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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Japan's authentic treasure with ancient maount fecing to extinction~W-Nikkor35mmf2.5S~

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さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、ストックしてあった、国産銘レンズ、しかも今やデヂタル化の波に乗り遅れ、絶滅危惧種となりつつあり、よほど希少価値の高いモデル以外は右肩下がりの値付けとなりつつある、ニコンSマウントの広角、W-Nikkor35mmf2.5の黒鏡胴モデルをお送りいたします。

実は、この個体、先に買い求め、中身をより新しい設計であるUW-Nikkor35mmf2.5に換装した銀鏡胴のものが、あまり外観が綺麗ではなく、持ち歩きにはちょっと・・・ということで、外装スワップと光学系もUW-Nikkor35mmf2.5も逆光時に緑のゴーストが映り込むマルチコートモデルの後期タイプではなく、青紫の前期型で程度の良い光学系を押さえていたので、そちらに換えて、S-Mアダプタで街撮り用のコンパクトな35mm玉としてM(TIPO240)での海外遠征用の交換レンズとして加工しようと買い求めたものでした。

しかしながら、黒鏡胴のもののオリヂナルの描写性能も見ておきたいという思いはあったので、新参者で、やっと計測機器扱いから、街撮り用のパートナーに昇格したα7RIIとコンビを組み、外出自粛で声かけ撮影などままならない状況下、歩き慣れた下町を撮ったらどうなるか、と試してみたものです。

では、さっそく当日の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。もちろん、例によって例の如く、全コマ開放により絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、泣き出しそうな天候ではありましたが、月島方面から佃、新川と巡って、門仲経由、木場の工房まで戻るコースを選定していたので、まずは月島迄の最短ルート、越中島から海洋大学前を通って月島へ抜ける道を歩いていて、いつも通勤時に傍らを通り、何となく江戸っぽい雰囲気を気に入っていた、調練橋付近の船溜まりの様子を一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、海洋大学の前の清澄通り交差点を南に向かうと、海洋大学越中時キャンパスの中に時代がかった煉瓦造りの建物二棟が見えますが、これが、国指定有形文化財の観測台の建物で、写真に写っている鉄薄板ドーム屋根の八角形の建物が第一観測台で1903年、おん歳117歳の歴史的建造物に敬意を表し、塀外から一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、本当は、優雅な明治丸の全景図を撮りたいところだったのですが、今だ、修復中の工事現場の囲いが残ったままで、至近距離では無粋な写真にしかならないので断念し、傍らを通り過ぎ、相生橋途上の中の島公園の高台から、公園の桜花の枝越しに付近の河岸に係留されている屋形船共々一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、明治丸とその周囲の写真を撮り終え、さて早々に橋を渡り切って、月島へ上陸しようかいなとか思いきや、頭上で、鳩の鳴く声がしたので、ふと目線を走らせてみれば、屋根の面材のない、垂木だけの構造体がなかなか面白い意匠で、しかもこれが今にも泣き出しそうな曇天の空に妙にマッチしていたので、情報提供者である鳩各位ともども一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、この時期、気温もそこそこ低かったため、月島に上陸してからもあちこちで、葉桜にはなりつつも、そこそこ花を残した樹をあちこちで見掛け、ここ、相生橋から程近い堤防伝いの道路の両脇に植えられた街路樹の桜並木も葉桜というには勿体ないくら盛大に花を残していてくれて、花のトンネルで通る者のを歓迎しているかのような雰囲気だったため、足を止めて一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、つい桜並木の見事さに道草を食ってしまいましたが、この日は、まず月島駅前のヨナタンというファミレスで食事をしてから周辺を撮って、佃大橋経由、湊、新川へ歩いていく予定だったので、メインストリートに戻り、お店を目指しましたが、その途中の猫の額ほどの児童公園真ん中に一点だけ置かれていたアシカだかオットセイの合掌型の遊具が面白かったので、足を止め、一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、月島の東西を貫くメインストリート沿いには、古くからの住人が住まれている町会があるのですが、そのところどころに道祖神ではないですが、街路樹の切れ目のようなところに、思い思いの縁起物のオブヂェをこれでもか!と並べて、通行人の目を愉しませてくれていたのを、今回、恥ずかしながら初めて気が付き、しゃがみ込んで一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、ここ月島の画的に面白いところは、下町のとても古めいた木造建築と遥か彼方に聳え立つ、都内屈指の高級タワーマンション群との対比ですが、それがニューヨークやバンコクのように、住民の階層を反映した対立があるわけでなく、香港のようなアジア的フュージョンで有機的に溶け合い、新住民も古来からの住民も分け隔てなく、円満な地域コミュニティを作り上げているとのことで、その象徴的な光景を一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、下町の中心部のチェーン店ファミレスで、望外の上出来な昼食を終え、再び元気を取り戻して向かったのが、佃島随一のフォトスポット、住吉神社裏の船溜まり、赤い橋越しに超モダンなタワーマンション群が一望出来る雁木造りの岸壁で、嬉しいことに年に一度しかない桜のシーズンに花見客の混雑とは無縁に花を入れた景色の写真を撮ることが出来たもの。

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十枚目のカットですが、桜がまだ存分の残っていた船溜まりの写真が撮れたことに大満足し、次いで向かったのが、まさに絶滅の危機に瀕している月島商店街、ここは通り自体も低いアーケードの下には昔ながらの駄菓子屋やら電器店、洋品店などが、よそ者目当てのもんじ焼屋の店舗の合間合間に程よく残っていて、特にスナップ撮影で嬉しいのはその商店街に直交する狭い通りがそのまま路地になっていて、二階の渡り廊下みたいなもの越しに聖路加のタワーが望めたりして面白いので、いつもの通り一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、ここ月島の商店街も普段の週末ともなれば、決して安くも旨くもない、もんじ焼目当てに、よそ者の老若男女が押し寄せ、地域住民各位のための生活道路も、徒党を組んで横一列に並び、あっちをうろうろ、こっちをきょろきょろと蛇行などして迷惑極まりない若者各位が跳梁跋扈するのですが、幸か不幸か新型コロナ騒動のため、人気はまばら、午後の書き入れ時のこの時間も、数分に一回、人が通るかどうか、という具合いだったのですが、レトロ交番を撮ろうと交差点に立ったその時、通り過ぎる、いたいけな親子が居たので、急遽、後ろ姿でエキストラ出演願ったもの。

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十二枚目のカットですが、佃島、月島も目ぼしい定点観測スポットは人もおらず、撮り尽してしまったので、早々に対岸の湊、新川エリアに移動することとし、雨風さえなければ絶景の眺めで、徒歩により渡るのがオススメの佃大橋を渡り、浅草方面を眺めてみれば、佃のタワーマンション群、真っ白いハープのような外観も優美な中央大橋、永代橋越しに、遥かスカイツリーも勢揃いで、安藤広重がこの景色を見たらどんな画を描くのだろうとか想像しながら新東都名物揃い踏みを撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、佃大橋から再び江戸の地に上陸し、茅場町方面へと歩いていくと、ここもやはり古くからの街並みがあちこちに残る下町であることには変わりなく、正体不明の木造建築が、大きな通りから一本入ったところに残っていて、驚くべきことに、今でもそこで人が暮らしている、という事実を目の当たりにするのですが、ここもそのうちのひとつ、謎のコロニアル風木造店舗兼住宅の姿を前から一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、佃大橋から新川に向かう途中、たぶん、湊との境界辺りではなかったかと思いますが、何と、関東大震災で崩れ落ちてしまった両国橋の鋼材の一部をそのまま再利用して建造したという、近代建築史、或いは我が国鉄鋼業の歴史に照らしても極めて貴重な近代産業遺産である、南高橋という橋でその歴史の重みに敬意を表し、道端の花をメインに据え、その佇まいを撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、雨も降りだしてきてしまったので、カバンに忍ばせてきた折り畳み傘をさして、家路へ就くこととし、たまに奉公先から気が向くと歩いて帰る時に通るルートである鍛冶橋通りに出て、一路、永代橋を目指してあるくと、新川からは目と鼻の先なので、ほどなく、都内の橋の王様である永代橋の雄姿が目に入り、帰り際にどうやったらこの威厳が撮れるものかな、と思案して撮った一枚。

今回の感想ですが、いやはや、人が居なくても、スナップはそれなりに何とかなりますな・・・ついつい安易に声掛けてそれに頼っちゃうと、構図とか、露出とか、それ以上に街の至る所に潜む蠱惑的なモチーフを見落としがちになってしまうので、この人の居ない時期に精一杯、腕を磨くことといたします。

さて次回は、加工途上のレンズと家の近所からちょい離れたエリアまで2時間近く散策して撮ってきた画を申し訳程度にアップします、ちょい乞うご期待!!
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  1. 2020/04/19(日) 22:17:28|
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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