
さて、一週お休みを戴いての今週、今年最後の更新となりますが、予告通り、ハラショーな工房作品をご紹介したいと思います。
モノはご覧の通り、一見、オリヂナルのノンライツ沈胴レンズのようにも見えますが、さにあらず、海外から曳いてきたプロヂェクター用の焦点距離5cmのペツバールタイプのレンズをスペ-サーを兼ねる固定金物を介して、インダスタ22のヘリコイド兼マウント部品に全周スクリュ-留めしているのです。
このレンズヘッドは一号機とは微妙に異なっていて、一群の玉から二群までの間のシャフトがくびれる位置がだいぶ前の方で、反対にくびれた部位は一号機よりもだいぶ太く、ヘリコイドの中に隠れてしまっている二段目のくびれ部以降でも一号機とは同じくらいか、まだ少し太いくらいで、一号機同様、インダスタのヘリコイドに無改造で全周ネジ留めする設計にしていたので、金物の政策には結構苦労しました。
肝心の資料がネットの何処を見回しても見当たらないので推察しかないですが、この玉はおそらく1950年から60年にかけてのプロジェクタ用として何処かの機器に組み込まれて売られていたのではないかと思います。それが、液晶式になって、スライドを投射するタイプは絶滅危惧種となってしまい、機器は廃棄され、レンズのみ市中に彷徨い出たのではないかと。
ではさっそく実写結果を逐次眺めて参りましょう。ロケは11月の築地周辺、カメラはLeica M(Typo240)による全コマ開放AE撮影となります。

まず一枚目のカットですが、今回も出発がお昼過ぎになったので、まずは腹ごしらえをしてからの撮影とすべく、波除神社近所の穴子の名店「つきじ芳野吉弥」さんで、税込み3000円近くするゴーヂァスな穴子のばかし合い重定食を戴き、旧市場と場外を分かつ、場外西側の大きな道路を通って、東西を走る小路で撮影しようと歩き出し、曲がってすぐのところで、かつて近大マグロを売り物にしていた海鮮料理の軒先に精巧な模型が吊るされていたので、向こうから人がくるタイミングを見計らって一枚撮ってみたもの。

二枚目のカットですが、そのマグロの精巧な模型を軒先に吊るした黒い壁の海鮮料理屋のお隣はアウトレットみたいな瀬戸物屋さんが、いつも、土産物なのか、自分用の普段遣い用なのか判りませんが外国人が鬼気迫る様子で物色しているので、通りざまにその様子を一枚戴いてみたもの。

三枚目のカットですが、同じく場外市場西側の通りの中ほどに国産のいわゆるブランド豆類だけを商うお店があり、豆類専門店という渋いカテゴリーながら、そこそこ賑わっていて、なかなか写真を撮れるようなクリアランスが取れなかったのですが、ふとお客が途切れた合間を見計らって、最寄りの店員さんに声掛けて、暗い店内をバックに浮かび上がるような雰囲気の豆の木札を撮ってみたもの。

四枚目のカットですが、南北を走る場外市場西の大きな通りからまずは北から二本目の南北通路に入ることとし、曲がってすぐのところに店を広げている刃物屋さんの店先に、何と包丁の口金に使うニッケル/銅合金の薄板を曲げて作った屋号の3Dオブヂェが置かれていたのが目に留まったので、傍らのスキンヘッドの店員さんに一緒に撮らせてと頼んだら、あ、逆光になるっすからやめとけば、とギャグで断られ、オブヂェだけの出演となったもの。

五枚目のカットですが、刃物屋さんを後にして、観光客と買い物客でごった返す東西通路を東の彼方に見える築地本願寺方向に進んでいたら、パリのオープンカフェならぬ築地場外の屋外食堂で、デンマークからという眉目麗しいブロンズヘアの小姐がかなりガッツリオシャレに食事していたので、声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

六枚目のカットですが、この東西通路もそろそろ晴海通りが見えてきて、一本北の東西通路に移ろうかという頃合いになってきたので、一番東側の狭い南北連絡通路まで来たとき、ここから入って行こうかなと向き直ったら、薄暗い通路に所狭しと建ち並んだお店が結構な繁盛ぶりだったので、その様子を一枚撮ってみたもの

七枚目のカットですが、場外市場内で一番北の東西連絡通路をさっきとは反対に西方向に歩き出してすぐ、「ハィ、ライカにズマールつけてスナップとはイイ趣味してるぢゃないか」とかα7RIIIにミランダのレンズなんかはめたアメリカ人カポーのヒゲヲヤヂが声掛けてきたので、ズマールぢゃねぇよwwwとか云って、暫し路上カメラ談義に花が咲き、どんな写りか経験したいので、撮って送ってくれ、と頼まれ、一枚撮って上げたもの。

八枚目のカットですが、ヒゲヲヤヂ達と別れてすぐ、なんと肝の据わったことか、この混み合った場外市場の通路のど真ん中で交代ばんこに記念撮影などを敢行している南アフリカとドイツからという小姐二名組が居たので、見るに見かねて声をかけ、シャッター押して上げた代わりに、画を送る約束でモデルさんになって貰ったもの。

九枚目のカットですが、一番北の東西通路もほどなく歩きとおし、あっという間にまた元の西端の南北道路に出てしまったので、この辺りで何枚か撮ってから北から三本目の東西通路に出てみようかなと思って歩き出してすぐ、中国産小姐が旨そうにツアーご一行さまとソフトクリームなんか堪能されていたので、通り過ぎさまに一枚戴いてみたもの。

十枚目のカットですが、北から三本目の東西通路に入って10mも行かない辺りに乾物屋さんがあって、いつも剥製だか干物だか判らないような、もはや食品というカテゴリーを超越し、民芸品の域に達してしまったかの如き、かつては鮭だったと思しきオブヂェが吊るされていたので、ヒマそうに歓談中の店番のおかみさんに声掛けて人混みをバックに一枚撮らせて貰ったもの。

十一枚目のカットですが、その東西通路にも屋台風というか、観光客の立食い向けに海産物を商うお店があちこちに在って、そのひとつ、通路に建ち並ぶ店舗の間の南北を貫いた細い屋根付き路地みたいなところにちょっと入り込んだところに在るうに専門店で、中国からの観光客が物珍し気に買い食いなんかしていたので、その様子を一枚撮ってみたもの。

十二枚目のカットですが、同じくこの東西通路上にはシーフード系だけではなく、加工品を中心に肉系の店頭販売もやっていて、確か自家製ソーセージだかを店頭のグリルで炙り、道行く人々に商っているところがあって、生ビールを近所で売ってるスタンドもあることから、若い人たち中心に賑わっていたので、その様子を後ろから一枚戴いてみたもの。

十三枚目のカットですが、同じ東西通路を東に向かって歩いていたら、後ろから何か話しながら、男性をお付きの方のように従えてやってくるちょっと見、清水ミチコ似の中国人女性の姿が目に留まったので、ちょっと先の道の端、商店の廂の下から、通り掛かるのを待ってそのプチ楊貴妃ぶりを一枚戴いてみたもの。

十四枚目のカットですが、さてそろそろ築地本願寺方面へ戻って、茅場町まで歩いて、東西線で深川のおうちにでも帰ろうかなとか思い、また元来た道を辿りかけたら、色は黒いがなかなか愛想の良い小姐が声を涸らして、新鮮なインドマグロの切り身の店頭販売なんかやっていたので、お客がはけた瞬間を狙い、宣伝して上げるからモデルになって!と頼み、二つ返事で撮らせて貰ったもの。

十五枚目のカットですが、これも一番東の南北通路を歩いていたら、北のどん詰まり辺りの、この前燃え尽きたラーメン屋遺跡辺りに出来た物販・飲食ブースで、店員さんが中国人とみるや、唐突に値切りモード、爆買いモードを同時発動して真剣勝負のショッピンを楽しんでいた台湾人大姐の様子を一枚撮ってみたもの。
今回の感想ですが、うーん、なんというか、ラッキーとしか言いようがない!二本買ったペツバールタイプのプロジェクションレンズの実焦点距離が二本とも51.2±0.3の範囲だったとは・・・おかげで何の苦労もなく、ライカMで実用んに耐える距離計連動仕様が出来るとは。
現在、三号機用のレンズヘッドを成約し、配達待ち、届いたらさっそく改造して、距離計連動しようにして、生活費稼ぎに売りに出そうかな(笑)
さて今年も最後までお付き合い戴き有難うございました。
来年は正月早々、10日から海外遠征しますので、更新は1/19の日曜日にお会い致しましょう、ではどちら様も佳いお年を!!
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- 2019/12/22(日) 17:11:05|
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けふおさま
有難うございます。
今年もご声援重ねて御礼申し上げます。
新年号はたぶん誰も見たことのないレンズの誰も見たことのない試写結果をご紹介出来ると思います。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
末筆ながら、健康に留意され、どうか佳き新年をお迎え下さい。
- 2019/12/30(月) 16:39:43 |
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- Charley944 #zdvXpt9s
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