さて、お待たせ致しましたが、今年最後の海外撮影ツアー、上海での3泊4日の旅の後編、滞在三日目の「朱家角」、「田子坊」の様子をお送りしたいと思います。
まずは恒例の行程紹介ですが、滞在三日目の朝はまず虹橋経由、「朱家角」に行くこととし、それから「田子坊」へと地下鉄を使って回ることとしました。これまで上海を訪れるごとに最低一か所は水郷古陳を訪問し、出張で来た際の休日に現地商社のスタッフに連れて来て貰った「周荘」を皮切りに「西塘」、「七宝」と周り、ここ「朱家角」が最後に残っていたのですが、つい最近、地下鉄が開通したため、今回jは日本出発前から訪問を計画していて、訪問することとなったもの。
また「田子坊」は名前がコミカルなこともあるのですが、そもそも工房主は上海のコロニアル様式の街並みに興味あるので、よく地下鉄を交通大学駅で降り、淮海中路を東に向かって歩き、「新天地」、「上海老街」経由、「豫園」そして「外灘」というルートを、或る時はぶっ通しで、また或る時は部分的に地下鉄併用で歩き、ところどころ、大きな通りに入り口を開けている「老房子」という低所得者層向けの古い住宅街に入り込んで、租界時代の石造りの建物がそのまま残っているのを今の住民の暮らしぶりそのままで撮るのが好きなのですが、よく行く「新天地」はゼロからの老房子再現、そして「田子坊」は昔からの石造りの建物が建ち並ぶ老房子の街の一帯をそのまま活かしてリノベしたということで、ここも渡航前から訪問しようと決めていたところだったのです。
では、さっそく当日の行程に沿って実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはVoigtlaender Ultron35mmf1.7asph.による全コマ開放、絞り優先AE撮影となります。

まず一枚目のカットですが、朱家角の古鎮は上海市内中心部からは確かに最寄りの駅までは虹橋乗り換えで地下鉄で行けるのですが、虹橋から17号線に乗り換えて、小一時間かけて朱家角の駅に着くと、また古鎮の入り口までは徒歩で20~25分くらいかかるとのことで、その行程も楽しみの一部とポジティブに捉え、道案内の看板は適当に流し、見当付けた方角に歩いていくことにしたのですが、駅を降りてすぐの運河か小川か分からなくなっている水面を眺めて、ヲッサンが独り水辺でボォッと生きていたので、叱るでなく、その哀愁に満ちた後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

二枚目のカットですが、運河みたいな小川みたいな水路の途中で東に曲がり、古鎮の方向を目指して先ほどの鄙びた風景とは一転して、宿の在る上海の下町とそれほど変わらない雰囲気の商店街みたいな街中を歩いていたら、いたいけな極小姐二名が、カッコ良くスケボー乗るでなく、二人で前後に背中合わせで座って乗っかり、おしゃべりしながら押したり、押されたりして遊んでいたので、傍らのオモニに声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

三枚目のカットですが、看板に従い、商店街を北に曲がると、前方にやっとそれらしい造りの石の橋が見えてきて、さっそく、その上に登ってみたら、水路沿いの古鎮の街並み、しかも商店や食堂などが軒を並べる中心部からは外れた、生活ゾーンのような質素なエリアが見えてきたので、嬉しくなって、橋の中央から一枚撮ってみたもの。

四枚目のカットですが、橋を商店街とは反対側に渡り、水路に面した家の裏の細い石畳の通りに降り、先の蘇州の山塘街の経験を活かし、まずは、繁華街と思われるエリアとは反対側を目指して歩きながら撮っていたら、路地にネコが座っていたのを見つけ、そっと近寄って撮ろうとしたら、この猫、前世は犬だったのか、目が合うとニャーォとか鳴きながら近寄って来たので、適当なところで腰を下したところで一枚撮ってみたもの。

五枚目のカットですが、先ほどの橋を起点に繁華街とは反対方向に家の裏の通路を歩くこと15分程度で、住民の生活ゾーンのどん詰まりが見えてきましたが、その二つ手前に比較的大きな橋があったので、そこに登って、背後に林が控えた水辺の街を水面に映る空と雲を入れて撮ってみたもの。

六枚目のカットですが、古鎮の西端、住民の生活ゾーンのどん詰まりまで到達したので、折り返すこととし、今度は東に向かって、水路とそれに面して建っている家の裏の道を歩いていたら、商業ゾーンがそろそろ始まるか、といった趣きの家並みの辺りで、民宿みたいな家の前のベンチで白人の中年バックパッカーみたいな小姐がお茶しながら一心不乱にスマホンいじってたので、そのミスマッチが面白く、カメラ向けたら、何を勘違いしたのか、記念撮影途上だったヂモティみたいな小姐がおもむろにこちらに向き直り笑顔なんか見せてくれたので、有難く出演願ったもの。

七枚目のカットですが、基本的にここ「朱家角」でもどこの水郷古鎮でも全く同じなのですが、古鎮の中心部の目抜き通りといった一部を除き、家が船着き場を備えている構造上、通路が家より内陸にあって、従って、普通歩いている時は水面は見えない造りになってるのですが、それでも橋以外にも共同洗濯場や船着き場などで家々の街並みが途切れて水路に出られるところがあり、中心部へ向かう途上、ちょっとした広場と高い石造りの橋が在ったので、上に登って、家の建ち並ぶ水路を行く観光船を撮ってみたもの。

八枚目のカットですが、中心部にやっと入ると、先ほどの質素な生活ゾーンと同じ名の街とは思えないような、先日の杭州の「清河坊」、或いは市内の「豫園商場」もかくやあらんばかりの色とりどりの物販店やら大勢の人通り、その中で宋の時代以前の衣装を着せて、著名な橋をバックに記念撮影をしてくれるお店があって、面白そうなので、暫し立ち止まって眺めていたら、ちょうど中学生くらいの小姐が衣装に着替えて出て来て、これから記念撮影するようだったので、カメラマンに頼んで混ぜて貰ったもの。

九枚目のカットですが、商業ゾーンの果て、古鎮の東端まで歩き通し、東洋のヴェネチアと呼ばれるこの街の、「リカルド橋」に相当する著名大型橋「放生橋」の辺りを過ぎたら、周りは新しい造りの店舗ばかりになってきたので、そろそろ引き返すことにして、また元来た道を歩き出したら、水路に面した家の奥の通路に入った辺りで、如何にも人柄の良さそうな若いヲヤヂさんが物販店で買い物をしているオモニをいたいけな童子とともに待っていたので、声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

十枚目のカットですが、また朱家角の駅まで歩いて戻って、そこから小一時間かけて、虹橋駅まで移動、次なる目的地「田子坊」を目指したのですが、最寄りの地下鉄駅から地上に出てびっくり、表通りに面したガラスショーケースを備えた一般的な低層商業ビルみたいなのが建ち並んだ一角にぽっかりと黒い出入り口が口を開けていて、そこからひっきりなしに若い人々が出入りしていたので、直感的にそこが「田子坊」エリアの入り口と思い、入ってみたらすぐに、コスプレして自撮りしていたメガネの小姐が居たので、声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

十一枚目のカットですが、おそらくは原宿に匹敵する人の出だと思いましたが、どの通路も若い地元民、そして、結構な数の白人観光客で溢れていて、またそれらに対し、道まで出て来て勧誘を行う物販店等の店員が居るので、活気には満ち溢れているのですが、写真撮るには被写体までの距離が撮りづらく、先ほどのメガネ小姐以降はなかなか声掛けて撮らせて貰うシチュエーションに恵まれなかったのですが、或る曲がり角でいたいけな童子達のはしゃぐ声が聞こえてきたので、足を踏み入れてみれば、串に刺した杏雨みたいなのを売っている、あまり流行っていなそうな店頭で、童子達が若いヲヤヂさんと遊んでいたので声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

十二枚目のカットですが、なかなか微笑ましい写真が撮れたのに気を良くして、親子に心からのお礼を述べて、また新たな路地探検の旅へと歩き出したら、隣でも同じようなもの売ってて、そこにはヂモティと思しき、地味なカッコの小姐二名がテーブルについて、買ったものを食べるぢゃなし、スマホン見ながらダベってるご様子だったので、背後から一枚戴いてみたもの。

十三枚目のカットですが、屋根のため、昼なお暗い迷路のような通路が縦横無尽に走るここ田子坊ですが、中には屋根のない、オープンエリアの通路も有り、店先のデスプレイも照明もユニークなお店が建ち並んでいたので、通行人を入れて、その佇まいでも撮ろうかいなと思ったところ、いたいけな極小姐連れの白人一家が折良く通りがかったので、一枚戴いてみたもの。

十四枚目のカットですが、東のどん詰まりみたいな店舗の壁面がなかなか面白げな造作となっていて、その前で記念撮影なんかしていた、ヂモティの小姐二名組が居たので、声掛けて、二人まとめていっぺんに撮って上げるからとの条件で、デジ一で撮って上げた代わりにモデルさんになって貰ったもの。

十五枚目のカットですが、まだ陽暮れには時間があったのでオープンエアの通路で自然光下で撮れるだけ撮ろうと思い、比較的広い通りを見つけたので、そこで赤提灯の下を行き交う人々の様子をテーブルで食事を摂ってる人物越しに撮ってみたもの。

十六枚目のカットですが、一見どん詰まりに見えて、その実、クランク状、或いは稲妻状に曲がって、奥へと続いている細い通路があちこちに有るのですがその中へといたいけな若いヂモティのカポーが仲睦まじく歩いて行ったので、その後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

十六枚目のカットですが、そろそろ陽も暮れて、晩飯時間も近くなってきたので、屋根の有る通路での人工光下でも撮っておこうと思い、建物の密集する路地裏のようなエリアに足を踏み入れてみたら、オーガニックの石鹸やらローションやらを商うお店の店頭に造り物のフラミンゴを据え付けた池状のオブジェが置いてあって、そこでいたいけな極小姐二名組の写真なんか撮っていた若いオモニが居たので、声掛けて撮らせて貰ったもの。
今回の感想ですが、うーん、やはり上海は面白い、料理が旨いことはさておいても、人々は素朴でオープンで、時としてお節介で・・・街はと云えばひと月単位ででも表情を変えますし。
出来れば年に2~3回は通いたいものだと思いました。
さて次回は、久々の工房新作改造レンズのご紹介、乞うご期待!!
- 関連記事
-
- 2019/12/01(日) 19:40:33|
- 旅写真
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
こんばんは。
程好いボケが良くわかる猫の写真好きです。
色もぺとっとして嫌みない良いレンズですね!
骨董屋でズミタール丸絞りを5千円でGETしました!
絞りが固く清掃グリスアップが必要ですが
あとは極美品です。
ずっと欲しかったのでラッキーでした!
- 2019/12/02(月) 01:14:00 |
- URL |
- けふお #-
- [ 編集]
けふおさま
こんばんは。
奉公先の展示会対応x2やらで忙殺されていて、亀レス申し訳ございませんでした。
ご感想有難うございます。
そうですね、コシナの新ラインアップ、具体的にはツアイスのOEM製造始めて以降の製品には鏡胴の仕上げから描写のクオリテに至るまで、目を見張るものがあると思います。
それから、ズミターの出物ゲッチュ、おめでとうございます。
それにしても、佳きオーナーに恵まれたものです。
私が5000円で買い求めたら、まずヘリコイドだけ改造パーツに使って、光学系はまず一生、陽の目を見なくなったでしょうから(笑)
- 2019/12/04(水) 22:35:15 |
- URL |
- charley944 #zdvXpt9s
- [ 編集]