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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

ニッコール50mmf1.4ライトウェイト

tanack.jpg
このレンズをぱっと見て、アレ、なんか変!?と気付いたアナタはもうビョーキ・・・
そうこのレンズは当工房にて、元々、ニコンSマウントだったニッコール50mmf1.4のハウジング&マウント目当てに追剥ぎしたのを気の毒に思い、改造用に腐るほど買ってある、キャノンのL50mmf1.8のマウント&ヘリコイドに移植したものです。
このゾナー型のレンズは、シャープ、カリカリといったニッコールの評判とは裏腹に、開放ではちょいとフレアぽくしっとり写り、フォクトレンダーの旧ノクトンみたいな画を描き出します。
nikonS.jpg
これが、Sニッコール改L39ライトウェイトの作例です。
場所は家の近所の運河にいつも繋留してある乗合遊漁船で、丸の内方面に向かってシャッターを切っています。
時刻はもう4時半を軽く過ぎてまして、日が傾きかけてきていました。

このレンズは典型的なゾナータイプ(ツァイスからはコピーだの何だのと相当イチャモン付けられたらしいですが・・・)で、F2ニッコールのシャープでコントラストな写りからすれば、もっときりっと写っても良いものですが、何故か、オリジナルノクトンとか、或いは大口径友達?のキャノン35mmf1.5みたいに開放ではフレアッぽくソフトに写ります。
かといってボケが汚いワケでもなく、ゾナーらしく、素直にとろけるようにボケています。

こういう遠距離の撮影は被写界深度が稼げるので良いのですが、最短距離で静物やポートレイトを開放で撮る時は、結構苦労します。
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テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2008/01/09(水) 00:26:14|
  2. その他Lマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<オリジナルノクトンと深川ノクトン | ホーム | ELニッコール改50mmf2.8S>>

コメント

立ち上げおめでとうございます。
さっそくおじゃまいたしました。
やはり、物凄い方だったのですね。今まで存じ上げず失礼しました。

仕上げが格好よく美しいですね。
こだわりを感じます。
また、レンズのコメントを読ませていただくと、どれもこれも欲しくなってしまいのが困ります。
"現時点では"とありますので、近い将来に期待しています!
  1. 2008/01/09(水) 01:03:09 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #-
  4. [ 編集]

中将姫光学さん
早速のお越し有難うございます。
過分のお褒めを戴き、身に余る光栄です。
まだまだ拡充中で、製品?を一通りお披露目してから、作例の掲載を始めようと考えています。
貴サイトの充実ぶりにはまだまだ及びませんが、時間をかけてもじっくりと完成度を上げていく所存ですので、今後もご指導、ご鞭撻宜しくお願い致します。
  1. 2008/01/09(水) 09:27:58 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

作例ありがとうございます。
美しいですね。確かにニッコール1.4とは思えない異質の美しさです。
後ボケのハイライトばかりか、ピントの合っている部分も滲んでいるように見えます。
いえ、ゴーストの影響でしょうか。
元来がシャープなレンズだからこそ条件次第で垣間見せる、優しさ、懐かしさなのでしょう。

開放で情感に訴えるような、切ない写りを見せるレンズというものがオールドレンズの中には存在するような気がしていますが、これもその1本と思いました。
こういうのを見てしまうともうダメです。
自分のニッコールがどうなのか確認せずにはいられません。
  1. 2008/02/20(水) 19:58:40 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #-
  4. [ 編集]

中将姫光学さん
過分のお褒め有難うございます。
自分で言うのもなんですが、なかなか、ムーディなレンズですけれど、使うのが結構難しくて・・・これは正確無比なLマウント化していますから、速写にも、かなりの精密な合焦にも向いていますが、何せちょっとでも画面にハイライトが入ると、開放では構図お構いなしにフレアッぽくなってしまい、使えるシーンが限定されてしまいます。
こんな写りのレンズで会社のパンフ写真なんか撮ったら、広報部門からクレーム出ること必至です(笑)
因みに同時に並行テストとして、同じくRD-1Sで以って、或る方からのご依頼のキネプラナー32mmT2.3のMマウント化したもので同じカットを撮りましたが、こちらは、色ヌケ、シャープネスとも目を覚ますような写りで、まどろみを誘うようなこのレンズと同じ場所を撮ったようには見えませんでしたね。
  1. 2008/02/21(木) 00:30:20 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2020/03/08(日) 19:16:33 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

なお、カメラのデータが書いてなかったので調べてみましたが、R-D1sで撮ったものでした。
以上、補足迄。
  1. 2020/03/08(日) 23:41:15 |
  2. URL |
  3. charley944 #zdvXpt9s
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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