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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

猴子也從樹上落下~Fukagawa Experimental Optic 41mmf1.9~

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さて、今週のご紹介は予告通りに久々の工房製オリヂナル標準レンズ九号機のご紹介を致したいと思います。
実は、水曜夕方から加工を始め、殆ど完成に近かったテッサータイプのレンズがRF用にはフランヂバックが長すぎることが判り、貴重なCanon5cmf1.8のヘリコイド&マウントユニットを使うのにはもったいないと考えたため、金曜日の夜8時の時点で方針変更、今まで仮組して放ったらかしにしてあったWガウスタイプのレンズヘッドを、急遽、、バックフォーカスを合わせるべく最後端のエレメントに手元の凸レンズを幾つか試し、どんぴしゃで28mm付近に来たものをスペーサを介してヘリコイド&マウントユニットに固定したもので、先の8号機のような綿密な収差計測や調整など行わず、出たとこ勝負で翌土曜日に潮来あやめ祭りに試写に出てしまったもの。
このレンズ、L1とL6はマルチコートの別の機種のレンズを使っていますが、L2+3の二群、L4+5の三群はキャノン5cmf1.8のものをそのまま使っております。
さぁ、どんな大暴れレンズに変身したか、当日の実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはX-Pro2、全コマ開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、木場の駅を9時57分発の東西線で西船橋経由、潮来駅に着いたのが12時半前、二時間半近くの長旅ではありましたが、駅前の「長崎屋食堂」さんで絶品のづけ鮪丼定食700円(税込)を戴き、しかるのち、駅至近の前川あやめ園に入ったのが午後1時前、さっそく、園入り口付近でいたいけな極小姐相手に愛敬を振りまいていた「あやめちゃん」のお姿を一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、「あやめちゃん」の淡色系のボディを撮った際、かなりフレアというかハロっぽい特性であることが判っていたので、では薄紫色の被写体に陽が射している状態ではどうか?ということで、園内のあやめ畑で手っ取り早く撮れそうな孤立花を探して最短距離で撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、ここあやめ祭りに来たら、絶対に忘れてはいけないのが、ミスあやめ娘の小姐達の撮影で、まさに手ぐすね引いて待っているというか、誰も声をかけて上げないと、お茶挽き状態になってしまうのが一目瞭然とばかり、「潮来」の白い暖簾前に勢揃いしていたので、お久しぶりですね、まずは一枚お願いします、とか適当に愛想を振りまいて撮らせて貰ったもの。

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四枚目のカットですが、モデルさんになってくれるミスあやめ娘の小姐のOGということはないでしょうが、ちょうど、彼女達のオモニくらいの年齢の大姐というかアヂュモニ達が、お揃いの、粋でいないなせな白い浴衣みたいな着物に身を包んで、一糸乱れず、あやめ畑の中の小径で創作舞踊みたいな踊りを舞っていたので、遠目に1枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、ここ潮来市は、上州笠懸郡三日月村(現群馬県太田市薮塚)の木枯らし紋次郎、遠州森町(現静岡県周智郡森町)の森の石松と並ぶ大衆時代劇三大スターの一角、潮来の伊太郎の出身地として世界に名高い場所であることから、顕彰碑とともにあやめ園の中心にその銅像が建てられているので、表敬の意味も含め、下から1枚戴いてみたもの。

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六枚目のカットですが、ここ潮来のあやめ祭りでは土日の11時と14時、そして夕方は19時に嫁入り舟といという、潮来の伊太郎と並んで世界に冠たるフォークロアを題材とした、実際に挙式予定のカポーにご出演頂き、あやめ園の中を静々と花嫁行列が進んで、しかるのち、手漕ぎの櫓舟で花婿の待つ、北利根川の埠埠頭まで漕ぎ出すというイベントが用意されているのですが、まだ開始までには時間があったため、船着き場に係留されていた嫁入り舟を撮ろうとしたところ、ちょうど頃合い良く、娘船頭ならぬ爺さま船頭の漕ぐ櫓舟が漕ぎ出したので、通り過ぎる瞬間を見計らっての渾身の一発。

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七枚目のカットですが、嫁入り舟越しに爺さま船頭の漕ぐ船を見送ったら、次いで正真正銘の娘船頭さんの漕ぐ櫓舟がやって来たので、望遠を付けたEOS50Dをカバンに入れて来なかったことを一瞬悔やみながら、それでも何とかその雄姿というか可憐なお仕事ぶりを残すべく、この使いずらいレンズで何とか追い縋ってモノにした一枚。

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八枚目のカットですが、この神経質というか破天荒なキャラの大暴れレンズの使い方もだいぶ判ってきたので、とにかく、直射日光下では撮らない、高反射率のものは画面中央からは避けるという二点を守って撮るべく、背景開けている位置に咲く二輪の薄紫と薄青の花を見つけたので、さっそく、実験とばかり中央に配置し、最短距離で撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、では、画面中央でない位置に比較的明度の高い黄色い花を入れて、更に背景の大きめの構造物を入れて撮ってみたらどうなるかと考え、園内を徘徊しながら、橋の南側に咲く、黄色いあやめの株を見つけたので、太鼓橋を背景に構図を取っていたら、たまたま日傘の貴婦人ならぬローカルアヂュモニ二人組が通りがかったので、印象派の絵画みたいになるかな、と思い試してみたもの。

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十枚目のカットですが、このレンズ、コントラストも低く、彩度も低いダメダメレンズであることは間違いないののですが、それでも、非点収差の発現の仕方がなかなかツボを得ており、特にこういう花が群生する場所で、至近距離の被写体を撮ると、あたかも野分のさなか、一輪咲く花のように、というか、モーゼの十戒の海が割れるシーンの如きダイナミック感を表現してくれることが判ったので、構図を工夫して撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、ぐるぐるがなかなか面白く撮れるので、ついつい、禁断のそっち方面にはまってしまいそうになって、駄目だ駄目だ、自分の目指す写真は、その道具たるレンズはこういう路線じゃない、とか自自分に言い訳しつつ、目の前のきれいなお花畑が不肖のレンズを通すと、全く別の世界にトランスフォームししてしまうのが面白くてついつい撮ってしまったもの。

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十二枚目のカットですが、似たり寄ったりの花達ばかり撮るのも、せっかく、電車乗り継いで二時間半近くかけて茨城の沿岸くんだりまでやって来た意味がないので、ミスあやめ娘の"セット販売"ではなく、バラ売り状態の個別撮影会なんか出来ないものかとか不純な考えを巡らせながらお花畑を徘徊していたら、何と、あやめ娘小隊とは別動隊の藍染法被の小姐が笑顔で歩いてきたので、かくかくしかじかと事情を説明し、モデルさんになって貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、撮ったカットを藍染法被の小姐に見て貰い、お世辞でもすっご~ぃ!とか感動して貰ったかのお言葉を頂戴し、ついつい図に乗って、もしかしたら、このレンズは画期的な発明品なのかも知れないとか思い込み、ちょうど太鼓橋の真下の日陰で咲いていた一輪の薄紫のあやめの株を見つけたので、ままたしても最短距離で一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、反射率の高いものに対しては、物凄いハロで、X-Pro2の背面モニタでは日中、細部を確認することは出来ませんでしたが、ただ、先の日陰のあやめを最短で撮ってみた時、解像力はそれなりにあることは判ったので、では、反射率のそこそこ低い、或る程度の距離のオブヂェはどうかと思い、園内に設置されている足踏み水車を5m程度の位置で撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、そういや、スマホンでは何枚か撮ったものの、このレンズで以て、あやめ園の全景を撮っていなかったなぁと気付き、急遽、太鼓橋の上に駆け上り、嫁入り舟を上から望遠で狙おうと不埒にも大型三脚なんか据え付け始めたカメ爺、カメ婆の間隙を縫って、園内の北の方角に向かって全景を撮ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、そろそろ、嫁入り舟の撮影ポジション取りで園内のカメ爺、カメ婆がざわめき出す頃ではありましたが、そこはそれ、もう10年近く、毎年通っていますので、あやめ畑の中の行列撮影のベストポジションから、舟に乗り込んだ一行を捉えるインターセプトポイントまで熟知してますから、ギリギリまで園内で撮り歩けるワケで、まだ太鼓橋の上で、娘船頭さんの漕ぎ出す様子を余裕こいて一枚撮ってみたもの。

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十七枚目のカットですが、そろそろいつものあやめ畑傍らの定位置に向かおうかと思った矢先、いたいけな女子高生と思しき小姐が菅傘なんか被って、文字通りミドシップに搭載された状態でやってくる舟が目に入ったので、これを待って、上から一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、うーん、やっぱり時間かけてきっちり収差測定して組まないと、使い易いレンズは生まれませぬ・・・とにかく、コントラストも彩度も高い、シャープなレンズが好みなので、そういった意味では今回のレンズは拙速に組み上げたため、失敗作でしかありませぬ。ただ、この非点収差の出方はそのままで、フレアを抑え、コントラストが上げられれば、使い易くて面白いレンズが出来そうな気もしますので、今後の研究課題としましょう。

さて、次回は潮来あやめ祭りの嫁入り舟撮影用に持っていった望遠と佐原の街並み撮影用に持っていった超広角の何れもカールツァイスの製品につき、その競演をお送り致しましょう、乞うご期待!!
  1. 2018/06/10(日) 17:24:26|
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charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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