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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Modification to make more chances to perform~Helios103 mod.M by F.G.W.G.~

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さて、今宵のご紹介ですが、ここんところ、奉公先が構造不況に加えて、新型コロナ影響によるボディブローがじんわりと効いてきてしまい、遂に従業員に対し、部分的リストラともいえる一時帰休という措置を適用するようになって、月に二回も金曜日は遊んで暮らさねばならず、在宅勤務が果てしなく続いている中、更にお休みが増えてしまうと、社会復帰のハードルは益々高くなってしまいがちではありますが、そこはそれ、何もしないでいるとなまはげがさらいに来る、という伝説もこれあり、工房に転がっている有り合わせのパーツでお手軽にスナップレンズでも出来ないかと思い、先のJupiter8M同様、Sマウント金物ドナーとして、ウクライナから段ボール箱買いした中にサービスなのか、或いは数合わせのためなのか、3~4本のHelios103が混じっており、有難く、その薄手の金物を再利用させて戴き、中身はジャンク箱の中で長年の間、省みられることもなく、ただただ転がっていたのですが、再改造のため、余剰となったCanonL50mmf1.4のそこそこ程度の良いヘリコイドユニットがあったため、F1.8のものでは内鏡胴のシャフト部が太すぎて入らないこのHelios103に陽の目が当たることになったもの。
工程としては、まず光学系の再調整から取り掛からねばならないので、汚れてはいたものの、目に見えるキズの無さそうな個体3本を選び、全部クリーニングの上、SONYα7RIIにS-M-NEXの二段重ね前提で、CXマウントの金物に装着し、コリメータを覗き、緑色のレクチルのコントラストで順位つけ、A,B,Cと振った個体のG1、G2、G3、G4の4群をそれぞれA1、A2、A3、A4と振って、最下位のものは目視してもG1の状態がクリーニングした後でもスカッとせず、G4も同様だったC個体はG2、G3のみ候補として、あとはひたすら、A1+A2+A3+B4、A1+A2+B3+B4、A1+B2+B3+B4・・・とA1をキーにヒマに任せて組み合わせてはコリメータで確認し、一番シャープと思われたA1+A2+B3+A4の組み合わせをコンプリーションとし、ライカマウントへの装着は、CanonL50mmf1.4の内側の真鍮製の金物の口に当たる部分の内径を少々切削し拡げ、しかるのち、Helios103の内鏡胴に設けられた全周スクリューと同じピッチのネジを切って、両者を合体させたのち、コリメータで無限を割り出し、位置固定のための真鍮製スペーサリングを削り出して、黒染めして間に挟む、という加工を行いました。
組み合わせの力仕事に加え、加工での若干手戻りは有りましたが、何とか、金曜日の午後一杯で完成出来ました。
話は前後しますが、このソ連製のHelios103は、Zeiss製Biotarのコピーと云われており、4群6枚のWガウスタイプですが、似たような構成であるはずのCanon50mmf1.4やRokkor50mmf2.0とは特に後群のエレメントの大きさと曲率が異なっていて、試写前からデジタルの相性はどうかなと思っていました。
ではさっそく、試写結果を逐次眺めて参りましょう。カメラはSONYα7RII海外専用モデル、全コマ絞り開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、今回の試写は金曜の宵の口にレンズが完成したため、翌土曜日に行うこととし、そうなると、時間的には、ランチの場所も十分考慮しなければならないので、木場、門仲界隈の外食でも、もちろん、スーパーマ調達の自宅飲食でも食べることが叶わないものになるので、何をおいても十割蕎麦、ということで、午後のアキバ繰り出し、さぁ出て来たはイイものの、被写体は有るのかな?とか腹一杯、旨い蕎麦を堪能してから広小路を歩き出したら、すぐに目が合った、チェコ産の小姐に声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

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二枚目のカットですが、駅の近傍であれば、そこそこイイ画が拾えるかも知れないと、広小路を挟んで、ちょうど、十割蕎麦屋と対角線の方向にある駅方面を目指して道路を横断し、しつこく声は掛けてはくるが、写真撮らせて、などとお願いしようものなら、手のひらを返したようにダメダメと拒絶モードに入るメイドさんの群れをやり過ごし、駅の近くまで来てみたら、若い兄ちゃんみたいなヲヤヂが金太郎さんみたいな極小姐の手をひいて所在無さげにお散歩してたので、後ろから一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、アキバの駅といえば、数年前から自動車進入禁止となって、歩道上にも大胆な広告のポールとかが屹立するようになっていて、その広告メインモチーフとして、道行く人々を脇役に入れて撮ってみたら面白いのでは、と閃いてこの場にやってきたのですが、なかなかマスクをした人間を画面に多く入れないように工夫して撮るのも難度高く、暫く待って、やっと撮れたもの。

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四枚目のカットですが、X-Pro系列で50mmクラスのレンズをテストするとなかなか撮れない被写体になってしまう、旧万世橋駅の煉瓦構造をモチーフにした商業施設エキュートを、フルサイズでこその縦位置で撮ってみたいと思い、橋の上から、訝しがる通行人各位を横目に何枚か撮ってみたうちの一番カンジの良かったもの。

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五枚目のカットですが、何枚か撮るうちに、このレンズも、同じソ連産のPO3-Mほどではないにせよ、なかなか逆光に強く、古いレンズには弁慶の泣き所ともいえるような、被写界への陽光の斜め入り込みにも古いゾナーやプロジェクタレンズでは有りがちなクレセント状の虹色のゴーストも殆ど発生せず、ややコントラストが落ちるかな・・・程度なので、海外ではよくやる、上から陽の射す狭い階段の図を撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、昭和通り沿い、東京メトロ日比谷線秋葉原駅の南の端の出口に面した、神田川にかかる和泉橋の上から、神田川の水面に浮かぶ、プチメガフロートである災害時の救援船の発着場越しに、万世橋方面の鉄道橋上で新幹線・山手線並走の決定的瞬間を一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、JR線の秋葉原駅の南側、ちょうど黄色い手榴弾が目印の、かつてはマニアにとっては鬼門の如き、中古カメラ屋の面したちょっとした広場があるのですが、この日は天気も、気温もまずまずだったため、新型コロナに対する自粛疲れのためか、ぼぉっと日向ぼっこなどしながらスマホンに目を落とす老若男女が居たので、黄色い花越しに一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、この駅南の広場には、黄色い手榴弾マークのお店の他にも、なかなか面白げな飲食店も軒を並べており、特に目を惹くのが、この赤提灯、かつてエスプリの効いたフランス映画の代名詞とも云われた1966年制作の「男と女」から引用したのでしょうか、ヲッサン達の牙城であるべき赤提灯にそんな不似合いな名前を付けたのが面白く、何とか狭いすき間に体を捻じ込んで、最短距離で撮影してみたもの。

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九枚目のカットですが、アキバもそろそろ飽きてきたので、神田、日本橋経由、撮りながら工房に戻ることとし、神田駅からほど近い、カメラのキタムラ日本橋本店に寄る途中、昔はこの近傍で試写する時は必ず撮らせて貰っていた、ペルシャ絨毯輸入会社入り口の砂岩製とおぼしき対の狛犬を横から撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、キタムラから日本橋駅へ歩いて向かう途中、地下通路の拡張のためなのか、歩道上に建設資材の保管用に臨時に設けられた囲いがところどころ在って、道行く人々への心尽くしの気遣いなのか、隔壁の長さ一杯に並べられたプランターには季節の花々が色とりどりに咲き誇っており、これが、日本橋の街の歴史と品位の象徴のようにも感じられ、川向うから来た工房主は敬意を表して、低姿勢から一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、日本橋駅の近くまで来ましたが、午後のテータイムの時間をすっ飛ばしていたことを思い出し、16時近くにはなっていましたが、丸善裏の八重洲通りに面した雑居ビル一階に位置する、某大手ファミレスの支店に寄って、お茶と簡単なスィーツでも戴いて帰ろうと思い、そのビルに入ろうとしたとき、酸性雨にやられて全体的に緑青の涙を流したかのような少女像が目に留まったので、最短距離で一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、やっと、香り高い熱い紅茶にありつき、人心地がついてから、ふと窓の外を眺めたら、通りの街路樹の木陰の下、最新型のガンメタの911が停まっていて、木漏れ日を磨き上げられたボディで照り返して、今は亡きCGの表紙みたいな雰囲気になっていたので、三杯目のハーブティーは諦め、早々に店を後にして、一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、翌日曜日も緊急事態宣言明けの週末でしかも天気はバリバリピーカンだったので、美味しいランチでもと思い、昨日のかき揚げ込み660円の十割蕎麦のランチで期せずして倹約した分を注ぎ込もう、ということでまた性懲りもなく、てくてくと森下くんだりまで歩いてきて、珠玉の深川飯を戴いた後、付近を散策した際、店舗兼住宅の前に洒落たオブジェがあったので一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、緊急事態宣言も明けたので、もしや☆と思い、大川の面した高台に設けられた、コペンハーゲンの人魚象とも肩を並べるがっかり名所、芭蕉翁の座像が撮れるかと思いきや、近くまで行ってみたのでしたが、やはり月末までは封鎖、仕方なく、下の河岸散歩道を通り過ぎていった婆ちゃんと孫娘の後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、萬年橋を渡り、清澄白河エリアに入って、目指すは、例の震災復興長屋、ところが時間が中途半端な日曜だったからなのか、開いているお店も少なく、それ以上に人通りが途絶状態で、あまり撮っても面白くはなさそうだったので、定点観測スポット数か所を撮ってから、新たな穴場、福住の本郷菊坂町もどきへ移動しようと思った矢先、一番南端の店舗兼住宅からいたいけな極小姐の姉妹が出て来てキックボードかなんかで遊び始めたので、有難く一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、我ながら、HELIOS103って、開放でこんなに良く写るだっけ?という第一印象でした。だいぶ前にS-Mカプラ付けて、M8で以て川越の蔵の街で丸々一日試してみましたが、ピンは合ってるのに、合焦部のキレがイマイチ、その理由というのが、内面反射によるものか、或いは元々の仕様上のコマフレアだったのか、判らずじまいでしたが、全般的にぼぉっとしたカンジのコントラストの低めのダメダメレンズでしたが、今回のレベルなら、十分、連れ出して使ってやろう、という気にもなると思いました。

さて、次回は帰省予定のため、一回スキップ、何が出るかはお楽しみの、乞うご期待!!
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  1. 2020/05/31(日) 18:14:33|
  2. Mマウント改造レンズ
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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