
て、今宵のご紹介ですが、東京アラートなる意味不明のスローガンが出されてしまったため、不用意に上州の知行地に出掛けて、本人のみならず、お留守居役の老母にまで風評被害出ては宜しくないので、帰省はほとぼりが冷めるまで延期、従って、残業厳禁+一時帰休+外出自粛で余りに余った時間でリプロダクションを行った、ロシアレンズシリーズのうち、Jupiter8Mのリビルト2号機、こちらは固定鏡胴モデル3兄弟の中では、コントラストはやや低めながらも、シャープネスは申し分なく、ローパスレスのR7IIのEVFで最大倍率で拡大すると、2m弱の先のスマイル40という4cmくらいの高さの目薬瓶の裏側の説明文が読めるくらいなので、かなりのものだと認め、街撮りに連れ出した次第。
今回の個体の特徴は、G1の凸がおそらく80年代に入ってからのパープルとアンバーとピンクが混ざった、毒々しい反射光を放つギンギラコートでGは普通の薄い青紫のコートでG3がまたパープルアンバーとピンクが混ざったもので組み上げてます。
では、当日の行程に沿って、試写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONY α7RII、全コマ絞り開放による絞り優先AE撮影となります。

まず一枚目のカットですが、今回の試写も朝というか昼前に起きてから、まずランチは何にしようか?と考えることから始まって、そのランチスポット周辺から試写をスタートすることとなるのですが、ふと思ったのが、天気予報で翌週末辺りから天候が崩れてそのまま長い梅雨に突入してしまうかも知れないとのことで、その前に新型コロナ騒動直前に渋谷東急ハンズに預けておいたカメラバックを引き取りに行こうと思い、も目的地を急遽、秋葉原から渋谷に変更し、センター街奥地のハンズでカバンを引き取ってから、次なる目的地である中野へ向かうための東京メトロ半蔵門線渋谷駅への道すがら、センター街に面する沖縄料理屋の前の路上を撮ってみたもの。

二枚目のカットですが、同じく渋谷センター街の路上で、以前は外国人、日本人を問わず、路上の様子をカメラ、スマホンで撮っている人々があまた居たので、真っ黒い大きめのミラーレス機に銀色のヘンテコなレンズを人通りに向けても、誰も関心を示さず、気軽にスナップがてら試写も出来たのですが、そもそも人通りが2~3割引きの上に写真を積極的に撮りたがる国内外のツーリストが皆無に等しいので、独りだけで盛大にやっちゃうと嫌が応にも目だってしまうので、かなり控えめに遠い通行人を入れて街の風景撮ってみたもの。

三枚目のカットですが、渋谷から半蔵門線に乗って、いったん九段下まで下がり、そこで東西線に乗換え、中野に向かったのですが、中野の街もだいぶ人通りが戻り、ブロードウェイに続くサンモールというアーケードなど、ほぼ平常並みの混み具合いに戻っていたのですが、試写をしながら、ドナーを求めにペコちゃんカメラ別館へ移動するというミッションのためにはその一本東の側道を通らねばならないので、ペコちゃんカメラ本店へ続く道に足を踏み入れた途端、いつも見慣れた煉瓦造りの飲食店の店頭に「長年のご愛顧・・・」云々というコロナ影響による閉店の挨拶が張り出されていたので、名残惜しんで看板を至近距離から撮らせて貰ったもの。

四枚目のカットですが、渋谷のセンター街付近と異なり、ここ中野の北口界隈は、店の代謝が低く、老舗のお店も多く残っていて、そこここにそのお店のコンセプトを打ち出したオブヂェが配置されていて、街撮りを行う我々にとっても、好ましい被写体を用意していてくれるのですが、ペコちゃんカメラ本店の二本ほど北側の東西を結ぶ通りに在る北海道をコンセプトとした居酒屋店頭の機関車の鋼鉄製の車輪と背景の土壁をモチーフに一枚戴いてみたもの。

五枚目のカットですが同じく中野駅北口のラーメン、焼鳥、居酒屋等接待を伴わない飲食業が密集するエリアで、アーケード街から一本外れてしまうと、まだ人出も戻り切っておらず、土曜日のお昼過ぎというのに閑散とする通りに赤提灯のみ灯が点されて、いつ来るとも知れぬお客さんを待ち侘びている様子が何となく沁みるものがあったので、至近距離で一枚戴いてみたもの。

六枚目のカットですが、ここサンモールより一本東を並行する飲食店街でも、以前よりはまだまだ少ないとは言え、緊急事態宣言終息後、初の週末ということもあって、これまで、7月7日の織姫と彦星よろしく、おおっぴらに逢うこともままならなかったいたいけな若い男女のカポー達がここぞとばかりに手に手を取ってしっぽりと人通りもまばらな通りをそぞろ歩きなんかしていたので、そっと音もなく背後に忍び寄り、逢瀬の様子を一枚戴いてみたもの。

七枚目のカットですが、サンモール東の側道も早稲田通りに近いくらいの奥地になってくると、路地や裏通りも入り組んできて、それがまた昼間なので店舗が閉まっていて、妙な非日常感を醸し出してくれるのですが、その中を、大黒天、ないし大国主命よろしく白い巾着袋を肩から下げたいたいけな若い小姐が何の臆面もなくすたすたと歩み入っていったので、その意外な組み合わせに驚き、後ろから一枚戴いてみたもの。

八枚目のカットですが、ここサンモール東側のエリアには、新宿三丁目、或いは浅草観音裏、吉祥寺ハモニカ横丁の如き、接待を伴う夜の飲食業における昭和の残滓が至る所に佇んでおり、大学時代から中野には足を運んでいたのに、つい5~6年前に初めて発見した歌舞伎町奥の風鈴会館の改装前の姿か、或いは渋谷の宇田川町辺りの再開発に取り残された雑居ビルの双子の生き残りみたいなおどろおどろしい造形、色使いの建物が残ってしかも現役として供用されているのですが、その手前の通りでいたいけなカポーがネコを見て癒されていたので、遠目で一枚戴いてみたもの。

九枚目のカットですが、話は前後しますが、画面の中のいたいけなカポー達がしゃがんだり、みゃおみゃおと奇声を上げていたので、もしや中野に渦巻く、生類憐みの令によるお犬様屋敷が残した畜生霊にでもとり憑かれたのかと思って、恐る恐る近寄ってみれば、黒猫と三毛猫もどきが閉まっている店舗前の段ボール箱の上で昼寝していたので、何とか手名付けようと無駄な努力をしていたので、一枚撮らせて貰うよ、と割り込ませて貰って撮ってみたもの。

十枚目のカットですが、今回は50mmレンズなので、正面の通りからでは、おどろおどろしい雑居ビルの全貌を写し切れないので、いったん、側道の戻り、もう一本北の東西通路の入り口付近から建物の全景を狙おうと歩き出した矢先、だいぶ前に気づいていた、ベニア板に手書きのイラスト看板の向こうをお手々こそ繋がないまでも中年のカポーがしょうがないしょうがない云いながら歩き去ろうとしていたので、かろうじて背景に収め一枚撮ってみたもの。

十一枚目のカットですが、例の雑居ビルの東側通路入り口付近にて、50mmの画角で何とか撮れるクリアランスが確保出来る位置を探り当て、さぁて、スターウォーズに出て来そうながめついヒューマノイド型エイリアンが経営する酒場が密集していそうな雰囲気の古びてはいるが、不可思議な造形と色使いの雑居ビルの全景を撮ろうとした矢先に自販機で何か買おうと云う白髪のご老人が現れ、いーぞ、いーぞ♪とシャッター押す直前に速足で飛び入り参加したステテコ姿のヲッサンとマンボパンツ小姐のカポーも一緒くたに撮ってしまったもの。

十二枚目のカットですが、無事、中野ブロードウェイ最奥部に鎮座ましますペコちゃんカメラ別館で結構な掘り出し物を三点も買えて、しめしめ、これで当面、改造パーツには困るまい♪とホクホク顔で再び駅を目指そうと思ったものの、屋根付きで人通りも密なサンモール経由では思うように試写出来そうにはないので、さきほど通った道より更に一本東の「中野新道」というよりマニアックな飲み屋街に足を踏み入れるや否や、自転車のオモニを追い越すべく、奇声を上げたいたいけな童子が走ってきたので、通りの一部として一枚撮ってみたもの。

十三枚目のカットですが、不審者モード全開で中野新道の昼の顔をきょろきょろと眺めながら駅に向かって歩いて行ったら、バミューダパンツ姿の若いヲヤヂがオカッパ頭の男の童子の手をひいて、楽しそうに語らい合いながらすれ違っていったので、場所とアンマッチな組み合わせに面白さを感じ、即座に振り返り、その幸せそうな後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

十四枚目のカットですが、中野新道もペコちゃんカメラの近くまで来たら、先行き、あまりお店もなくなってきたので、サンモール方面へ戻ることとし、サンモールを東西に貫く路地のようなところを歩き出したら、珍しい材質の赤提灯とは言えないような赤いセルロイドっぽい宣伝ぼんぼりにこれまた「カッパ」という見方によっては潔いとさえ言えるような屋号が記されたもつやき屋さんがあったので、暇そうな店番の中年小姐に今日は寄れないけど、宣伝するから撮らせて、と頼んで一枚撮ってみたもの。

十五枚目のカットですが、駅に戻る前にもう一か所、無くなってしまう前に撮っておきたいものが有って、そこに立ち寄ったのですが、それは何かというと、冒頭でご紹介した煉瓦造りのレストランカフェ「BRICK」さん店頭の年季の入った青銅とキャストガラス製の街灯で、心の中で永年ご苦労様でしたと声かけながら、最短距離で一枚戴いてみたもの。
今回の感想ですが、いやはや、コピー製品のしかも寄せ集めのリビルト品でも、ゾナーってイイですね。
レンズの特性に関し、フィルムのように感光面の厚みとプラスティックフィルムを巻いていることによる甘いフラットネスと違い、SONY製の裏面照射型CMOSのしかもローパスレスは古いレンズには過酷極まりないテストベッドですが、周辺のひずみも解像度低下も殆ど認められず、満足いく試写結果を出してくれたのは、天才ベルテレの遺徳によるものだと改めて感じてしまいました。
さて、次回は田舎に帰らなければ、JUPITAR8Mの三号機テストはちょっとひと休みして、国産のコンパクトRFのレンズを例のテストベッドで試写した結果でもお送り致しましょう、乞うご期待!!
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- 2020/06/07(日) 19:17:49|
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