タイプ程度のレンズ構成が穏和な描写を魅せているのだと思えますが、さすがに昨今のデジ時代では派手な描写が好まれるのか、テッサ―タイプはなかなか新品復活も難しいようですね。
  1. 2018/04/02(月) 00:39:19 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さま
コメント有難うございます。
一口にエクターといっても、オーピック型から逆テッサー型、或いはトリプレット型等々色々バリエーションもあり、また1945年を境に硝材も別物になっているようなので、寧ろ、同時期のヲーレンザックの構成、焦点距離の近いものと比べた方が相似性があるかも知れないですね。
それから、重々ご承知の通り、”著名”写真家による芸術的写真集の類いはとんと興味がなく、寧ろ、印象派の絵画や歌川派の浮世絵、或いは18世紀以前の色絵陶磁器の構図を作画の参考にしているので、それでも何らかの写真集の画と似ているなら大いなる偶然、或る意味、写真や絵画に於ける人間の美意識なんてもんは人種、世代などに関わりなく、案外数値化出来るようなものかも知れませんね。
  1. 2018/04/02(月) 23:03:42 |
  2. URL |
  3. Charley944 #yjwl.vYI
  4. [ 編集]

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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